2007年12月21日

DR.FEELGOODの強力トリビュート・アルバム

drj.jpg
MAMORU&THE DAViESのワタナベマモルが主催するレーベル
MAGIC TONEより『ニッポンのロックンロール』が登場。
このアルバムはドクター・フィールグッドのトリビュート・アルバム。
注目の若手バンドから重鎮バンドまでパブロックをリスペクトする
全13バンドが集い、競演するかのようなホットなレコーディングを展開。
ソリッドな3コードの魔力がたっぷりの一枚である。
シンプルなゆえにそれぞれのサウンド・キャラクターやこだわり、
独自のスタイルが露呈している部分も聴きどころ。
何しろ一癖も二癖もある面子が揃っているので
とにもかくにも聴いてみないと始まらない気がする。
MAGIC TONEのサイトで試聴もできるので要チェック!

気になる参加アーティストと収録曲は次の通り。

V.A./ニッポンのロックンロール〜Dr.FEELGOOD TRIBUTE〜
MAGI-0001/¥2625(taxin)
1.SEE YOU LATER ALLIGATOR / 3 CHORDS
2.GOING BACK HOME / 赤羽ブリロー
3.DOWN AT THE DOCTORS / MAMORU&THE DAViES
4.That's it,I Quit / 石橋 勲BAND
5.ROXETTE / 夜のストレンジャーズ
6.ROUTE66 / Mooney&His Lucky Rhythm
7.I'M A HOG FOR YOU BABY / THE PRIVATES
8.SHE DOES IT RIGHT / VIOLETS
9.BEST IN THE WORLD / マボロシハンターズ
10.MILK & ALCOHOL / ミステルズ
11.KING FOR A DAY / 赤羽ブリロー
12.SHE'S THE ONE / TERRY SHIMAMURA GROUP
13.DROP EVERYTHING AND RUN / MAMORU&THE DAViES
14.I'M TALKING ABOUT YOU/ THE PRIVATES
15.Oyeh! / THE SWITCH TROUT
16.I DON'T MIND / 夜のストレンジャーズ
17.RIOT IN CELL BLOCK NO.9 / ザ☆ダンス天国
18.VIOLENT LOVE / トリビュートセッション


ちなみに赤羽ブリローとは、Theピーズのハル、アビ、
元メンバーのウガンダ、アキラによるスペシャル・バンド!
(ようは90年代初期ピーズの再結成ですね)

さらにこれを記念してのライヴ・イヴェントも開催決定だ。
残念ながら東京高遠は上旬に終わってしまっているのだが、
大阪公演、千葉公演、その他関連ライヴも続々決定。

『ニッポンのロックンロール〜Dr.FEELGOOD TRIBUTE〜発売記念パーティーin大阪』
12月22日 (土)大阪ムジカジャポニカ(06-6363-0848)
open 18:00 / start 19:00 前売 \2000 / 当日 \2500
出演:ワタナベマモル+あまっぺ(イグワナズ) / ミステルズ /
マボロシハンターズ
DJ:パブっ子

『ニッポンのロックンロール〜Dr.FEELGOOD TRIBUTE〜発売記念パーティーiin千葉』
12月28日(金)船橋月(047-424-0706)
※時間・料金未定
出演:ワタナベマモル / 石橋 勲BAND 他
DJ:KAWATO

『ニッポンのロックンロール発売記念炎のパブロッカーひとり旅』
出演 ワタナベマモル他
12月14日 (金) 札幌HALL SPIRITUAL LOUNGE
12月15日 (土) 旭川CASINO DRIVE
12月16日 (日) 帯広ふた葉亭
12月21日 (金) 名古屋K.D japon
12月27日 (木) 水戸90EAST
1月25日 (金) 富士アニマルハウス
1月27日 (日) 京都ウーララ
1月28日 (月) 高松Bar RUFFHOUSE
1月29日 (火) 高知J's BAR
1月31日 (木) 広島スマトラタイガー
2月1日 (金) 宇部DUO (予定)
2月2日 (土) 湯田Organ‘s Melody

『ニッポンのロックンロール-Dr.Feelgood Tribute-タワ-レコード新宿店インストアイベント』
1月14日(月・祝)17:00 START タワーレコード新宿7F 
(問)タワーレコード新宿店 03-5360-7811
出演: ワタナベ マモル・オカベタケシ(MAMORU & The DAViES)/
大木温之(赤羽ブリロー/Theピーズ)
/パッチ(VIOLETS/RADIO CAROLINE)/ミウラ(夜のストレンジャーズ)
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2007年11月28日

