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ARW

JON ANDERSON TREVOR RABIN RICK WAKEMAN
イエスのアンダーソン、ラビン&ウェイクマンが、26年振りに同じステージに立つ!


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Deborah Anderson Creative

ex.イエスのジョン・アンダーソン(vo)、リック・ウェイクマン(key)、トレヴァー・ラビン(g)が集結したスーパーグループ、アンダーソン・ラビン・ウェイクマン(ARW)が2017年4月にジャパンツアーを行う。「ロンリー・ハート」を全米チャート1位へと導き、80年代イエスの舵を取りながら1994年に脱退、数々のハリウッド大作映画の音楽を手がけてきたトレヴァーが、ARWでロックに本格復活を果たしている。

昨年10月から12月にARWの北米ツアーを行いましたが、久しぶりの本格的なライブの感想はどんなものですか?
ツアー初日はすごく緊張した。あまりに長い間、お客さんの前でギターを演奏することがなかったからね。でも5分もすると、まったくブランクがないような気がしてきた。すごく自然だったんだ。とても楽しんでいるし、しばらくは続けるつもりだよ。ツアーをして、レコーディングしてからまたツアーをやる。止まる理由がひとつもないんだ。このままだとステージに上がるのに杖が必要になるまでツアーを続けることになるよ。
ARWの新曲は日本のステージで披露しますか?
それも考えたけど、まだ完成していないし、急ぐ必要はないと思ったんだ。ライブ会場を訪れる多くの人たちはイエスの名曲を聴きたいだろうし、今回のツアーではクラシックスを中心にプレイすることにしたよ。ARWとしてのツアーは今回だけではないし、新曲は今回でなく次回のツアーでプレイするよ。

こちらが昨年11月の米国ライブでの「ホールド・オン」の様子。ジョン・アンダーソンが歌うとまさしくイエスになる。



■来日公演スケジュール 4/17(月)、18(火)、19(水)東京・オーチャードホール 4/21(金)大阪・あましんアルカイックホール 4/22(土)広島・クラブクアトロ 4/24(月)愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール [問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999 udo.jp

17.4月号(3/2発売)でトレヴァー・ラビンのインタビュー掲載

ROBERT RANDOLPH & THE FAMILY BAND

ペダルスティール界のジミ・ヘン! 個性派ゲストも参加した新作完成!

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ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンドの新作アルバムのタイトルは『ガット・ソウル』。その表現豊かなペダルスティール・ギターを駆使して、ブルースやロック、ゴスペルなど多彩な音楽性で魅せるロバートだが、その根底にあるのはジャンルを超えた“ソウル=魂”の探求。音楽遍歴の原点へと回帰したサウンドは、本能的な昂ぶりとエモーションに満ちている。「ギター、ボーカル、曲作り…あらゆる面で誇りにしている」という自信作を完成させたロバートは、その“ソウル”を開け放って雄弁に語ってくれた。

前作『リケティ・スプリット』(13年)から約3年半ぶりのアルバムとなりますが、どんな活動をしてきたのですか?
3年というと長い年月のように思えるけど、ツアーをして曲を書いていたんだ。さらに(サイドプロジェクトの)ザ・ワードとしてのレコーディングもしたり、けっこう忙しかった。アルバムを作るにあたって、2タイプのどちらかにしようと考えたんだ。ひとつはパワートリオのロックアルバム。もうひとつがソウルフルなアルバムだった。現在の世界情勢を考えて、ポジティヴなメッセージを伝えたかったんだ。みんなでトゥゲザーになろうってね。喜びとハピネスをもたらして、大勢の人をひとつにしたかった。それと同時にみんなを動かせ、踊らせる音楽をやりたかったんだ。
フーティ&ザ・ブロウフィッシュのダリアス・ラッカーとは元々、付き合いがあったのですか?
うん、数年来の友人だよ。「ラヴ・ドゥ・ホワット・イット・ドゥ」はアルバムの最後に書いた曲なんだ。それまでニューヨークで5日をかけてレコーディングして、ナッシュヴィルでオフを取った。そのオフ日にジャムをやって書いたのがこの曲なんだ。ソウルでもありフォークでもあり、カントリー・サザン・サウンドの雰囲気もある。で、この曲はダリアスに歌ってもらったら最高だと思った。 この曲はビデオも撮影するから、彼にも出てもらうよ。

こちらが「ラヴ・ドゥ・ワット・イット・ドゥ feat.ダリアス・ラッカー」のPV。ソウル・フィーリングのある曲で、ロバートも絶妙なペダル・スティールをプレイしている。


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ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド ガット・ソウル ソニーミュージック CD SICP-5170 2月15日 2,200円(税抜)

17.4月号(3/2発売)にてインタビュー掲載

空想委員会NEW EP『色恋沙汰の音沙汰』インタビュー

メロディアスでドラマティックなサウンドと、リアルな歌詞が魅力の空想委員会。最新EP『色恋沙汰の音沙汰』は、そんな彼ららしい独自の音楽性をさらに磨き込んだ魅力的な楽曲が並ぶ。『色恋沙汰の音沙汰』の「色恋狂詩曲」のMVは、恋愛シミュレーションゲームがプレイできる画期的な内容で、アップから約2週間で49万回再生を記録するなど、大きな話題となった。そんな新作の魅力について、空想委員会メンバーに話を訊いた…。

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より空想委員会の色を
色濃く出せた実感がある


 2016年は『大歌の改新』や様々なフェスに出演し、その勢いをさらに増した1年だったと思います。今年1年はどんな年になりましたか?

三浦:ライブの数が多く、人前で歌うことの経験を相当積んだ感触があります。どんな場所でも、どんな環境でも“空想委員会らしいライブ”ができる自信が付きました。それは、自分たちがやりたい事を貫き通すだけでなく、その場その場でステージにいる人間が考えて、臨機応変に立ち回れるようになりました。

 ニューEP『色恋沙汰の音沙汰』は、空想委員会らしい色彩豊かなサウンド、ちょっぴり切ない歌詞が味わい深い、魅力的な4曲が収録されています。完成させた手応えはいかがですか?

三浦:前作から、約8ヶ月振りのリリースということで、沢山のライブをやりながらもじっくりと作り込む事ができました。しかも、今作はメンバー3人、それぞれ作った曲が収録されたので、より空想委員会の色を色濃く出せた実感があります。今まで持っていた空想委員会の武器と、新たな武器を上手く融合できたなと。

 収録された新曲3曲は、独自の世界観を持ちながら、よりライブ感を強めたバンドサウンドにさらに磨きが掛かっているなと。曲作りを開始したのはいつですか? 今回、新曲は三浦さんの「色恋狂詩曲」、佐々木さんの「ロマンス・トランス」、岡田さんの「見返り美人」と、それぞれ1曲ずつ収録されていますが、なぜこの曲が選ばれたのでしょう?

三浦:ライブをしながら制作活動もしていたので、曲作りが始まったのがいつか明確にわからない感覚ですね。メンバー3人とも曲を作るので、それぞれのペースで曲作りを始め、その中から良いと思える曲を並べた結果、偶然にもそれぞれの曲が採用されたという感じです。やはり、メロディが良いかどうかが一番大事なので、そこはメンバーとスタッフで慎重に選びました。

 EPを通して空想委員会らしい個性で見事に統一されていますが、曲が完成してEPとして全体的なコンセプトとかは見えてきましたか? アレンジはどの様なイメージで?

三浦:EP全体としてのコンセプトは、全ての曲が出そろった後に決まりました。4曲とも恋愛がテーマの曲が並んだので、自ずとタイトルも決まりました。アレンジに関しては、特に統一性を持たせようとはせず、それぞれがやりたい事を自由にやったのですが、不思議と僕の声で歌が入ると空想委員会っぽくなるので、そこで帳尻が合いました。どんなサウンド・アレンジに挑戦しても、大丈夫だと言う自信が持てました。

 “恋”と“音”という表現において、常にオリジナリティがある空想委員会としては、この“色恋沙汰の音沙汰”というタイトルは非常に合点がいくものですが、なぜ今回このタイトルにしようと?

三浦:アマチュア時代とインディーズでやっていた時は、ほとんどの曲が恋愛の曲でした。それは、単純に私の興味がその一点にあり、恋愛で感じた事を曲にしたくて音楽を始めたんです。でも、去年の夏くらいから、歌にしたくなるような“心の動き”がなくなって、恋愛の曲を作れなくなったんです…でも今回、久しぶりに恋愛に関する歌詞を書きたいなと自然に思えたので“近頃、音沙汰がなかった私の色恋沙汰が集まったCDですよ”という意味で付けました。やはり、バンドなので音で色恋を表現したいという想いも籠っています。

 「色恋狂詩曲」は、ハイノートのボーカルに躍動感溢れるグルーヴのイントロから大胆にテンポチェンジからAメロが始まり、疾走感溢れるナンバーに仕上がっています。この曲はどんなイメージで完成させたのでしょうか?

三浦:元々、僕のアコースティック・ギター弾き語りのデモがあったのですが、それをギターの佐々木がアレンジしました。テンポチェンジに挑戦しようと決めていたらしく、一ヶ月くらいかかったそうです。歌詞は最後にのせましたが、テンポチェンジが感情で動く様子に似ていると感じたので、曲の中で気持ちが変わっていく、ああいった歌詞になりました。サウンドに引っ張られて歌詞ができましたね。

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これからも空想委員会らしく
一歩ずつ進んでいきたい!


 「色恋狂詩曲」のMVは、恋愛シミュレーション型の斬新なアイデアが織り込まれており非常にインパクトがありましたが、なぜこの様なMVを作ろうと? 約2週間で49万再生を記録しましたが、その反応を受けていかがですか?

三浦:このような形のMVを作ろうと考えたのはスタッフチームです。MVを見た人が面白がって何回も見てくれるようなMVにしたいという想いで考えてくれたそうです。再生回数の多さは過去のMVに比べてとても多く、それだけ沢山の方が、興味を持って見てくれているのだなと感じて嬉しいです。ゲームの要素もあるので、何回も見てくれている人もいるからこそ、この数字だと思います。せっかく沢山の方が知ってくれたので、この曲をライブでかっこ良く聞かせたいなと気合いが入ります。
 シンセの太いサウンドからダンサブルなビートが絡み合う「ロマンス・トランス」は、ライブでも非常に映えるナンバーだなと。『ダウトの行進』でも「ワーカーズアンセム」のようにダンサブルな曲がありましたが、この曲や「色恋狂詩曲」というEP前半は、ライブ感溢れるグルーヴが非常に強く描かれているなと。なぜ今回こういうアプローチになったのでしょう?

三浦:作曲した佐々木曰く、「ギターロックにEDM要素を取り入れたかった」そうです。空想委員会がインディーズ時代に出したCDに入っている「空想ディスコ」という曲があるのですが、それのパート2のようなイメージでライブを意識して作ったと言っていました。やはり、佐々木が作る曲はライブをイメージしているものが多いので、自ずとライブで客席のみんなが踊れるようなアプローチが増えるのだと思います。

 「見返り美人」は実に空想委員会らしい、疾走感溢れるビートと切ない歌詞が印象的なナンバーですが、この曲はどのようなイメージで完成したのでしょう? 

三浦:岡田曰く「曲を聴いて風景をイメージさせたい」ということでした。フルートの音が入っていて、今までの空想委員会とはまた違ったアプローチだと思います。アレンジやサウンドに関しては、岡田のイメージに沿って作っていきました。みずみずしさや爽やかさは、岡田が狙っていた「センチメンタルな気持ちにさせたい」というのが成功した証拠だと思います。

 「上書き保存ガール」は、アマチュア時代からの人気曲ですが、なぜ今回再アレンジ&レコーディングしようと?


三浦:バンド史上初めて“リクエスト・ワンマンライブ”をやったんです。事前に聴きたい曲を投票してもらって、その中の人気曲を演奏するライブだったのですが、「上書き保存ガール」は結構上位の方いて驚きました。アマチュア時代の曲ですし、YouTubeにMVがあるだけでCD自体は廃盤になっているにも関わらず、聴きたいという方が多いというのを受けて、このような形で収録する事になりました。

 通常盤には、人気曲「波動砲ガールフレンド」のアコースティック・バージョンが収録されていますね。

三浦:ボーナストラックで一曲入れようという案が出たので、どうせやるなら新しい事に挑戦しようということで、このような形になりました。私がインストア・イベントで弾き語りをよくやっていたので、最初は「弾き語り」という案もあったのですが、せっかく3人組のバンドなのでアコースティックのバンドの形にしました。元々、ギターの佐々木はこういうアプローチのアレンジをやってみたかったそうです。

 初回限定盤には、「色恋狂詩曲」のMVと、特典映像として『空想野外大音楽祭』のスペシャル・セレクション映像が収められています。本映像の見所を教えて下さい。

三浦:空想委員会史上最大キャパのライブですし、何よりも、やはり野外であるというところが一番の魅力で、ライブ当日は雨が降ったのですが、それすらも演出に見えるようなライブにできたと自負しています。その時の“ライブの熱”を感じて欲しいです。野音だからこそ、雨だからこそできたライブだと思います。

 「色恋狂詩曲」のように三浦さんのボーカルはよりエモーショナルさを増していますし、「ロマンス・トランス」のように歌詞に背中を押すポジティブなメッセージを感じます。ボーカルや歌詞でどういった気持ちを込めましたか? 使用したギターとアンプとエフェクターを教えて下さい。

三浦:曲作りを始めた頃から歌詞は一貫して実際に自分が体験した事を歌っています。そこは全く変わっていないですが、ポジティブなメッセージを歌うようになったのは、自分が置かれている環境が変わってきたからだと思います。ライブ会場に空想委員会を見に来る子たちの希望のような存在になりたいという想いがあるので、「現状」と「その先」を歌いたいモードなんだと思います。そういう状態なので、歌詞に引っ張られて、歌も変わってきているのかもしれません。より自分の気持ちに正直になれている証拠だと思います。使用したギターはギブソン・ソネックス180カスタム、アンプはフェンダー・ツイン・リバーブで、ライブと一緒ですね。ギターはピックアップとネックを交換しています。

 佐々木さんのギターは、「ロマンス・トランス」エッジの効いたリフや「見返り美人」のカラフルなアルペジオなど、よりその存在感を増しているなと。どんなイメージで今回の楽曲をプレイしましたか? 聴きどころがあれば教えて下さい。

佐々木:「ロマンス・トランス」は自分作曲なんですが、ライブ映えする曲が作りたかったのと、ライブで盛り上がる「空想ディスコ」という曲があるのですが、そのバージョン2的イメージで作りました。シンプルなコードと構成、ライブ映えさせる為に、踊り易いようにシンプルなEDM要素を入れました。「見返り美人」は、外部の音でフルートの音など入っているので、邪魔せずけど自分の色をしっかり出せるようにフレーズを考えました。この曲のギターの聴きどころはやはりギターソロですかね!(笑)両曲とも、ギターはメインで使っているフェンダー・テレキャスター・アメリカンデラックス、アンプはマーシャルJTM45、エフェクターはオーバーゾイドのオーバードライブ、ケンタウルス、DD-20、ライン6のMM4です。

 「色恋狂詩曲」や「見返り美人」のように、岡田さんのベースは凄く躍動感溢れとても心地良いです。特に8ビートのノリが本当に気持ちよくなったなと…。

岡田:僕のベースの聴きどころは、ずばり歌やギターとの絡みです! ベースは、ドラムとの絡みはもちろん大事ですが、僕の場合ギターや歌との絡みもかなり気にしています。自分のベースは今どこのパートを引き立てるべきか? もしくは、今は自分が主役に出るべきか?とか、1曲の中でその時、その時の自分の役目をかなり考えます。レコーディングに使用したのは、フェンダーのジャズベース、エデンのヘッドとキャビ、エフェクターは「見返り美人」はなしで、「色恋狂詩曲」はアンペグのSCR-DIとサンズアンプです。

 今年も、さらに大きな躍進を遂げること間違いなしの皆さんですが、最後にファンへのメ
ッセージをお願いします。


三浦:これまで、沢山のライブをしてこれたのは、会場に足を運んでくれる皆さんがいたからです。どんなライブでも空想委員会らしく、演奏できる自信が付きました。ありがとうございます。今年は、応援してくれる皆さんをもっと大きなところに連れて行けるように、頑張りたいと思います。空想委員会らしく、一歩ずつ進んでいきますので、一緒に歩んで欲しいです。よろしくお願いします!



Interview by TAKAHIRO HOSOE
Live photo by YUKI FUJIMORI



イロコイザタノオトサタ
キングレコード 発売中
空想委員会_色恋沙汰の音沙汰_初回限定盤_メインJ写_1600_1600.jpg
初回限定盤(CD+DVD) KICM-91739 1,800円(税抜)


空想委員会_色恋沙汰の音沙汰_通常盤_1600_1600.jpg

通常盤(CD) KICM-1740 1,200円(税抜)



『首謀者:空想委員会「大歌の改新」第3期』
1月20日(金)大阪BIG CAT
1月21日(土)名古屋Electric Lady Land
1月26日(木)赤坂BLITZ
[問] kusoiinkai.com/


バンド体制になったいちむじんの山下俊輔が新作『StillMotion』を語る

 山下俊輔と宇高靖人によるギターデュオ、いちむじんが新メンバーを迎え6人編成のバンドとして、最新作『StillMotion』を完成させた! ギターデュオの緻密なアレンジから、様々な楽器が加わることで生み出されるドラマティックな曲展開まで、今回いちむじんが提示した音楽には“無限の可能性”を感じさせ、日本人としてどこか“懐かしさ”を感じるメロディが強く心を打つ。11月に宇高の脱退が発表されたが、今回の『StillMotion』を聴く限り、彼らの音楽はこれからも変わらず多くの人達を魅了し、癒してくれるだろう。いちむじんの“キーマン” 山下俊輔(g)に、新作の魅力とバンドの今後について話を訊いた…。

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日本人だからこそグローバルなバランス感がある

 インタビュー初登場ですので、ギターを始めたきっかけと、影響を受けたミュージシャンを教えてください。ギターを始めたのは高校生の頃だったとか?

 ギターを始めたきっかけは中学校の頃。バンド・ブームがあり、特にヴィジュアル系の全盛期でGLAY、LUNA SEA、L'Arc〜en〜Ciel、SHAZNA、その他のJポップなど、ジャンル関係なく沢山聴いていました。当時、洋楽はあまり聴いていなかったです。そんな中、エレクトリック・ギターを親父に欲しいと言うと、『不良になるきいかん!』と言われ、アコースティック・ギターを中2の時に買ってもらったんです。その時からコードは弾けていましたね。クラッシック・ギターは、たまたま行った高校にクラシック・ギター部があり、そこで運命の出会いがありました。僕の恩師、松居孝行先生です。ここから、人生が大きく変わりました。影響を受けたミュージシャンは松居孝行さん、佐藤紀雄さん、山下和仁さんですね。

 新作『StillMotion』の「ZIPANGU」のように山下さんは、クラシック音楽をバック・グラウンドとしたアレンジや曲や演奏の構成美に独自の個性を感じます。普段曲作りやアレンジはどのようなイメージを描き、形にしていくのでしょうか?

 大学に入り、どっぷりクラシック音楽にハマりました。クラッシックは“一生辿り着けない迷路”を少しずつ解いていっている感覚で、飽きがこないんです。答えのない人生と同じ感覚。「ZIPANGU」は、そんなクラシックの感覚をほんの一部分抜き取った曲です。曲のイメージは“海外から見る日本の風景と精神”です。それを、鼻歌で口ずさみメロディを書きました。2011年から毎年海外での公演をしており、世界の人々とのコミュニケーションの中で、日本のイメージを聞いて浮かんで来た色を和音にしました。日本人だからこそ、グローバルなバランス感のある柔軟なイメージだと思います。それがいちむじんかと。

 新たなメンバーを迎えた新作『StillMotion』は、アンサンブルがより色彩豊かになり、実に聴きごたえがありました。その中で、16年11月に宇高さんの脱退が発表され、多くのファンが驚いたと思うのですが、その経緯をお訊かせ下さい。

 昨年、宇高から「いちむじんを卒業したい」という相談を受けていました。自分は、ずっと2人でやってきたので、まさか終わりを迎えるとは思ってもみず…ただ、宇高から「もっと音楽を通して幅広い活動をしていきたい」と言われ、なるほどなと思いました。クラシック、ギターデュオ、ジャンル、色んなことの固定概念に縛られていたんだなと。ファンの皆様、応援して下さっている沢山の人達には、大変なご迷惑を御かけ致しました。申し訳ない気持ちで一杯です。お互い違う形ですが、前を向いて頑張りますので、これからも応援よろしく御願い致します。

 前作『恋むじん』では、ストリングスやサックスなどが加わっていました。それを踏まえると、本作でバンド形態になったのも非常に合点がいくのですが、なぜバンド形式にしようと?

 10年リリースの『TOMA』で、初めて他の楽器をアンサンブルに加えてCDを作りました。音楽監督は、今回と同じ住友紀人さんです。住友さんとは11年のお付き合いがありまして、その時から、「作曲をしたほうが良いよ。もっと自分達の色が出るから」とアドバイスをもらったんです。『TOMA』から、自分達で作曲を初め、この6年でイメージが膨らみ、今頭で鳴っている音はギターだけではなくなっています。3年前から、グラミー賞を取るためには“頭にある音を表現しないといけない”という思いになり、今年10周年を迎えるタイミングにバンドになりました。今年は色々重なっていますね(笑)。

 今回新加入した鳥越啓介(b)さん、永田ジョージさん(pi)、白須今さん(vi)、渡辺庸介さん(per)はどういった経緯で加入したのでしょうか? 山下さんは、この5人のメンバーの演奏面や音楽性、人間性にどのような魅力を感じるのでしょうか? また彼らは新作『StillMotion』にどのような変化をもたらしましたか?

 僕が接触した順番は白須、永田、鳥越、渡辺になります。皆共通に言った口説き文句は、「グラミー賞を取りましょう。」です。最初に浮かんだ楽器がヴァイオリン。メロディを華やかにし、そして癒しを加える…という事で“アドリブができ、うるさ過ぎないヴァイオリン、作曲ができ、イケメン”というキーワードで検索した結果、白須が全て当てはまり誘いました。実は、共通の知り合いが伊勢神宮で宮司さんをしており、11年前に一度会っているんです。僕は覚えていなかったのですが(笑)。白須の魅力は音程がとにかく良く、気持ち良い音を奏でること。そして、どのヴァイオリニストにもない、ファンタジーな曲を書けることです。今後、いちむじんの可能性をかなり広げてくれるんじゃないかと思います。永田は、白須からの紹介で音源を聴き、とても良い心地の良いピアノで癒され、ギターとのデュオでもバランスが良いと思い、会う約束をしました。会って話をした時“この人は人が良過ぎるから、こんな綺麗な音、他の楽器の邪魔をしないアンサンブル力があるんだ”と思いました。帰国子女という事もあり、英語は完璧! 超エリートサラリーマンを経てのピアニストという、異質なプロフィールにも惹かれています。鳥越は、もうミュージシャンの中で知らない人はいない程、有名なベーシスト。最近、周りからは「よく鳥越さんを捕まえられたね」と言われます(笑)。彼のベースとコントラバスを聴くと、ハイポジションを迷いなく弾き音程が完璧。ある時は、ギターのようにラスゲアードをして、スケールを弾きます。オールジャンル弾ける引き出し、アイデア。僕は“日本一のベーシスト”だと思っています。今は、毎回の本番が楽しみでしょうがないです。渡辺は、鳥越さんと一緒にドラムも叩けるパーカッションを探していてライブに2人で行き、その日にすぐに口説きました(笑)。スウェーデン仕込みのタンバリンの使い方、民族音楽をやっているリズムパターンの多さと、合いの手いれるセンス、抜群です! 京都出身という事もあり、トークも軽快でイジりやすいです(笑)。『StillMotion』を作るにあたって、新メンバーが入った事で、僕の頭の中にあった音以上の色合いが出たんです。それが個性的だけど、重なりあっている。今回は永田と渡辺のオリジナル曲はないですが、みんな共通で持つ日本音楽、ワールド・ミュージックという“芯”があるからこそ、時間のない中でも素晴らしいアルバムが出来たのだなと。

 12月11日には、この6人体制で最後のライブが行われました。チケットもソールドアウトという盛況ぶりでしたが、このライブに対するご自身の手ごたえや、お客さんの反応はいかがでしたか?

 今までのいちむじんにはないインパクトを皆様感じて頂けたようで、次回への期待感がかなり凄いです。自分としては、このバンドの中で、これからギタリストとして“クラシック・ギターで何ができるか?”ということ。そして、クラシック・ギターの魅力も追求していくのはもちろん、それ以外のギターにも挑戦していきたいと思っています。

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オンリーワンのジャンルいちむじんを創りたい

 『StillMotion』についてお訊かせ下さい。本作の楽曲はいつ頃に完成したものなのでしょうか? 

 13年から書いていた曲を集め形にしました。なので、この編成でなるべくしてなった音楽を作っていたんだなと改めて思いました。

 ユニゾンがスリリングな「LA DANZA DE LA PASION」、お2人のギターの美しい絡みが味わい深い「万華鏡」など、現体制の集大成となる楽曲が並んでいますね。アルバムを制作する際に見えてきたトータル的な世界観やイメージってありますか?

 まずは“日本らしさ”が入っていること。これは、これはからも変わらないと思います。今回もですが、やはりジャンルに捉われない“オンリーワンのいちむじん”を確立していきたいと思っています。そのためには、沢山の人に知ってもらう必要があると思っています。

 7曲で住友紀人さんが編曲を手掛けていますが、なぜ住友さんを起用しようと? 住友さん作曲/編曲の「I WISH I COULD」についてコメントを下さい。

 まずは、メンバー皆が信用できる人を音楽監督に立てたかったから。デビュー前から、いちむじんを見て、聴いて頂いている住友さんだからこそ、このアルバムを作るにあたり託しました。「I WISH I COULD」は、11年の終わりにいちむじんの為に書いて下さっていた曲です。今思えば、この為に書いていたのかと…予言者ですね(笑)。クラシック、ジャズ、スパニッシュの要素が入っている、いちむじんが最高に輝ける曲だと思います。

 なぜアルバム・タイトルをStillMotionにしたのでしょうか?

 今年の春頃、友達と飲んでいて「変わらずに変わる」という言葉が自分の口から出てきて“これは使えるなと!”。それを永田に英語にしてもらいました。

 「ZIPANGU」は、山下さん独自の楽曲の構成美が冴えるナンバーだなと。この楽曲はどんなイメージで完成させたのでしょう?

 “海外からみる日本”。冒頭は三味線、琴がトゥッティーでなっていて、AとBメロは“大陸を横断しているイメージ”です。中間部は、“妖艶な女性が桜満開の中で舞っているイメージ”。最後は“全てが混じり合い、世界がひとつになっている感覚”です。東京オリンピックで使ってもらえる曲をイメージしました。

 「LA DANZA DE LA PASION」は、テクニカルな3声のユニゾン、渡辺さんの切れ味鋭い打楽器など、いちむじんの新たな側面を描き出したナンバーだなと。

 ギターにとっては運指が難しく、簡単には弾けない曲ですね。これからライブをしていくうちに、どんどんテンポも上がり、よりスリリングになっていくと思います。ずっと弾き続ける中で、この曲はライブでどんどん進化していく曲です。

 「万華鏡」は、いちむじんらしいギターのコンビネーションと、1:53から広がりのあるアンサンブルなど、デュオからバンド編成に変化する情景が味わい深いナンバーです。音数を抑えたアレンジというのは、決して簡単ではないですが、どう言ったイメージでこの楽曲を完成させたのですか?

 来年の京都で行われる『世界万華鏡大会』のテーマ曲として書きました。やはり、京都でやるという事で“日本らしい色”を全体に入れました。中間部のパートは、住友さんと鳥越さんのアイデアで、万華鏡の中に入っていっているような感覚で作ってもらいました。お2人のお陰で、より万華鏡らしいイメージになりました。

 鳥越さん作曲の「三春」は、現体制のいちむじんというバンドの可能性を定時した印象的なナンバーだなと。

 この曲を聴いた時、鳥越さんを絶対入れたいと思いました。いちむじんにも、このような曲で「紫陽花」「ひだまり」「かけら」があり、同じ感覚があるなと。因みに、白須の曲にも「おかげさん」という同じ雰囲気の曲があり、次回に入れたいと思っています。

 ラテン・ジャズの影響を感じる「リンゴ追分」、マイナーな世界観が切ない「あなたの港」が収録されていますが、なぜ日本の情緒溢れる楽曲をカバーしようと? アレンジで心掛けたことは?

 いちむじんというグループが、世界で活躍するためにやはり“日本人らしさ”は必須なんです。それをどう調理できるか? 「リンゴ追分」は、早く海外で弾きたいですね。ビックリすると思います。「あなたの港」は、今年紅白に出場される演歌歌手、市川由紀乃さんのために書いた曲。ギター・アレンジもいけると思い入れました。とある人に、演歌と伝えず聞いてもらったら「アンダルシアの曲ですか」と聞かれましたね(笑)。

 本作で山下さんが使用したギターは?

 高知のギター製作者、川田一高さんの“いちむじんスペシャル”です。高音の伸びと、低音と重低音の響きが大好きです。

 「万華鏡」の1:56以降で展開されるアンビエントな音の広がり、「I WISH I COULD」のアコースティックの繊細なサウンドなど、アンサンブルの音色にも非常に拘りがあるなと。レコーディングで拘った部分は?

 いつも思っていますが、日々イメージはギターの音以上に頭の中にあるものを浸透させているんです。そして、音楽監督の住友さんとエンジニアの中村さんのアイデアも入って、いちむじんになって出来た最高の音楽ですね。

 インストゥルメンタル・バンドとしてさらに進化を続けるいちむじんですが、今後バンドにとってどんな位置付けになる作品になるのでしょうか? そして、いちむじんというバンドが今目指すゴールとは?

 このアルバムをきっかけに、音楽好きの方に聞いて頂けるチャンスが増えたと思っています。今までは、クラシック・ギターのファン、クラシック・ファンを中心に届いていたと思うので…拘りを持たずに日々チャレンジし、オンリーワンのジャンルいちむじんを創りたいですね。目標はグラミー賞。その後、世界を周って、沢山の人にいちむじんの音楽を通して、自分達の価値観を共有出来たら幸せだと思っています。

 17年3月からStillMotionのツアーがスタートします。最後に、ツアーに対するコメントをお願いします。

 5人になって初めてのツアーになりますが、今は楽しみでしかないです。毎日違うアレンジと空気感、そして未来目標を叶えていく、いちむじんをぜひ見て聞いて頂けましたら幸いです。何の用意もいらないです。ぜひ飛び込んで来てください!