『FREED』はTHE MODSの新たな代表作か!?

modsfreed.jpg
 THE MODSといえば1981年のデビュー以来、不動の四人編成だった。昨年はデビュー25周年ということもありそれを記念してのアイテムも数多くリリースされて、改めて四半世紀を第一線で駆け抜けてきた偉大さを再認識したのだが、まさかその先にドラマー・梶浦雅裕の脱退劇が待ち受けていたとは誰も想像していなかったはず。このアクシデントにさすがに不安を抱いたファンもいただろうが、THE MODSは「新たなパーマネント・ドラマーを入れることは考えていない」という声明をいち早く発表。サポート・ドラマーを起用して彼らの活動は止まらなかった。周囲の不安を打ち砕くように、6月22日にはシングル『Hello』(ROCKAHOLIC)をリリース。“終わる日まで 壊れるまで そう死ぬまで生きよう”という森山達也のメッセージがこめられたこの曲は、THE MODSの新たな門出の曲だったと思う。ちなみにこのシングルに収録された「Hello」「Black Telecaster」「Congratuklation Song」は、アルバム未収録なので要チェック。

 そして11月21日、待望のニュー・アルバム『FREED』(ROCKAHOLIC)がリリースである。“越えて行け”という力強いメッセージが放たれる冒頭の「a Song」からして、シンプルで明快なメロディとギター・フレーズが開花した、かなり風通しの良いシンガロング・ナンバーだ。アルバム全体を通してドラマー、オルガンのサポートを迎え入れたバンド・サウンドが新風を巻き込んでいるようだが、何よりニュー・モードで吹っ切れている様はそのソングライティングにあふれている。『FREED』は間違いなく新たな扉を開けた意欲作だ。

 森山達也が「Let It Glow」で“INNOCENTに還れ”と歌っているのが印象的だったのだけれど、その森山達也の歌声が物凄くピュアで若返って聴こえるから驚きである。そして、森山達也と苣木寛之のソングライター・チームならではのキャッチーなメロディ・ラインに呼応するように、リズム・アプローチもさらに横幅を広げている。「Gands Are Comin'」での怒濤のリズム展開なんてグッと気まくりだし、ツイン・リードのギター・ソロも物凄くキマッている。この曲のみならず、『FREED』は実に重厚で味わい深いギター・ロック・アルバムなのだ。

 『FREED』は今後、“『FIGHT OR FLIGHT』『NAPALM ROCK』などの代表作と並べて語られるアルバムになるのでは!?”なんて真剣に思う。古き良き時代のアメリカン・ロックの空気を甦らせたような「Wild Baby Love」の美しさ、苣木寛之のユーモラスな歌詞が興味深い「Work Hard & Little Pay」などなど、とにかくヴァラエティに富んだ楽曲が詰まっている。もし“そういやTHE MODSってまだちゃんと聴いたことがないんだよなぁ”というひとがいるのならば、このアルバムを入門編にしてもいいのではないか? また、ギター・サウンドやドラムの音処理なども一辺倒ではなくて、楽曲ごとにいろんな趣向の音を鳴らしているようで、その辺を聴きこんでいくのも楽しい。ソリッドでストレートなバンド・サウンドのようでいて、味わい深い音世界を構築してみせたTHE MODSの新たな野心作。ぜひ御堪能あれ。

 そして、『FREED』を引っさげての全国ツアーも展開中だ。

●THE MODS LIVE TOUR 2007-2008 “FREED”
11/29(木)京都 MUSE
12/1(土)名古屋 ボトムライン
12/2(日)長野 CLUB JUNK BOX
12/7(金)川崎 CLUB CITTA'
12/9(日)神戸 VARIT
12/11(火)高松 DIME
12/13(木)高知 X-pt.
12/15(土)大分 T.O.P.S
12/16(日)長崎 DRUM Be-7
12/22(土)山形ミュージック昭和SESSION
1/11(金)富山 club MAIRO
1/13(日)大阪 BIG CAT
1/14(月・祝)三河安城 夢希望RADIO CLUB
1/17(木)広島 ナミキジャンクション
1/19(土)福岡 DRUM LOGOS
1/27(日)SHIBUYA-AX
2/2(土)札幌 PENNY LANE 24
http://www.themods.jp/
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2007年11月25日