Interview by TAKAHIRO HOSOE


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イチムジン
スティールモーション
キングレコード CD KICS-3440
発売中 3,000円(税抜)




いちむじん「StillMotion」ツアー
3月7日@BLUES ALLEY JAPAN
3月17日@名古屋BLUE NOTE
3月18日@NHK文化センター京都教室
3月20日@大阪ROYAL HORSE
[問] https://www.ichimujin.com


ERIC CLAPTON J.J.ケイルをゲストに迎えたライブアルバム発売

Live in San Diego with Special Guest J.J.cale Review

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Photo by PAUL PARKS

2007年にサンディエゴで、J.J.ケイルをスペシャル・ゲストに迎えて行なわれた『ライヴ・イン・サンディエゴ with スペシャル・ゲスト J.J.ケイル』が発売。「アフター・ミッドナイト」に端を発して2013年に他界したJ.J.ケイルとの交流と、ドイル・ブラムホールU、デレク・トラックスとの3ギターが堪能出来るアルバムだ。

こちらがそのライブ映像。エリック、ケイル、ドイル、デレクの4人で演奏しているのは「エニウェイ・ザ・ウィンド・ブロウズ」。


こちらはJ.J.ケイル作曲、1970年の1stソロに収録されたクラプトンのソロ初シングル「アフター・ミッドナイト」。



『ライヴ・イン・サンディエゴ with スペシャル・ゲスト J.J.ケイル』は、そのタイトルが示すとおり、米国西海岸最南端の大都市でJ.J.ケイルを特別ゲストに迎えて行なわれたコンサートを、曲順などそのままの形で記録したものだ。収録はドイル・ブラムホールU、デレク・トラックスとのトリプルギター編成で話題を集めたワールドツアー終盤の2007年3月15日。このときクラプトンは61歳。細かくいえば、あと半月で62歳。ケイルは68歳だった。

『ライヴ・イン・サンディエゴ』の最大のポイントは、その2人が並んでギターを弾き、歌ったライブを堪能できるということだ。しかもそれだけではなく、エリック/ドイル/デレクのトリプルギター編成で臨んだ2006〜07年ワールドツアーの終盤、バンドがもっともいい状態にあったときのライブを収めたものでもある。

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ライヴ・イン・サン・ディエゴ with スペシャル・ゲスト・J.J.ケイル ワーナーミュージック・ジャパン  発売中 WPCR-17526〜27 2CD 2,900円(税抜)

2017年1月号(12/2発売)に記事掲載

ストロークスのギタリスト、ニック・ヴァレンシが新バンド、CRXを始動!

相変わらず作品を出せばその素晴らしさでロックファンを吹っ飛ばし、ライブをやればスタジアムを燃え上がらせるザ・ストロークス。だが、ここ数年間はバンドとしての大きな動きがなく、メンバーそれぞれのソロ活動が目立っている。そんな中、今までソロ活動を頑なに拒んでいたギタリストのニック・ヴァレンシがついに新バンド、CRXを結成。ソロプロジェクトに乗り出した。
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Photo by MAGDALENA WOSINSKA

L to R:Ralph Alexander(ds), Darian Zahedi(g), Nick Valensi(g), Jon Safley(b), Richie James Follin(key)

そのデビュー作『ニュー・スキン』が実にいい。ギターについては改めて述べるまでもないが、あまり歌がいいので「どこでボーカリストを見つけてきたんだろう」と思ってしまったほど。曲もストロークスを思わせるものもあれば、彼の少年時代のアイドル、ガンズ・アンド・ローゼズを思わせるものも、ガラリ変わって往年のパワーポップ的なものもあって実にバラエティ豊か。ソングライターとしての実力にも侮れないものがある。そしてプロデュースがクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オムときたら、悪いもののわけがない。音楽友だち──リッチー・ジェイムス・フォーリン(key)、ジョン・セイフリー(b)、ダリアン・ザヘディ(g)、ラルフ・アレキサンダー(ds)──を集めたCRXですでに全米をツアー中。ストロークスのシーンへの復帰はすぐにはなさそうなので、CRXの来日への期待がいやが上にも高まってしまう。

こちらがリードトラック「ウェイズ・トゥ・フェイク・イット」のPV。ストロークスを彷彿させるキャッチーな仕上がり。


そしてアルバムの根幹を成すロック全開の「ブロークン・ボーンズ」。聞き応え十分!


「最近のロックミュージックやギター指向の音楽の情況を見ると、あまりに何も起こっていないし、多くのものが粗悪な出来だと思う。だから、僕はこの死にかけた芸術形態を少しでも生き長らえらせたことを誇りに思っているって言ってもいいんじゃないかな(笑)。ギタリストとして、ロックバンドとしてね。だって、もうロックなんて全然存在してないみたいじゃないか。生き残っているロックファンはきっと気に入ってくれるはずだよ」

「ステージに上がって人々の前でライブ演奏するっていうのが、僕が新しいプロジェクトをスタートさせたかった主な理由だからすごくハッピーだ。ついにここに至って、みんなのためにプレイしているなんてね。僕たちはすごくいいバンドだと思うし、一緒にすごく楽しんでいる。バンに乗ってアメリカ中をツアーするなんて、まるで1999年に戻ったみたいだ。今はほんとに楽しい。とにかくずっとやりたかったことだから、最高の気分さ。日本にも行きたいね」

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シー・アール・エックス ニュー・スキン ソニーミュージック SICP-5077 1CD 11月2日 2,200円(税抜)

2017年1月号にニック・ヴァレンシのインタビュー掲載

NoisyCell 2ndミニアルバム『Colors』ロング・インタビュー

 NoisyCellの2ndミニアルバム『Colors』が、10月19日にバップからリリースされた!
 今年8月、Kiara(b)とTatsuya(ds)を迎え新体制となった彼らの新作は、核となるラウドロックのエモーショナルさを持ちながら、より多くのリスナーにアピールできる、キャッチーでスケール感の大きい楽曲が並ぶ。プロデュースは、前作『Sources』と同じくPay money To my pain(以下P.T.P)のPABLO。バンドのキーマンであるRyo(g)とRyosuke(vo&g)と共に、曲作りの段階から密にアイデアを練り上げ、より一層曲の奥行きと世界観が深みを増している。ダイナミックな展開が印象に残る「Will」、ハードコアで攻撃的な要素を押し出した「Mirror」など、どの曲も非常に聴きどころが多いが、やはりハイライトはリード曲「Lilly」だろう。初の試みとなる日本詞を導入した「Lilly」は、ラウドでドラマティックな展開がありながら、Jロックの“王道”とも言える日本詞の強いメロディがあり、今後彼らの代表曲の1曲になるのは間違いない。新作についてRyoとRyosukeが語ってくれた!

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伝わりやすさ、わかりやすさ、キャッチーさを磨き込んだアルバム

 今年8月からKiaraさんとTatsuyaさんが加わり新体制となりました。彼らは、バンドにどんな要素を持ち込んでいますか?
Ryo:関係が以前よりもフラットになったというか、全員が全員に意見しやすい環境になったので。バンドを少しでも良くするためにアイデアを沢山くれるし、ライブやリハの時も一体感が増しています。ドラムのTatsuyaはストイックで体育会系なとこがあるので、一番年下なのを物ともせず食らいついてきます。俺とRyosukeは本当にシャイで内向的だったので(笑)、その辺もリードしてもらっていますね。ベースのKiaraはキャラクターがとにかく底抜けに明るいので、場の空気を和ませてくれます。そんなキャラだけど、周りへの気配りはしっかり出来る。初めてバンド体制になったことで、より一層一つの目標に向かって全員が動いている実感が湧き、モチベーションが上がっていますね。
 『Colors』は、NoisyCellらしいエモーショナルでキャッチーな要素をさらに磨き込んだ内容だなと。曲作りを開始したのはいつ頃?
Ryo:曲作りは、前作『Sources』のツアー・ファイナルが終わってから少しずつ始めました。なので、昨年の12月からです。以前から作っていたデモも少しありつつ、全体ミーティングでテーマの話し合いをして、それを踏まえて作っていった曲が大半です。
 サウンドとしては、生のバンドサウンドの力強さがより加わった印象を受けます。NoisyCellは以前から非常に音楽性が幅広いバンドでしたが、今回はカラフルでありながらグッと要素を絞り込んでいるなと。
Ryo:全体ミーティングの時にテーマを決めたんですが、その時のキーワードが”伝わりやすさ、わかりやすさ、キャッチーさ”といったようなものでした。前作『Sources』ではラウド方面に向かって突き進んだのですが、今作はそうでなく、邦ロックを聴いているような層に対しても間口を広げ、前作、前々作と掘り下げてもらいたい想いもあります。そういう意味で、スクリームを全面に出したモダンなラウド、みたいな楽曲は作らずにNoisyCellのらしさを出していこうと考え、Ryosukeの歌声を活かした楽曲になるよう、メロディが今まで以上にキャッチーになるように意識しました。楽曲の進行や各パートの重ね方もライブ感のある進行になるよう意識しました。 
 今回も前作と同じくプロデューサーにPABLOさんが参加しています。PABLOさんは曲やアレンジ、演奏、アルバムのコンセプトなどどんな役割を果たしましたか?
Ryo:今回は今まで以上にPABLOさんと一体となって作り上げたという印象があります。テーマを掲げた際、じゃあ一体どういうものを作っていけばテーマに沿っているのか?と探り探りな部分もあったのですが、そうやって迷っている時に「そのテーマを満たせるデモはこれのサビのメロ。」などと、具体的に教えて下さったし、その結果方向性を固めていく事が出来ました。前作では、レコーディングでギターを重ねる本数がすごく多く、様々なギターのフレーズを鳴らして、その音数で音の壁を作るようなイメージでアレンジをしていったのですが、PABLOさんから「ギター2本でも足りるようなアレンジをして、シンプルにしてやってみて!」というアドバイスがあり、足し算的にアレンジするのではなく引き算的にアレンジするよう心がけるようになりました。そうしていくことにより、本当に楽曲が欲しがっているフレーズが見えてくるようになったし、単純に各パートが引き立つようになったのが印象的でした。
Ryosuke:PABLOさんとのやり取りで一番印象的だったのは、日本詞を作っている時でしたね。初めての日本詞という事でメンバーはもちろん、PABLOさんもしっかり納得させるものに仕上げる事が目標でした。初めに着手したのがLilyだったんですが、最初出来上がったものを見せた時に「これじゃ泣けない。もっと俺を泣かせてよ」って言われて…それから5回くらい書き直して、ようやく「良いね!」と言って貰えました。書きながら一番意識していたのは、「詞の意味が一発で聴いた人に入ってくる事が大事なんだ」という、PABLOさんからのアドバイスでした。一聴して言葉の意味がスッと入ってくるような言葉選びだったり流れだったり。僕の中で、日本語詞にトライする上で指標となる、大切なアドバイスのひとつになっています。
 メロディ・センスや大胆な展開など、非常に曲のクオリティが高いですが、曲作りに関しては苦労しましたか?
Ryo:アレンジ面では、PABLOさんが“バンドメンバーの一人”といっても過言でないくらい一緒になって作り上げたので、PABLOさんのアイデア面やセンスに救われている部分も大きいです。曲作りは、最初はテーマの具体的な方向性を掴めず苦労しましたが、それがわかってからは楽しみながら作れました。曲構成で一番悩んだのはLilyで、ドラマティックなリード曲に作り上げるために、PABLOさんと10回くらい作り直したと思います。
 前回、歌詞はRyosukeさんRyoさん共同で書いていましたが、今回はRyosukeさんが手がけていますね。注目すべきは歌詞に日本詞が入っていること。よりRyosukeさん独自のメッセージ性が磨きこまれているなと。
Ryosuke:元々邦楽を聴いてきた人間だし、NoisyCellを始めた頃から日本語で歌いたいって気持ちはずっとありました。日本語の歌を歌っているアーティストを見て、やっぱり良いと思うんですよ。音に乗っかる言葉、その意味がライブで一回聴いただけで伝わってくる…伝える事が出来るっていう。ライブハウスで、ラジオの前で、パソコンやスマホの液晶越しで、僕らの音楽を聴いてもらえるチャンスは沢山あれど、何度も聴いて貰えるチャンスは最初の一回きり。だから、もっと彼らの心を掴みたい! 『Colors』のテーマを話し合って、分かりやすさとキャッチーさにフォーカスしようとなった時、NoisyCellが日本語を歌うなら今しかないと思いました。
 レコーディングを開始したのはいつ?
Ryo:レコーディングを開始したのは4月中旬です。時間が無い中でのレコーディングだったので、そこから短期間で一気に仕上げました。ちなみに、新メンバーはプリプロやレコーディング中に探していて、まだ出会えていなかったので、今作はサポートの方々にドラム、ベースをお願いし、新メンバーは次作から参加となっています。レコーディングは、ドラム・サポートにPABLOさんの紹介でスタジオ・ミュージシャンの城戸紘志さん、ベースサ・ポートにAtsushiさん(Ender,ex GUN DOG)を迎え、作業を進めました。拘った点は、やはり歌やギターの本数を大幅に減らしたところ。各パートがそれにより引き立ち、全ての楽器が何を演奏しているのかより聴こえるようになった。ボーカルに至っては、録り終えたコーラスをミックス段階でだいぶ減らした部分もあります。曲によっては、8割くらい減らしました。ミックス段階でも、テーマに沿って前作以上にきらびやかなサウンドを目指したので、打ち込み系の音の広がり方も以前より壮大になったと思います。
Ryosuke:今回のレコーディングでは、歌のニュアンス、ブレスの位置、強弱、ハモリなど、今まで何となく歌っていた細かい部分を事前に詰めて挑みました。特にブレスの位置は前よりも意識しました。そうすると、段々“歌も呼吸するのと一緒で吸って吐いての繰り返しなんだ”と思えてきて…吸う位置が決まると、自ずと吐く位置と吐き方が決まってくる。どれだけ吐くのかで、どれだけ吸えば良いかもわかる。そういう呼吸のリズムをドラムのリズムに合わせていくと、歌い方のリズムというか、そういうのが計算式みたいに導き出されていくんです。全曲通して呼吸のリズム感を大切に歌いました。

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自分達が持つグレーなカラーから少しだけはみ出すことができた

 タイトルのColorsにはどういう意味が?
Ryosuke:切掛けは、Ryoと2人で「俺達の曲は色めいていない」という話を、これまでずっとしていた事でした。どの曲もグレースケールの中にいて、黒の濃淡で表現できるような気がずっとしていた。理由は、その時はまだ明確ではありませんでしたが、今になって思えば、その曲達は2人だけで作った世界観だったからだと思います。別の人間の存在が介入し得なかったから…でも今の僕らは、今日までライブを重ねてきたし、気が付くと他のメンバーの顔もしっかり見られるようになった。そういう外側からのエネルギーみたいなものを取り入れるようになり、「Lily」のような曲も生まれてきて、今回はグレースケールの枠を少しだけはみ出せた気がした。楽曲としてもバンドとしても新しい一歩を、という意味も込め、このタイトルに決めました。
 「Lily」は、新たな幕開けを飾るにふさわしいスケール感の大きなナンバーだなと。従来のらしさを残しながら、“君と居たあの日と夢で踊る〜”のBメロからの開けた世界観が秀逸ですが、この曲はどのようにして誕生したのでしょうか?
Ryo:最も今作のテーマに沿って作る事を意識した曲です。制作ミーティング時、PABLOさんに「リード曲としてNoisyCellのいいとこ取りをして、一聴でNoisyCellがどんなバンドか伝わるような曲が欲しい」と言われて、その条件を満たすべく、自分の考えるNoisyCellの良いところを考えながらも、テーマに沿うようにわかりやすさや、伝わりやすさも意識して作りました。他の楽曲が出来ていく中で徐々にテーマに対するアプローチが明確になってきて、そんな中でテーマを満たすサビが生まれました。このBメロが頭の中に浮かんで来てデモを作った時は“正直やりすぎかな?”とも思いました。邦ロック的なアプローチ過ぎるかなとも思ったけど、今作を作るにあたってNoisyCellも殻を破る時でもあると考えていたし、メンバーやPABLOさんの反応が良かったので、そこからどんどん形が出来上がりました。メロディやBメロにあるようなBUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATIONみたいな邦ロック的要素、演奏や音作りにはP.T.Pやフーバスタンク、ニッケルバックなどのラウド的な要素をどっしり構え、それらをミックスすることでNoisyCellらしい楽曲に繋がったなと。
Ryosuke:この歌詞は今年の初め頃に書き始めたもの。その頃は、大切な人の死が重なった時期でした。バンドとしてもメンバーが脱退したし、僕個人としての喪失感を強く感じていた時期でした。そういう感情が、Lilyの持つ切なさみたいなものにリンクして、自然と別れを歌った曲になりました。Lily=百合は葬儀の時に手向けの花に手渡されたもので、その時期に何度も目にしていた花でした。百合ってすごく綺麗だけど、近くでよく見るとグロテスクで怖いんですよ。そういう部分が凄く人間っぽいなって思ったし、別れを直視したがらない自分とも重なりました。
 エレクトロニカなイントロからダイナミックに展開する「Will」は、Ryoさんの色彩豊かなギターとRyosukeさんのエモーショナルな歌が強く響きます。
Ryo:この曲は、もともとデビュー前にボカロ曲として発表しようと作成した曲で、シンセがリードを取るような今以上にキラキラしている曲でした。デモ聴きの際、この曲も今作のテーマに沿っていると考えて、アレンジして世にだそうという事になったので、シンセがリードを取った部分をギターに変更して、バンドサウンドをもっと押し出すアレンジに変えました。それでもシンセが特徴的なアクセントになっているので、アルバムとしても良いバランスの曲になったと思います。ボカロ曲として出そうとしていた事もあり、日本詞が乗ることを前提にメロディを作っていたので、最初こそ英語で仮歌を取ってもらったけど、最終的に日本詞の方が馴染み良く、Ryosukeも「Lily」の次に書いた日本詞だったので、「Lily」よりもスムーズに作詞出来たようです。
 ドラムのスリリングなコンビネーションから始まる「Mirror」は、ハードコアな部分がありながらも非常にキャッチーだなと。
Ryo:「Mirror」は、前作『Sources』以降で最初に出来たデモで、当時はその制作やツアーのストレスを一気に発散するために、好き放題やってやろうと作った曲でした。なので、僕のルーツであるHawaiian6やNorthern19などのメロコア要素に、スラッシュビートやAメロのコーラスワークに詰め込んだり、冒頭のイントロ導入部をハードコアバンドのいかにもモッシュがこれから起こりそうな感じの構成にしたりと、自分のやりたい放題やっています。サビのメロディもNoisyCellらしくないような明るいやつにしてやろうと、思い切ってキャッチーなフレーズを入れました。ワンコーラスのデモが完成した段階では“NoisyCellではやらないだろうな〜”と思っていたくらいの曲ですね(笑)。デモ聴きの時、PABLOさんから「次のテーマに沿うキャッチーなメロディはこの曲だよ!」という意見を頂き、そこで初めてテーマに対する方向性がはっきりしたので、ある意味今作で一番キーとなった曲だと思います。
 オルガンのバッキングが印象的な「Black Smoke」は、このバンドらしい疾走感を宿した曲だなと。
Ryo:元々は、サビのメロも掛け合いで「オイ!オイ!」という声が入っていて、ツインペダルをドコドコ踏んだ、重たいラウド目の曲だったんですが、ノリを重視してグルーヴを押し出していくようアレンジした結果、ファンキーな曲になりました。それを後押しするように、最初は一部だけにアクセントとして入っていたオルガンを全面にフィーチャーし、今作の攻め曲に仕上げています。こちらの曲はオルガン・プレイヤーで、PABLOさんの知り合いでもあり、堂珍さんのサポートもしている堀向彦輝さんを迎え、元々デモで入れていたオルガンの打ち込みを、よりダイナミックにアレンジして弾いてもらいました。曲全体のビート感は、R&Bやファンクなどを意識して作り、そこにラウドなフレーズを混ぜ込んでごちゃ混ぜした感を出しています。最後のラウドなヘドバンパートも、そういう遊び心から来ていて、身近なバンドが誰もやってない曲に作り上げられたと思います。
 NoisyCellらしいテイストを感じるのが「do {Parade;}」だなと。このインダストリアルでモノクロなオープニングから、光が射す感じはやはり“独自なもの”だと思います。この曲はどのように生まれたのでしょう?
Ryo:最後に出来た曲で、アルバムのスパイスとして作り上げた曲でもあります。テーマに沿ってアルバムを作っていった中で、NoisyCellのインスト曲や前作のバラード「Last Theater」など、重い楽曲は一旦作らず楽曲制作をしていきました。テーマに沿う曲がミニアルバムに十分到達したということで、逆にテーマを一切取っ払った重苦しい曲も作ろうという流れです。楽曲自体は、様々な古い機械のサンプリング音をレイヤーしてスチームパンクなイメージを作り、Aメロはデモではメロディがあったけど、Ryosukeのアイデアで無しにしました。その結果、サビが始まった時に初めて歌声がガツッと入り込んでくるようになりました。“荒廃した大地に乾いた風が吹いている”イメージで作ったので、前作のインスト曲「Insomnia」からの「Last Theater」の流れで感じる印象に近いと思います。それが1曲にまとまって、更に無機質になった感じです。ライブでもアクセントとして映える曲になりそうです。
Ryosuke:デモを聴いた時も、まさに荒廃した大地に乾いた風が吹いていました。色んな事を連想させられる、実は物凄いエネルギーを持っている曲です。歌詞は結果的に2行しかありませんが、その2行になるまでに、今回の楽曲の中で一番長い歌詞を書いた曲でもあります。暗い荒野を沢山の人々がひとつの方向に向かって歩いていて。最初はみんな大きな荷物を背負っているけど、歩いていく内にその重さに耐えられなくなって、少しずつ捨てていってしまう…ひとつ捨てていく度に体が機械になっていって、最後のひとつを捨てきったときに人間ではなくなってしまう…というようなストーリーをイメージして書きました。生きる為にやがて希望を捨ててしまう。希望の逆という意味で、前作「Birth」の歌詞が逆再生で入っています。タイトルの記号は、プログラミング言語で「〜し続けろ」という命令で、do{parade;}は行進し続けろという意味の造語です。
 ギターのアルペジオと優しいボーカルが絡む「Halo of the Moment」は、ラストを飾るにふさわしいナンバーですね。グルーヴもとても心地良いです。
Ryo:「Mirror」に次いで2曲めに出来た曲です。テーマの条件を満たし、かつ前回までの「Innocence」や「Last Theater」といったバラードを超えるべく制作した曲でもあります。バラードを作るにあたり、今まで作った曲と被らない事も考えていて、とにかく色々条件を自分に突きつけた状態でバラードのイメージをしていったのですが、一番に大サビの明るいメロが浮かんできた時“今NoisyCellのバラードはこういう明るい曲だ!”と確信した。そこから、更にアレンジを進め、メインの大サビを最後の最後に繰り返して終わらせるという、壮大な一曲に仕上げました。今回、初となるストリングスのアレンジも取り入れたんですが、これは今まで避けてきたことでもあったんです。バンドアレンジにあたりストリングスを入れると、バンドが変に壮大になり過ぎる気がしたし、身の丈にあっていないし違和感につながることを危惧していたんです。でも、今作までバンドとして経験を積んできた結果、ストリングスが相応しい曲に作り上げる事が出来たと思います。
Ryosuke:歌もかなり試行錯誤しました。サビまでの盛り上がりに合わせて歌を作っていき、特にドラムが入ってくるまでの部分は、歌のグルーヴ感が重要になってくる。だから、ディテールはかなり詰めてレコーディングに挑みました。最初にこの曲のデモを聴いた時、1本の映画を観終わった後のような感動があった。同時に滅亡する世界を見つめる2人の後姿が浮かんで来たんです。そういう光景を客観的に見て、語りのような歌詞にしたいと思い書き上げました。

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P.T.Pはルーツと言えるくらいに根底で多大な影響を受けている

 お2人とPABLOさんを結ぶ共通項の中にP.T.Pがあります。個人的な印象ですが、「Lilly」のドラマティックなイントロとコーラスはPTPの「Sweetest vengeance」、「Halo of the Moment」のギターとボーカルが絡むAメロと中盤の盛り上がりはPTPの「Home」を連想させます。これらの曲にそういった要素が宿っているなと。
Ryo:ドラマティックというワードは結構好きで、そういう意味でもP.T.Pは“ルーツ”と言えるくらい根底の方で多大な影響を受けています。「Lily」で言えば、イントロでいきなりドラムをドコドコ叩く思い切りの良さだったり、同じくイントロでいきなりシンガロングを入れてしまったり…そういう事を思い切ってやってもカッコよければ良いと思えるようになったのも、PABLOさんの持つ編曲センスやアイデア・センスから発想を得ているからだと思います。例としてですが「Sweetest vengeance」も、リード曲の話になった時に話にあがっていました。「美味しいとこを集めた曲はPTPでいうと『Sweetest vengeance』だよ」って。様々なビートが混在する曲という点でも「Lily」と共通点があるような気がします。”「Halo of the Moment」が「Home」を連想させるのは意識していなかったのでなるほどと思ったけど、多分自分のバラードに対するアプローチの仕方が、PABLOさん譲りだからかもしれません。ラウドとバラードのバランスは仲間のバンドは苦労している印象ですが、僕らはそういう面ではバラードに対するアプローチを色んな方向で出来ています。それもPABLOさんやP.T.Pのバラード楽曲が持つ表現の豊かさをルーツとして発想を得ているからだと思います。
 今回のレコーディングで使ったギター、アンプ、エフェクターについて教えて下さい。
Ryo:ギターはメインのバッキングやリードはPRSのSC245です。レコーディング後に購入したオレンジ色のシングルカットモデルで2004年製です。それと、PABLOさん所有の同じモデルの青を2本を使いました。オレンジ色のPRSのサウンドがミドル寄りのふくよかなサウンドなのに対し、青いPRSはエッジの立ったサウンドなので、それらを場面ごとに使い分けて録りました。クリーンやクランチは、パートによってPABLOさん所有の73年製ストラトキャスターも使いました。「Black Smoke」のカッティングギターも全編そのストラトです。 アンプは、リアンプと宅録でのアンプシミュレーターサウンドを使い分けていて、バッキングではほぼマーシャルJVM410Hのコミューン・モディファイモデルを使用しました。その他、オールドのマーシャルもクリーン、クランチサウンドで使用しましたね。リアンプはフラクタルAxe-Fx llをかけ録りして、別チャンネルに録った素の音をリアンプしました。その際、フラクタルを通った音もリードギターやソロのサウンドにマッチしていればそのまま使用しました。その他、デモ作りの段階でライン6 POD X3で作った特徴的な音など、リアンプでは作り込めないサウンドはそのままPODの音で演奏し直したりもしました。コンパクト・エフェクターはPTS808や、PABLOさんがウィードと共同開発したストーナーズFXをブースターとして使用し、WMDのガイガーカウンターという、デジタルな歪を生み出す変態エフェクターも「do{Parade;}」などで使用しました。ディレイやリバーブは、ほぼDAWのプラグインです。
 お2人が思うアルバムの聴きどころとは?
Ryo:聴きどころは全曲随所に盛り込んでいますが、特に「Mirror」は演奏者としても、聴く人にとっても常に聴きどころしかないような詰め込んだ曲になっていますね。冒頭のギターのハモり、イントロのリードギターのせわしなさもそうだし、ギターソロもライトハンド奏法でとにかく熱い演奏をしてギターも聴きどころ満載です。コーラスも掛け合いが随所にあり、Aメロのパンク的な最小限のコーラスワークもNoisyCellでは初めてのアプローチなので、全てのパートでライブで演奏した時に会場全員で盛り上がれる曲だなと。「Lily」のシンガロングや「Black Smoke」最後のヘビーなパートもライブでみんなで盛り上がれるような作りにしてあるので、アルバムのアクセントとして、またライブを想像してワクワクしながら聴いてほしいです!
Ryosuke:ボーカルとしては“歌の呼吸感”を感じてほしい。前作よりもその点で良い歌が歌えたなあと実感して胃ます。あとは「Lily」のコーラスパート。いつか、武道館でお客さん全員の声で埋め尽くすのが夢です。その日に備えて予習しておいてほしいですね。
 本作はNoisyCellにとって今後どんな位置付けのアルバムになるのでしょうか?
Ryo:テーマに沿って作った結果、NoisyCellの作品で一番キャッチーなアルバムになったなと。邦ロックの層にもアプローチできるし、でもラウドな要素は捨てきらずに、今までのファンにも満足できるミニアルバムを目指しました。それに加えて、今まで以上にライブを想定して作った事もあり、これからのライブでの主戦力となる楽曲ばかり。第2弾となる次作では、今回以上に挑戦や振り切った部分を盛り込みつつ、従来のNoisyCellの良さを活かした作品を作れればと思っています。その時には新メンバー2人のカラーも加わり、より鮮やかなNoisyCellの楽曲が生まれると確信しています。
Ryosuke:NoisyCell新章の序章となるアルバムになったと思います。今年はメンバー・チェンジもあり、バンドとして激動の一年だったけど、このアルバムでNoisyCellとしてのしっかり進化した姿を提示できなければ、待ってくれている人も納得できないだろうと思っていた…今回の『Colors』はそういうアルバムに出来たと自負しています。今回は、新メンバー2人が音源に参加していないので、その点で未だ完全ではないとも思っていて…なので序章なんです。今回は2部作ですから、次にリリースするのがColorsの“完結編”になります。新メンバーの色も加えた、最高のオチを作りたいと思っているので、『Colors』を聴きながら楽しみに待っていて下さい!

Interview by TAKAHIRO HOSOE

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ノイジーセル
カラーズ
バップ CD VPCC-81878
10月19日発売 1,667円


2nd Mini Album “Colors” Release Party One-man Live
11月5日(土) 渋谷GARRET [問]http://www.noisycell.com


待望の新作リースしたイアン・ハンターのスペシャル・インタビュー

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 ロック界のレジェンド、イアン・ハンターの新作『フィンガーズ・クロスト』が素晴らしい。1970年代におけるブリティッシュ・ロックの伝説的なバンド、モット・ザ・フープルのリーダーとして活躍し、その後ソロとして『イアン・ハンター』や『オール・アメリカン・エイリアン・ボーイ』など、数多くの味わい深いアルバムをコンスタントにリリースしてきた。16年初頭にアメリカ・ニュージャージーのHOBOスタジオで制作された『フィンガーズ・クロスト』は味わい深いボーカルと歌詞、円熟味を増しながらもエネルギッシュな独自のロックを展開。今年77歳を迎えても、なおその音楽性を前進させ続けるイアン渾身の1枚と言える。今回、イアンが新作と自身の音楽について、縁の深いデヴィッド・ボウイや過去の名作について語ってくれた…

ボブの歌を聴いて自分にも歌えるって思ったんだ

 本作は、16年初頭にアメリカ・ニュージャージーのHOBOスタジオでレコーディングされたそうですが、なぜイギリスではなくアメリカのこのスタジオでレコーディングを行おうと?

 地元のスタジオで、素晴らしいエンジニアがいるんだ。ドラム・サウンドにはいつも苦労するんだが、彼はドラムを叩くので、クールなドラム・サウンドを録ってくれるのがありがたいね。

 デヴィッド・ボウイはモット・ザ・フープルの『オール・ザ・ヤング・ドューズ』でプロデュースを担当し、彼の『スパイダー・フロム・マーズ』時代のギタリスト、ミック・ロンソンとあなたは非常に深い関係を築いてきました。あなたにとってボウイはどんな人物でしたか? 特に印象に残っているエピソードがあれば教えて下さい。

 当時、彼はまだスーパースターではなく、若くて、私たちと同じ仲間という感じだった。親切で素晴らしい男だったよ。みんなデビューする前は工場なんかで働いていて、絶対そういう生活には戻りたくないと思っていた。反逆の精神もあったね。パンクのような意識を持っていたんだ。

 本作は、ギターやベース、マンドリンなど弦楽器の音がとても生々しいですが、レコーディングではどんなギターやアンプを使いましたか?

 えーっ?わからないよ!(笑)

 わからないんですか?

 うん、本当にわからない。たしかレスポールとES-335は使ったと思うけど、楽器には誰もこだわっていないからねえ。アンプも同じだよ。あるものを使うって感じなんだ。

 ということは、スペシャルなギターとかヴィンテージとかは使っていないということですね。

 ああ、全くスペシャルな機材は使っていないよ。マーク・ボシュはレスポールをメインに使っていたけど、それも年代物じゃない。演奏して良いサウンドだと思えばそれでいいんだ。それが誰かから借りてきたものでもコンピューターで作ったものでもね。

 今年日本では、クイーンの久々の来日で大きな盛り上がりをみせています。クイーンと言えば、クイーンはモット・ザ・フープルの前座を務めたことで知られますが、このライブはどのようにして実現したのですか? 当時クイーンのメンバーとはどんな話をしたのでしょうか?

 キッスもエアロスミスもモット・ザ・フープルの前座をやったよ。クイーンとはとても仲良くなり、今でもブライアンとロジャーとは連絡を取り合っている。彼らと会ったらよろしく伝えておいてくれ。当時前座をやるためにはメインのバンドに金をはらわなくてはならなかったんだ。ある時、クイーンというバンドが前座をやりたがっていると聞き「いくら払ってくれるんだ?」と聞いた(笑)。それがクイーンとの出会いだったよ。でも、彼らとは一緒にツアーをしていろいろな話をして、すごく仲良くなった。いつも自分の出番の前、クイーンのステージの最後の2曲、「ライアー」と「キープ・ユアセルフ・アライヴ」を聴いていたのを覚えているよ。どちらも素晴らしい曲だった。

 あなたが音楽的にリスペクトする人物に、ボブ・デイランが挙げられます。モット・ザ・フープルのオーディションでディランの「ライク・ア・ローリングストーン」を歌ったという逸話もありますが、若き日のあなたは、ディランのどんな部分に影響を受けたのでしょうか?

 ディランは歌詞が素晴らしいね。私はイギリス人だから彼の歌詞を読んでもわからないことがあるんだけど、それでも彼はすごい歌詞を書く。あとは彼の歌い方が好きなんだ。彼はポール・ロジャースやスティーヴ・ウインウッドのような特別な声を持つ、歌唱力のある、生まれながらのシンガーではないけど、あの歌い方が好きなんだ。

 あなたの歌や声もディランに似ていますよね。

 彼のように歌いたいと思っていたからね。自分の歌に自信がなかった頃、ボブの歌を聴いて、自分にも歌えるって思ったんだ。だから彼の歌い方を真似したよ。それを続けているうちに、人真似ではなく、自分のスタイルを持つことが大事だと思うようになってきた。

 あなたの深みがある歌詞はとても心を打ちます。普段曲や歌詞を書く時、どういったことにインスパイアされるのでしょう? 本や映画、日々のニュースや出来事に影響されることはありますか?

 その時によって違うよ。デヴィッド・ボウイが亡くなった時はショックで、すぐに「ダンディ」を書き始めた。本を読んだり絵を見たりして閃くこともある。ある朝急に歌詞の一部が頭に浮かぶことがあり、それはどこから来たのか自分でもわからないことがある。インスパイアされるものはそこら中にあるけど、次に何にインスパイアされて曲が出来るのかは予想がつかないんだ。口に出して言うとそれが現実にならないから、この辺でやめておくね(笑)

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 以前から非常に興味があったのですが、あなたの『オール・アメリカン・エイリアン・ボーイ』には、デヴィッド・サンボーンやジャコ・パストリアスなど、当時NY界隈の名だたるミュージシャンが参加しました。このアルバムは、ジャコのファンからも今も愛され続けている名作ですが、なぜ彼らを起用しようと思ったのですか? ジャコに対して印象に残っている出来事があれば教えて下さい。

 あのアルバムにはたくさんのミュージシャンが参加しているよね。ドラマーはエンズレー・ダンバーだし、ピアノを弾いているのは、クリス・スペディング・・・じゃなくて・・・ジョー・コッカーとやっていた・・・

 クリス・ステイントンですね。

 そうそう、クリス・ステイントンだ。デヴィッド・サンボーンも素晴らしい演奏をしてくれた。クイーンのメンバーもコーラスで参加してくれたよ。でもこのアルバムは評判が悪かったんだ。スロー・バラードの曲が多かったからモット・ザ・フープルのファンはがっかりしたようだよ。私の昔からのファンは、ロックンロール・キッズだったからね。でも、もっと年配のファンやジャーナリストは気に入ってくれたよ。デフ・レパードのジョー・エリオットが言っていたよ。「当時は子供だったから、あのアルバムを聴いてがっかりした」って。でも今は大好きだそうだ。私はただ、ああいうアルバムを作ってみたかったんだ。周りに素晴らしいミュージシャンがたくさんいるのだから、彼らに参加してもらってね。ジャコはBSTのドラマーだったボビー・コロンビーに紹介されたんだ。ジャコとは会った瞬間に気が合ってすぐに仲良くなった。まだ彼は21歳で、いろいろなことを話したよ。あのアルバムをレコーディングした頃はしばらくうちで一緒に暮らしていた。スタジオに行く車の中で片道1時間、ジャコは毎日ジョークを言うんだ。2週間毎日ね。絶対に同じジョークは言わなかった。でも日に日にそのジョークがひどくなっていくんだ。楽しかったよ。すごい野心家だったけど、それが良い演奏に繋がったね…。


Interview by TAKAHIRO HOSOE
Translated by MUTSUMI MAE
Photo by ROSS HALFIN


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イアン・ハンター 
フィンガーズ・クロスト
リスペクトレコード CD RES-287
10月19日発売 2,600円(税抜)


JUN SKY WALKER(S)最新インタビュー&ギアレポート


JUN SKY WALKER(S)「ファンファーレ」

 2012年の完全復活後、精力的な活動を展開し続けているJUN SKY WALER(S)(以下、ジュンスカ)。新録ベスト『B(S)T』に続き寺岡呼人主導で16年振りのオリジナルアルバム『LOST&FOUND』、さらに翌年『FLAGSHIP』を制作。2014年には日本武道館公演を行うなど、まさに完全復活を決定づける動向がうかがえたわけだが、ここに来てさらなる新モードへ突入。2015年には森純太主導のもと、原点回帰を感じさせるハードチューン中心の『BACK BAD BEAT(S)』をリリース。それからわずか10か月で届けられた最新作が『FANFARE』である。本作もまた森純太主導で制作されたが、共同プロデューサーや外部アレンジャーも積極的に起用。ソングライティング、サウンドメイキング、プレイアプローチなど、『LOST&FOUND』以後の新生ジュンスカの可能性、存在意義を、一層押し進めた意欲作に仕上がっている。ジュンスカならではの圧倒的なポピュラリティとアグレッシブなビートは普遍だが、特にタイトル曲の「FANFARE」などはリズムアレンジにこれまでになかった新たな試みも盛り込まれている。

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 これぞジュンスカという強力なスタンダードナンバー「マリーゴールド」、ジュンスカ史上初のスカビートナンバー「スターマン」、ライブの新たな定番になることは間違いないスウィングビートナンバー「バイバイ」、アコギとハーモニカだけでエモーショナルに歌われた「夏の花」など、キャッチーでエバーグリーンな名曲満載の『FANFARE』。Player2016年11月号ではこの名盤をフィーチャーした記事展開をしている。宮田和弥と森純太のロングインタビュー取材とともに、『FANFARE』発売前日のゲネプロ、発売日のインストアライブに密着。最新ライブ機材レポとともに『FANFARE』の魅力に迫っている。今年発売されて話題を呼んだ、和弥のシグネチャーモデル、SAKATA GUITAR OO-18C“Miyata Kazuya Signature Model”、さらに『BACK BAD BEAT(S)』でメインベースとして使用されたて呼人のGIBSON EB-3、さらにこの度真導入されたKEMPERプリファイリングアンプ、そして純太の御馴染みレスポールカスタム、小林雅之のラディック・ドラムセットなど、楽器誌では初掲載の愛器の数々を紹介。2018年のメジャーデビュー30周年に向けてさらなる進化に向かっているジュンスカがおわかりいただけるはずだ。

JUN SKY WALKER(S) TOUR 2016 〜FANFARE〜
10/15(土)名古屋 Electric LadyLand(愛知県)
10/16(日)京都 磔磔(京都府)
10/28(金)梅田 CLUB QUATTRO(大阪府)

JUN SKY WALKER(S)の野音 2016 〜FANFARE SPECIAL〜
10/30(日)日比谷野外大音楽堂(東京都)

JUN SKY OKINAWALKER(S) 2DAYS SPECIAL! 決定!
11/5(土)・11/6(日)沖縄 Output(沖縄県)



WHITE ASH 更なる進化を遂げた新作『Quest』について、のび太が語る!

 WHITE ASHの最新ミニアルバム、『Quest』が早くも登場! 前作の4thフルアルバム『SPADE 3』から約5ヶ月振りとなる本作は、大人気スマホゲームアプリ『モンスターストライク』のアニメ番組『アニメ モンスターストライク』のタイアップ楽曲で構成。彼ららしい躍動感溢れる唯一無二なロックサウンドがさらに磨き抜かれ、幅広いリスナーにアピールできる色彩豊かな内容となっている。そんな本作について、バンドの“キーマン”のび太(vo&g)が大いに語ってくれた!

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作品のファンに喜んでもらえるものを作りたかった

前作『SPADE 3』から約5ヶ月振りの新作『Quest』ですが、WHITE ASHらしいロックの要素がさらに進化しているなと。完成させた手応えは?

 ありがとうございます。手応えとしては“やった! また良いものができた!”という感じですね(笑)。もしかしたら、今までの作品の中で一番"WHITE ASHらしさ"が詰まった作品かもしれないです。

 本作は、全曲You Tube配信アニメ『アニメ モンスターストライク』(以下モンスト)のタイアップ曲で構成されていますが、どういった経緯でモンストの楽曲を手掛けることに? 

 去年末位、モンストの音楽担当の方からお話を頂いたんです。「モンストアニメの曲をやりませんか?」って。その方は、「Casablanca」(2ndフルアルバム『Ciao, Fake Kings』収録)という曲で、僕らのことを知ってくれたみたいなんです。あれは結構“静”と“動”が激しい曲で、その感じがモンストのバトルにおける緊張感とリンクして声を掛けて頂いたみたいで。実際に会ってお話したら、シングルのカップリングまで全て聴き込んでくれていて、ビックリしました(笑)。

 メロディをカバーして曲にモンストの要素が落とし込むために、このアニメを見て曲のイメージを膨らませていったと思います。のび太さんが感じるモンストの魅力とは?

 一言でいうと"バランス"だなと。モンストって、とにかくバランスがとても良い。モンスターに勝てるかどうかっていう、あの“ドキドキ感”って、本当に緊張と緩和の連続で。最後まで気が抜けないし、気を抜かせないんです。アニメだと、真剣な部分とコミカルな部分のバランスもよく出来ていて、ちょっと自分たちに重ね合わせたりしましたね。僕も "ロック・バンドのボーカルだけど、のび太" なんで(笑)。

 今回収録された楽曲を聴いて感じたのは、WHITE ASHという要素が従来のファンだけでなく、モンストからバンドを知って聴いた人にもしっかりと伝わる位、楽曲の個性が研ぎ澄まされているなと。今回の曲作りで一番心掛けたのは何ですか? 

 今回に限ったことではないのですが、毎回タイアップ曲を作る時に心掛けるのは“タイアップした作品のファンに喜んでもらえるようなものを作ること”ですね。僕が作って、このメンバーで音を鳴らす以上、どんな曲でもWHITE ASHになる確信がある。だから、WHITE ASHのファンの皆には安心品質を保証して(笑)。あとは、どれだけ僕らを知らない人たちに"おっ、WHITE ASH良いじゃん!"と思わせられるか。そういった意味で、今回はモンスト・ファンを一番に考えました。

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曲がライブでモンスター並に化けるのが楽しみ

 「Strike」「Drop」「Mad T.Party (1865-2016)」などのエンディング採用曲は異なる時期に制作されたのだと思いますが、収録曲6曲が完成していった順番を教えて下さい。

 「Strike」と「Knock On Doors In You」がほぼ同時期で最初にできました。その後に「Drop」「Mad T.Party (1865-2016)」「Rove」ができて、最後に「Monster」が完成しました。

 アルバム・タイトルをQUESTにした理由は?

 ゲームのモンストに色々と遊べるモードがあって、それぞれに"◯◯クエスト"って付いているんです。なので、モンストをやる人にとっては馴染み深い単語っていうのが一つあるのと、あとは第三者を交えて一から曲作りをしてアルバムを作るのが初めてだったので"冒険"的な意味も込めて付けました。

 楽曲についてコメントを下さい。1曲目「Monster」は、バンドの躍動する疾走感を詰め込んだ曲として一番WHITE ASHらしいナンバーだなと。リフやメロディ含めてどのように完成させていったのでしょう? 

 これは『モンストグランプリ』という大会のイメージソングなんですけど、正直今作で一番苦戦しました(笑)。大会のイメージソングということで、"疾走感"や"青春感"が欲しいというオーダーに合わせてデモを3曲くらい作ったんですけど、ハマるのがなくて…そしたら音楽担当の方がこれはあくまでも僕の想像ですが、「この方向性だと、もう難しいのかもしれない」と考え、違う方向性のアプローチを提案してくれたんです。でも「イヤです!」と言って(笑)。どうしても諦めきれなくて、泣きの一回をもらって完成した曲です。なので、他の曲に比べても気合いが滲み出ています。これで“絶対決めてやるぞ!”っていう(笑)。

 「Strike」は切り裂くようなギターリフに、のび太さんのエモーショナルなボーカルが映えるナンバーだなと。ヘヴィなリフのブレイクからの“遠い記憶でいつか見たScene~”のコーラスが入ったパートのキャッチーさは、新しい要素だなと。

 コーラスを採り入れるのは、音楽担当の方からのアイデアでした。サビがキャッチーな分、Aメロはテンションを落とすのが普通ですが、「Aメロもコーラス入れて、サビに負けないくらい印象的にしましょう」と(笑)。こういう、自分だと思い付かないアイデアが出てくるのは、やっぱり面白かったです。あと、この曲は全編通してモンストのメロディを踏襲して作っていますが、すでにあるメロディを基に曲を仕上げていくのは初めての試みだったので、とても新鮮でした。

 個人的意見ですが、「Monster」と「Strike」は曲の世界観が対になっているような印象を受けました。2曲のタイトルを繋げるとMONSTER STRIKEになりますし…。

 今回の作品は、一曲ごとにコンセプトやテーマが存在しているので、この2曲を対になっているように仕掛けたのは、完全なる後付けです(笑)。なんですけど、今作におけるこの2曲の“フロントマン”的な立ち位置という点では、ワンセットという感じはありますね。

 「Drop」は人気曲「Hopes Bright」を彷彿とさせるようなヘヴィなリフが心地良いナンバーだなと。『SPADE 3』以降、シンプルな曲展開とサイズでしっかりと聴かせるナンバーが増えた印象ですが、この曲も本当に無駄なものが一切削ぎ落とされています。AとBを2回、そこからブレイクという、曲そのもののポテンシャルを誤魔化せない構成でここまで響くのは、本当に凄い!

 この曲は「Strike」と「Knock On Doors In You」の後に作ったものです。その2曲は“モンストのメロディを使って完成させる”という縛りがあったけど、この曲は自由に作ってOKということだったので、お言葉に甘えました(笑)。『THE DARK BLACK GROOVE』で培ったグルーヴをさらにブラッシュアップさせた感じですね。あとは2番の歌詞に“頭に響く イカしたKeith Moon〜”というフレーズがあるんですが、その後にキース・ムーンばりの手数の多いドラム・フィルが入って来るのがお気に入りです(笑)。

 「Mad T.Party (1865-2016)」はWHITE ASHらしいリフがありながら、“Move down in a hurry〜”のメロから一気に開ける感じがあり、コール&レスポンスの要素もありライブ映えするナンバーだなと。

 最初は、皆で歌えるパートを採り入れた“王道のロックンロール・ナンバー”だったんです。そしたら"人間とモンスターが皆正装で、真夜中にパーティーをするような曲"という、ブッとんだイメージを音楽担当の方から伝えられて、そこから一気にハチャメチャな曲に仕上がりました(笑)。不思議なコード進行、不思議なコーラスタイミング、あと不思議な曲展開。だけど一番不思議なのが、こんな変なのにめちゃくちゃキャッチーっていうことですね(笑)。

 「Knock On Doors In You」は切なく美しいサビが響くナンバーで、ギターソロ以降の2本のギターの絡みからアコギが導入される部分がハイライトだなと。

 これは本当にツルッとできました(笑)。多分、こういうタイプの曲が得意なんでしょう。「Strike」では、サビでモンストのメロディを使っていますが、この曲はAメロでそのメロディを使っていて。そしたら、サビがそのままポーンと出てきて、それであれよあれよという間に完成しました(笑)。この曲のサビって凄くエモいけど、そのエモさって、実はサビ裏で鳴っている山さんのギター・フレーズが淡々としているからなんです。そのアイデアを出してくれたのも音楽担当の方で。ここも、やはり“足し算”ではなく“引き算”の美学でしたね。

 「Rove」は現代的なシューゲイザーのドリーミーなテイストのイントロが印象的で、のび太さんの表情豊かな歌い上げが心に響きました。

 この曲はモンストアニメのエンディング・テーマとしては最後にできた曲です。"時間"とか"記憶"をテーマに壮大なロックバラードを、ということで作りました。直接的に、アニメのストーリーとリンクさせなくてもよかったので、どうせならラブソングを入れたいなと。なので、"もし自分が記憶喪失になった時、大切な人をどう思うだろう"というところから、イメージを膨らませました。あと、冒頭からいきなりクライマックスで始まり、そこから遡ってストーリーが繰り広げられる映画とかあるじゃないですか? そういう映画のよう展開のな曲にしたいなって。終わり方も含めて、最後を飾るのに相応しい曲になったと思います。

 今回、楽曲ごとに音の世界観が結構異なって詰められていると思ったのですが、アンサンブルの音作りで拘った部分はありましたか?

 全てに共通して言えるのは"隙間を変に埋めようとしない"ところ。それぞれが過不足なく、やるべきことをやるっていう。音数を増やそうと思えばいくらでもできるけど、あくまで僕ららしい4ピースのロック・バンドという前提のもと、アレンジを考えました。

 曲の展開や歌やプレイなど、ご自身の中で本作に関して一番聴いて欲しい部分は?

 今作では「Rove」が一番気に入っています。単体としてももちろん良いですが、1曲目の「Monster」から、順番に聴いていってからの「Rove」をぜひ堪能してほしいです!

 今回のタイミングで「Strike」「Drop」のMVが公開されましたが、この2曲のMVはどういったイメージで?

 「Strike」はまさに疾走感、開放感をイメージして、衣装もライブモードな感じで。反対に「Drop」は、純粋に曲のカッコ良さを大事にしました。“見どころ”は僕の革ジャン姿ですね(笑)。

 今回、のび太さんが使用したギアーはいつもの白いストラトですか? アンプとエフェクターは何を使用しましたか?

 基本はいつもの白いストラトを使い、「Monster」は赤のSGを使いました。アンプはライブでいつも使っているオレンジのOR100ヘッドとマーシャルの1960Aで、エフェクターは基本使わずに、アンプのツマミで音を作りました。

 このアルバムを引っ下げて、9月25日『XFLAG PARK2016』に出演、11月からはワンマンツアーが始まります。最後にファンのメッセージと共に、ライブやツアーの抱負をお訊かせ下さい。

 今年のライブモードが"ガンガンいこうぜ!"っていう感じなので、だいぶ激しいライブになると思います。あとは『Quest』自体、ライブ映えする曲が多いので、ライブで"モンスター"並に化けるのを楽しみにして欲しいです!

Interview by TAKAHIRO HOSOE
Live Photo by RIE SHIBATA

ホワイト・アッシュ
クエスト
バップ 発売中
CD02_WHITE ASH_monst_H1_fix.jpg
(C)mixi, Inc. All rights reserved.
モンスト盤(初回盤/CD+DVD)
2,500円(税抜) VPCC-80681
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(C)mixi, Inc. All rights reserved.
通常盤(CD)
1,500円(税抜) VPCC-81877
アマゾン限定盤(CD+DVD+グッズ)
4,000円(税抜) VPCP-80682

WHITE ASH OneMan Tour 2016 “Symphony For The Monster”
2016年11月4日(金)東京都 TSUTAYA O-EAST、2016年11月13日(日)愛知県 NAGOYA CLUB QUATTRO、2016年11月26日(土)広島県 Hiroshima CAVE-BE、2016年11月27日(日)宮城県 仙台MANCANA、2016年12月9日(金)大阪府 梅田Shangri-La、2016年12月11日(日)福岡県 DRUM Be-1

PAUL GILBERT デビュー30周年!

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 1986年にレーサーXでデビューしたポール・ギルバートがデビュー30周年を迎えた! それを記念したベストアルバム『PG-30 ザ・ベスト・オブ・ポール・ギルバート』が発売中。さらに9月26日にはZepp Tokyoで行なうライブを全国のZeppで同時中継するという、世界で1夜限りのスペシャル・コンサートも開催される!

こちらがPG-30のCD1=ボーカルトラックスの解説PV


こちらはCD2=インストゥルメンタルズの解説PV


「いろんなタイプの曲を集めたんだ。ベストなボーカルメロディのある曲や難易度の高いギターソロのある曲…とにかくもっともマジックを感じる曲だな。俺というミュージシャンを代表するような曲を集めた。以前『ポール・ザ・ヤング・デュード/ベスト・オブ・ポール・ギルバート』(03)というベスト盤を出したけど、それから何枚もアルバムを作ってきたし、デビュー30周年のタイミングで新しいベスト盤を出してもいいと思ってね。それともちろん、ライブで演奏することを念頭に置いたんだ。9月のデビュー30周年記念ライブではこのベスト盤から多くの曲をプレイするよ。もちろん曲順どおり全曲プレイするわけではないし、サプライズもあるけどね」(ポール・ギルバート)

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PG-30 ザ・ベスト・オブ・ポール・ギルバート WOWOWエンタテインメント IECP-20256〜257 2CD+ブックレット 発売中 4,500円(税抜)

 そして9月26日にはZepp東京にて“PG-30”in ALL Zepp PAUL GILBERT:DEBUT 30th ANNIVERSARY SPECIAL CONCERTが行なわれる。世界で唯一、1夜限りのスペシャル・コンサートだが、Zeppダイバーシティ東京、Zeppなんば大阪、Zepp名古屋、Zepp札幌で同時中継されるというスペシャル・コンサートだ。出演メンバーはポール・ギルバート(g,vo)、フレディ・ネルソン(g,vo)、トニー・スピナー(g,vo)、ケヴィン・チャウン(b,vo)、トーマス・ラング(ds)という顔ぶれだが、なんと3ギターという編成になる!

http://udo.co.jp/Event/PG-30/index.html


16.10月号にインタビュー掲載

スカパラと横山健のスペシャル対談実現!


「道なき道、反骨の。」MV-Short Ver.- /東京スカパラダイスオーケストラ

 7月2日発売Player2016年8月号ではSPECIAL TALK SESSIONと題して、東京スカパラダイスオーケストラの茂木欣一、加藤隆志と、横山健によるスペシャル対談が掲載されている。東京スカパラダイスオーケストラ feat. Ken Yokoyama名義による最新シングル「道なき道、反骨の。」をリリースしたスカパラ。なんと今回は横山健を迎えるというまさかのサプライズコラボレーションが実現だ。 スカパラは2015年のデビュー25周年記念の日本武道館公演を経て、“叶えた夢に火をつけて燃やす”なるツアーで新モードに入った勇姿を見せつけたのも記憶に新しい。さらにはKen Yokoyamaも新機軸となるニューアルバム『Sentimental Trash』を引っさげて、今年3月に8年振りとなる日本武道館公演を行ない、その模様がライブDVD『DEAD AT BUDOKAN RETURNS』としてリリースされたばかり。共にニューモードを感じさせるタイミングだからこそ、理想的なかたちで今回のコラボレーションが実現したのだろう。

 「道なき道、反骨の。」は、映画「日本で一番悪い奴ら」の主題歌として書き下ろされた楽曲である。川上つよしが作曲、谷中敦が作詞を手掛けたオリジナルナンバーであり、なんと横山健が日本語詞を歌っているのだ! しかも横山がシャウティにエモーショナルに歌い上げるこの楽曲は、“いいことばかりじゃないが お前を連れてゆきたい 俺たちの時代も未来は 見えなかった”という強烈なメッセージが突き刺さる。まさにワールドワイドな活躍でシーンを切り開いてきたスカパラ、横山が歌うならではのメッセージソングである。生々しいセッション感に富んだ演奏はスカパラの流儀に乗って行なわれた。横山は愛器グレッチ・ケニー・ファルコンJr.をプレイ、今回はテレキャスターをメインにプレイしたという加藤隆志とのツインリードも痛快である。ちなみにこのツインリードのソロのアイデアは加藤によるもので、その辺の逸話も対談で語られた。


Ken Yokoyama- I Won't Turn Off My Radio- from DEAD AT BUDOKAN RETURNS

 それにしても興味深いのは茂木欣一と横山健…つまりはFISHMANSとHi-STANDARDという90年代にリズム革命を起こした2バンドのメンバーがスカパラでプレイしているというこのスペシャル感! とりわけ90年代が青春という同世代の音楽ファンならば何とも感慨深いはずだ。年齢を重ねてくると、こんな思いがけないまさかの共演が実現したりするのである。その意味では、年齢をとるって悪いことばかりじゃないなんてことも思うのだ。Playerでのスカパラのインタビューではもはや恒例と言えるSo Many Tears 茂木欣一と加藤隆志の黄金コンビに、横山健という組み合わせで行なわれた今回の対談取材。勿論写真も撮り下ろしで、フォトグラファー大谷十夢治氏が撮影したグリーンバックによる3人の写真とソロカット、そして勿論お持ちいただいた楽器もお楽しみいただきたい。勿論楽器レポートも掲載している。「道なき道、反骨の。」のレコーディング・エピソードは勿論、まさに反骨精神で道なき道を歩んできたミュージシャン達の足取りが感じ取れるはずだ。

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 読者プレゼントでPlayer手ぬぐいに直筆サインもいただいたので、ぜひ記事の感想を一言添えていただいてメールでご応募いただきたい!

第2章を始動させたネットシーン最重要ボーカリスト、ぐるたみんが語る!

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 ネットシーン最強にして最重要ボーカリスト、ぐるたみん。さらに大きなステージを目指し、着実に進化とステップアップし続ける彼の第2章が、4月リリースのシングル『GIANT KILLING』によって遂にスタートした。本作は、自身の気持ちを表現した個性豊かなオリジナル・ナンバー達が収録。“ライブ会場でより多くのオーディエンスと自分の音楽を共有したい”という彼の想いがたっぷりと詰まった“名刺代わりの1枚”だ。6月18日から、6箇所で待望の全国ツアー『LIVE-G TOUR 2016-GIANT KILLING』をスタートさせ、8月24日にはオリジナル・アルバム『GRACE』のリリースが決定。その勢いをさらに加速させ続ける“逸材”ぐるたみんが、自身の音楽性のルーツから『GIANT KILLING』まで、たっぷりと語ってくれた!


皆が好きで聴く曲に興味があった

 第2章として4月にシングル『GIANT KILLING』をリリースし、より大きなステージに到達してから約2ヶ月が過ぎましたが、その実感はいかがですか?

 今も次の作品に向けて制作を行っていますが、もっと沢山ライブをしたいです! これまで、ネットを介して色々な作品を創ってきたけど、ライブという行為はそこまでしてこなかったんです。これからロックシーンでさらに活躍の場を拡げていくためにも、やはりライブ・パフォーマンスは“肝”になると思います。

 初登場ですのでバイオについて訊かせて下さい。音楽に興味を持ったきっかけは? 

 父がジャズ・ピアニストだったので、家ではいつもピアノが鳴っている環境で育ったんです。父は、チック・コリアとかハービー・ハンコックとか、1970年代のジャズ/フュージョン系ピアニストが好きで、よく聴いていました。僕もピアノを弾きますが、そこまでジャズにはハマらなかった。もう、父にイヤと言う程聴かされてきたので(笑)。家にコルグのシンセサイザーM1があって、それでシーケンスを打ち込んで遊んでいたのが、音楽に興味を持ったきっかけです。それで初めて打ち込んだ曲はT-SQUAREでした。

 ピアノは誰かに習ったんですか?

 小学生になる位の時、父に「ピアノを習ってみるか?」と言われたんですよ。でも、同じ頃に幼稚園の先生にサッカーを誘われて、結局サッカーを選びました(笑)。だからピアノは独学です。好きな曲を耳コピして、その要素を自分の中に取り込んでいきました。槇原敬之さんやサザン・オールスターズが好きでした。中学に入った頃は、どんなジャンルでも聴くようになりました。月一でツタヤに行って、ランキングの1位から10位まで40枚位をレンタルして聴きまくる…そんな生活をしていました。どのジャンルとか特に拘りはなくて、皆が好きで聴いていた曲に興味があったというか…昔って、学校で流行りの音楽について話したじゃないですか。邦楽とか洋楽とか気にせずに、そういう曲が気になったんです。ロックは好きで、特に早いテンポの曲は良いですね!

 個人的な感想ですが、高音のシャウトや曲の世界観にB’zの稲葉さんを彷彿とさせる要素がある気がするのですが、そういう影響は?

 あると思いまね。子供の頃にB’zのベスト『B’z The Best “Pleasure”』や『B’z The Best “Treasure”』が凄く流行ったし、あのアルバムを持っていましたから。

歌い始めたのはいつ頃?

 3歳の頃です。初めて歌った映像はDVDに録ってあるはずです(笑)。どんな曲を歌ったんだっけな? たしか、「星に願いを」とかディズニー系の曲だったと思いますね。

 パワフルで伸びやかなボーカルの高音はやはり天性だと思うのですが、いつ頃に今のスタイルを確立したのですか?

 子供の頃、槇原さんの曲をよく歌っていたんです。でも、変声期を迎えて高音が出にくくなったんですよね。でも、好きだから歌っていたし、倖田來未さんとか女性ボーカルも好きだったので、そういう曲を歌っているうちに自然と身に付いたのだと思います。

 曲作りはいつから? 

 小学校の頃から、家にあるM1を使って打ち込んで色々作っていました。当時はM1のシーケンス機能を使って打ち込んでいたんです。である時、父がヤマハのシーケンサーQYを買ってくれて、それからはQYを打ち込んで遊んでいました。前、父にその話をしたら「あれは俺が使いたいから買ったんだよ」と、言われましたが(笑)。シーケンサーだとメロディは作れても、歌詞は書けないじゃないですか。だから、歌詞を書くようになったのは最近なんですよ。

 最初はどんな感じの曲を

 原点が原点なので、フュージョンっぽい曲が多かったです。あとはゲーム・ミュージック。“人が好きだと言ってくれるキャッチーさやメロディ”に興味があって…ツタヤのランキングしかり、ゲーム音楽しかり“どんな音楽が多くの人に共感を覚えてもらえるのか?”というのを分析しながら曲を作っていました。

 バンドを結成した経験は?

 中学の頃、学園祭で演奏するためにやっていたくらいです。当時はドラムでした(笑)。ドラムを叩ける人って、中学では中々いないじゃないですか。当時は「スタンド・バイ・みー」とか、GLAYの曲を演奏していました。

 ぐるたみんさんの楽曲には、ロックらしい“エッジ感”と多くの人に共感される“キャッチーさ”がありますね。

 もともと曲作りが好きだったんです。以前、商業作曲家をしていた時期があって、その時に色々なスタイルの曲を作ったことが大きかった。アイドルに提供する様々なスタイルの曲から、当時流行ったヒップホップまで色々な曲を書きましたから。プロとして曲を書くと、クライアントからの様々な注文をスピーディにこなさないといけない。あの時期を過ごしたことで、曲作りの幅がとても広がりました。そこは自分の“武器”だと思うから、これからも色々な曲を作っていきたいです。

 商業作曲家ということは、注文の曲でトラックを作り、歌まで入れないといけませんものね。

 そう、だから歌は自分で入れてましたよ。そういうこともあって“歌ってみた”という、ジャンルにしっくり入れたというか…ソフトウェアはキューベースです。

 曲を聴くと、曲のイントロからエンディングまでとても緻密に描けているなと。音を合わせて作っていくバンド系とは違っていて、そこに個性を感じたんです。

 どんなにショボいトラックを作っても、最初から最後の流れは意識します。あと、アレンジャーさんと作業する時は、最終的には曲のイメージの絵コンテを書いて送ります。キメまでしっかりアレンジを固めますし、PVありきな曲の場合は、ムービーの尺に合わせてしっかり曲のサイズを作りますね。

もっと良い音で歌いたいんです

 ぐるたみんさんが、より多くの人に知られるきっかけとなったのが、09年ニコニコ動画に投稿された「ロミオとシンデレラ」の歌ってみたでした。

 そうですね。

 歌ってみたや、歌い手が認知されたのが07年「おっくせんまん!」の頃だっと思いますし、その夏に初音ミク・ブームが起こり、「メルト」などボーカロイド曲が盛り上がりをみせました。初投稿した09年は、ニコニコ動画のクリエイティブなジャンルが大きなピークにありましたが、なぜあの時に歌ってみたをアップしようと?