デビュー・アルバムを2枚作ったバンド SOFT

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N.Y.から突如現れたニューカマー、SOFT。
http://www.thebandsoft.com/
http://www.fabtone.jp/band/soft.html
2006年に1stアルバム『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』(FABTONE RECORDS)を国内でもリリースした彼らは、同年ウドフェスなどで来日公演も実現させている。いわゆるギター・ロック/インディ・ポップ世代が彼らの音楽を聴いて熱狂したのは、何よりその音楽性が驚くほど英国ロックのぽっかり空いた穴を埋めるようなスケール感とダンサンブルなグルーヴにあふれていたことに起因する。語弊を恐れずに言ってしまえば、“THE STONE ROSESが『SECOND COMING』でやり損なったこと、それを徹底していたならばこんなアルバムになったのでは?”ってこと。

MY BLOODY VALENTINEのまさかの久々のツアーが発表されたり、PALE FOUNTAINSの再結成ライヴも実現したりと、ネオアコ/ギター・ロック/シューゲイザーetc.80〜90年代の英国ロックにいろいろと感化されて育ってきた人間には、ここ最近の音楽シーンの展開は非常にワクワクする。通り過ぎてしまった青春が今また戻ってきたように錯覚するほどだ。先述のかつてのビッグ・ネームだけにとどまらず、新人バンドでも非常に有望なのが多くて、ここに紹介するSOFTはその筆頭と言える。実際、ストーン・ローゼズの再来とか、ローゼズ+マイブラみたいな言われ方もしていて、その手の宣伝文句がつくたびに「おいおい」と思ったバンドも多く見てきたわけだが、『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』に関しては「うーん、なるほど」と思った。同様の感想を抱いた人も多いだろう。

もっとも、真にローゼズ+マイブラなわけではないのだが、THE STONE ROSESの『SECOND COMING』のサウンドは革新的だし、確かに良いと思うけれど、1st『石と薔薇』に匹敵するキャッチーなメロディがもっとあればなぁという意味で、期待外れな感想を抱いた人もリアルタイム世代では確実にいるのである。その物足りなさを見事埋めたかのような、シミュレーションの結果みたいな面白さがSOFTの『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』にあったのは驚いた。人力ドラミングによるダンサンブルなグルーヴに、空間系エフェクトも多用した重厚なギター・サウンドの絡み、そして甘いメロディ・ラインとスケール感…。これぞポスト『SECOND COMING』だと僕なんかは思った。しかも、国内盤の帯には“僕らの待ち焦がれた本当のセカンド・カミング”というキャッチフレーズ。同じような感想を抱いているのは自分だけじゃないんだな、っていうのがわかっておかしかった。
soft2.jpg
さて、『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』に続く新作を待っていたところ、FABTONE RECORDSより『GONE FADED』が届けられた。
http://www.fabtone.jp/
早くも2ndか!?と小躍りしていたら、なんと世界デビュー盤なのだという。タイトル曲の「GONE FADED」をはじめ、「TEN TIMES STRONG」「DUMB BLOOD」「DOES IT EVER GET OLD」といった新曲もプラスされているが、ほかは『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』の曲が並んでいる。ジャケットも『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』のダークなイメージから一転、これで良いのかどうかはわからないけれどとりあえず明るいイメージのものに…。まぁ、世界デビューの戦略もあるんだろうしなぁ、と最初は思っていたんだけれど、なんと聴いてみたら、『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』収録曲もまた新たに録り直したりしているというのだから驚いた。つまりこのバンド、デビュー・アルバムを録り直したのである。

『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』を愛聴してきた人間には『GONE FADED』っていうのはちょっと厄介にも思えるアルバムなのだけれど、『GONE FADED』はもっとヴォーカルが真芯に出てきていて、くっきりした音像が印象的だ。『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』はそれと比べるとインディっぽさというか、やや混沌とした音世界っていう気がする。でもそこも魅力であり、僕の好きなポイントなのだけれど。聴き比べてみても面白いんだけれど、これから聴きはじめるリスナーにとっては曲数も多いし『GONE FADED』が入り口になっていくんだろうなぁ。

再録曲と合わせて収録された新曲もとてもメロディアスで良くって、ギター・サウンドの奥行きもより広がっている印象も受ける。『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』リリース後にいろいろ紆余曲折はあったようだけれど、アルバム一枚で終わってしまうようなバンドではないようだ。これからがかなり楽しみ。

サムとヴィンセントという二人のギタリストを擁しているSOFTであるが、どうやらふたりともセミ・ソリッドのギターをプレイしているようでその辺も面白い。しかもふたりともハム・バッキング…。わりとテレキャスター系を使う新人バンドが目立つなか、ちょっと気になる部分である。
また来日公演が実現するといいんだけれどなぁ。
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2007年11月21日

トクマルシューゴは最先端ポップのマッド・サイエンティスト!?