 僕が商業作家をしているのを知っている友人に、「歌ってみたを作りたいから手伝って」と頼まれたんです。彼のテイクを録るのを手伝って、そのレコーディング・データが僕のパソコンに残って、レコーディングしている際に友人が席を離れている時に、そのトラックに自分で歌を入れて投稿したんです。だから、最初の歌詞は適当で、最後ちゃんと歌っているのは、そこで真面目に歌入れしたから(笑)。それをアップしたら、たまたま反応が沢山あって…やはり何かリアクションがあると嬉しいし、“へぇ〜こういうシーンがあるんだな!”って思いましたね。

 なるほど! でそもそも、なぜぐるたみんという名前で投稿しようと?

 歌い手は“〜さん”と呼ばれることが多いでしょ。じゃあ“さん”ありきの名前にしようと思い、この名前にしました。べつに、グルタミン酸に含まれる“旨味”みたいなものを狙ったわけではないです(笑)。

 僕も06年からニコニコ動画を使っていますが、ぐるたみんさんが投稿を始めた時代って盛り上がりが凄かったですよね!

 色々なおもしろい人が登場して、目まぐるしい移り変わりがありました。ニコニコにアクセスして、流行りの動画とかを見ると“また新しい人が出てきたな!”と思いましたから。しかも、昔のヒットチャートにみたいにウィークリーやデイリーではなく、もう1時間単位で集計が出ますからね。本当にガチな“ランキング至上主義”と言うか、そういう流れをリアルタイムで見るのが単純に楽しかったです。あと、動画にリスナーがコメントを書き込めるじゃないですか。あれが凄く嬉しかった。商業作家をしていた時は「うん、良いですね。お疲れ様でした」位だったけど、ニコニコだと「凄いですね!絶対シリーズ化して下さい!!」みたいなコメントが来て、そういう反応って超嬉しいじゃないですか。これまで、1人でコツコツと音楽やってきた中で、そういう反応って中々ありませんでしたから。他の方々も、僕と同じくそういう反応が単純に嬉しかったり、楽しかったりしたんじゃないでしょうか?

 あの時代のシーン代表する歌い手であり、クリエイターであったぐるたみんさんですが、自分の音楽のどんな部分が評価されたのだと思いますか?

 動画をアップして返って来るコメントを見て、彼らが望む要素をスピーディに採り入れて曲を作れたのが“強み”だったかなと。「“うるおぼえで歌ってみた”をシリーズ化して下さい」とリクエストされればシリーズ化したし、「ちゃんと聴こえるように歌って下さい」と言われたら、そうしましたから。本当に沢山のコメントが届いたし、それぞれをトライしていったら、より皆が気に入ってくれるものになっていたのかなと…時には悲しくなるコメントもあったけど、何も届かないよりはマシだし、そのコメントを受け止めると“よし、がんばろう!”と思えることもありましたから。

 プロの現場のシビアなコメントよりも、素人の何気ないコメントに“ピンと来る”ことも多々ありますからね。

 そうそう! 真っさらな状態の人の感性や価値観って、“おっ!”と思うことが多くて…そういうことに気付けたのは大きかったです。

 “ベストなテイクを録るために2,000テイクも重ねた”と聴きましたが、当時はどんな制作状況で曲をアップしていたんですか?

 やってきたことは、子供の頃から変わらないですからね。歌も上手く歌いたいというよりは、“もっと良い音で歌いたい!”という欲求の方が強かった。2,000テイク重ねた曲も、やればやるほど良くなっていって“これ以上は良い音にはならない!”と思ったのが、たまたまそのテイク数だっただけで、自分にはわりとスパルタなんです(笑)。よく言われる“ありえない高音のシャウト”とかも、そうやっていく中で生まれたものですしね。その時、使っていたのはマイクがロードのNT2で、インターフェイスはローランドの101とか、スタンダードな録音機材でした。プロの作品だと、音作りやミキシングまで標準の“スタンダード”があったけど、こっちの世界はより柔軟なトライをしても受け入れられる余地があったというか…だから音作りでも、プロの現場なら怒られてしまうような大胆な“飛び道具”を入れましたね。

 そういう拘りは、今どんな風に変化しているのでしょうか?

 あの頃はグルーヴ感が弱かったので、そういう部分は今後もっと突き詰めていきたい。曲を聴いて感じる“心地良さ”というか…そういうのも含めて、今は自分の曲で勝負しているわけですし。より多くの人が聴いてくれるライブに向けて、そういう部分をアップデートしていきたいですよね。


過去の自分に打ち勝った作品

 11年に『EXIT TUNES PRESENTS ぐ〜そんなふいんきで歌ってみた〜』でCDデビューし、今年4月にユニバーサルWから『GIANT KILLING』をリリースし、着実にステップアップを重ねていますが、今の活躍についてどう感じますか?

 “まだまだこれからだな!”という想いは強いです。でも、今回の取材もそうですが、ハマってくれる人は着実に増えてきているんだなと、そう感じることは何回もあって…そういう瞬間をもっと多くの人と共有できるようにがんばっていきたいです。2,000テイクを録り続けられる位にトライ&エラーを恐れる気持ちはないですし、そこは自分の“強み”だなと。今目の前に広がっている新しいフィールドを全力で駆け抜けていきたい。音楽に興味を持ったきっかけも、皆が好きなものを作りたいという気持ちからだったし、そういう自分なりの“王道”を貫いていければと。やはり良い音で録りたいし、そういう環境がやっと整ってきたと思います。満足するテイクを録るには、今も同じで家のプライベート・スタジオがベストですけどね。

 今の時代は、昔のロックスターみたいに1年スタジオを貸し切って、自由気ままに音が降りてくるのを待つ時代ではないですからね。皆、限りある時間をフルに費やすために自宅でトコトン煮詰めていますし。

 そうなんです。だから、レコーディング・スタジオでたっぷり作業するのは、少し苦手なんです(笑)。僕の場合、根を詰めて満足するまで自宅で練り上げたデータを交換して進めていくのが合っているんですよ。

 現在所属しているユニバーサルWは、恩田快人さんとネットシーンで活躍するアーティストやクリエイターが中心になって新設されたレーベルですが、このレーベルに在籍するまでの経緯とは?

 以前在籍していたレーベルを抜けてフリーランスでやっていた時があって、その時に偶然声をかけてもらったんです。

 恩田さんとの接点はそれまでにあったのですか?

 なかったです。ipodに恩田さんがいたジュディマリの曲が入っていて、初めてお会いした時“あっ、恩田さんだ!”って思ったくらいですから(笑)。

 “ネットシーン最強にして最重要ボーカリスト”というキャッチコピーは実に言い得て妙ですが、ご自身でそういう自負は?

 ボーカリストとしては最近わりと認知されてきたと思うんです。でもその他に、曲やライブの良さでアピールできないといけないなと。僕は、今ネットシーンだけに留まっているわけではないですからね。

 『GIANT KILLING』はそういったより多くの人にアピールする、曲の魅力とライブ感があります。

 もう、手拍子だけで聴いた人がノレる曲を作りたい! その想いは、この『GIANT KILLING』に込めています。気持ち良いライブ感とグルーヴをイメージして、沢山の人が携わってくれてこのシングルができました。あと、多くのお客さんがライブでノってくれるには、曲は絶対的に“シンプル”である必要がある。最近アレンジする際は、そういうことを考えるようになりました。

 なぜ今回、作詞と作曲手掛けようと? 

 今のステップに到達するには、ネットの様々な人達の協力がありました。彼らは、日本だけでなく、もう世界中で僕とネットで繋がって応援してくれた“大切な人達”です。そういう人達にいつか恩返しがしたくて、彼らが集まれる場所“武道館”でいつかワンマンライブがしたいんです。それを実現するには、やはりカバー曲では難しいと思うんですよ。絶対に自分自身を全面に出した歌であり、曲じゃないとアピールできないから。資料には“ぐるたみん第2章”と書かれていますが“自分の歌と作詞作曲で勝負する”と決意した以降の今は、もう第3章という気持ちなんですよ。

 そういう目的を掲げた際に苦労したことは

 皆誰しも苦労していると思うんです。良い曲と書こうと、必死で悩んでいるわけですから。僕もそうだし、だからこそ1曲1曲でそいう想いを込めたい。今まさに、8月24日発売予定のオリジナル・アルバム『GRACE』の作業をしているんですが、もっと色々な人に響くバラエティに富んだ曲を作るには、当然大きな苦労があります。“自分の良さ”を出しきったまま曲間口を広げるのが、もう本当に難しい…どれも良いけど、どれも“もう1つだけ強い何かが欲しい”というジレンマが生まれてきて…『GIANT KILLING』は最高の名刺代わりの1枚になったけど、これよりももっとライブ感が欲しいから。この『GRACE』が完成した時は、自分の中で“さらなるステップ”に到達できていると思います!

 『GIANT KILLING』は、恩田さんがエクゼクティヴ・プロデューサー兼ベースを担当していますね。

 “生バンドのライブ感”はキーで、恩田さんはレコーディングの際に、僕がミュージシャンに伝えるべきコメントの補足を手伝ってくれました。たとえば、生のシンバルの音が少し軽い気がして悩んだ時に、的確なアドバイスをもらいました。人柄は本当に優しくて、音楽に対する愛情で溢れています。僕が機材に興味があるのを知っていて「こういうのがあるけどどう?」と、アドバイスを下さいますし。『GIANT KILLING』のレコーディングは気合が入っていた分、結構時間を費やして…その日に今後のプロモーションの相談も重なっていたので、時間が過ぎれば過ぎるほどA&Rの皆さんもヤキモキするわけです(笑)。そんな時に恩田さんが、「うん、最初の作品だからトコトンやったほうが良いよ!」と間に入ってくれました。あと、恩田さんはアーティスト。ライブとかの“魅せる行為”に関する拘りと情熱が凄くあって、そういうコメントを聞くのがとても楽しかったです。

 「GIANT KILLING」は、疾走感溢れる、ハイノートが心地良いナンバーで、コーラス含めアレンジも魅力です。

 第2章のスタートを切るナンバーですからね。この曲をリード曲に決めるまでは、この曲にするか、従来通りの感じにするか、もっと爽やかなナンバーにするか、結構悩んだんです。でも、この曲が今の自分らしいナンバーだと思うしベストでした。タイトルのGIANT KILLINGには“大金星”という意味があって…ここに到達するまでの僕は常にベストを尽くして来たんです。そんな“最強のライバル”である過去の自分に勝利できた曲。そういう意味でこのタイトルにしました。

 「飛行少女と僕」は、鍵盤が効いた爽やかでエッジが効いたナンバーですね。

 今まで動画シーンでやってきたので、動画とリンクした曲を書きたかったんです。動画の絵コンテありきで成立する曲。歌詞を見てもわからない部分を“ああこういう意味なんだ”と絵が補足してくれる。そんな曲ですね。

 カップリングとして、通常盤に「あのねのね」、初回盤Aに「いつかまた会うその日まで」、初回盤Bに「JUMP UP!!」という、全くテイストの異なる楽曲が入っているのは、ぐるたみんさんのソングライティング能力の多彩さを証明しています。

 「GIANT KILLING」は間違いなく渾身のナンバーだけど、1曲だけでは自分らしさを伝えられるとは思えなかったんですよね。だから、それぞれの最後の曲にテイストが違ったナンバーを入れようと。「あのねのね」は今のロックシーンに向けて書いた曲で、4つ打ちのビートもそうだし、歌詞もテイストに注目して頂ければと。「いつかまた会うその日まで」は、いつか形にしたいと思っていたバラード曲。このシングルが出たタイミングは、丁度卒業シーズンの4月だったので、人の別れと再会、今の自分が目指す場所をテーマにしました。「JUMP UP!!」は、ライブの終盤で皆で大いに盛り上がれる曲。今までは「TIME UP」という曲をライブの最後でプレイしていたけど、ポップな感じだったのでガツンと終わる感じではなかったんです。だから、ライブの最後を飾れるナンバーとして書きました。

 ボーカリストとして、作詞と作曲をして、リスナーに聴いてほしい部分は?

 この『GIANT KILLING』を出すまでは、自分の歌と比べられる位に僕の曲が良いということを、自分のファンすら知らなかったと思うんです。実際、オリジナル曲でやっていくことを知ったファンから“本当ですか!?”というコメントをもらいましたから(笑)。でも、それを払拭して、十分にアピールできるものが作れたなと。ファンに向けても良いシングルになったし、これからの1年後が本当に楽しみになる作品です。

 ツアーに向けて楽しみに1枚になりました。

 今までもライブはしてきたけど、カバー曲が多かったですし、オリジナルで自分が見せたい世界を表現できるライブ…それがやれるツアーになるなと。だから、本当に今回のツアーのライブが楽しみです。ここから、さらに“上”を目指して全力で駆け上がっていきたいです!

Interview by TAKAHIRO HOSOE

グルタミン
ジャイアント・キリング
ユニバーサル 発売中

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[初回限定盤A] UICZ-9059 1,500円(税込)

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[初回限定盤B] UICZ-9060 1,500円(税込)

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[通常盤] UICZ-5068 1,100円(税込)

LIVE-G TOUR 2016-GIANT KILLING
6月24日(金)札幌CUBE GARDEN
7月9日(土)熊本B・9 V2
7月10日(日)福岡BEAT STATION
7月23日(土)名古屋RADホール
7月30日(土)大阪MUSE


Muddy Apes Faraway So Close Interview & Gear Report

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 日本が誇るカリスマバンドLUNA SEAのINORAN(g)、イギリスの人気ロックバンドFEEDERのTAKA HIROSE(b)、FEEDERのサポートメンバーでアメリカ・フロリダの実力派DEAN TIDEY(g)、日本の大阪出身のロックバンド8ottoのMAESON(vo)による日、英、米混合のスーパーバンドMuddy Apesが、最新作『Faraway So Close』を完成させた。前作『Fairy Dirt No.5』の緻密かつ躍動感溢れる音像はそのままに、本作はより泥臭くディープなバンドサウンドに回帰。オープニング曲「Comfy」のイントロから、ラストの「Motor Ego」まで、初期衝動溢れるスケールのドデカい“世界最高水準”なロックサウンドを展開している。
 メンバーそれぞれが住んでいる場所で曲のアイデアを出し、そこから曲が始まっていくという、現代ならではのアプローチで本作の曲を完成させていった彼ら。
 『今回スタートした時に「単純にバンドって“演奏する楽しさ”が大事だけど、一緒にプレイする楽しさってなんだっけ?」という話をした。その中で浮んだキーワードが“もっと泥臭くいこう!”ってことだった。でも、これだけ場所の物理的な距離があると、各々の音楽の嗜好性も異なるわけで…DEANは最初本当にのどかな曲が多かったし(笑)。それは素直に作った証拠だとも思うけど、ミックスの段階では泥臭く仕上げようって。もっと言えば、3枚目のアルバムを完成させた時に完結するものじゃなく、それから4人でライブやセッションすることで、完成するものにしたかった』とINORANが語るように、『Faraway So Close』には、バンド名通り、野性味溢れ泥臭くイナタいロックサウンドが全面に押し出されている…
 獰猛かつ最高にスリリングでライブ感溢れるバンドサウンドは、ポール・マッカートニーやU2を手がけた“敏腕”スティーヴ・オーチャードがミキシングを手掛けたことで、さらに音が研ぎ澄まされ、オープニングの「Comfy」からラストの「Motor Ego」まで、圧倒的な“説得力”を宿し聴く者に迫って来る!
 6月2日発売のPlayer7月号では、“遠くても近くにいる”というタイトル通り、離れた国々で生活するメンバーそれぞれの渾身の想いを込めた会心作『Faraway So Close』の魅力を、INORANのインタビュー、そしてINORAN、TAKA、DEAN3人の使用機材を掲載し多角的に迫る!


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マディ・エイプス
ファラウェイ・ソー・クロース
ワーナー WPCL-12397 CD
6月15日発売 3,000円(税抜き)

Text by TAKAHIRO HOSOE

『Japan Tour 2016 “Go Apes Go !!!”』
6/23(木)梅田CLUB QUATTRO
6/24(金)名古屋SPADE BOX
6/30(木)福岡BEAT STATION
7/1(金)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
7/15(金)新宿ReNY
[問] http://muddyapes.com

天田優子(ex.joy)×香織(the mother’s booth)スペシャル対談

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天田優子(ex.joy)×香織(the mother’s booth)
ファンタジールミネ―ション対談
「悲劇が起こらないように、
 思い出して思い出して、考えろって」

2016.7.15 対談インタビュー後編+最新インタビューアップ!

 大盛況に終わった6月1日(水)渋谷354clubに続き、2月連続のイベント「空想×反芻(ファンタジールミネ―ション)」を7月16日(土)新代田crossingにて開催する天田優子(ex.joy)香織(the mother’s booth)。共に独自のスタイルを持ったボーカリスト、ソングライターであり、自分の言葉による歌を歌える稀有な存在であるふたり。天田優子はjoyの解散を経てソロとして新たな可能性を追求しだしたところ。香織は今夏the mother’s boothとして初のミニアルバム『DEPLUME』のリリースを控える中、ソロアーティストとしても様々なコラボレーションを行なうほか、弾き語りスタイルのソロ活動もスタート。そんな双方が行なうアコースティックソロ2マンライブは、「空想×反芻(ファンタジールミネ―ション)」というタイトルが付けられて、ふたりのコラボレーションによるイベント会場限定のスプリット音源「FANTASY RUMINATION」をリリース。収録曲の2曲はルナ編と題された渋谷354club公演のアンコールで披露された。こうしたコラボへと発展を遂げたふたりの出会い、そして相通じる部分についてたっぷりと語ってもらったのがこの対談である。
 今回ルナ編としてアップされていた前半部分に続き、後半ステラ編もアップ。さらに7月16日(土)新代田crossing公演を目前に行なわれた最新インタビューもお届けする。スプリット音源「FANTASY RUMINATION」についてもたっぷりと語っていただいた!


 そもそもおふたりの出会いは?
香織:
the mother's boothが自主制作EPを出す時に、イベントのゲストアクトを探していて、人づてにゆこにんの電話番号を教えてもらって突然電話したんです。そのときのゆこにんは“なんなの、この人!?”みたいな反応で怯えていて…(笑)。
優子:そんなことないから(笑)!! 違う違う! ドキドキしただけ(笑)。
香織:ただそのときはjoyが活動休止期間中でタイミングが合わなかったのかな。
優子:joyで再び動き出そうとしていたんだけど、結果的には上手く行かなくて。
香織:だからもうこれだけ打ち解け合っているのに、今までに対バンしたことはないんですよ(笑)。YouTubeをむさぼる毎日でした(笑)。
優子:私は私で誘われつつも出れないもどかしさが続いていて…。
香織:ずーっとメールのやりとりをしていてメル友状態だったんです。しばらくしてthe mother's boothのツアーで大阪に行ったら突然来てくれて。もうそのとき会ったらイエーイって感じでした(笑)。その一週間後のライブも観に来てくれて…。
優子:急接近しました(笑)。凄く興味があったから。
香織:お互いのツイッターやブログを見合ったりながら“この娘はこういう娘なのかな!?”みたいな探り合いをしていて、(the mother's boothの)「不完全カルテ」の歌詞の話をしたときにシンパシーみたいになって(笑)。それが今回のイベントにも繋がっているんですよ。
 お互いのブログを見合っているって相当なものですね。
香織:
優子ちゃんがjoyの解散ライブについて書いているのを見たときは、“この娘強いなー”って泣けてきたもの。でも大阪で会ったら人が違ってた(笑)。
優子:(爆笑)!!
 それにしてもおふたりは急接近したわりには妙に仲が良いですよね。
香織:だってやっている音楽が近いからね。
優子:内容がね。
 でも優子さんからしたらまったく知らない女性から電話がかかってきたわけで…。
優子:
いやいや、一緒にやりたいと言ってくれる時点で私はもう感謝感激なので。それに私は頑張っている女子が好きなんですよ。自分にないものを持っている他人の部分についてはすぐ感知するから、最初っから興味を持っていましたよ。香織ちゃんがしっかりしているっていうのは、もう最初のメールの文面とかでわかるじゃないですか? バンドを一緒にまわそうとしている感が凄く伝わったから。
香織:プロモーションが苦手で悩んでいるって言ってたじゃない? それは私割と得意分野だから手伝うよみたいなスタンスで(笑)。でもさすがに最初に電話するときは勇気が要ったんですよ!
 当時優子さんはjoy再編に向けてソロライブを始めた頃で…結果的にjoyは解散することになりましたが、新しい試行錯誤のタイミングで出会ったのも大きかったようですね。 
優子:
それは大きかったですね。
香織:協力して一緒にやろうぜみたいな。なんかシーンを作りたいよね。悩める娘の…。
 悩める娘のシーンを作りたいの!?
香織:
音楽が売れないとされている時代、売れるはずなのに売れない音楽をやっているように思われているというのかな? 日本語詞をちゃんと基調にしていて、歌ものであって、女性ボーカルという。女性ボーカルのほうが売れにくい時代じゃないですか? 極端な話、今だとリスナーのターゲットが普通にアイドルになっちゃったりするという。今はひとつの女性バンド、ひとりの女性アーティストって単体だと売り出し方が難しいから。
 良い歌詞を書いて良い歌を歌っている、そういうシンパシーを感じる人とはなかなか出会えないものなんですか?
香織:
本当、そう。
優子:香織ちゃんともやっと会えたって気がするから。
香織:私の中ではひぃたん(湯野川広美/ジン)とも近いですね。ひぃたんはソロでやっていくスタイルをすでに身につけている気がするけれど、私達はまだそのスタイルを探しているので。ただ音楽的には近いものは感じますね。私達がターゲットとすべき人達に見つけてもらうためにも一緒にやる感じかな。

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植村花菜 3年振りのオリジナル・ミニアルバム『愛のかたち』完成!

 シンガーソングライター、植村花菜3年振りのオリジナル・ミニアルバム『愛のかたち』が完成した! 結婚、出産を経て、1人の母親になった彼女の歌は、今までと変わらずに自身の表現を追求し、リアルでありながら多くの人が共感できるポジティブなメッセージが溢れている。人と人の様々な“愛のかたち”をテーマにした本作は、日々の生活に根ざした人への愛と想いが現れており、どの曲も自然でありながらも実に味わい深い…そんな充実作を完成させた植村が、新作『愛のかたち』についてたっぷりと語ってくれた!

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ママになった今だからできた曲
 
 前作『Steps』以来、3年振りの4thミニアルバム『愛のかたち』が完成しました。凄く自然体でありながら、曲、歌、歌詞、全てに植村さんの魅力が詰まった魅力的な内容だなと。

 まだ完成したばかりですが、今回も自分らしいアルバムになったなと…15年に息子が生まれて母親になるという出来事を経て完成させた第1作目ですが、無事に完成してとても感慨深いですね。

 日々の生活に根ざした曲作りをされていますが、子供中心の生活になって変わったことはありますか?

 ええ、息子が生まれる前と後とでは全く変わりました。それまでは自分に時間が沢山あったので、作曲したい時にやりたいだけ時間を費やせた。でも子供が生まれると、中々作曲だけに全てを集中するわけにもいかないし、日中の時間が限られますから。基本的に彼が寝た後に作曲を開始するんですが、時間を費やしたから曲が書けるというわけでもなくて…だから、今回は結構ギリギリまで曲が書き上げられなかったんです。でも、子供や家族がいて、ママになった“今だからできた曲”があるので、無事に完成して良かったです!

 ご自身の経験から生まれる感情を、飾らず歌にできるのが植村さんの魅力だなと。13年1月にご結婚され、15年1月に息子さんが誕生しましたが、そういった生活の変化は作曲にどんな影響を与えましたか? 

 今おっしゃったように、私は日々の生活に根ざした気持ちを曲にするので、とても影響を受けました。東京で1人暮らしだった時と、結婚して子供が生まれて、3人になってからでは全然違う…作曲のペースも変わったし。でもね、学んだ事も沢山あったんです。

 それはどんなことですか?

 6曲目の「愛のかたち」は、締め切りまでに満足するものができず、自分の中に焦りがあった時期に完成した曲なんです。“どうしよう、どうしよう”とテンパりました(笑)。今年2月ですが、そんな時に普段は全くグズらない息子が急にダダをこねるようになって。普段は凄く素直なんですが、「イヤ、イヤ!」とご飯を食べなくなっちゃって…気になってネットで検索したら“イヤイヤ期”という時期があることを知ったんです。

 イヤイヤ期になるの結構早かったですね。

 そうなんです。気になったから色々な人に相談したけど、最終的に子供の自我が目覚める時期ということなので、特に気にする必要もないらしいんですけどね。でも自分の子供だから、やはり気になるじゃないですか。それから1週間位考えた時に、“あっ、私曲のことばっかり考えて、以前のように息子と心を通わせられていないんじゃないか?”と気付いたんです。子供は凄く繊細だから、そういう雰囲気を察するんですよね。彼に対して、自分が上の空だったのが見抜かれているんだなって…で、ある決意をしたんです。“よし、今は曲書くの止めよう!”って…。

 本当ですか!?

 ええ。この時期は曲の期限が迫っていたし、アルバム発売日も決まっていたんですけどね(笑)。私この仕事大好きだけど、不器用なので2つを一度にできないので、曲作りを一旦止めたんですよ。それから、よりしっかり息子と向き合ったんですが、そしたら一切グズらなくなったんです。もしかすると、彼の自我が芽生えた時期に私がちゃんと注目していなかったのかもしれない…ご飯を食べたくないのに食べさせようとしたのかもしれないし、単にご飯より私のお箸や茶碗に興味があっただけなのかもしれないけど、より向き合うことで欲求やメッセージに気付けるようになった。そういう息子との向き合い方を見つめ直して書いたのが「愛のかたち」の歌詞です。

 なるほど

 でも、この歌詞は親子の関係だけでなく、私と主人みたいに一緒に暮らしていて、これまで違う経験をしてきた人にも当てハマるんです。お互いにズレが生じた時って、しっかりと互いを見つめ合って話をして共有することが大事だから。人それぞれに個性やペースはあるけれど、互いを見つめ合って変化していく“愛のかたち”。それはひとつじゃないし、そこには色々な形とペースがあり、それを歌にしようと思って書いた曲です。

 変化する人との関係の中で育まれる愛のかたちをテーマにした歌詞だったんですね。

 ええ、今思えば本当に結果オーライでしたが(笑)。ちゃんと曲を書けたからこう話せるけど、完成できなければ「植村、曲どうなってるんだ!」と言われるので(笑)。でも、あの時はこの選択が正しいんだって。「愛のかたち」だけでなく、このアルバムにはそういう日々の生活の中で“今の私が感じたこと”をテーマにしているので、曲のことだけを考えていてはダメだったんだなと思います。「輝く時間の中で」は、結婚してから最初に作った曲。上京して10年位1人で生活してきましたが、シンガーソングライターって自分を掘り下げて曲を書くので、孤独な作業が多いんですよ。悩みがあっても、これまではずっと一人で解決してきたところがあって…でも結婚して、主人もミュージシャンなので、私の気持ちを理解してくれた。こういうことは初めてで、これまで付き合った人や自分の家族にも、そういうことを話すことなかったので…彼に話を聞いてもらうことで気付かされる事や、良いアイデアが浮かぶ瞬間があって。そういうのって、ホンマに素敵だなと実感したんです。そういう経験を経て「輝く時間のなかで」が完成したんです。

 そうだったんですね。

 私は日々の生活をテーマにするので、特別な出来事を題材にするわけではないんです。でも、そういう日々の生活が少しずつだけど、大きく変化していったというか…結婚しようが、子供が生まれようが、曲作りやレコーディングに関しては変化していないですが、家族の中の出来事が色々なことを教えてくれたので、今回はそういう気持ちが沢山詰まっています。


愛をテーマにすることは自然な流れでした

 テーマに様々な“愛”がありますが、家族という絆だけでなく、人と人との絆を通じた愛が見事に描かれていますね。

 ありがとうございます!

 ベストアルバム『The Best Songs』をリリースした際に「19歳でギターと作詞作曲を始め13年後の今に至るまで、希望という1つのテーマで曲作りをしてきた」と語っていました。本作は愛をテーマにしていますが、そこには“希望”や明日への“ポジティブさ”があります。なぜ今回愛をテーマにしようと?

 とても自然な流れでした。「ママ」は妊娠中に書いた曲で、元々は音源化するつもりもなかったんです。産休前のライブで、今の自分が書いた曲をファンの皆さんに聴いて欲しいと思い作ったので…その時、ファンの方から「心に響く良い曲なので、ぜひ音源にして下さい」という声を沢山頂いたんです。「なんてことない日々」は、息子が生まれて復帰ライブの時に歌った曲。その時、その時で、お客さんには“今の自分にしか書けない曲”を届けたいのですが、こちらもライブで良い反応を頂いたので、この2曲と「輝く時間の中で」はアルバムに入れたいなと。そう思った時、この3曲に共通するのは、どの曲も異なっているけど“人に対する愛のかたち”でした。「なんてことない日々」は母から子供への、「輝く時間の中で」は奥さんから旦那さんへの、「ママ」は娘から母への愛のかたち。そう気付いたので、このアルバムでは色々な角度から沢山の“愛のかたち”を表現したいなと。

 凄く歌声に凛とした芯があるのですが、今回はそこに優しさというか、柔らかさみたいなものを感じたんです。

 うーん、自分では意識していないんですけどね…息子が生まれ、母親になったことは影響があったのかもしれません。

 「なんてことのない日々」のボーカルとか特にそうで…。

 そうかもしれません。自分では「変わりましたよ!」とも言えないけど(笑)、そういうコメントに“気付かされるもの”ってありますから。育児って、食事でもお昼寝でもそうだけど、子供は母親の思い通りにはなかなかいかない。グズって泣くこともあるし、部屋を散らかすこともあるし、自分の子供でなければイラッとすることもあるわけですよ(笑)。そういう時も自分の息子なら我慢できたし、この気持ちが芽生えは、今の生活で気付いたこと。物事の許容範囲が広がっていくというか…受け入れて、理解していくという感情。もしかしたら、そういう日々の変化が図らずしも歌に現れているのかも。声と歌って、その人“そのもの”だから。今コメント頂いたものが今の歌に出ていると感じて頂いてのことでしたなら、それはとても嬉しいです!

 前作『Steps』は初のセルフ・プロデュース作品となりましたが、今回はどのように?

 今回も基本的にセルフ・プロデュースで、アレンジに関しては自分のイメージしたものに近づくよう、アレンジャーさんと一緒に作業しました。

 アレンジにはでこぼこバンド、伊藤隆博さん、時乗浩一郎さんが参加していますが、どういったイメージで彼らを起用しようと?

 曲が完成した時に“この人にお願いしたいな!”というイメージがあって。でこぼこバンドは、13年位に私を含めた4人のカルテットで、ツアーも一緒だった間柄。前作もこのバンドで作りましたし、彼らの音は自分の頭にイメージがあるんです。「なんてことない日々」はツアーの時に4人でやっていたし、この4人でレコーディングしたかった。「愛のかたち」も、このバンドの音をイメージしていたので一緒にアレンジしました。 

 なるほど、伊藤さんのオーケストレーション、時乗さんの都会的なセンスなど、そういったアレンジャーの個性を曲に反映させていったのですね。

 そうです。

 曲作りはこれまでと同じく基本ギターで?