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随分乗り遅れてしまっている感は否めないのだけれど(汗)、
『EXIT』(P-VIne)というアルバムを聴いて
トクマルシューゴに衝撃を受けている昨今である。
http://www.shugotokumaru.com/
このアルバムは本当に凄い。
ひょっとしたら今年聴いたアルバムのなかでも最も衝撃的かも。

そもそも彼の1st『Night piece』('04年)、2nd『L・S・T』('05年)は
国内でリリースされる以前に海外でリリースされて大きな反響を呼んだ。
つまり逆輸入のかたちで広まったのである。
ありとあらゆる楽器、楽器とはほど遠いものさえも楽器として扱い、
聴感上としては、気が狂っちゃいそうなほどダヴィングを繰り返して、
まったく唯一無比の音世界を構築しているのにもびっくり。
(ようは打ち込みのまったく逆、人力でやっているわけです)
その作風に僕などはマイク・オールドフィールドの
『チュブラー・ベルズ』とかあの辺に通じるものも感じたのだけれど、
今の子たちはエレクトロニカ/ポスト・ロックの発展型として
彼の音楽を聴くんだろうか?
そんなジャンルなんかどうだっていいか。みんな気にしないんだろうな。
exitj.jpg
いずれにしろ新しいポップ・ミュージックだと思う。
特に『EXIT』は歌ものとしての魅力が前面に押し出されていて、
かなり不思議な歌詞の世界と彼のソフトな歌声も聴きどころだ。
楽器好きとしてはどうしてもそのサウンドに耳が行っちゃうんだけれど、
弦楽器奏者としての腕前もかなりのようであり、
楽曲によっては意図的にチューニングをずらして
民族音楽チックな楽器プレイにトライしていたりと、
ツッコミどころ満載のトライアルがまた楽しい。

僕はまだライヴを観たことがないのだけれど、
MCも独特のマイペース・モードで観どころなのだそうだ。
12月よりレコ発ツアーもあるので目撃しようと思っております。
みなさんもいかがでしょう?
(会場によってはすでにチケットがソールド・アウト状態のようですが…。)

トクマルシューゴ 『EXIT』発売記念ツアー
12/6(木) 開場18:00 / 開演19:00 名古屋 今池TOKUZO
■トクマルシューゴ&ザ・マジックバンド
■OGRE YOU ASSHOLE

12/7(金)開場18:00 / 開演19:00 大阪 梅田シャングリラ
■トクマルシューゴ&ザ・マジックバンド
■PARA
■ウリチパン郡
■neco眠る

12/9(日) 開場18:00 / 開演19:00 東京 代官山UNIT
■トクマルシューゴ&ザ・マジックバンド
■キセル
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2007年10月23日

遂にSCARLETのニュー・アルバムが出る!

scarleta.jpg
Thanks to RAINBOW ENTERTAINMENT

橋本洋介(vo,g)、林束紗(vo,b)、宗村つとむ(ds)による
男女ツイン・ヴォーカルの3ピース、SCARLETが、
約二年振りとなるミニ・アルバム『Shortfilme』を
11月14日にRAINBOW ENTERTAINMENTよりリリースします。
http://www.scarletweb.net/
待ちわびていたひとも多いことでしょう。

林束紗は今年、浅井健一のソロ・ライヴに
ベーシストとして参加したことでも注目を集めました。
ちなみに、僕もなんの予備知識もないままに浅井健一のライヴを観に行き、
“あの可愛くてカッコ良い女性ベーシストは誰なんだろう?”
なんて思っていた節穴の目を持った男です。
後日レインボーのスタッフの方に
「あれはSCARLETの林束紗ですよ」と言われたときは
相当びっくりしました。…全然気づけませんでした。
それでそういや、SCARLETって何やっているんだろう?って
思い起こすようになったのが、正直今年の初夏だったのです。