 ええ、弾き語りで完成させた曲から、イメージを膨らませてアレンジしました。曲作りは歌詞から書く“詞先”なんですが、作文みたいに自分が思うことをバーッと書いていって、そこから“伝えたい気持ち”だけを残して形にしていくんです。その時に歌詞と睨めっこすると、頭の中で歌詞が勝手に歌ってくれるので、そのメロディをまとめていく…だから、ギターやピアノを弾きながら曲作りすることは滅多にないんです。歌詞が頭のなかで歌ってくれた時に、この曲はギター、この曲はピアノみたいな直感があるので、それに従っていく感じ。今回、ピアノで書いたのは「輝く時間の中で」だけです。

 14年のセルフカバー作の『The cover’s 60’s to 70’s』と、15年のベストアルバム『The Best Songs』を経て、凄く音が研ぎ澄まされたというか、より自分の歌に合ったアンサンブルのアレンジが見えてきているのかなと。『Steps』よりも歌がしっかりと聴こえるので。

 年々シンプルになったというか、必要なものがわかってきていますね。アレンジでは、歌を邪魔するものは極力なくしていくんです。だからアレンジは重要で、年々最終的な曲まとまりはシンプルになっていく傾向があります。やはり、自分の歌が1番に聴こえて欲しいし、届いて欲しい。そうすると、余計な音はどんどん省いていくことになる。アレンジの擦り合わせをする時も「うん、そこは無いほうが良いですね」と、思い切って音を抜いたし…でも、歌以外の楽器もしっかり聴こえて欲しいんですよね。歌はセンターにあって、そこに対になるというか…。

 そのやりとりは自然にまとまりましたか?

 うん、苦労はなかったですね。私自身、意見をはっきり言うタイプなので(笑)。

 レコーディングを開始したのは3月中旬でしたよね?

 そうです。映画『海すずめ』のタイアップが決まっていた「ただいま。」だけは1月にレコーディングしましたが、あとは3月頭から始まって昨日(4月11日)にマスタリングが終わりました。

 バンド・アンサンブルがとても温かみのあるサウンドになっているなと。“アットホーム”とでも言いますか…ブログを拝見すると、息子さんもスタジオに遊びに来ていたみたいですし、そういう雰囲気が出ていて“人間味のある音”になっているのかなと。 

 自分の求める明確な音があって、レコーディング・マイクのそれに合わせて試しました。でも1番大きいのは、エンジニアさんが私の音のイメージを共有できていたこと。とても信頼している方なので、もう今更細かく意見をお伝えする必要もないんです。だから、もし温かみがある音だと感じて下さったのなら、それは本作に携わってくれた“皆の心”が宿っているからなのだと思います。

 「なんてことない日々」は、今の等身大の植村さんの気持ちを歌に込められているなと。

 弾き語りで完成させた曲だけど、その時からバンド・サウンドをイメージしていたんです。でこぼこバンドで長年一緒にやってきたから、それぞれの音がしっかりイメージできますし、自然にこういうアレンジに向かっていきました。

 歌先で書き上げるからかもしれませんが、曲が実に味わい深いですね。今のシーンって凄くスピードが早いですし、流行りものの曲は3分代のコンパクトな尺にまとまることが多いのですが、植村さんの曲は1曲に込める想いがしっかりあり、昔自分が好きで聴いていた、シンガーソングライターらしい表現があるなと…。

 ありがたいことに、デビューした時からマイペースでやらせてもらったので、それは皆さんに感謝しかないです。さっき言ったみたいに“できなかったら、一旦ストップ!”と、その時に1番大切なものに注ぎ込むこともありますし (笑)。でも私はこういう性格だし、時代ごとに人が求める流行曲って違うわけじゃないですか? たとえ話ですが、キラキラしたアイドルグループを好きな人が、皆私の曲を同じように好きになるわけではない。どちらが良い悪いじゃなく、それぞれの魅力があると思うんです。

 ええ。

 だから、実は“良い曲を作ろう!”と曲を書いたことは1度もないんですよ。1番大切なのは“自分らしくある曲”なので。もう、ただそれだけで、“植村花菜にしか作れない曲”を書けるかだけです。自分の曲が、より多くの人に届いて欲しいという想いはありますよ。でも、そのために流行りのワードを入れると、やはり自分らしくはなくなってしまう…昔は、私にもそういうものを求められていたのかもしれませんけど(笑)、今はそういうタイプではないことを周りが理解してくれているので。自分らしい部分を貫き通させてもらっていますね。

 ストリングスのアレンジが入った「ただいま。」は、爽やかな感じでカーペンターズを彷彿とさせるナンバーですね。アメリカンな牧歌的というか…。

 去年の夏、映画『海すずめ』のタイアップの話を頂いて、その台本を読んで歌詞を書き上げました。話を要約すると、小説家を目指している女の子が1冊本を出すんです。でも、東京で暮らしながら作家を続ける中はその1冊しか書き上げられなくて、挫折感の中に田舎へと戻るんです。その中で、2冊目を書こうとしながらも上手くいかず、色々と悩みながら次の夢に向かっていく…その主人公と私の“共通点”ってどこやろ?と台本を何度も読み返しながら考えました。

 なるほど。

 私も上京して10年位暮らしたし、最初の5年はなかなかヒットが出なくて。それから「トイレの神様」で、ようやく色々な方々に名前を知って頂けて、それ以降も色々なことがあり、楽しいことも苦しいことも経験して…旦那さんと結婚し、子供が生まれるなどを経験して、今は地元の関西に住んでいる。そう考えると色々なリンクがあり、上京して地元に戻ると初めてわかる“ホームタウンの温かみ”ってあるわけです。そういう想いが重なりあって、イメージがまとまっていった…曲を書く時は“今の自分が1番書きたいことってなんだろう?”って常に考えます。そうすると、地元で自分の両親にも助けられながら子育てをして、そういう愛や“戻る場所”があるありがたさに気付いた。そこで合点がいって、歌詞を書き上げていきました。でも、できた時は自分の中では映画のイメージに完璧にハマるようには書けていないんじゃないかと不安もあったんです。

 この映画のCMを観て、改めて歌を聴き返すと凄くマッチしていたので、そういう経緯があったとは知りませんでした! 

 フフッ(笑)、映画の制作サイドからも「ここまで内容に合わせなくてもOKですよ。東京というワード入れなくても結構ですし、植村さんの想うように書いて下さい」と言われました(笑)。他の曲と同じように、自分の想いを込めて作ったものなので、マッチしてると言って頂けて良かったです。

マーティンは思い入れたっぷりのギター

 「マウナケアの流れ星」はイントロのアコギの音色が美しいですし、テンションの効いたコードの響きが綺麗ですね。

 とても仲の良い男友達がいて、彼が今の奥さんにプロポーズしたのが、マウナケア山なんですよ。マウナケア山ってご存知ですか?

 いいえ、どこにあるんでしたっけ?

 ハワイ島の山のことで、空気が澄んだ綺麗な場所なんです。彼とは不思議な縁で、その奥さんと付き合う切掛けも私の曲だったんです。そんな彼が、マウナケアの山頂でプロポーズしたと聞いて、その後「僕の結婚式の曲を花菜ちゃんが書いてくれへん?」って頼まれたんです。で「うんいいよ、作ろう!」と返事をして、「でも歌詞はあなたが書いた方が良いよ」と伝えたんです。でも、気持ちを歌詞にするのは大変らしく、結婚式が迫って来ても中々書き上げられなくて、「じゃあ、彼女への想いを手紙に書くようにメッセージにして、私に頂戴」と伝えて、彼から長文の手紙をもらったんです。その手紙から歌詞になるように整えてメロディを付けて、完成した曲を結婚式でサプライズに彼が歌うという…私はギターとコーラスのみで参加しました(笑)。

 (笑)。

 この曲は完成した時に手応えを感じていて、いつか誰かに歌って欲しいと思っていたんです。男性目線の歌詞だし、それでいて音域はとても広いので、相当実力のあるシンガーじゃないと歌えないなと…でしばらくして、この曲にクリス・ハートさんからオファーを頂いたんです。でも「歌詞がマウナケアだと限定的過ぎるから“二人だけ”に変えても良いでしょうか?」という話があって、完成したのが彼の『Song for You』の「二人だけの流れ星」なんです。

 そうだったんですね。

 ええ、実は私もマウナケア山に行ったことないですし、彼の話を聞くと、マウナケアって凄く流れ星が綺麗なんです。降ってきそうな流れ星の先に朝日が昇る時に、彼はプロポーズしたんですよ。そういう話を聞いていたし、多くの人は“マウナケアってどこにあるの?”と思うだろうし、このアルバムではマウナケアとして曲にしたかった。これも、結婚というひとつの“愛のかたち”ですしね。ぜひ“マウナケア 流れ星”で検索してみて欲しいです。本当に綺麗なんですよ! 曲のアレンジは、ギターの指弾きアルペジオがイメージにあって、時乗さんと肉付けしていきました。ストリングスを入れてドラマティックな感じになりました。

 「Contigo」はエンディングに相応しい希望に溢れるナンバーで、シンフォニックなアレンジがアクセントになっています。

 とても個人的な曲ですね(笑)。ある時、私達夫婦の中で色々な話をして、旦那さんの中である決断があって…それを目指すと3人の生活も結構大変になけど“あなたが決めた道なら、これからどんなことが起ころうと私はただ側で支えるから!”という、メッセージを込めた曲なので…切掛けは私達夫婦のことですが、人生には何が起こるかわからないことが沢山ある。でも決断を出すのは自分だし、そういう決意で進む道ならどんなことがあっても楽しい…そう思った方が幸せじゃないですか。そういう希望を込めた曲。contigoは、英語のwith you(あなたと一緒)という意味のスペイン語。タイトルを決める時、イメージが日本語でも英語でもない気がして、色々な国の言葉を調べたらスペイン語のこの言葉がしっくり来たんです。

 今回は、全曲に本当に様々な愛が込められていますね。

 「なんてことない日々」からアルバムが始まって、最後の「Contigo」も愛の決意が込められていますからね。この曲でアルバムを終われたのはとても素敵だと思います。

 今回使われたギターはマーティンですか?

 全部マーティンOOO-28です。デビューして2年目位に購入した、今も変わらぬメインギターです。もう思い入れたっぷり。このギターを買うまでは国産ギターだったんですが、やはりマーティンに憧れがあって。交流のあったTHE ALFEEの坂崎幸之助さんに「マーティンを買いたいんです」と相談したんです。そしたら、坂崎さんが「じゃあ、今度休みに一緒にギター屋に付いていくよ!」と言ってくれて。大変お忙しいのに、わざわざ休みの日に付き合ってくれたんですよ。

 そうなんですね。

 ええ、一緒に新大久保のギター屋に行き、その時はアコギが全然わからなかったので“坂崎さんに色々と相談乗ってもらおう!”と思っていました。でも、フロアに到着すると「じゃあ、ここからは別行動にしよう!」と言われて…坂崎さんギターが大好きですから。イソイソとお店の奥に消えていっちゃった(笑)。“今日は色々なアドバイス頂きたかったのに〜”と思いながら、気になったギター手に取り「坂崎さん、このギターどうでしょうか?」と訊いたら、「うん、花菜ちゃんがいいなら良いんじゃない?」って言うんです。もう“えーっ、思ってたのと違う!”って(笑)。

 (爆笑)!

 その前に、坂崎さんから「予算はいくら位あるの?」と聞かれて、その時出せるかもしれないと思ったギリギリの値段を答えたら、「それなら相当良いギター買えるね」と太鼓判を頂いて…でも、その後に引越しをしたので、あの時答えた値段を払ったらもう生活できなくなっちゃう(笑)。でお店で色々と弾いいているうちに、凄く気に入ったギターがあって値札を見たら、最初に言った予算よりさらにすごく高くて。ああ、これじゃ手も足も出ないと思ったけど、店員さんに予算よりちょっと高いくらいのお値段を提示してくれたんですが、でもまだ払えないわけです。それを聞いた坂崎さんが「予算を超えちゃってるからね〜」と店員さんに伝えて下さって、そしたら店員さんが奥でヒソヒソ話をして、私の最初の予算まで下げてくださったんです! 坂崎さんも「よかったね、花菜ちゃん。ばっちり買えるじゃん!」と言われて、本当は引っ越ししてしまったこともあり、最初の予算だと払うのは大変なんだけど、そこまでして頂いたので、「やった、買います!」と言って買ったギターなんです。話が長くなりましたが(笑)、それからはこのマーティンをライブとレコーディングずっとメインです。他にも、ギブソンB-25、ギルドF-30などを持っていますが、自分の声のレンジや質感にとてもハマるので、マーティンOOO-28は今も私のメインギターです。

 今ギターを弾く女性が増えていて、プロ、アマを問わずにそういう人達に話を聞くと、植村さんに影響を受けた方って多いんですよ。最後の質問ですが、どんな部分に着目すれば植村さんのような独自のスタイルが確立できるのでしょう?

 それは本当に嬉しいですね! なんでしょうね…私ギターのレッスン受けたことないんですけど、スタイルに捉われずにやりたいことをイメージして、ずっとやり続けることが大事なんじゃないでしょうか。初めて書いた曲なんて、コードネームや押さえ方が一切わからず、なんとなく“ああ、この響き好きやな〜!”と、いうところからスタートしましたから(笑)。今でも響きが好きだけど、コードネームがわからないものって一杯ありますしね。でも、そうやって弾き続けて、そのシェイプを興味本位で半音ズラしても面白い響きになるのがギターの魅力ですし。もう私みたいになるとか抜きに、ギターと音楽って素敵ですし、じっくりゆっくりと好きを追い求めれば良いと思います!

Interview by TAKAHIRO HOSOE


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ウエムラカナ
アイノカタチ
キングレコード CD KICS-3368
5月11日発売 2.200円(税抜)

SANTANA 初期メンバーが集結した新作!

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L to R:Benny Rietveld(b), Michael Shrieve(ds), Gregg Rolie(key), Carlos Santana(g), Michael Carabello(per), Neal Schon(g), Karl Perazzo(per)

 カルロス・サンタナが45年前に『サンタナ V』をレコーディングしたバンドと現在一緒にプレイしている。『サンタナ W』と呼ばれる新作にはキーボーディストのグレッグ・ローリー、ギタリストのニール・ショーン、ドラマーのマイケル・シュリーヴ、パーカッショニストのマイケル・カラベロが集結した。音楽はそのサードアルバムの音楽性──キューバンダンス、シカゴロック、ジャズ──を取り込みながらも、同じ様式は繰り返してはいない。サイケデリックな味わいの「フィルモア・イースト」、ナイロン弦のニュアンスをきかせた「スエニョス」、夏の気分が溢れる1stシングル「エニウェア・ユー・ウォント・トゥ・ゴー」など、見事な楽曲が並ぶ。70年代の初期サンタナに胸を焦がされたファンから、新たにサンタナを知る若い人までが繋がることができるマジックを孕んだ新作だ!


これが新作『サンタナ W』のメイキング映像。歳を重ねてもあの頃の気持ちは変わらない様子がわかるだろう。(以下PV翻訳)

■楽曲:「エニウェア・ユー・ウォント・トゥ・ゴー」
カルロス:コンセプトはニール・ショーンからきた。あいつは私がどこに行ってもいたからね。
ニール:頭の中に、ギターの動物園を作るというアイデアがあったんだ。ビッグネームのギタリストたちを集めて、そこに誰のやりたいどんな曲もプレイできる巨大なバックバンドを付けようってね。
カルロス:それならオリジナルのメンバーを呼べばいいんじゃないかと言ったんだ。グレッグとマイケルとマイケルを呼んで、オリジナルのメンバーでやろう、そういうふうにしようってね。
ニール:俺にとってそれは朝飯前だった。いつもそうやって魔法が始まるんだ。
カルロス:何だか、今がその時だと思ったんだ。このサンタナというケミストリーに参加する時だとね。
カルロス:とても楽しいよ。たくさんの喜びがある。深い感謝の気持ちがあるからね。今はお互いを大切に思っているんだ。
グレッグ:俺たちは気心知れている。一緒に音楽で成長したようなものだからね。そこからそれぞれ違う方向に散っていったということさ。でもまた一緒になってプレイし始めて音や感化されたものなんかを聴いていると…シンプルな話になるんだ。

■楽曲:「カミナンド」
カラベロ:こういうミュージシャンのチームみたいなものは他にないよ。私は野球チームにとても似ていると思うんだ。みんなそれぞれのポジションがあって、一緒にプレイするときはポジティヴなことをやっているわけだからね。
シュリーヴ:その場で作ったものが多いんだ。過去も、いつもそうしてきたしね。生のものを求めてできたものに取り組む。何度も繰り返してやったりしないから、エネルギーがいつもとてもフレッシュなんだ。
ニール:クリックの合図でプレイし始めてピースごとに曲を作っていくと、とても手の込んだプロデュースに聞こえるかも知れないけれど、自然な流れはないだろうね。マジックも。実際には完璧でないものでも、感情や素晴らしい感触があるものなんだ。
シュリーヴ:サウンドは実に普遍的だと思う。カルロスは勿論誰とも違うサウンドを持っているしね。彼の選ぶ音はユニークなんだ。メロディの達人のようなものだよ。

■楽曲:「ブルーズ・マジック」
カラベロ:カルロスを知ったのは高校の頃だった。「ふむ、俺もああいうのを試してみたいな」と思ったよ。彼は人とは違ったからね。グレッグも人とは違ったし、マイケル・シュリーヴも人とは違った。サンタナはそういうことでも知られていたんだ。他とは違うフレーバーを音楽にもたらしたんだね。
グレッグ:ラジオのヒットを出さないといけないとか、そういう問題はない。だからもっと冒険できる。カルロスはそれがとても上手なんだ。

■楽曲:「ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド」
ロナルド:この曲はスマッシュ・ヒットになるよ。考えていたんだ。もしこの曲に何かを加えることができて歌詞のよさを本格的に引き出すことができたら、どんなに重要なことになるだろうとね。特に今のこのご時世では。この曲はいつまでも色褪せない雰囲気のある曲になる気がするんだ。
カール:音楽は隠れた言語なんだ。世界中が理解することのできる言語だね。この一部であるという、それだけで真のインスピレーションを与えられるんだ。

■演奏
ベニー:これはガレージ・バンドみたいなものだね。ガレージにいる仲間たちの集まり。ただし別の惑星からやって来た、ね。
カルロス:サンタナは吠えるライオンのような轟きをもたらす。それはカリスマ性とかそういうこと以上のものがある。
グレッグ:この男たちが集まるとスペシャルなことができるんだ。他の誰にもできない演奏がね。
カルロス:人々の注目を彼らが重要だと思い込んでいたことから反らす。そうするとサウンドが共鳴して、人生で本当に必要なのは何かを感じさせてくれるんだ。人生で大切なのは自分で自分の価値を認めることだ。こういう視点でね。自分の心は光に満ちている。自分の心は英知に満ちている。自分の心は美しさと優雅さに満ちているということさ。

■5:57より
ニール:これは俺にとって本当に特別で大切なプロジェクトなんだ。大昔に一度経験したことがあまりに素晴らしくて、人生で2度も起こるなんて願うか想像するしかあり得なかったからね。
カルロス:心の中にあった忘れられた曲が、外に出ようとしているのを思い出させてくれるものは、何でもとても気分がいいものさ。
グレッグ:音楽はユニークでいて聴けば分かる。真のサンタナ・ファンなら感動するだろうね。
カルロス:心の準備をしておいてくれ。あなたが(聴くことによって)仲間入りをするものは…この上なく心地良いものなんだ。

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サンタナ W ソニーミュージック 4月15日 CD SICP-30931 2,500円(税抜)

2016年6月号(5/2発売)でインタビュー掲載

IKUOとAKIHIDEによるスペシャル対談が実現


THE CHOPPERS REVOLUTION チョパレボ 2nd ALBUM 「3B」TRAILER & MORE!!!

 音楽雑誌Playerではここのところスペシャルな対談記事に力を入れています。いわゆる広報用のアーティスト写真を用いた新作インタビューの記事を作るというのも力を入れるところですが、Playerという雑誌媒体だからこそできること、Playerでしか読めない記事というものを考えたとき、お互いをリスペクトし合っている親交の深いミュージシャンの対談記事というのは、内容的にも非常に有意義で資料価値なものになると思います。そしてできる限り写真は撮りおろしにする! Player2016年6月号ではIKUOさんAKIHIDEさんによるスペシャル対談が実現しました。ちょうどIKUOさんはザ・チョッパーズ・レボリューションの新作『3B』を完成。そしてAKIHIDEさんは渾身のソロアルバム『ふるさと』をリリースした絶好のタイミングでありました。鳴瀬喜博さん、IKUOさん、村田隆行さんによる超絶トリプルベースアンサンブルが炸裂する『3B』も衝撃的な仕上がりなのですが、AKIHIDEさんの『ふるさと』もナイロン弦ギターを大偉大的にフィーチャーしていたり、雅楽の楽器も用いたアコースティック楽器との生バンドセッションに挑んでいたりと、共にオリジナリティとともにミュージシャンシップあふれる内容と言えます。


AKIHIDE「待雪草」コンセプトムービー

 ところでIKUOさんがBREAKERZのレコーディングに参加していたり、AKIHIDEさんがサポートしていた時期のAcid Black Cherryなどで競演されていたりと、接点はいろいろと浮かぶわけなのですが、具体的にどの辺りからお付き合いがあるのかが調べても事前とはっきりしませんでした。この対談では意外にも長い二人の親交、そして各々独自のミュージシャンとしてのスタイルを確立することでシーンでサバイバルしてきたことが見事に明かされます。また、共にベーシスト/ギタリストとしてのプレイヤー的側面は勿論、同時にコンポーザーであり、アレンジャー、プロデュース、アーティストサポート、ときにはボーカリストであったりと、実に様々な顔を持っているのもまたこの二人の共通点です。さらにプレイスタイルも多彩で、作品ごとに驚かされることが多いというのもまたこの二人に通じるところではないでしょうか。最新作のチョバレボ『3B』、そして『ふるさと』の制作エピソードにも触れつつ、二人のハングリーなミュージシャンとしての姿勢にたっぷりと言及したのが今回のスペシャル対談です。いろんなタイプの音楽雑誌がありますが、こうしたテーマによる対談を掲載できるのはPlayerのような楽器誌だけだと思います。しかもベーシスト×ギタリストという楽器カテゴリーを超えた対談取材ができるのはPlayerの強みですね。

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 今回の対談実現を祝しまして、Playerのオリジナル手ぬぐいにおふたりのサインをいただきました。これからの季節に重宝しそうな手ぬぐい…サイン入りだと実際に使うのは勿体ない気がしますが^^;、ぜひ記事の感想など一言添えていただきまして、「Player」プレゼント/レターズ受付よりメールでご応募いただきたいです。お待ちしております!

LOCAL CONNECT 充実作『7RAILS』の魅力をメンバー全員が語る!


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 京都出身の5人組バンド、LOCAL CONNECTのミニアルバム『7RAILS』が、4月6日に発売された。昨年リリースの1stミニアルバム『過去ツナグ未来』は、フロントマンのISATOとDaikiによる圧倒的なツインボーカルが冴えまくり、聴く者の心を強く揺さぶるキャッチーでカラフルな楽曲を内包。新人バンドとは思えない曲のスケール感に、個人的に強い感銘を受けた…。
 思わず口ずさみたくなるメロディアスな曲も彼らの大きな魅力だが、どんな会場でも常に全力投球で熱い想いをぶつける圧巻のライブ・パフォーマンスも同じ位に素晴らしい! “魅力的な楽曲を最高なライブでオーディエンスに届ける”…日進月歩な今の音楽シーンで、そんな当たり前なスタンダードを自然体でやってのけるLOCAL CONNECTは、ロックの、いや音楽の“本当の魅力”を強く感じさせてくれる数少ないバンドだと思う。
 新作『7RAILS』は、前作で打ち出した力強いツインボーカルとキャッチーな楽曲はそのままに、よりロックでエッジの効いた彼ららしいバンド・サウンドを確立した“マスターピース”と言える充実作だ。「Gold」「ねぇ ねぇ」など、どの楽曲も躍動感と独自の世界観に満ちているが、本作で最も衝撃だったのは最後の「piece」の完成度である。ギターの印象的なアルペジオから、さらにパワーアップしたISATOとDaikiのツインボーカルが描き出す、余りにも美しく感動的な曲の音風景…この曲は、きっと今後の彼らにとって重要な曲になるに違いない! バンドとしての明確な方向性を打ち出した傑作『7RAILS』を完成させた、LOCAL CONNECTのISATO(vo)、Daiki(vo&g)、まーきー(g)、しゅうま(b)、Natsuki(ds)が、それぞれの音楽ルーツ、バンド結成の経緯、新作『7RAILS』の魅力まで、たっぷりと語ってくれた!


僕らはいつも一緒に歌っていた

 音楽に興味を持ったきっかけとは?

ISATO:姉の影響で小さい頃から歌うことに興味を持ち、SPEEDやMISIAさんをカラオケで歌っていました。初期のEXILEや久保田利伸さんや清水翔太さんといった、R&B系のシンガーが好きでした。僕とDaikiは中学が一緒で、その頃から一緒にハモって歌っていましたね。

Daiki:父と兄がアコギを弾いたので、その影響で9歳からアコギを始めました。僕も歌うのが好きで、ギターの弾き語りが楽しくて、当時はゆずをよく歌っていました。高校の時は、スティーヴィー・ワンダーとかR&Bにハマっていました。曲を書き始めたのは小6の頃です。大学の時に英文学を専攻していたのもあり、曲全体を通したストーリー性は特に意識します。ギタリストでは、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが好きでよく弾いていました。

しゅうま:兄もベーシストで、中学2年位の時に「今からベース弾いておくと高校に入ったら良い感じになれるよ!」と言われて始めました。兄の影響でGLAYやL’Arc~en~Cielとかを聴いていて、高校の時に皆に出会ってから色々と聴くようになりました。大好きなベーシストはIKUOさんです。

まーきー:家にあった父のモーリスのアコギを弾いたのが始まりです。中学の時はX JAPANのhideさんの「ROCKET DIVE」をアコギで弾いていました。僕としゅうまは中学が一緒で、同時期に楽器を始めました。Natsukiを除いた4人は同じ高校だったんです。僕は、高校の時にしゅうまの兄とバンドを始めて、リンキンパークとかのラウド/ニューメタル系が好きになり、その後音楽専門学校に入学してからは、レッド・ホット・チリペッパーズのジョン・フルシアンテにハマりました。

Natsuki:小学生の頃、隣中学の吹奏楽部が学校に演奏しに来ていて、その時ドラムに興味を持ったんです。その後、音楽教室で習い始めたんですが、今もその先生にレッスンを受けています。小学校の時に基礎は大体習い、中学校で少し飽きて…中3の文化祭きっかけでバンドを始めた時に、レッスンを再開しました。ドラマーだと河村智康さんがメチャクチャ好きです。

 LOCAL CONNECTの母体は、高校の同級生だった皆さんが2006年に結成したバンドだそうですね。

Daiki:文化祭で有志の発表会があって、それに出演するために同学年で楽器ができる奴を集め、バンドを結成したんです。結成当時は、オレンジレンジやHYをコピーしていました。当時は、もう1人身長180cmの大柄なボーカルがいて、トリオ・ボーカルだったんです。当時、まーきーとしゅうまは校外でもバンドを組んでいたけど、僕とISATOはまだそこまで積極的ではなくて、ただ一緒に歌っているのが楽しい…そんな時期でした。それから高校を卒業し、それぞれ1年位バラバラに活動していた19歳の時、まーきーが在籍していたバンドが解散したんです。そのタイミングでまた皆で集まって、オリジナル曲を演奏するようになりました。当時は、結構ONE OK ROCKみたいな日本のエモに影響を受けていて、そういう方向性の曲をやっていました。

 たしかに、変拍子のギターリフが印象的な「Paradise Lost」は他の楽曲と比べて、エモやラウド系な激しさを押し出したナンバーだと思いました。

Daiki:当時はまだ音楽の“核”を見出せなくて、カッコ良いと思うものを曲に吐き出すことを繰り返していました。この曲の激しさと、「コスモループ」や「ツギノセカイヘ」みたいな“多くの人に届く歌”を押し出した、曲の二面性は自分達ならではの“武器”だと思っています。

 なるほど。

Daiki:『過去ツナグ未来』では「Paradise Lost」が1番古い曲で、これは11年に書いた曲。このアルバム7曲中4曲は、この時に書いた曲です。「Paradise Lost」「フォルメイカー」「コスモループ」「ツギノセカイへ」がそうです。他の3曲はLOCAL CONNECTとして作った曲で、「フォルメイカー」は14年位に完成しました。このアルバムには“過去とこれから先の僕らを繋ぐ曲”が入っています。そういう意味を込めて、このアルバムをこのタイトルにしました。

まーきー:「Paradise Lost」は、ずっとライブでやってきた大事な曲。この頃、より良いバンドになるためにもっと芯がないとダメだと思うようになり、方向性や音楽性について色々と話し合いを重ねました。

ISATO:そう考えた中で、僕とDaikiのツインボーカルのハーモニーと、ガシッとしたバンド・サウンドがバンドの武器なると思ったんです。

Daiki:中学時代から、僕とISATOはずっと一緒にハモっていた。ギター1本だけ持って、友達の家に「俺らの歌聴いてや!」と歌いに行ったし(笑)。ハモりの部分はもう肌感覚でわかるんです。

 普段の曲作りとアレンジは?

Daiki:基本的に僕が書いて曲をデータで皆に送り、それぞれのパートを皆に考えてもらって形にします。ドラムのビートは凄く重要だけど、僕はドラムに無知なので(笑) 、ビートをまとめる時はNatsukiの力を借ります。メロディとバッキング、ドラムが入ったデモを完成させてから、ギターやベースのパートを固めていきます。『過去ツナグ未来』では、歌がしっかり引き立つこと、楽器3人の音が鮮明に聴こえることを意識しました。

 バンド名にはどういう意味が?

Daiki:田舎で育った僕らが、地方、都市、世界といった様々な“ローカルを結ぶ”という意味を込めて、LOCAL CONNECTにしました。このバンド名になった15年、今のドラマーNatsukiが加入したんです。彼は、前のバンドの時から僕らのファンで、一緒に対バンをしたことのある地元の後輩なんです。

Natsuki:Daikiさん達に「このバンドは絶対ホールクラスになれるし、その先に行くはずだから頑張って下さい!」と言う位にファンでした(笑)。ドラムはバンドの要だけど、僕は敢えて自分の存在感を消すことで、歌や曲がより活きれば良いと思っています。その結果、このバンドの演奏が1つになって、お客さんに届けば良いと思うので…。

Daiki:ちゃんとした技術を持ち、献身的なプレイができるのがNatsukiの良いところ。彼が加入して、そのドラムでより曲が活きるようになりました。

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ISATOとDaikiの歌は人を泣かせる歌

 楽曲と同じ位に素晴らしいのが、常に全力投球でエネルギッシュなライブ・パフォーマンスです。普段、ライブに対してどんな意気込みで挑んでいますか?

Daiki:ありがとうございます。ライブの僕らのそういう“色”を作ってくれたのはISATOの存在が大きいです。彼の観客に対するそういう姿勢が、今のLOCAL CONNECTのライブを象徴するものだと思うので…。

ISATO:昔から人の繋がりを大事にする泥臭い部分があって、呑みの席でも熱苦しい話をしちゃうし(笑)…もう1ライブ、1ライブ、全力でお客さんに想いをぶつけたい! 人との出逢いは本当に一期一会だけど、振り切れるほどライブで自分達を出せたら、来てくれた何人かはグッと来てくれるかもしれない。僕が好きだったバンドは、そういう“何か”を伝えられるんです。昔から歌が好きで、誰にも負けない自信がある! でも、単にボーカルが良いというだけでなく、MCを通して自分の想いを伝えることも同じ位に大事。そんな自分の気持ちを尊重してくれるメンバーだし、当たり前だけど中々できない“スタンダードな部分”をしっかりやりたいんです。キラキラじゃなく、ギラギラな感じで!

まーきー:ISATOとDaikiの歌は“人を泣かせる歌”なんです。僕らは、それを最高の形でお客さんに届けたい。ISATOは、よくMCで「あなたの心に触れにいきます!」と言うけど、本当にそうだから。歌が心に響くんです! 僕はハードロックが大好きなので、そのエッジ感をバンドで出しながら、最高のツインボーカルがガツンと出るライブをしていきたいです。
 
バンドの個性を確立させた『7RAILS』

 16年2月には次世代を担う実力派アーティストが集結した『Coming Next 2016』に出演し、ホール規模の演奏でもその想いがしっかりオーディエンスに伝わっていましたね。今年になってライブがよりスケールアップしていますし、オーディエンスの反応もさらに良くなっているなと。

Daiki:もっと純粋にライブを楽しめるようになりました。そういう気持ちがお客さんに伝わるようになったから、より盛り上がるようになったのかも。ISATOはどう思う?

ISATO:前のバンドを長いことやってきて、去年にバンド名がLOCAL CONNECTになった時、自分の中でまだ踏ん切りが付かない部分はあったというか…でも、そこからNatsukiが加入し、メジャー・デビューして、沢山ライブをして、色々と話し合いながらやっと“LOCAL CONNECTらしさ”がわかってきた。全員が同じ目線で、良い意味で余裕を持ってライブできるようになっている。そういうものが、この16年に成果として現れてきています。目指すゴールはずっと先にあるけど、着実に成長して近付けているなと…。

まーきー:全員がプロ意識を持って、ライブやレコーディングに挑むようになった。Natsukiが加入して1年になるけど、この1年間で皆が彼のプレイをより理解できるようになったし、持ち味もわかってきた。リズムの噛み合いも良くなったし、バンドとして一枚岩になってきましたね。

Natsuki:加入してからこの1年で、やっとメンバーとして音楽面で対等な関係になれた気がします。去年はLOCAL CONNECTのドラマーになるのに必死で、一生懸命追っかけていた。でも、そういう気持ちで演奏してはダメなんです。ちゃんと自分のビートで皆を引っ張れないと、バンドの屋台骨にはなれないから…そういう意識で皆と1年過ごしてきて、やっと演奏で向き合えるようになりました。

 2ndミニアルバム『7RAILS』について訊かせて下さい。「Gold」や「ねぇ ねぇ」のように、どの曲も演奏の中にメンバーの“個性”がより出てきたなと。

Daiki:メロディと歌詞に全力を注ぐのは変わらずですが、今回はボーカル2人を除いた3人の演奏を活かせる曲を作りたかった。そのために、プロデューサーのR_MEN_SOULさんから色々なアドバイスをもらいました。曲作りの段階から話し合い、アレンジ段階から持ち味が出せるよう完成させたので、バンドとしてそれぞれの個性が出てきたなと。前作『過去ツナグ未来』が“僕らの未来と過去を繋ぐベスト”なら、今回は“今の全てを出し切った会心作”ですね。『過去ツナグ未来』は若々しいフレッシュさ全開だったけど、『7RAILS』はその力強さもありながら、より多くの人に聴いてもらえるアルバムになった。それがライブにも繋がるはずだし、凄く自信があります! ギタリストのまーきーは、本当に自分の全てを演奏につぎ込んでいましたね。

まーきー:がんばって考え過ぎて、肌がボツボツになりそうでした(笑)。

Daiki:良い曲を作るためにジャッジはかなりジビアで、彼が100個くらいアイデアを用意しても、話し合いの中で結構ボツになったんです。でも、そこから一切めげずに「こんなのはどう? これもできるよ!」と、本当に一生懸命だった。そのストイックさは“こいつがバンドにいて本当に良かった!”と誇らしく思えました。

 Daikiさんとまーきーさんのギター2本だけで、世界観が成立する位に互いのフレーズがより濃くなっていますね。

まーきー:僕に任せてくれるパートは自由に考えられたんで、その1フレーズでOKという位に吟味し抜きました。

 今完成させて手応えはいかがですか?

ISATO:前作はガムシャラにやっても、自分の感覚が付いていけない位に制作のテンポが早かった…自分のことで精一杯で”まーきーはどんなギター弾いているんだろう?”とか、他のメンバーやバンド・サウンドまであまり意識が回らなかったから。でも、今回は2作目ということもあり、それまでの経験も活きたので、余裕を持ってレコーディングに挑めました。自分の歌だけじゃなく、リズム隊がどうやってビートを入れているのか? ギターがどんなアプローチをしてくるのか? レコーディングで、メンバーが曲に命を吹き込んでいく過程をしっかりと把握できました。

  お二人のボーカルは今のシーンでも群を抜いていると思いますが、「沈丁花」のように歌詞の世界観を伝える歌の表現力が、さらに増しましたね。

ISATO:曲のメロディや歌詞に関して伝えたいイメージが湧いて来て、それをただ純粋に表現したかった。どの曲も全力で歌ったけど、録り終えた時に“間違いない!”と思ったら、プロデューサーさんも「今の最高だった!」と言ってくれたし、皆が同じ気持ちで向き合えた。前作は僕とDaikiで一緒に歌録りできたけど、今回はレコーディング時にDaikiがノロウィルスに感染してしまって、一人で歌録りしなければならなかったんです。でも、事前にDaikiがそれぞれの曲をどういう想いで書いたか、どんなイメージがあるかを凄く具体的に教えてくれたので、曲の世界観はかなり掴み易かった。

Daiki:曲はプリプロ段階で完璧にしたくて、ISATOに「ここはこういう風に歌って」と、念密に打ち合わせながらデモ録りをしていったので、それが大きかったなと。

ISATO:歌のコンビネーションをみっちり固められたよね。互いを尊重した上で譲り合いもあったけど、本当に徹底的にやれたから。

 Daikiさんのスタンスが変化したなと。前回もお二人のハーモニーは素晴らしかったですが、今回はDaikiさんがISATOさんの魅力を活かすために、敢えて“引いている部分”があるというか…そういう部分があることでツインボーカルがさらに強力になったし、ISATOさんの個性がより明確に出ていると感じました。

Daiki:それはありますね。今回“ISATOがどれだけ気持ち良く歌えるか?”をかなり意識したので。ハーモニーは大事だけど、歌い分け部分が増えることで、曲にさらなる個性が生まれると思ったんです。

 まーきーさんとDaikiさんとのギターパートの比重は?

Daiki:主に、上モノはまーきーに任せて、バッキングは僕が弾きました。

 なるほど。そういう部分もあって、ライブで観ていたバンド演奏に音が近付いている気がしました。

Daiki:このバンドでギターを弾き歌う自分、そのイメージはしっかりと描けましたね。ISATOが前に出る時は自分の声で、バンドの皆が出る時は自分のギターでバンドを支えたい。それが自分の“役目”だと思うので。もし曲にそういう部分が滲み出ていて、何か感じてくれたら嬉しいです!

 「沈丁花」や「ねぇ ねぇ」は、様々なリズム展開がありますが、リズム隊のしゅうまさんとNatsukiさんのコンビネーションは見事ですね。

しゅうま:“今ここを出したい!”という、それぞれのキャラクターがわかりましたから。Natsukiとのコンビネーションはわかってきたし。僕の課題は“Daikiが考えたベースラインをいかに自分らしく弾くか?”でした。考えずにデモ通りのプレイをするとDaikiが怒るので(笑)。

Daiki:弾かされているだけじゃ必要ないからね(笑)。僕がデモで入れたベースは、LOCAL CONNECTのベーシストのプレイじゃない。これは、まーきーにもNatsukiにも言えるけど、それをしっかり消化して、自分らしく弾いて欲しかったんです。

しゅうま:その意気込みを感じたから、絶対にそれに応えたかった。彼の期待値を上回ると、自然と曲のクオリティも上がりますしね。そういう相乗効果で、全員がベストを上回るテイクを残せたなと。

Natsuki:前回は既に完成していたドラムパートをプレイしたけど、今回は一からパートを考えられた。Daikiさんが書いた曲のイメージを自分なりに考えて、それを確認して形にしていきました。今回のレコーディングを通して、その先のライブでも自分らしくLOCAL CONNECTのドラムを叩きたいから、レコーディングからミキシングまでDaikiさんの側にいて、イメージを掴もうとしました。

 音の質感やグルーヴを含め、よりロック色を増したなと。『過去ツナグ未来』を聴いた時に“極上のメロディを歌う”というのは認識していましたが、まだ把握できなかった部分もあったんです。でも、今回の曲はこのバンドならではの音楽性が非常に明確になっている…そこが大きな進化だなと。

Daiki:プロデューサーさんと「いくら良いメロディの良い歌を歌っても、バンドがそれに寄り添っただけでは、普通の良い曲になってしまう。そこをどう変えていくかが重要なテーマだね」と話し合いました。歌が良いのはもう最低条件で、曲にいかにこのバンドらしい“エッジ”を加えるか? それが大きなテーマでした。バラードの場合、通常だともっとシンプルでも良いはずなんです。でも、敢えてドラムの手数をもっと入れて躍動感を出す…そんな試行錯誤を繰り返しました。

まーきー:Natsukiは最初「もっと入れても良いんですか?」と言っていました(笑)。

Daiki:一生懸命に作った“皆に届けたい曲”を、どうやったらもっと多くの人に聴いてもらえるか? それを考えた時に“えっ!?”と思える意外性というか、他には無い“僕ららしいエッジ感”を宿すべきだなと。良い曲にするために意見のぶつかり合いもあったけど、それを経て明確に“見えたもの”があった。曲全体の方向性を考えた時、まーきーが考えたイントロにピンと来なくて、「ごめん、あまり上手くハマると思えない」と言ったこともありましたから。

まーきー:一生懸命に考えて来て、バン!とひっくり返されると当然ヘコみます(笑)。でも“Daikiがそう言うならそれは間違ってないな”という、信頼感というか受け入れる気持ちもあって。やはり話し合いが大事だから。

Daiki:「もっとグッと来るやつが欲しい」とか、具体的には言えなかったんですけどね(笑)。でもその意見をちゃんと聞いて、彼は次回に想像以上のフレーズを持って来た。Natsukiの場合は、セッション・ミュージシャン的な“縁の下でそっと支えたい”という想いがあったはず。でも、敢えて「もうちょっと出して良いよ。ここはNatsukiの存在感が欲しいから」と伝えましたし、僕らのツインボーカルも徹底的に話し合いました。

 曲にとても個性がありますね。たとえば「ねぇ ねぇ」の激しくも少し切ない感じ。胸が高鳴って夏祭りに行き、それが終わって余韻を残して家に帰って来たような…そんな独特な世界観に凄く惹かれました。

Daiki:ライブで僕ららしい振り切った演奏をイメージした曲です。今までにはない“踊れる曲”がテーマで、歌詞は廃れていく男の話なんですけど(笑)、もう曲でお客さんが自由に踊って欲しい! クラップを入れて皆で合わせる部分もあるし。でも、一番調子に乗って欲しかったのはギターパート。もう良い意味で、邪魔な位に“存在感”が飛び出ているなと。

まーきー:他の6曲と違ったものにしたくて。プロデューサーさんとエンジニアさんがギタリストなので、僕に無いものも吸収した上でフレーズを作りたかった。だから、二人に「やりたい放題したいので、知恵を貸してください!」とお願いして、アイデアをまとめあげていきました。このギターに合わせて、ISATOのボーカルもハッチャケているよね!

ISATO:ボーカルもメッチャ調子に乗れた! 前のバンドでは、こういうイメージの曲があって。曲の雰囲気を大事にノセていく感じ。こういう感じは好きなので楽しかったです。

Daiki:以前はやっていたけど、LOCAL CONNECTとしては新しいですね。そういった側面をやっと出せた曲です。

 ツインボーカルの表現力がさらに増しているのが「おやすみ」。このハーモニーの混ざり合いと、ソロでの歌い上げのバランスは実に秀逸です!

Daiki:僕とISATOは“ISATO & Daiki from LOCAL CONNECT”として、たまに2人だけでライブするんです。この曲は、そのライブのために書いた曲で、2人の声と1本のギターだけで世界が完結しています。ちょっとベタなラブソングですが(笑)、弾き語りだしこういうのもアリかなって。おっしゃる通りに“2人の歌ありきな曲”なので、それをプロデューサーさんと相談して、ロック・バンドとしてやる曲に発展させました。

 「内緒」はグルーヴィーかつダンサブルでアダルトな感じがします。

Daiki:僕もISATOもR&Bが大好きなので、ノリノリで歌える“ザ・アルバム曲”が欲しいなと。この曲では、しゅうまとNatsukiのリズム隊に調子に乗って欲しかった。「ねぇ ねぇ」でまーきーのキャラが存分に出たし、2人が調子に乗るのは“ここしかない!”と。

Natsuki:ブラックミュージックが好きだから、叩き甲斐がありました。決して難しいことはしていないけど、1音1音のグルーヴをしっかりと出せるように心がけましたね。

Daiki:この曲のドラムは本当に言うこと無しです。しゅうまも、その土台をさらにしっかりしたものに磨き上げてくれました。

 この曲はコーラスが2声ではなく、3声で展開されているような?

Daiki:ええ、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」みたいな、広がりのあるコーラスが欲しくて。ボトムがグルーヴィーなので、ちょっと厚いコーラスにして、歌も負けないようにしたいなと。パートごとに、僕とISATOどちらかの声をもう1パート入れています。

 「コトバ と ココロ」は、前作の「コスモループ」を彷彿とさせるようで、実にLOCAL CONNECTらしいナンバーですね。

Daiki:この曲で「そうそう、これが欲しかった!」と思って頂ければ(笑)。この曲が6曲目にいるのは、そういう意図があってですから。『7RAILS』のテイストが前作とは違うことは大事だけど、全く違う感じにしたくなくて…僕らの“原点”と言えるテイスト。明るく、背中を押す感じですね。
 
 曲作りはいつ頃から?


Daiki:去年の9月〜10月です。前作をリリースして、ツアーが落ち着いてきた位の頃で、“あっ、そろそろ曲を作らないと!”と書き始めました。吟味して書き上げたので、候補曲も12曲位しかない状態でした。


全ての曲は「piece」に辿り着くための線路

 本作は、今の皆さんの“成長”を証明する魅力的なアルバムになりました。特に、アコギをフューチャーした「piece」は、非常にスケール感が大きく、新たな可能性を感じます。個人的に、ここ数年で国内外の色々なバンドを聴いた中でも“ベストな1曲”だなと。

Daiki:「piece」は、もう単にアルバム“最後の曲”という括りではなくて、この曲に辿り着くまでに他の6曲が存在する…それが過言じゃない位に力を入れました。今回、歌を活かしてバンドらしい曲を書きたかったけど、そういう水準を更に超えて、これがLOCAL CONNECTだ!と”世界に向けてアピールできる曲“を作りたかった。MVをyou tubeにアップすれば世界の皆が聴いてくれますし、そういうものを絶対に作りたかったんです。

 贔屓目に評価せずとも、この曲は本当に素晴らしいですよ! アコギとエレキのイントロから、ISATOさんの「Just a little more〜」という歌詞が始まって、次の「I’m gonna believe it〜」でDaikiさんにバトンタッチし、2人で「かけがえないこの瞬間を〜」と歌い、そこからバンドが入っていく…この曲の美しい情景は、皆さんにとって今後もきっと重要なものになる気がします。

Daiki:この曲のMVを撮影するために、伊豆大島の砂漠みたいな平地でロケをしたんです。曲の最後のシーンでISATOが両手を大きく広げるんですが、彼がああやって歌える曲を書くのは、ずっと僕のテーマだった。あの光景はドハマりして、本当に絵になったよね!

ISATO:うん、この曲はDaikiからデモが送られて来た時、自分でも上手く反応できなかった。もう、どんなコメントを返せばいいかわからなかった(笑)。レコーディングして完成した時も鳥肌が止まらなかったですね。

Daiki:バンドの連絡はLINEでしていて、他の曲だと反応があったけど、「piece」だけは誰もリアクションしてくれなかったんです。メッセージを送って何日経っても、ずっと“既読4”という表示だけ。もう“えー!なんでなん?”と、ずっと心の中で叫んでいました(笑)。

まーきー:なんかコメント返せなかったね。でも、聴いて直ぐ“おっしゃ!”と心でガッツポーズしました。ポーカーで“最強カード”を引いて、リアクションに困る感じに似ているかも(笑)。

Daiki:だから、凄い手応え感じているのは俺だけなのかな?と不安になり、皆が車にいる時ISATOに「であの曲どうだった?」と聞いたんです。そしたら、「あのな、あれメッチャ良い!」って(笑)。そこで矢継ぎ早に、皆「俺も、俺も!」って言ってくれたから、本当に良い曲を書いた時って、レスポンスが無いものなのだなとわかりました。

 曲を完成させるのは大変でしたか?

Daiki:意外にシュッとできました。最初にアコギ弾き語りで作って、“このアルペジオ良いな”と思いメロディを入れたら、そこに完璧にハマった。で、歌詞の“Just a little more”が直ぐに出てきたという。1曲書き上げた時に、僕が想う“平和”について語りたいなと思い、それから1〜2日で完成しました。

まーきー:天のお告げみたいな感じだね!

Daiki:うん、メロディと歌詞がリンクして生まれたのは「コスモループ」以来だった。長くなったけど、この「piece」は本当に小さい子供から、80歳位のおじいちゃんおばあちゃんまで、皆に聴いて欲しいと胸を張って言える曲です!

 責任あるバトンを託されて、ISATOさんはボーカリストとしてどう思いました?

ISATO:僕のレスポンスが遅かったのも、デモを渡された時に使命感に燃える曲って、中々なかったからなんです。でも、曲を聴き返して一日中考えたら、もうバババババっと浮かんで来た。バンド経験は僕が一番浅いので、前作のツアーでも色々カッコ良いバンドを観て刺激を受けて、そこからどう歌うべきか悩む時期もあった…でも、この曲に“俺もこういう曲を堂々と歌っていいんだ!”と背中を押された気がしたんです。歌いたいように歌って良いし、それをやれるのがこのバンドなんだ…そう思えるようになったら、エネルギーが凄く湧いて来た。そこから、改めて『7 RAILS』の曲を聴き返したら、どの曲もさらにイメージが引き立ってきた。この曲が支柱にあるから、曲順決めも、意見交換も皆が同じ方向を見られたんだなと。

 7RAILSというタイトルの意味は?

Daiki:前作もガムシャラな7曲だったけど、今回の僕らの歌詞や曲調は様々な視点を持っている。この“色々な視点”がキーになっていて、人それぞれ色々な道があっても、結局は僕らと繋がっている。電車の線路は駅と駅で繋がっているので“皆に繋がる7本の線路”という意味でこのタイトルにしました。

 普段使っている機材を教えて下さい。

Daiki:ギターはヴァンザントのTLシンラインと、プロデューサーのR_MEN_SOULさんから借りたレスポールです。アンプはヒュース・アンド・ケトナーやメサブギーを使いました。

まーきー:シェクター・ギターで、アンプはメサブギーのマークIIです。

しゅうま:今使っているのは、サゴのアクテイヴ・タイプでJBです。

Natsuki:ドラム・キットはレンタルで、シンバルはアミディアを使っています。

 アルバムの聴きどころは?

まーきー:前作は、2人の強力なボーカルが前に出ていました。今回は、皆で話し合いながら、歌に負けないロックな楽器感が出せた。そこを聴いてほしいです。他の同世代バンドに負けない“個性”を出したからアレンジも練ったし、曲の世界観が色濃くなったなと。7曲愛情を込めてギター弾いたし、聴いて欲しいのは全部ですが(笑)、強いて言えば「ねぇ ねぇ」かな。実は“オススメの聴き方”があるんです。最初はボーカルだけ薄っすら意識して聴き、2周目は楽器隊を聴く。そして、最後にボーカルを聴くと、もう自然に涙が出てきます。僕自身“楽器隊はメッチャがんばったけど、ボーカルはどんだけなんだ?”と、後で歌を聴き返したんです。そしたら、やっぱり無茶苦茶に進化している! なので、また次回作でボーカルに挑もうと思いました(笑)。

Daiki:前作以上のものが出せたし、そんな曲達をライブでやって早くお客さんの反応を見たい…そんなアルバムです。会場に来たら絶対に泣かせる自信があるので、泣いてほしいです! 僕らの原点でありながら、本当に自然な歌詞が書けたから。僕は「コトバ と ココロ」が一番好きです。

ISATO:楽器隊の努力と挑戦の先に到達できた音だなと。『7RAILS』が完成して初めて聴いてから、もう何度も繰り返して聴きました。楽器隊が進化して、曲に凄い躍動感とライブ感が生まれたから、ノリも気持ち良いですし、この5人だけの音を感じて欲しい。音楽好きな人も、バンドマンもきっと気に入ってくれると思います。

しゅうま:僕は、逆で“こいつらの歌は本当に凄い!”と思いました(笑)。高校の頃、初めて歌を聴いた時の衝撃から、変わらずに進化して今は本当に頼り甲斐があります。

Natsuki:皆で必死に振り絞って、意見交換して。ミックスやマスタリングも話し合って、作り込めた。そうやったことで、まだ伸び代があるのを感じたし、楽しみになる作品。ドラムプレイでは「沈丁花」が特に好きです。僕がこのバンドを観てファンになった時の衝撃が、デモの状態から宿っていて。それを自分なりに上手出せたので。

 皆さんの目標は“大阪城ホール・ワンマン・ソールド”だそうですが、今後どんなバンドになっていきたいか?

ISATO:もっと大きなステージに立てるようにがんばりたいけど、今ライブハウスでやっている人と人との“距離感”が、いつまでも離れない人懐っこいバンドになりたい。そういう曲とライブを、これからも一生懸命にやっていきたいです!

Interview by TAKAHIRO HOSOE

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ローカルコネクト
セブンレイルズ
バップ CD VPCC-81868
発売中 1,800円(税込)



Jと藤田タカシ(DOOM)の対談が実現


J / CRAZY CRAZY V -The eternal flames- Official Teaser

 Jがリリースした最新ドキュメンタリーライブ映像作品『J CRAZY CRAZY V -The eternal flames-』。ファンには恒例の映像作品シリーズであり、ただ単なるライブDVDとは違ってそのときそのときのJの歩みが刻まれていく連作とも言える。特に今作で顕著なのは、エレクトリックスタイルのJバンドから2015年末をもって藤田タカシ(DOOM)が離れたこと。とは言え、Jが再始動させたアコースティックバンドDessert Flame Frequencyには引き続き参加しているので、そのパートナーシップは相変わらず。だが、Jバンドに再び変革のタイミングが来たのは確かであり、『J CRAZY CRAZY V -The eternal flames-』は、藤田タカシからmasasucksへのギタリスト交代劇以後の足取りをまとめたドキュメンタリー作品とも言える。Jのインタビューシーンでも演奏シーンでも、そこがひとつの大きな観どころだ。


DOOM/Still Can’t The Dead 【Music Video】

そしてJバンドを離れたタイミングで藤田はDOOMとしての活動を精力化させることに。PAZZ(ds/GASTUNK)、古平崇敏(b/ex.CASBAH)による新生DOOMは、藤田のパワフルなリフワークとPAZZのアグレッシブなドラミングに、故・諸田コウの遺志を継いだ古平のフレットレスベースが絡みまくる、まさにこれぞDOOMという音像を具現化させたのである。中古市場でプレミアムアイテムと化していた1stアルバム『NO MORE PAIN』の復刻も記憶に新しいが、遂に16年振りとなるニューアルバム『Still Can’t The Dead』を完成である! 藤田のシャウティなボーカルも歌心たっぷりで、重厚かつドラマティック、ミステリアスなムードと緊張感が張りつめる強力アルバムに仕上がった。

 JもまたそんなDOOMの新作を待ち望んでいた一人であり、このたび4月2日発売2016年Player5月号では、Jと藤田タカシによるスペシャル対談が実現。“J Birthday LIVE 2016 -Special 2 Nights-”と題されて行なわれる、Jの2デイズ・バースデイイベントのうち、8月11日(木・祝)の赤坂ブリッツ公演ではスペシャルゲストにDOOMを招聘。なんとJとDOOMによる夢の対バンが実現するのだが、これを祝して行なわれたのがこの対談取材である。お互いの出会いから音楽観、サウンドアプローチから楽器面までたっぷりと語ってくれた。写真もPlayer撮りおろし。当日撮影でお持ちいただいた楽器レポートもプラスした6ぺーじで展開しています。Playerでしか読めないスペシャル対談。ぜひお楽しみ下さい!

J F.C.Pyro. NIGHT vol.13(ファンクラブ限定公演)
5月1日(日) 東京・EBISU LIQUIDROOM
5月4日(水・祝) 大阪・umeda AKASO

J LIVE TOUR 2015〜2016 -TOUR the eternal flames FINAL-
5月5日(木祝) 大阪 BIG CAT
5月7日(土) 東京 EX THEATER ROPPONGI

J Birthday LIVE 2016 -Special 2 Nights-
8月11日(木・祝)赤坂BLITZ
Special Guest: DOOM
8月12日(金) 赤坂BLITZ
(ファンクラブ限定公演)

DOOM///S/C/T/D TOUR 2016
4月3日(日) 仙台BIRDLAND
5月3日(火・祝) 福岡KIETH FLACK
5月4日(水・祝) 広島CLUB MUGEN5610
5月5日(木・祝) 大阪KING COBRA
5月29日(日) 新代田FEVER



Black Stone Cherry 新作『ケンタッキー』完成!

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Photo by ROB FENN
L to R:John Fred Young(ds), Ben Wells(g), Chris Robertson(vo,g), Jon Lawhon(b)

4月1日に全世界で発売となった通算5作目のアルバム『ケンタッキー』は、彼らの故郷ケンタッキー州エドモントンからほど近いデビューアルバムが作られた際に使われたスタジオで、当時と同じエンジニアを起用して同じ録音機材を使って制作されたまさにバック・トゥ・ルーツな作品だ。
 そこには彼らのヘヴィなサイドはもちろん、ブルーグラス、カントリー、リズムアンドブルース、ソウルミュージック、サザンロックといった、肥沃な音楽的土壌を持つケンタッキー出身であるが故の個性が随所に滲み出ている。
              ◎
 『ケンタッキー』というタイトルはまさに君たちのルーツへの回帰をイメージさせるね。意図的に自分たちのルーツに戻ることを意識した?
 と言うよりは、そうしない理由があるのかということ。特に「昔の方法に戻ろう」などと話しあったりしたわけじゃないんだ。ただ、これだけ素晴らしいスタジオが自宅の近くにあるのに、わざわざカリフォルニアのスタジオで録る必要があるのかということ。
「イン・アワ・ドリームズ」はセカンドアルバムを手掛けたプロデューサー、ボブ・マーレットとの共作だけど、当時書いたもの?
 この曲はボブと2011年のアルバム『ビトウィーン・ザ・デヴィル・アンド・ザ・ディープ・ブルー・シー』用に書いた曲。当時はレーベルの反対もあったし、俺達もアルバムにあっていないということで採用を見送った。続くアルバム『マジック・マウンテン』でも同じ。でも俺達はいつかこの曲が化ける日が来ると信じていたんだ。今回移籍したマスコットレーベルが気に入ってくれて、第1弾シングルになったんだ。当時作ったのは簡単なデモだったけど、今回新たに録り直して素晴らしい出来になったよ。
 今回のセルフプロデュースということは音楽的な振り幅の広さにも影響した?
 もちろん。デビューアルバムからの10年の間に、俺達はボブ・マーレット、ハワード・ベンソン、ジョー・ベリシといった偉大なプロデューサーたちと仕事をして多くを学んだ。今回はその経験を生かす絶好のチャンスだった。レコーディングやツアーの経験を通じてミュージシャンとしてのキャリアをビルドアップしてきたからこそ、自分たちが欲しいサウンドは一番よくわかっているからね。


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ブラック・ストーン・チェリー ケンタッキー ワーナーミュージック・ジャパン CD WPCR-17142 4月1日 2,457円(税抜)

2016年5月号(4/2発売)でインタビュー掲載

GOODWARP Interview

 今年3月16日にミニアルバム『FOCUS』をリリースした、吉崎拓也(vo&g)、藤田朋生(g)、萩原“チャー”尚史(b)、有安裕二(ds)による4人組バンド、GOODWARP。90年代のポップ、ロック、クラブ・ミュージックといったに影響を受け、一度聴いたら踊り出したくなるキャッチーでダンサブルなサウンドは彼らの大きな武器である。新作『FOCUS』は、そんなGOODWARPの魅力が最大限に詰まった充実作だ。ポップなサビのメロディが印象的な「僕とどうぞ」、キャッチーでありながら、ちょっぴり切ないサビが印象的な「アノラック」など、万華鏡のように鮮やかでポップなナンバーがたっぷりと詰まっている。今回バンドの“キーマン”吉崎が、自身のバックグラウンド、バンドの音楽に対する拘り、新作『FOCUS』の魅力について語ってくれた!

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自分で歌えるバンドをやりたいなって

 初登場ですので、吉崎さんが音楽に興味を持ったきっかけを教えて下さい。

 初めて“自分から買いたい”と思ったCDは、『ドラゴンクエスト5』のサントラでした。その後ミスチルがきっかけでJポップを聴くようになり、中学生の頃に出会ったエアロスミスがきっかけで洋楽にハマっていきました。

 ギターを始めたのはいつですか? 影響を受けたギタリストやボーカリスト、バンドを教えて下さい。

 中学2年の頃、エアロスミスのジョー・ペリーに憧れて始めました。プレイの内容というよりも、佇まいのカッコ良さにシビれていましたね。ライブ・アルバム『A Little South Of Sanity』が大好きで、ああいうスタジアム感をイメージしながら曲を書くことが今でもよくあります。

 初めてバンドを組んだのは?

 中学2年の終わり頃、友達とGLAYのコピーバンドを組んだのが最初です。

 GOODWARPを結成した経緯を教えて下さい。吉崎さんと萩原さんが以前結成したバンドが解散したのがきっかけだそうですね?

 以前組んでいたバンドではギターと作曲を担当していたのですが、解散をキッカケに自分で歌うバンドがやりたいと思い、当時から一緒にやっていたベースのチャー(萩原“チャー”尚史)に相談したら、二つ返事でやろう!と言ってくれました。そこから、ライブハウスに張り紙したり、メンバー募集サイトに記事を投稿したりしていたら、割とすぐギターの朋生(藤田朋生)に出会って、ドラムの有安(有安祐二)に出会いました。朋生のメールアドレスが僕の好きなエアロスミスの曲名だったので、すぐ仲良くなりました(笑)。

 GOODWARPには、マルーン5を彷彿とさせる様なダンサブルでポップな要素がありますが、結成当初からこういった方向性は意識していましたか?

 ディスコサウンドやブラックミュージックの要素を取り入れたポップスをやりたい、という意識は当初からありました。マルーン5も好きですが、当初はジャミロクワイがもっとポップになったことをしようと考えていた気がします。

 GOODWARPの作曲は吉崎さんが手掛けていますが、普段どのように作曲するのですか? EP『STAR SIGNAL』はEDM的なダンサブルさがありますし、「レイニー白書」にはキャッチーなリフがあり、かなりサウンドの幅が広い印象があります

 作曲する時は、だいたい鼻歌でメロディをつくるところから始めます。それが歌のメロディになることもありますし、ギターリフになることもあります。自分で信じられる旋律ができるまでは、楽器はあまり触らないことが多いです。バック・アレンジは、毎回なにかしら新しいトライをしたいと思っていて、意識的に幅をもたせています。

 吉崎さん、萩原さん、有安さん、藤田さんという4ピース編成でありながら、非常にサウンドがタイトで、アンサンブルの色彩も豊かだと思います。普段、曲のアレンジはどのようにして完成させますか? 作曲やアレンジで特に拘っていることは?