僕自身、ネオアコ/ギター・ポップ系の音楽に目がないこともあり、
前作『HEART ALBUM』もPlayerでディスク・レビューも書いたっけ。
scha.jpg
「SCARLET『HEART ALBUM』
 '04年デビュー、キラキラしたギター・ポップ・サウンドと男女混合ヴォーカルで、じわじわとポップ・ファンの心を鷲掴みしつつあるスカーレットの2nd。2ピースが生み出す独自の浮遊感はみずみずしさを増す一方だ。シンプルながらも深い透明感を感じさせる橋本洋介のギター・サウンドと、ポップ・ヒロインとして脚光を浴びている林束紗のベースとの絡み合いも見事だが、宗村つとむのパキパキしたタイトでダンサンブルなドラミングが実に良い仕事をしている! 音響系テイストも加味した、何処かスペーシーで明るい未来を感じさせる辺りはさすが。ライヴでお馴染みの曲を含んだ現時点のベスト的意味合いの一枚。」
scsh.jpg
でもって、新作『Shortfilme』ではどういう感想を抱いたかというと、
『HEART ALBUM』のレビューで書いたこととやはり同じような印象でした。
つまりSCARLETのピュアなギター・ポップは健在だってこと!
しかし二年の歳月のうちにバンド・サウンドはよりパワー・アップしていて、
3ピースのサウンドは骨太でさらに歯切れのあるものに変化を遂げています。
そしてリズミカルな言葉選びでユーモアたっぷりの世界を描きつつも、
その描写はより大胆に、ドキッとさせられるものになっているようです。
映像が浮かぶ詞世界は、橋本洋介が書いても林束紗が書いても何処か似ていて、
一見では区別つかないほど。よくよく読み込むと、一人称の使い方や
言葉の表記などで書き分けが推測できるようになるんですけれど。

冒頭を飾るタイトル曲「Shortfilms」は束紗嬢のヴォーカルをフィーチャーした曲で、
スピーディなバンド・サウンドでいきなり驚かされたりもしたけれど、
ライヴで観ると圧巻の一曲です。
ほかの曲では、橋本洋介の滑らかで肌触り良いヴォーカルと、
林束紗のウィスパー・ヴォイスの絡みという、
SCARLETの醍醐味が言わずもがな、たっぷりです。
全曲ハズレ無しの素晴らしい内容に仕上がっていました。

SCARLETはバンドとしてのさらなるパワー・アップをテーマにしつつ、
現在全国ツアーを精力的に展開しています。
10/28(sun) 代々木 Zher the Zoo
11/2(fri) 甲府 KAZOO HALL
11/5(mon) 仙台 JUNK BOX
11/6(tue) 柏 ZAX
11/11(sun) 渋谷 CHELSEA HOTEL
11/12(mon) 西川口 Hearts
11/17(sat) 金沢 VAN VAN V4
11/18(sun) 前橋 RATTAN
11/22(thu) 横浜 F・A・D
11/29(thu) 宇都宮 HEAVEN'S ROCK
12/3(mon) 大阪 2nd LINE
12/5(wed) 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL
12/6(thu) 京都 MOJO
12/7(fri) 神戸 STAR CLUB
12/9(sun) 福岡 CB
12/18(tue) 代々木 Zher the ZOO
バンドとしてさらに良い状況を迎えつつあるだけに
今、ライヴは観ておく価値大です。

それにしても、橋本洋介、林束紗御両人のヴォーカルって
凄いセンシティヴなので、下手するとバンド・サウンドに
埋もれてしまいそうなイメージがあるのに、
ライヴでもちゃんと歌詞が聴きとれるし、バッチリ聴こえるんです。
二人ともマイクはシュアのベータ57を愛用しているそうですが、
ウィスパー系のヴォーカルと愛称良いのかな?
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2007年10月16日

ICEのニュー・アルバム『『Speak Low』が完成!

icea.jpg
Thanks to ROPPONGI WAVE RECORDS

宮内和之(g,vo)、国岡真由美(vo)率いるICEは
なんと今年デビュー15周年だそうです。
9月にはユニバーサルより最新ベスト・アルバム
『MUSIC FOR THE BEAUTIFUL DAYS 1993/2007』がリリースされましたが、
通算12枚目となるオリジナル・アルバム『Speak Low』(XNRW-10004/3,000円)が
10月24日にROPPONGI WAVE RECORDSよりリリースされます。