 同期でシンセを鳴らしているのですが、5人目のメンバーがいなくても成り立つ“ギリギリのところ”をいつも狙っています。今回、制作部屋としてギターの朋生の親戚の家を貸してもらえたのですが、4人で24時間体制で篭りながら、アレンジを進めていました。4人中2人が寝たらひとまず作業中断、というルールを設けて、昼夜問わずにキューベースを立ち上げたパソコンを囲んでいました。

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素の時もすんなり聴けるダンサブルなアルバム

 ミニアルバム『FOCUS』についてお訊かせ下さい。本作はGOODWARPらしいダンサブルさが、よりキャッチーに磨き上げられています。制作する際に”収録曲それぞれが「とある日常」を顕微鏡で覗いたようなテーマ性のあるアルバム“にすることを掲げたそうですね。曲作りや音作りを含めて、それはどんなイメージでしょうか?

 通学の電車とかバイト帰りとか、素の時でもすんなり聴けるダンサブルなアルバムを作りたいな、と思って作曲しました。トボトボ歩いていたのが気付いたら歩幅が大きくなるような、自然と体が動く感じや心躍る感じをアレンジでも目指しました。

 今回、シンセサイザーのアレンジャーとして本間将人さんと飯塚啓介さんも関わっているそうですが、彼らにどんな要素をもたらしてくれることを期待しましたか?

 本間さんには、主にコードや鍵盤のアレンジをご相談しようと思いお願いしました。演奏者としてもアレンジャーとしても本当に素晴らしい方で、あらゆる面で勉強になりました。微妙なピッチのズレにすぐ気がつくし、コードの知識もとにかく深淵なので、一緒に制作させてもらいながらメンバーみんな驚愕しっぱなしでした。しかも、本業はサックスプレイヤー! 本当に恐ろしい才能の音楽人です。飯塚さんには、打ち込みのシンセ・サウンドをもっと表現豊かにするために、音色作りやフレーズについて相談をしました。あくまで、バンドが“主体”というバランスを理解してくださった上で、効果的な演出をたくさん教えてもらいました。“5人目がいなくても成り立つ感じ”とか、“トランスではなくエレクトロ”とか、僕らが表現したい微妙なニュアンスをすぐに汲み取って理解して頂いたので、やりとりしながらどこかで見られているんじゃないかと思いましたね(笑)。

 作曲やアレンジ方法で、本作新たに挑戦したことはありますか?

 まずアルバムコンセプトを決めて、そこから曲を作り貯めるということは今までしていなかったんです。苦労もしましたが、とても新鮮でした。アレンジに関しては、これまでは僕のラフデモを元に4人で一緒に考えることが多かったのですが、今作では例えば「アノラック」はギターの朋生、「All the freaks Around Me!」はベースのチャー、というように、楽曲ごとにメンバー内で旗振り役を決めました。

 ポップなサビのメロディが印象的な「僕とどうぞ」は、GOODWARPらしさが満載のナンバーですが、この曲はどういうイメージで書いたのでしょうか?

 ダンスが苦手な恋人に贈るダンスナンバーです。この曲はある映画のワンシーンから着想を得ました。結婚パーティー中に土砂降りが降って、新郎も新婦も、参加者みんながずぶ濡れになって大笑いしながら避難するシーンなのですが、シチュエーションと登場人物の表情とのギャップがロマンチックで、こういうギャップを曲で表現したい、と思ったのがキッカケでした。“ダンス”という言葉を、一種の肉食の象徴みたいに捉えて書いています。

 「FOCUS」や「All the freaks around me!」の様に、小気味良いギター・カッティングはGOODWARPの武器のひとつだなと。こういったツインギター・パートの兼ね合いはどのようにして作っていくのでしょうか?

 主に僕とギターの朋生とで、キューベースを囲みながら考えました。ギター2本ともカッティングをする曲の場合は、それぞれの構成音やサウンドの帯域にはすごく拘っています。ちなみに『FOCUS』は、Daft Punkの「Random Access Memories」のナイル・ロジャースをイメージして、唯一アンプを使わずにラインで録音しました。

 「アノラック」のキャッチーでありながら、ちょっぴり切ないサビがとても印象的ですが、この曲はどういったイメージで完成させた曲ですか?

 学生の頃、当時よく着ていたアノラックパーカーをかぶって、友達と夜景を眺めていた想い出を歌にしました。朋生の考えたギターリフが、僕の元々持っていた夜っぽいイメージにぴったりだったので、そこから歌詞も捗りました。
 エッジの効いたマイナー・キーのナンバー「OK Sir」の歌詞はシニカルなメッセージが込められているなと、この曲にはどんなメッセージが込められているのでしょうか?

 ミュージシャンもリスナーも、みんな1人ひとり違っているのに、大衆受け、という言葉に囚われて、統計学みたいに音楽を扱う、リスナーを信じていない「大人」が多いように感じるので、それをそのまま歌にしました。

 吉崎さんにとって、このミニアルバム『FOCUS』はどんな作品になったと思いますか?

 “ダンスポップってこういうことでしょう!”という、自分たちの想いをふんだんに表現したアルバムになりました。ほとんどが書き下ろしの曲ばかりなので、最新の自分たちが詰め込めたと思っています。

 ボーカリストとしてギタリストとして、本作のどんな部分を聴いてほしいですか?

 歌入れのギリギリまで歌詞を練っていた曲なんかもあって、そのときはほとんどぶっつけ本番で完成形を歌ったので、苦戦の跡が残っているかも…。ぜひ探してみてほしいです(笑)。

 本作でメンバーが使った機材を教えて下さい。

 ギターはギブソンES-335、フェンダー・ストラトキャスター、ヒストリーのTLモデル。ギターアンプはマッチレスDC-30、フェンダー・デラックス・リバーブとベースマンです。エフェクターは、フリーダム・カスタム・ギター・リサーチにモディファイしてもらったボスのBD2、ストライモンのディレイ、プロビデンスのフェイザー、クロン・ケンタウロス、アイバニーズTS9、ヴォックスのワウJH-1、あとファズも使いました。ベースはムーンのJB4-CLASSIC、ヤマハBB2025。それにエーデザインオーディオのチューブ・ダイレクトボックス、テック21サンズアンプPSA-1です。ドラムはパールのヴィンテージのセットに、スネアはラディックのLM402のヴィンテージを使いました。ベッタベタにミュートして、デッドな録り音を目指しました。シンバルは曲によって使い分けたのですが、ハイハットに関しては、タイコのデッドな録り音に合わせて12インチの小口径のもので統一しました。ペダルはヤマハのものを。スティックも曲によって使い分けました。

 『FOCUS』はGOODWARPらしさがたっぷり詰まった“名刺代わりになる魅力的な作品”だと思いますが、今後皆さんはどんなバンドになっていきたいですか?

 元気だから踊るのもいいけど、“踊るから元気になる”というのも凄くあると思うんです。来てくれた人たちが僕らのライブの翌朝“よし、やるか!”って活力が沸いてくれたら、嬉しいですよね。あと、僕らをきっかけに色んな音楽を聴いてもらえるようなバンドになりたいです。ダンサブルでドリーミーなJポップの“ニュースタンダード”を目指して頑張ります!


Interview by TAKAHIRO HOSOE
Live Photo by SOTARO GOTO

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グッドワープ
フォーカス
スタジオヨアソビ CD VPCC-81867
3月16日発売 1,500円(税抜)

Silent Siren Playerインタビュー初登場!


Silent Siren「チェリボム」

 2015年に大躍進を遂げたサイレント サイレン(以下、サイサイ)。女性バンド史上デビュー後最短で日本武道館ワンマンを成功させたことも記憶に新しいが、台湾、香港、インドネシアなど海外公演も実現。さらに年末には東京体育館にてサイサイ史上最大キャパのワンマン公演も行なった。その際に掲げたテーマは“覚悟と挑戦”であり、年末公演はサポートメンバー無しの4人でプレイするなど、バンドとして揺るぎない決意のもとでステージに立っている姿があった。Playerでは2015年10月号にて昨年NHKホール公演のライブ機材レポートを行なっているが、このたび初のインタビュー取材が実現。ニューアルバム『S』のリリース日と同じ発売日である、3月2日発売2016年Player5月号では4人がたっぷりと語ってくれている。


Silent Siren「alarm」

 正直Playerではわりと少ない若い女性ミュージシャンへの取材…彼女達からしたらマニアックな楽器誌なわけであり、取材して引かれないかなとかちょっと不安になりながら挑んだインタビュー。しかしながらドラマーのひなんちゅが「レコーディングのことを喋れる雑誌があまりないので、こういうことを聞かれるのは凄く嬉しい」と語ってくれたように、このマニアックな質問内容が4人には逆に新鮮だったようで、なんとも濃厚濃密、おそらく他誌ではなかなか載らないだろう発言が満載の記事になった。何せこの若く愛らしい4人の女性ミュージシャンは、ワールドワイドで活躍するバンドを目指して一層ストイックに演奏に打ち込んできたのである。それこそ精力的なライブ活動とともにプリプロ、レコーディングを断続的に行ない、最新型サイサイとしての勇ましい音に仕上げた渾身の1枚が『S』だ。キャッチーでカラフルな彼女達らしい楽曲は言わずもがなだが、「Love install」ではCHRYSANTHEMUM BRIDGEとのコラボレーションにトライするなど、これまでにないアプローチも『S』の聴きどころとなっている。


Silent Siren「ハピマリ」
新婦役ですぅがウェディングドレスを披露したほか、
その新郎役をおぎやはぎの矢作兼さんが演じたのが話題に!!


 「『S』はツアーを見据えたアルバムにしようと決めていた」とはひなんちゅ談だが、まさに『S』のサウンドは一層ライブを見据えたソリッドでタイトな演奏により昇華されている。特に印象的なのはひなんちゅ、あいにゃんよるリズム隊の息の合ったプレイと躍動感。今回BPMが速い楽曲も多いこともあり特にリズム隊に耳が行くが、あいにゃんのベースは指弾きにこだわるなど各々のこだわりも感じる演奏だ。そして上物を担当するすぅのギターとゆかるんのキーボードは、各々リードフレーズで色彩感を際立たせつつも、ときには見事に溶け込んでひとつの世界観に徹している様も聴きどころ。一聴してギターなのかキーボードなのかが聴き分けられない曲も多く、その辺の音作りに関してもインタビューで語っていただいている。勿論初期メンバーだったクボナオキとの黄金タッグによるソングライティングは健在。それでいて新段階に入ったアレンジ、サウンドメイキング体制についていろいろとうかがった。Playerインタビュー初登場にして、なかなか他では読めないようなディープなインタビュー記事になったのでお楽しみいただきたい。

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Silent Sirenの直筆サイン入り『S』の販促用ポスターを3名分、読者プレゼントとして提供いただきました! ぜひ記事の感想なども一言そえていただいて、メールでご応募いただけると嬉しいです。そして4月からは全国ツアーもスタート。ツアーファイナルは7月18日(月) 横浜アリーナだ!

「Silent Siren Live Tour 2016 Sのために Sをねらえ! そしてすべてがSになる」
4月18日(月) 東京 EX THEATER ROPPONGI(開場:18:00 開演:19:00)
4月21日(木) 群馬 高崎club FLEEZ(開場:18:00 開演:18:30)
4月23日(土) 岩手 盛岡Club Change WAVE(開場:17:30 開演:18:00)
4月24日(日) 山形 Session(開場:17:30 開演:18:00)
4月29日(金) 鹿児島 鹿児島CAPARVO HALL(開場:17:15 開演:18:00)
4月30日(土) 熊本 熊本B.9 V1(開場:17:15 開演:18:00)
5月04日(水) 愛媛 松山サロンキティ(開場:17:30 開演:18:00)
5月05日(木) 香川 高松MONSTER(開場:17:15 開演:18:00)
5月07日(土) 島根 松江テルサ(開場:17:15 開演:18:00)
5月08日(日) 岡山 岡山CRAZYMAMA KINGDOM(開場:17:15 開演:18:00)
5月13日(金) 富山 富山MAIRO(開場:18:00 開演:18:30)
5月14日(土) 長野 長野CLUB JUNK BOX(開場:17:30 開演:18:00)
5月21日(土) 京都 京都FANJ(開場:17:15 開演:18:00)
5月22日(日) 兵庫 神戸VARIT.(開場:17:30 開演:18:00)
5月28日(土) 埼玉 戸田市文化会館(開場:17:00 開演:18:00)  
6月04日(土) 広島 はつかいち文化ホール さくらぴあ(開場:17:00 開演:18:00)
6月05日(日) 福岡 福岡国際会議場 メインホール(開場:17:00 開演:18:00)
6月11日(土) 北海道 小樽GOLDSTONE(開場:17:30 開演:18:00)
6月12日(日) 北海道 札幌市教育文化会館 大ホール(開場:17:00 開演:18:00)
6月23日(木) 新潟 りゅーとぴあ劇場(開場:17:30 開演:18:30)
6月25日(土) 福島 郡山市民文化センター 中ホール(開場:17:00 開演:18:00)
6月26日(日) 福島 郡山市民文化センター 中ホール(開場:17:00 開演:18:00)
7月03日(日) 宮城 仙台市民会館 大ホール(開場:17:00 開演:18:00)
7月09日(土) 愛知 名古屋センチュリーホール(開場:17:00 開演:18:00)
7月10日(日) 大阪 グランキューブ大阪メインホール(開場:17:00 開演:18:00)
7月18日(月) 神奈川 横浜アリーナ(開場:17:00 開演:18:00)

絶好調の人間椅子が放つ強力ニューアルバム

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 新たなる黄金期を迎えて絶好調の人間椅子。最新作『怪談 そして死とエロス』が完成したものの、その制作は相当ハードスケジュールだった模様。ただし和嶋慎治曰く「今若い人達もいっぱい聴いてくれているという手応えを感じているので、時間がなくても楽しんで曲作りができましたね。忙しいときって良い調子のときなのでいろいろとやれるんだよね」とのことで、かなりの意欲作に仕上がっている。これぞ人間椅子というソリッドでグルーヴィなトリオバンドサウンドの魅力が満載であり、プログレ的な先の読めないハードな展開劇と和嶋慎治こだわりのギターサウンドもたっぷりと味わえる。

 今作はアルバムタイトルの通り、怪談やエロスがテーマとなっているのだが、人気アニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』のEDテーマとして先に発表されていた「泥の雨」を筆頭に、官能と悲哀がドラマティックに歌われる「マダム・エドワルダ」、躍動感あふれるベースプレイが痛快な「狼の黄昏」など、人間椅子ならではの濃厚濃密な新たな名曲が目白押し。もはや洋楽邦楽の差が曖昧になっていくロックシーンにおいて、日本のロックとはこれだ!というひとつの解答が此処に確実にある。2月2日発売Player3月号では『怪談 そして死とエロス』完成直後の和嶋慎治に直撃。おそらく完成後初取材がPlayerだったと思うが、楽曲イメージとそのサウンドメイキングとの関係性を中心に、制作エピソードをかなりディープに語ってくれているので御一読いただきたい。

 また、人間椅子の直筆サイン入りポスターを3名様分いただいたので、ちょっぴり記事の感想を一言添えていただきぜひメールでご応募いただきたい。そしてアルバムを引っさげての全国ツアーもスタートだ!

人間椅子『怪談 そして死とエロス 〜リリース記念ワンマンツアー〜』
2/19(金) 大阪心斎橋 BIGCAT 
2/21(日) 四国高松 Olive Hall 
2/23(火) 熊本 B9  

2/24(水) 博多 Be-1 

2/26(金) 名古屋 ELL 

2/29(月) 広島 CAVE-BE 

3/1 (火) 神戸 Chicken George  
3/4 (金) 仙台 enn 2 nd 
3/6 (日) 青森 Quarter  

3/8 (火) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK 
3/11(金) 札幌 cube garden 

3/13(日) 盛岡 CULB CHANGE WAVE 

3/14(月) 秋田 Club SWINDLE  

3/16(水) 千葉 LOOK 

3/19(土) 赤坂 BLITZ 

浜田麻里が新境地『Mission』を語る




Mari Hamada "Mission" 試聴ダイジェスト

 デビュー30周年を経て、東京国際フォーラムホールAを筆頭とするライブも軒並み即完。近年はフェス出演やフルオーケストラ公演など、ライブ活動も一層精力的な浜田麻里だが、遂に待望のオリジナルアルバム『Mission』をリリース。すでに多方面で話題を呼んでいる今作は、 『Aestetica』(2010年)、『Legenda』(2012年)といったヘヴィロック路線をよりエスカレートした仕上がりであるとともに、ヒットシングルを連発していたRCA時代のキャッチーさだったり、AORテイストの楽曲も盛り込まれていたりと、自身のキャリアを総括したような重厚な内容となっている。いろんな時代で浜田麻里との出逢いを経験した音楽リスナーはいるわけだが、何処かしらに入口となった要素が『Mission』にはおそらくあると思う。とは言え、Player読者の多くが期待する浜田麻里となると、やはり激しいロックボーカル路線に視点がいくのだろうが、日米の強力敏腕ミュージシャン達と作り上げたこの圧倒的な音はそういう人達の期待に真っ向から応えている。コアファンでもひょっとしたらこれは彼女の最高傑作!?と思うひとも多いのではないか。

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  「Sparks」「Superior」では高崎晃のギターと厚見玲衣がシンセソロバトルを繰り広げていたり、なんと初参加のビリー・シーンによる躍動感たっぷりのベースもうなりまくり。彼女ならではの鮮烈なメッセージ性が光る「Tears Of Asyura」も今作の大きな聴きどころとなっていて、日米ギタリスト3人が参加するなど相当ギターサウンドがフィーチャーされている。グレッグ・ビソネット、リーランド・スクラーのお馴染みのリズム隊は勿論、マイケル・ランドゥが近年の自身のソロではまず聴けないようなヘヴィなギタープレイを披露しているのもポイント。勿論、増崎孝司、増田隆宣、宮脇JOE知史、寺沢功一、大槻啓之ら、日本人ミュージシャンによる麻里ファミリーも脇を固める。2月2日発売Player3月号のロングインタビューでは、麻里さんへのディープなインタビュー取材を行なっている。まさに彼女自身が自らに課した『Mission』については勿論、若井望、岸井将といった新世代ブレインとのコラボレーション、ボーカルアプローチに至るまで、他誌よりもちょっぴり堀り込んでいるPlayerならではのインタビューを御一読いただきたい。直筆サイン色紙プレゼントもあるので、ちょっぴり記事の感想を一言添えていただきぜひメールでご応募あれ。

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 そして3月からは全国ツアーもスタート。ただチケットは相当激戦なようです…。

Mari Hamada Live Tour 2016 Live Schedule
3/4 (金)  open/18:30 start/19:00 ZEPP 札幌
3/11 (金)open/18:00 start/19:00 ZEPP 名古屋
3/19 (土)open/17:15 start/18:00 BLUE LIVE広島
3/21 (月・祝) open/17:00 start/18:00 ZEPP福岡
3/27 (日)open/17:00 start/18:00 ZEPP なんば
4/17 (日)open/17:00 start/18:00 ZEPP 名古屋(追加公演)
4/23 (土)open/17:00 start/18:00 ZEPP 札幌(追加公演)
4/28 (木)open/18:00 start/19:00 ZEPP なんば(追加公演)
5/29 (日) open/16:30 start/17:30 東京国際フォーラム

新境地の新作『三位一体』をリリースしたTHE ALFEE

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超大作だった『新世界 –Neo Universe-』から5年9ヶ月である。遂にTHE ALFEEが最新オリジナルアルバム『三位一体』を完成させた。この間、デビュー40周年タイミングで様々な企画盤やイベントライブなどもあったので、決して活動ペースが落ちていたわけではないのだが、『新世界 –Neo Universe-』から一歩進んだバンドの姿を焼き付けるオリジナルアルバムを作るためには時間を要した。デビュー40周年で再びアルフィーを見つめ直し、同時に自らのルーツミュージックにも立ち返ったこと、さらにアルフィーならではのスイッチボーカルとハーモニーを押し出したサウンドを再認識したことで、近年のコンセプチュアルさとはまた違ったかたちのニューアルバム『三位一体』が完成したというわけだ。 一聴ではまさにアルフィーという感じのバンドサウンドではあるが、今作ではそこにGSテイストとダンスビートの融合なり、さらに現在のメンバーでプレイし続けてきたがゆえのソリッドなバンドサウンドが感じられるアレンジ、あえて初期テイストを彷彿させるアコースティックバンドアレンジで聴かせたり。最新型アルフィーと従来のスタイルがミクスチャーされたスタイルと言える。

 個人的に曲名からして高見沢俊彦作詞と思い込んでいた「或いはノイシュバンシュタイン城の伝言」が、実はGSの名曲の数々で著名な作詞家・橋本淳が手掛けていたのにも仰天したのだが、そうしたGSへのオマージュも盛り込まれていたり、「碧空の記憶」では先輩であるGAROへのリスペクトの意も込められていたりと、コアなアル中にはいろいろなことを思い起こさせる楽曲が実に多い。2016年Player2月号では、「やっぱり新しい曲を生み出さないと新しい扉を開けない気がして。それが自分のモチベーションになるから。そうやって考えるとどうしてもギターが欲しくなるしどんどん増えていくという(笑)」とも語ってくれた、高見沢俊彦のロングインタビューを掲載。ちょっとマニアックな内容ですがお楽しみいただけると嬉しい。アルフィーの直筆サイン入りポスターも読者プレゼントとしていただいたいので、記事の感想なりまたアルフィーの別冊企画してとかなんでもいいので^^;、なんか一筆書いていただきメールで応募いただければ幸いです。そして春のツアーも発表されました!


THE ALFEE Best Hit Alfee 2016 春フェス
3/31(木) 川口 リリアメインホール
4/02(土) 広島上野学園ホール
4/3(日) 広島上野学園ホール
4/06(水) 市川市文化会館
4/09(土) ロームシアター京都メインホール(旧京都会館)
4/10(日) ロームシアター京都メインホール(旧京都会館)
4/12(火) よこすか芸術劇場
4/16(土) 奥州市文化会館Zホール(旧水沢市文化会館)
4/17(日) 仙台サンプラザホール
4/23(土) コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
4/29(金祝)桐生市市民文化会館シルクホール
5/01(日) 栃木県総合文化センター メインホール
5/04(水祝)倉敷市民会館
5/05(木祝)周南市文化会館
5/14(土) 静岡市民文化会館
5/21(土) 福岡サンパレスホテル&ホール
5/22(日) 福岡サンパレスホテル&ホール
5/28(土) NHKホール
5/29(日) NHKホール
6/03(金) 中標津町総合文化会館しるべっとホール
6/05(日) ニトリ文化ホール
6/11(土) フェスティバルホール
6/12(日) フェスティバルホール
6/15(水) 大宮ソニックシティ
6/18(土) 本多の森ホール
6/19(日) 上田市交流文化芸術センター(サントミューゼ)
6/22(水) 神奈川県民ホール
6/25(土) 名古屋国際会議場センチュリーホール
6/26(日) 名古屋国際会議場センチュリーホール


Char 還暦武道館ライブ映像『ROCK十 EVE』発売中!

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 2015年6月16日に還暦を迎えたCharは、5月に豪華ゲストプロデューサーを迎えた新作『ROCK十』(ロック・プラス)をリリース。そして6月15日には新作にリンクした武道館公演『〜The 六十th Anniv.〜“ROCK十”CHAR LIVE IN 日本武道館』を行って大成功を収めた。ステージでは佐橋佳幸(g)、澤田浩史(b)、古田たかし(ds)、Dr.kyOn(key)、福原美穂(cho)、そしてCharという6人をハウスバンドとして、新作に参加した泉谷しげる、佐橋佳幸+スカパラホーンズ、布袋寅泰、ムッシュかまやつ、奥田民生+ハマ・オカモト、松任谷由実、佐藤タイジ、JESSE、福山雅治、阿部サダヲ(VTR出演)、山崎まさよしらの豪華ゲストが登場し還暦を祝った。そのライブを収録した『ROCK十 EVE』が発売。

「お客さんに対してゲストのことは言ってないんだよ。だから最初に「ああ、泉谷さん出てくるんだ」「佐橋くんがバンドやるんだ」までわかっても、その後、予告無しでゲストがどんどん出てくる。それで、この人は出ないでしょう? という人まで出て、13曲目には自分のオリジナル新曲「Moving Again」をやらせてもらったけど、これらを通しでリハーサルする時間はなかった。でも、かなり想像通りに出来たと思う」
 こちらが『ROCK十 EVE』のトレイラー。豪華ゲストとの共演を垣間みることが出来る。


「アルバムもだけど、武道館ライブでお祝いをしていただいたという感じかな。ふだんは来られないユーミンや福山くんまで来てくれたのは、やっぱり還暦だからということ。「あのCharも60歳か」っていうのと(笑)、でもギターやロックというものを俺から感じてくれたこともあったのかな。それはロックで集まる楽しさだと思うんだよ。ロックでこれが出来たっていうのが俺は嬉しいし、その匂いを俺は放ち続けてきたからね」
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ロック・プラス・イヴ ZICCA RECORDS 発売中 完全盤BD(BD+2CD) ZRRP-FV03 6,500円 完全盤DVD(2DVD+2CD) ZRRP-FV02 6,000円 コンパクト盤DVD(1DVD+1CD) ZRRP-EV02 4,000円 LIVE CD盤(1CD) ZRRP-EV01 2,500円(価格はすべて税抜)  http://rockplus.zicca.net

2016年2月号(12/29発売)にインタビュー掲載

PAUL GILBERT バンド作となった新作『ブッこわれるぜ!』発売中

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 ツインギター+ボーカルというバンド編成によるポール・ギルバートのソロ新作『ブッこわれるぜ!』完成。旧知のミュージシャンらと制作されたキャリア最強となる新作をポールが語る!
「『I Can Destroy』というアルバムタイトルは、“I love everything I can destroy”の略なんだ。“壊せるものは大好き”という意味だよ。僕が1歳の息子に何か物を手渡すと、彼はそれに噛みついてみたり、床に叩きつけたりして破壊しようとする。それは決して怒りや破壊衝動からではなく、その物について知ろうとしているんだ」
「アルバムを作り始めたときに頭にあったのは音楽性よりもバンド構成のことだった。トリオにするか、それとももっと多人数にするか…それでプロデューサーのケヴィン・シャーリーとよく話し合ったんだ。ケヴィンはライブ形式でレコーディングするのが好きなんだよ。だからオーバーダブはせず、ワンテイクで済むようなバンド形式にしたいという話になった。自分以外にギタリストとシンガーがいればオーバーダブをしないで済む。ワンテイクでビッグなサウンドを録ることが出来る! って盛り上がったよ。その結果、旧知の仲間のトニー・スピナーとフレディ・ネルソンを連れてきた。それでギターのトリプルハーモニーやボーカルハーモニーが多いんだ。ベーシストのケヴィン・チャウンも歌うから、4声ハーモニーもあるよ」

 こちらはポールの最新映像。トニー・マカパインのベネフィットライブだが、ビリー・シーン(b)、マイク・ポートノイ(ds)とポールというセッション、さらにスティーヴ・ヴァイも参加したセッションが見られる。


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ブッこわれるぜ! WOWOWエンタテインメント 12月9日 通常盤1CD IECP-10334 2,500円 DX盤1CD+1DVD IECZP-98 4,000円 スーパーDX盤1CD+3DVD IEZP-96 10,000円 ギター譜セット1CD+1DVD IEZP-97 7,500円(価格はすべて税抜)  http://wowowent.co.jp/artists/detail/38

2016年2月号(12/29発売)にインタビュー掲載

新境地の新作『三位一体』をリリースしたTHE ALFEE

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超大作だった『新世界 –Neo Universe-』から5年9ヶ月である。遂にTHE ALFEEが最新オリジナルアルバム『三位一体』を完成させた。この間、デビュー40周年タイミングで様々な企画盤やイベントライブなどもあったので、決して活動ペースが落ちていたわけではないのだが、『新世界 –Neo Universe-』から一歩進んだバンドの姿を焼き付けるオリジナルアルバムを作るためには時間を要した。デビュー40周年で再びアルフィーを見つめ直し、同時に自らのルーツミュージックにも立ち返ったこと、さらにアルフィーならではのスイッチボーカルとハーモニーを押し出したサウンドを再認識したことで、近年のコンセプチュアルさとはまた違ったかたちのニューアルバム『三位一体』が完成したというわけだ。 一聴ではまさにアルフィーという感じのバンドサウンドではあるが、今作ではそこにGSテイストとダンスビートの融合なり、さらに現在のメンバーでプレイし続けてきたがゆえのソリッドなバンドサウンドが感じられるアレンジ、あえて初期テイストを彷彿させるアコースティックバンドアレンジで聴かせたり。最新型アルフィーと従来のスタイルがミクスチャーされたスタイルと言える。

 個人的に曲名からして高見沢俊彦作詞と思い込んでいた「或いはノイシュバンシュタイン城の伝言」が、実はGSの名曲の数々で著名な作詞家・橋本淳が手掛けていたのにも仰天したのだが、そうしたGSへのオマージュも盛り込まれていたり、「碧空の記憶」では先輩であるGAROへのリスペクトの意も込められていたりと、コアなアル中にはいろいろなことを思い起こさせる楽曲が実に多い。2016年Player2月号では、「やっぱり新しい曲を生み出さないと新しい扉を開けない気がして。それが自分のモチベーションになるから。そうやって考えるとどうしてもギターが欲しくなるしどんどん増えていくという(笑)」とも語ってくれた、高見沢俊彦のロングインタビューを掲載。ちょっとマニアックな内容ですがお楽しみいただけると嬉しい。アルフィーの直筆サイン入りポスターも読者プレゼントとしていただいたいので、記事の感想なりまたアルフィーの別冊企画してとかなんでもいいので^^;、なんか一筆書いていただきメールで応募いただければ幸いです。そして春のツアーも発表されました!


THE ALFEE Best Hit Alfee 2016 春フェス
3/31(木) 川口 リリアメインホール
4/02(土) 広島上野学園ホール
4/3(日) 広島上野学園ホール
4/06(水) 市川市文化会館
4/09(土) ロームシアター京都メインホール(旧京都会館)
4/10(日) ロームシアター京都メインホール(旧京都会館)
4/12(火) よこすか芸術劇場
4/16(土) 奥州市文化会館Zホール(旧水沢市文化会館)
4/17(日) 仙台サンプラザホール
4/23(土) コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
4/29(金祝)桐生市市民文化会館シルクホール
5/01(日) 栃木県総合文化センター メインホール
5/04(水祝)倉敷市民会館
5/05(木祝)周南市文化会館
5/14(土) 静岡市民文化会館
5/21(土) 福岡サンパレスホテル&ホール
5/22(日) 福岡サンパレスホテル&ホール
5/28(土) NHKホール
5/29(日) NHKホール
6/03(金) 中標津町総合文化会館しるべっとホール
6/05(日) ニトリ文化ホール
6/11(土) フェスティバルホール
6/12(日) フェスティバルホール
6/15(水) 大宮ソニックシティ
6/18(土) 本多の森ホール
6/19(日) 上田市交流文化芸術センター(サントミューゼ)
6/22(水) 神奈川県民ホール
6/25(土) 名古屋国際会議場センチュリーホール
6/26(日) 名古屋国際会議場センチュリーホール



SLAYER ケリー・キングとポール・ボスタフに訊く!