ROPPONGI WAVE RECORDSとは音と映像の専門店「WAVE」が
創立30周年を記念して設立したレーベル。
渋谷系ムーヴメントの火付け役を果たしたことでも著名な「WAVE」が、
「大人のための、楽しく、良質な音楽」という意思で
今後精力的なリリース活動を行なっていくのだそうです。

それにしても、思ったよりも短いインターバルでの
ニュー・アルバムのニュースに狂喜しているひとも多いでしょうね。
宮内アニキの音楽的なトライアルがどんどん真摯に、
そして緻密になっていく一方なので、
“この先2〜3年に一度のリリースになるのは覚悟かなぁ…”
なんて個人的にも思っていただけに嬉しいニュースです。
ここ数年のICEは、作品制作によるイニシアティヴをより強固にしてきていて、
その徹底した音の作り込みには本当に驚かされます。

前作『RIGHT NOW!』は最新型ICEのスタイルとトライアルが満載で、
サウンド面でもいろいろ新境地がありました。
生ドラムだと思っていた曲が次は打ち込みだったりして
面喰らったりしたのも記憶に新しいんですが、
最新のテクノロジーで理想のバンド・サウンドをシミュレートしているような、
そういうエッセンスも聴きどころだったと思います。
あと宮内アニキのアコギ・プレイが随所でフィーチャーされていましたよね。
icej.jpg
さて新作『Speak Low』ですが、遂に全編完全なるバンド・サウンドに回帰しています。
それでいて音もますますソリッドになっていて、これまた新境地の装い。
突き詰めた音数と生身のグルーヴが前面に押し出されており、
ICEならではのクールかつソウルフルなサウンドが満載です。
'96年リリースの『We're in the Mood』『SOUL DIMENSION』辺りに
衝撃を受けたことがあるひとなら絶対痺れること間違いなし。

ギター・プレイもストイックなリフ・ワークやカッティングから、
一転してソロではぎゅいんぎゅいん弾きまくっていたりと、
宮内和之ならではの押し引きの絶妙さとバランス加減がさらに極められています。
さらにはエレキ・シタールのソロ・プレイをフィーチャーした曲も聴きどころ。
真由美姉さんの透明感あふれるセクシー&ウィスパー・ヴォーカルも健在で、
鳥肌たつくらい奇麗な音像に驚かされるアルバムです。
この辺りもICEならではのレコーディング・マジック…!

しかも、久々に宮内アニキと斉藤和義の共演が実現!
斉藤和義が一曲でブルース・ハープを吹いているのも話題です。
“最近ICEご無沙汰だなぁ…”なんていうファンのひと、
そしてまだICEを聴いたことがないっていう若いリスナーにも、
ぜひぜひこの機会に聴いていただきたい一枚です。

そして願わくば久々にライヴが実現するといいなぁ。
アニキ、姉さん、頼むぜ!
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2007年09月13日

大城クラウディア『Claudia』

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宮沢和史、高野寛、マルコス・スザーノ、フェルナンド・モウラ、
tatsu(レピッシュ)etc.国境線を越えた猛者達によって結成されて、
精力的なライヴ/レコーディング活動を展開するバンド、GANGA ZUMBA。

そのGANGA ZUMBAでソウルフルなヴォーカリゼーション、
曲によっては流麗なコブシを震わせた歌声を聴かせて、
時折三線も奏でる女性ヴォーカリスト、大城クラウディア。
地に足を付いた…という表現が正しいかはわからないけれど、
可愛らしいルックスとはある種裏腹とも思えるような、
エモーショナルな歌声にライヴを観たひとは圧倒されるはず。

その彼女が宮沢和史のプロデュースによる初ソロ・アルバム
『Claudia』(SARAVA/Five D)をリリースした。

9月2日(日)に渋谷AXで行なわれたGANGA ZUMBAの公演中、
ソロ・セットで「美しい島」(ハシケンの作詞作曲)を披露していたが、
この曲はあえてコブシを用いない、ストレートに歌うアプローチ。
クラウディアの透きとおった歌声がとにかく美味だった。

『Claudia』では「二見情話」で宮沢和史と重厚なデュエットを聴かせたり、
「美しい島」「二見情話」は宮沢和史のほか、
GANGA ZUMBAのメンバーでもある土屋玲子、
さらにはギタリストで平安隆も参加。
そのほかの曲では我如古より子グループが香しい沖縄の音を奏でている。

ところで驚いたのは、僕は勝手に彼女を沖縄出身の歌手だと思い込んでいたけれど、
正しくは南米アルゼンチンのブエノスアイノス出身であり、
沖縄出身の日系移民二世として生を受けたひとだ。
宮沢和史との出逢いも、THE BOOMの「島唄」をカヴァーした
アルフレッド・カセーロのレコーディングに参加してたのがきっかけだそう。
以来、宮沢和史のソロ・ツアーを経てGANGA ZUMBAに参加している。
この混血具合もまた、GANGA ZUMBAにピッタリのメンバーだとつくづく思う。

ブックレットの彼女の写真が愛らしい笑顔ばかりなのも印象的だ。
アルバムには反戦の想いを込めた楽曲も含みつつも、
多くはラヴソングが並んでいる。
あっという間に猛暑の夏が遠ざかってしまってあっけにとられている昨今、
終わりゆく夏の推移をクラウディアの美声とともに見届けたい。

なおGANGA ZUMBAは今夏、イヴェントにも多数出演中。
まだ観られる会場もあるのでチェックしてみては?
9月16日(日) 栃木県真岡市井頭公園・運動広場
問フリップサイド宇都宮 028-633-1009
9月24日(月・祝)盛岡城跡公園
問いしがきミュージックフェスティバル実行委員会事務局 019-626-1459
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2007年08月28日

オーガニックなペンギンたち

pce.jpg
ペンギン・カフェ・オーケストラ…まさか今になって
ペンギン・カフェについていろいろと思い巡らせるとは
まったくもって思ってもみなかったのだけれど、
333DISCS/commmonsよりリリースされた
PENGUIN CAFE ORCHESTRA『best』、
そして、坂本龍一+高田漣、高橋幸宏、Haas(高野寛)、
嶺川貴子、スティーヴ・ジャンセン etc...が参加した
『PENGUIN CAFE ORCHESTRA TRIBUTE』が話題になっています。

若い子たちにペンギン・カフェと言って何処まで通じるのかな?
ただ80年代ニューウェーヴをリアルタイムで過ごしてきた世代には
なんとも懐かしい響きであります。

ペンギン・カフェ・オーケストラは英国のインスト・バンド。
なんとも無国籍で捕らえどころがなくて、
特に弦楽器の調べがユニークで鮮烈だった印象があります。
偉大なる聴き流し系音楽といいますか、
個人的にはそんな感じで肩の力抜いて聴いていました…
もう何十年も前の話ではありますが。

今回縁があって久し振りに聴き直してみたわけですが、
最近カフェなどでふと耳にするオーガニック・テイストな
インストものの源流ってこの辺にあるのかな?とか再発見。
何処か無責任なような、自由さにあふれているのだけれど、
聴きこむと非常に整合性のとれた音楽が展開されているのが深い。
上記の豪華面子よるカヴァー大会に関しても、
あんまり考え過ぎないで気楽にやったようなテイストが良いです。
それでいて、透明感のあるクールな音像だけれど、
ちゃんと体温を感じさせてくれるのが肝になっている気がします。

個人的には“ミュージシャン・嶺川貴子”の
久々の音が収録されているのも嬉しかったです。
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2007年07月21日

ニューヨークの“ギターDNA”を持つオズ・ノイ

OZNOY.jpg
ジェームス・ブラッド・ウルマー、ソニー・シャーロック、
ジャン・ポール・ブレリー、そしてジョン・スコフィールド、
マイク・スターン、デヴィッド・フュージンスキー。
70年代から脈々と繋がるこの流れにピンとくる人なら
納得のギタリストがオズ・ノイだ。

その新作『ファジー』が8月22日にリリースされるが、
これがなかなかの聴き応え。
ソロ、カッティング、リフとスタイル化されてしまった
ギター・プレイのどれにも当てはまらない音楽表現力は、
やはりニューヨーク・シーンに起因するのだろうか・・・
しかし彼はイスラエル出身だということも付け加えておこう。

異形のリックとも言えそうなフレージングは素朴で荒削りなのに、
思いのほか人肌だったりする。
彼いわく、「サウンドは楽曲の一部」だというその音色は、
ストラトキャスター+多数のエフェクターによって構築するらしいが、
とりわけ活躍するのはオクターヴ・ファズと2台のDL4。
これらは既に彼の体の一部になっていそうな気配だ。

アルバムではプリンスのカバーを、
ライヴではミーターズのカバーもしていたが、
彼のグルーヴの原動力にはファンクが、
しかし旋律の中には哀愁が息づいていることも魅力だろう。
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