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L to R:Tom Araya(b,vo), Gary Holt(g), Paul Bostaph(ds), Kerry King(g)

 ジェフ・ハンネマンの死、デイヴ・ロンバードの脱退という局面を乗り越えて新作『リペントレス』を完成したスレイヤー。来日を機にケリー・キングとポール・ボスタフに現在のスレイヤーを訊いてみた。
 前作『血塗ラレタ世界』(09年)とはメンバー4人のうち2人が異なりますが、スレイヤーらしさは貫かれています。“スレイヤーをスレイヤーたらしめる”のは何でしょうか?
“スレイヤーらしさ”というのは、微妙なバランスの上に立っているんだ。スレイヤーの精神を受け継ぎながら、新しい可能性を追求しなければならない。まあ、俺が曲を書いてトム・アラヤが歌っているんだから、どうしたってスレイヤーらしく聴こえるんじゃないかな。俺のソングライティング作業自体は、いつも同じだ。残念ながらジェフがいなくなってしまったことで、俺の曲がこれまでより多く収録されることになった。『リペントレス』で俺にとって課題だったのは、ダークでムーディな曲を書けるかということだった。どちらかといえば、それはジェフの得意分野だったからな。しかも表面的に彼のスタイルを真似してもダメだ。自分の中から湧き出る暗黒面を曲にしなくてはならない。スレイヤーの曲というのは、聴いた人間が全身に鳥肌を立てて「これは最高だ!」と言うようなものでなければならないんだ。(ケリー)
『リペントレス』は前作とバンドメンバーの半分が異なっているにも関わらず、実にスレイヤーらしいアルバムですね。
 うーん、それは“グラスが半分いっぱい”なのか“半分空っぽ”なのかということだな。スレイヤーのメインソングライターはケリーとジェフだった。ジェフを失ったことは大きいけど、ケリーがギターを弾いて、トムが歌って、俺だって出戻りだ。“スレイヤーらしさ”を意識する必要はなかった。今回、誰も「スレイヤーらしいアルバムを作ろう」とは考えなかった。全員がナチュラルにプレイしたその結果が『リペントレス』だよ。(ポール)

 こちらが『リペレントス』のオフィシャル・ヴィジュアライザー映像になる。


 そしてこちらはオフィシャルMV。ショッキングな血しぶき&グロなので閲覧注意。


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リペレントス ワーナーミュージック・ジャパン CD WPCR-16759 発売中 2,457円(税抜)

2016年1月号(12/2発売)にインタビュー掲載

THE WINERY DOGS 2nd新作『ホット・ストリーク』が完成!

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Photo by JAMEL TOPPIN

 ビリー・シーン、マイク・ポートノイ、リッチー・コッツェンによるスーパーロックトリオ、ザ・ワイナリー・ドッグスが新作『ホット・ストリーク』を発表した。短命に終わることが多い“スーパーグループ”だが、彼らは2013年にアルバム『ザ・ワイナリー・ドッグス』を発表した後、100公演以上におよぶワールド・ツアーを敢行。さらに強靱になって還ってきたのだ。リーダートラック「オブリヴィオン」から3人の超絶テクニカルプレイが炸裂するが、まっすぐ背骨の通ったハードロックは、彼らがこのバンドで音楽シーンを“獲る”気でいることを伝えるものだ。
 こちらが新曲「オブリヴィオン」のPV。超絶イントロ演奏シーンがありながらもソウルフルでポップな歌メロが印象的。




 新作を巡るインタビューでビリー・シーンはこう語っている。「ファーストアルバムを出してから100回以上一緒にショーをやってきたから、お互いの呼吸を読めるようになった。ワイナリー・ドッグスを始めたとき、俺とリッチー、俺とマイクは一緒にやったことがあったけど、リッチーとマイクは共演するのが初めてだった。だから最初は探り合いみたいな部分があったけど、徐々にお互いのことが判るようになったんだ。『ホット・ストリーク』では顔を合わせると自然にジャムを始めて、それが曲になってしまうことが何度もあった。もう40年もミュージシャンをやっていると、アイディアを出すのはさほど難しくない。難しいのは自分が納得できて、世界中のリスナーに楽しんでもらえる曲を書くことだ。そんな魔法の方程式はないから努力を続けるんだけどね」
 メロディアスなアメリカンハードロック。ワイナリー・ドッグスは最小トリオにしてロックファンに通じる音楽愛を持っている。そして2016年4月に行われる来日公演日程もアナウンスされた!

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ホット・ストリーク WOWOWエンタテインメント CD IECP-10331 発売中 2,500円(税抜)

■来日公演 [日程]4/14(金)OOSAKA ZEPP NAMBA 4/17(日)BLUE LIVE HIROSHIMA 4/18(月)名古屋ボトムライン 4/20(水)-21(木)東京ドームシティホール [問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999 udo.jp/

2015年12月号(11/2発売)にインタビュー掲載

フジファブリック 『BOYS』&『GIRLS』で掴んだ新たな始まり!

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2014年はメジャーデビュー10周年の節目として、8thアルバム『LIFE』のリリースと日本武道館公演を筆頭に、精力的な活動で駆け抜けたフジファブリック。しかし、彼らは2015年の年明け早々にミニアルバム2作のリリースを宣言。『BOYS』と『GIRLS』をコンセプトに掲げ、現在の3人編成としては初の試みとなるプロデューサーを迎え入れての制作となった。



6月にリリースされた『BOYS』収録の「Green Bird」及び『GIRLS』収録の「夜明け前」では、山内総一郎(vo,g)とは旧知の仲である百田留衣(agehasprings)が、「Girl! Girl! Girl!」ではジャニーズ・グループの楽曲を多数手掛けるCHOKKAKUがフジファブリックに新たな色彩をもたらしている。更にはR&B、HIP HOPシーンでも活躍するエンジニアD.O.Iによる「Girl! Girl! Girl!」のミックス、金澤ダイスケ(key)が作詞作曲・プログラミング・ミックスまでを担当した「裸足のバレリーナ」など、これからの10年に繋がるであろう新境地で溢れた2作と仕上がった。メジャーデビューから11年目、3人編成として6年目を迎えた彼らが、今回のミニアルバムに求めたものとは何だったのだろうか? 第2弾となる『GIRLS』収録曲の話題を中心に紐解いていく。

フジファブリック
ガールズ
SMAR 10月14日
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初回生産限定盤(CD+オリジナルブランケット) AICL-2968〜9 2,300円(税抜)
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通常盤(CD) AICL-2970 1,850円(税抜)

DAVID GILMOUR 9年振りのソロ新作『飛翔』が完成!

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Photo by KEVIN WESTENBERG

 昨年発売されたピンク・フロイドの『永遠/TOWA』は、故リチャード・ライトの追悼にしてピンク・フロイドの最終作だったわけだが、それから1年経たずしてデヴィッド・ギルモアのソロ4th『飛翔』が完成した。06年の『オン・アン・アイランド』ではまさにピンク・フロイドの再来を感じさせたが、新作ではより解放された音楽性を示している。フランス国鉄駅のジングルにインスピレーションを得たタイトル曲「ラトル・ザット・ロック」を筆頭に、「失楽園」第2巻にインスパイアされたポーリー・サムソンの歌詞、息子であるチャーリー・ギルモアの反政府デモによる投獄に端を発した刑務所の囚人による「ザ・リバティ・クワイア」の参加、クロスビー&ナッシュやロバート・ワイアットなどのゲスト参加、そしてリチャード・ライトとの「バーン・ジャム」未発表映像ボーナス特典など興味を引くキーワードに溢れた作品だ。

 こちらがタイトル曲「ラトル・ザット・ロック〜自由への飛翔」のPV。モノクロのアニメ映像とリンクしている。


 こちらはデヴィッドによるアルバム制作コメント。パートナーのポーリー・サムソンも語っている。


 本誌ではアルバムのプロデュースを手掛けたロキシー・ミュージック/ソロのフィル・マンザネラに話を訊いた。
 プロデューサーとしてアルバムの聴きどころだと思うのは?
 僕は「夢のままに」という曲が大好きなんだ。これは彼のいつもの作風とは違って、デヴィッドにとって非常に重要なことについて歌ったひとつの完成された作品だ。アルツハイマーを患った彼の母親についての歌なんだ。素晴らしいコード・シークエンス、素晴らしいソロが入っている。それと「ラトル・ザット・ロック」もいいし、「午前5時の旋律」もデヴィッドらしいプレイが聴かる。まさに僕たちが彼に求めているものって感じの曲だよ。美しいオーケストラとエレクトリックギターが入っていて、しかも彼の声がいい。歌う声とギターの声の両方がしっかりフィーチャーされていて彼の魅力が凝縮されている曲だ。それからアルバムとして長過ぎないのがいいね。たくさんの曲をボツにした。最高のものだけを残して、アルバムとして通して聴けるものにした。朝に始まって夜に終わるまで、日中心に浮かぶこと、話し合ったこと、抱えている問題など、デヴィットとポーリーの間のとても個人的なステートメントが無駄なく、しかしきちんと丁寧に描き出されているよ。

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デヴィッド・ギルモア 飛翔 ソニーミュージック 9月23日 デラックスCD+BD SICP−30815〜16 5,000円(税抜) デラックスCD+DVD SICP-30817〜18 4,000円(税抜) 通常盤 SICP-30819 2,500円(税抜)

2015年11月号(10/2発売)に記事掲載

DELTA DEEP フィル・コリンのデルタ・ディープ、1stアルバムが完成!

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L to R: Robert DeLeo(b), Debbi Blackwell-Cook(vo), Forrest Robinson(ds), Phil Collen(g)

 まもなく新作とジャパンツアーが控えているデフ・レパードで、長年ギタリストとしてキャリアを重ねているフィル・コリンは、ロックギタリストとして知られているが、同時にブルースやソウルミュージックへの造詣も深い。そんな彼が新たに結成したプロジェクトがデルタ・ディープだが、その1stアルバム『デルタ・ディープ』が完成。フィルを中心に集まったメンバーは、女性シンガーのデビ・ブラックウェル、ベースはストーン・テンプル・パイロッツのロバート・デレオ、ドラムはフォレスト・ロビンソンというミュージシャンズ・ミュージシャン達だ。そのコンビネーションはまさにバンドといえるものだが、さらにゲストとしてホワイトスネイクのデイヴィッド・カヴァデール、デフ・レパードのジョー・エリオット、ex.セックス・ピストルズのポール・クック+ex.ガールのサイモン・ラフィーなどが参加している。アルバムに鳴り響いているのはブルースやソウルを持ったロックだが、まさにディープな感触が気持ちいい。

 こちらがアルバムサンプラー。ソウル、ブルース、ロックなどの魅力を携えたエナジーが詰まっている。


 そしてデルタ・ディープについてフィルが答えてくれた。
 今までにデルタ・ディープとしての本格的なライブをやっていますか? その評判はどうでしょう?
 ライブは既にやっている。みんなすごく盛り上がって最高だった。いい曲が出来た手応えはかなりあったんだけど、観客の前でやってみないと実際のところは解らないからね。大成功だったと思うよ。
 あなたは今までにサイドプロジェクトをいくつかやっています。あなたにとってサイドプロジェクトの意味は?
 デフ・レパードがその独特なサウンドで成功を収めている中で、たまに“デフ・レパード風”とはまったく違う音を追求したくなる時があるんだ。アーティストとして常に何かを作り出しているんだけど、デフ・レパードとは違うアイデアを作り出してしまうこともあるんだよ。
 あなたはLAに長く住んでいますが、ブルースやソウルなどアメリカの音楽をどう思いますか?
 ブルースやソウルに興味を持ったのはアメリカに移るずっと前、だからギターもまだ弾いてなかった頃なんだ。
 あなたはこのバンドでどういうことをやりたかったのでしょう?
 ブルースっていうスタイルは、一般的には少し誤解されていると思う。かつてブルースは、プランテーションで働いていた奴隷たちがどうする事もできない状況に置かれている自分達の苦しみや、心の悲鳴を表現した音楽だと思うんだよ。デビは母親であり、かつ孫もいる。そんな彼女が最近、銃の事件で息子を失ってしまったんだ。もちろん今ではその痛みを表現出来るほどに立ち直っているよ。だからブルースは心の痛みを表現する音楽だと思っている。僕はブルース色が強いギタープレイヤーであるジミー・ペイジ、ジミ・ヘンドリックス、リッチー・ブラックモアなどからかなり感化を受けているけど、さらにゴスペルシンガーのアレサ・フランクリンの大ファンでもあるんだ。だからギターだけにとどまらず、様々な音楽ジャンルからの影響があるんだ。
 でも、何と言ってもシンガーからの影響は特別なものがある。ティナ・ターナーやチャカ・カーンのような、第2〜第3世代目のシンガーからも未だに痛みが伝わってくるよ。表現するという事は、誰かから習うものではなくて感じとるものなんだ。この今回のプロジェクトの真髄はそこにあるんだよ。何の問題もない恵まれた環境に育った白人で、若い時分はギターに没頭するばかりで苦労の経験すらない自分にでさえ痛みは伝わってくる。そんな人生の苦悩を表現出来るバンドの一員でいられる事を光栄に思っているよ。僕は既に自分でやりたかったことをやっている。音楽を通して自分を表現する、それはこれまでもずっとやってきた事だ。しかしデルタ・ディープでは目的も欲も何も持たずに、ただやりたいことをやっていきたい。

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デルタ・ディープ デルタ・ディープ MAILBOAT RECORDS AMAZONで輸入盤販売中 iTunesで配信中

2015年11月号(10/2発売)でインタビュー掲載

lynch. 3作連続リリースの“ラスト”を飾る衝撃のフルアルバム

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“文句無しの凄まじい傑作!” lynch.最新のフル・アルバム『D.A.R.K.-In the name of evil-』を聴き終えた後、心からそう確信した。昨年12月、結成10周年記念ライブ『10TH BIRTHDAY「2004-2014」at STUDIO COAST』を行い、今年3月にベストアルバム『10th ANNIVERSARY 2004-2014 THE BEST』をリリース。それに伴い、「TOUR’15『GAZE ME GATHER ME』」と銘打ち、過去の作品タイトル冠した12箇所の全国ツアーを敢行。5月には、東名阪の初のホールツアー「THE DECADE OF GREED」を行うなど、10周年のアニバーサリー・イヤーを全力で駆け抜けてきた彼ら。10月9日にリリースされる『D.A.R.K. -In the name of evil-』は、8月の第1弾シングル『EVOKE』、9月の第2弾シングル『ETERNITY』という、3ヶ月連続リリースのラストに相応しい“渾身”のフル・アルバムだ。「lynch.らしい“闇の匂い”をさらに磨き上げたかった」と葉月(vo)が語るように、本作「D.A.R.K.」や「COSMOS」の極限までに漆黒に染まったサウンドを聴けば、彼らがなぜ本作をこのタイトルにしたかも容易に理解できる。また、激しく黒い『EVOKE』、美しく白い『ETERNITY』というシングル2作の異なる世界観のコントラスト、『GALLOWS』で確立した独自の死生観を宿した印象的な歌詞など、どの曲も “今のlynch.”を克明に語る強力な破壊力と生命力を宿し、本作が今後の大きな“ターニングポイント”になるに間違いない。そんな会心作『D.A.R.K. -In the name of evil-』の魅力を、葉月、玲央(g)、悠介(g)、明徳(b)、晁直(ds)が語ってくれた!

lynch.02.jpgリンチ
ダーク-イン・ザ・ネーム・オブ・エヴィル-
10月7日
[初回限定盤CD&DVD] KICS-93256 3,333円(税抜)
[通常盤CD]KICS-3256 2,778円(税抜)

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イヴォーク
KICS-1613 CD 発売中1,389円(税抜)

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エタニティ
KICS-1614 CD 発売中 1,389円(税抜)

TOUR’15 「DARK DARKER DARKNESS」
10月11日(日)広島CLUB QUATTRO、10月13日(火)滋賀U☆STONE、10月15日(木)新横浜NEW SIDE BEACH!!、10月17日(土)仙台Rensa、10月18日(日)LIVEHOUSE新潟SHOW!CASE!!、10月20日(火)HEVAEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3、10月24日(土)福岡BEAST STASION、10月25日(日)鹿児島SR HALL、10月27日(火)熊本Django、10月29日(木)出雲APOLLO、10月31日(土)高松MONSTER、11月1日(日)高知X-pt.、11月3日(火)名古屋DIAMOND HALL、11月6日(金)なんばHatch、11月14日(土)札幌PENNY LANE24、11月15日(日)旭川CASINO DRIVE、11月22日(日)TOKYO DOME CITY HALL

本物の音を知る男達、ヴィンテージ・トラブルのニューアルバム

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50〜60年代のロックやソウルを彷彿とさせるディープな音楽性と、白熱のライブ・パフォーマンスで“人気沸騰”のバンド、ヴィンテージ・トラブル。『ボム・シェルター・セッションズ』でデビュー以降、その破格なパフォーマンスは瞬く間に世界中で話題となり、ザ・フーの北米&欧州ツアーの同行や、ローリング・ストーンズのオープニング・アクトに抜擢。常に全力投球なその熱い演奏で、世界中で多くのファンを獲得している。そんな彼らが、アメリカの“名門レーベル”ブルーノートに移籍(日本盤はユニバーサル・ミュージックよりリリース)し、遂に待望のフル・アルバム『華麗なるトラブル』を完成させた! プロデューサーにローリング・ストーンズやアル・グリーンなど数々のビッグ・アーティストを手掛けた、ドン・ウォズが参加。多くのアーティストが絶賛する、味わい深くピュアな音楽性はさらにライブ感を増し、圧倒的なスケール感で聴くものに迫ってくる。今年5月からAC/DCのヨーロッパ・ツアーに同行し今も多忙な日々を過ごす彼らが、新作のプロモーション・タイミングで来日。メンバー全員に新作の魅力について話を訊いた…。

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ヴィンテージ・トラブル
カレイナルトラブル
ユニバーサル 発売中 CD UCCQ-1045 2,484(税込)

J 通算10枚目のソロアルバム『eternal flames』


J「I know」

LUNA SEAのベーシストとして精力的に駆け抜けたこの2年だが、並行して制作が進められていたのがJの通算10枚目となるソロアルバム『eternal flames』である。今作よりJ BANDにmasasucks(the HIATUS/FULLSCRATCH)が復帰し、溝口和紀(ヌンチャク)との新たなツインギターアンサンブルがひとつの聴きどころだ。ドラマーも盟友スコット・ギャレットともに、前作に続き有松益男も参加。Jファミリーのサポートともに作り上げられたパワフルでタフなサウンドは、アビイロード・スタジオのマスタリングにより仕上げられた。

  『FREEDOM No.9』から2年の歳月を経て届けられたJの最新ソロアルバム『eternal flames』は、“9番目の自由から 飛び出した原理”と歌われる「Verity」で始まる。Jならではのホットなメッセージ性が宿った楽曲は、光を目指して前進していく僕らの現状と未来を描き出す。その歌声も一層エモーショナルで激しさと柔らかさとの両極端で、聴き手の胸に刻まれていくのだ。そしてより余計なものを削ぎ落してソリッドながらも実にカラフル、ドラマティックなバンドサウンドが繰り広げられる。一貫性を持ちながらも新たなタームに入ったことを感じさせる、Jならではのネクストステップと言える1枚だ。

 強烈なリフワークとリズムアンサンブルが爽快感たっぷりの「wall」では、Jのベースと有松のドラムがまるで生き物のような躍動感だ。この一層のドライブ感を具現化している様は「Rollin’」にも共通する。 一方、シンプルに8分ルート弾きをしつつも、スコットの鋼のようなドラミングが合わさり、Jにしか出せない存在感を醸し出しているのが「never gonna die」。この辺りはまさにベーシストJの真骨頂ではないか。 「dream on」もゴリゴリなリフワーク、エンディングの自由度のあるセッション感も聴きどころ。そしてソングライティング面では「I Know」「Jayne」などで相変わらず絶好調のメロディメーカーとしての資質も見せる。「今回のアルバムができあがったときの達成感は大きかった」とはJ談だが、これはリスナーも共有できる部分ではないか。とにかく聴き応えたっぷりの1枚に仕上がっている。10月2日発売Player11月号ではJのロングインタビューを掲載。濃厚なJのメッセージをご堪能いただきたい。

Nothing's Carved In Stone『MAZE』に直撃!


Nothing's Carved In Stone「YOUTH City」

初のライブ盤『円環 -ENCORE-』に続きオリジナルアルバム『MAZE』を
立て続けにリリースしたNothing's Carved In Stone。 希代のライブバンドならではのホットな演奏が見事にパッケージされた『円環 -ENCORE-』とはまた違った、セッション感と構築性が見事なバランス感で融合した新たな名曲が生まれている。NCISならではの卓越した演奏技術と、型に捕らわれない発想によるプレイアプローチが光るのは言わずもがなだが、今作は一層クランチトーンやアコギがフィーチャーされて新感覚の音像を具現化していたりと、生形真一が紡ぐ多彩なギターサウンドの魅力もさることながら、村松拓との独創的なギターアンサンブルもさらなる進化を遂げた。また、日本語詞、英詞ともにさらに一歩踏み込んだ歌詞の世界も印象的。10月2日発売Player11月号では生形真一 & 村松拓のロングインタビューを掲載している。


Nothing's Carved In Stone「Milestone」

村松拓のまさに唯一無二であるウェットでエモーショナルな歌声も素晴らしいわけだが、近年のNCISは村松拓の存在感がどんどん面白くなってる。「Discover, You Have To」のボーカルアプローチを筆頭に、現在のNCISのテーマソングのような「Go My Punks!!!!」が飛び出してきたり。4人のバンドマジックがより自由度あふれる楽曲制作というかたちに結実している。そしてライブでの人懐っこい村松拓のキャラクターとは裏腹なシリアスな歌詞の世界もあれば、等身大のぶっちゃけてしまったような素の姿も投影されていたり…。『MAZE』の歌詞はそうした村松拓の存在感が物語をよりリアルに、そして面白くしている。こうしたソングライティングがライブのムードにどんな影響を与えていくかが楽しみである。『MAZE』を引っさげてのツアーはZepp Tokyoよりスタートする。

Nothing’s Carved In Stone MAZE×MAZE TOUR
10.08(木) Zepp Tokyo
10.11(日) 札幌 ファクトリーホール
10.13(火) 仙台 Rensa
10.16(金) Zepp Namba
10.17(土) Zepp Nagoya
10.23(金) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
10.24(土) Zepp Fukuoka
Nothing's Carved In Stone「円環 -ENCORE-」
11.06(金)豊洲PIT

仲井戸麗市、CHABOを語る!


仲井戸麗市 オリジナルアルバム「CHABO」Trailer

 デビュー45周年を迎えて、古井戸を再結成させるなど話題が続いている仲井戸麗市。なんと13年振りと鳴るオリジナルソロアルバム『CHABO』が登場である。盟友・Dr.kyOnを共同プロデューサーに迎えての早川岳晴、河村“カースケ”智康を擁するCHABO BAND、そして気心知れた土屋公平、梅津和時、片山広明らをゲストに迎えたソリッドでグルーヴィなバンドサウンドが聴きどころだ。

 CHABOさんならではの繊細な描写とユーモアに満ちあふれた書き下ろしナンバー全14曲で構成されており、CHABO流ヒップホップテイスト、ダンスビートといった新境地から、十八番のR&B、ファンクチューンと実に色とりどりな仕上がり。そして現在と対峙したがゆえのやや不穏なムードも示唆的で、そこに彼ならではのメッセージ性も加味された。あくまで表現されているのは現在進行形の仲井戸“CHABO”麗市なのが感動的。何かここから新しい彼のストーリーが始まった気もする…。

 『CHABO』は本編CDに加えて、弾き語りやライブ音源を収めたボーナストラックCDもセットとなった2枚組で、独自のプレイスタイルを確立してきた彼ゆえの音世界がたっぷりと堪能いただけるはず。実に芳醇なトーンが全編に渡り堪能できるのだが、ギターに関しては近年メインで愛用しているアムリタ・カスタム・ギターズのTLタイプ(50s TL)1本でほぼ弾ききっているというのも驚き! この辺のエピソードは10月2日発売Player11月号のロングインタビューでお楽しみいただきたい。

IRON MAIDEN 新作『魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ』完成!

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Photo by JOHN McMURTRIE

 2015年、彼らは『魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ』で還ってきた! このアルバムには世界中のファンが求める“アイアン・メイデン像”があますところなく収められている。ヘヴィでプログレッシブな世界観、ブルースの伸びやかなシャウト、スティーヴの大地を引き裂くベース、そしてトリプルギターによる絨毯爆撃。そのサウンドに手に汗握っている間に90分が過ぎてしまう音楽性は、決して長く感じさせない。トリプルギターの一角を成すデイヴ・マーレイがアルバムについて語ってくれた。
             ◎
 これほどの大作になることはアルバムを作り始めた時点で予期していましたか?
 ブルースが「エンパイア・オブ・ザ・クラウズ」のデモを持ってきたときから、長いアルバムになることは判っていた。なんせメイデン史上最長の、18分の曲だからね。ただ、それぞれの曲が長いのは必然性があるんだ。我々は、自分たちの音楽に制限を設けたくないんだ。LPやCDの制限時間に合わせて音楽を作るのではなく、まず最初に音楽があるんだ。これまではアルバムが75分だから1枚のCDに収まった。今回は90分だから、2枚に分けることにした。それだけのことだよ。
 新作のソングライティング作業は、どのようなものでしたか?
 今回はプリプロダクションの段階からスタジオに入ってレコーディングしたんだ。新しい試みは、ホームデモのトラックをそのままアルバムに使った箇所があったことかな。私が書いた「ザ・マン・オブ・ソロウズ」のイントロのリードはデモで弾いたものを使ったんだよ。スティーヴが「すごく良いプレイだから、そのまま使おう」と言ってきたんだ。そのやり方は間違いではないと思う。それから全員がデモに合わせてプレイして、それをレコーディングするという試みもやってみた。そうしてドラムマシンのトラックをニコのドラムスに差し替えたり、スティーヴがベースを弾いたりして、本格的なメイデン・バージョンに仕上げていった。これまでやったことがなかったし、興味深い作業だったよ。

 こちらが「スピード・オブ・ライト」のオフィシャルPV。エディも登場する昔懐かしいTVゲーム彷彿のアニメーション仕立て。


『魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ』に伴うツアーについて教えて下さい。
 2016年にワールドツアーを行うんだ。1月にリハーサルを始めて、準備してからスタートする。どこから始めるか、まだスケジュールは明かせないけど世界をくまなく回る予定だ。イギリス、ヨーロッパ、アメリカ、南米、アジア…日本にも久しぶりに行きたいと考えているんだ。

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アイアン・メイデン 魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ ワーナーミュージック・ジャパン 9月4日 初回限定デラックス盤 WPCR-16856〜57 3,400円(税抜) 通常盤 WPCR-16750〜51 2,980円(税抜)

2015年10月号(9/2発売)でインタビュー掲載

INORAN ソロ10作目のフルアルバム『BEAUTIFUL NOW』完成!

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INORANの3年振り、ソロ10作目となるフルアルバム『BEAUTIFUL NOW』が遂に完成した! ここ数年、LUNA SEAのギタリストとして全力疾走してきた彼だが、本人が「本当に素敵なものを沢山もらった」と語る通り、その活動で確かな充実感を得たそうだ。INORANは音楽に対して常に貪欲に“その先”を目指し挑戦を続けている。今回収録された10曲中8曲は、新たな刺激を求め海外に旅に出た際に旅先で感じた全てを受け入れ、自然や人に出会う中で芽生えた感情を切り取り、形にしていく中で完成した。このインタビューで彼は「音に対して絶対に嘘を付きたくない」と語っていたが、自身の心境を素直に吐露したリアルなリリック、曲の世界に合わせて変化する多彩なギターの音色、感情豊かなボーカルの表現力など、どれを取ってもINORANの“美しき今”が克明に表現され、その素直な音が心を強く打つ。本作で、彼が今もリスペクトし続けているhideの「ピンク スパイダー」をカバーしたことも、ファンにとっては興味深い部分だろう。音で自身の“想い”を克明に伝えた傑作『BEAUTIFUL NOW』を完成させたINORANが、LUNA SEAについて、新作に込めた想い、音楽性やギタープレイについて、たっぷりと語ってくれた!

イノラン
ビューティフル・ナウ
キングレコード 8月26日
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(初回盤CD+DVD+PHOTOBOOKLET) KICS-93257 5,926円(税抜)
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(通常盤)KICS-3257 3,241円(税抜)

■INORAN TOUR 2015 –BEAUTIFUL NOW-
9月5日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM、9月6日(日)福岡DRUM Be-1、9月8日(火)広島ナミキジャンクション、9月9日(水)梅田CLUB QUATTRO、9月12日(土)長野CLUB JUNK BOX、9月13日(日)金沢AZ、9月16日(水)神戸VARIT.、9月18日(金)京都磔磔、9月19日(土)名古屋BOTTOM LINE、9月21日(月)札幌cube garden、9月23日(火)仙台darwin、9月24日(火)郡山Hip Shot Japan、9月26日(火)水戸LIGHT HOUSE

■INORAN B-DAY LIVE CODE929/2015
9月29日(火)EX THEATER ROPPONGI
(問)http://inoran.org/

WACKEN OPEN AIR 2015

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毎年、ドイツ・シューレスヴィヒ=ホルシュタイン州で開催される世界最大級のHR/HMフェスティバル、“ヴァッケン・オープン・エア”。毎年、9万人ものメタル・ファンが世界各国から集結。シーンを代表する大御所から若手注目バンドまで、数多くのバンドが出演する“世界屈指のメタル・フェス”3日間の模様を、現地からの徹底レポートで紹介する!

ガスG.の2作目となるソロ・アルバム『ブランニュー・レヴォリューション』が完成!

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ファイアーウィンド、オジー・オズボーン・バンドのギタリストとして活躍するガスG.。彼のソロ・キャリアが、今回新たに書き加えられることになった。ソロ・デビュー作『ブランニュー・レヴォリューション』から約1年、早くも第2弾アルバム『ブランニュー・レヴォリューション』が完成。インストゥルメンタル曲こそ1曲だが、ジェフ・スコット・ソート、マッツ・レヴィン(共にかつてイングヴェイ・マルムスティーンと活動)やジェイコブ・バントン(元マーズ・エレクトリック)、エリーゼ・リード(アマランス)らをボーカルに迎えて、ヘヴィかつテクニカル、そしてメロディアスな唯一無二のギター・プレイを存分に披露している。ガスG.がそのソロ・キャリア、オジー・バンドでの10月の来日、そしてファイアーウィンドの活動再開について語った…。

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ガス・ジー
ブランニュー・レヴォリューション
キングレコード CD
KICP-1737 発売中 2,600円(税込)

JOE SATRIANI 新作『ショックウェイヴ・スーパーノヴァ』完成!

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Photo by CHAPMAN BAEHLER

 ジョー・サトリアーニの新作コンセプトアルバム!  と言ってもプログレやオペラではない。
全曲がインストゥルメンタルという珍しいコンセプトアルバムだ。メンバーにはマイク・ケネリー、ヴィニー・カリウタ&マルコ・ミネマン、クリス・チェイニーらが参加。そして多彩な音楽性が満載されている。
 こちらがタイトル曲の「ショックウェイヴ・スーパーノヴァ」の試聴版。エキゾチックなインストナンバーだ。


 そしてこちらがレトロアメリカンな「サンフランシスコ・ブルー」。メロディアスなソロも満載。


 「コンセプトアルバムといっても、自分の内面を描いたものでロックオペラとかではないんだ。あるとき、ステージ上で歯でギターを弾いている自分をふと客観視して、「変なことをやっているなあ。もう止めよう」と思った。でも次のショーで、ふと気付くと膝をついて歯でギターを弾いていたんだ! もしかしたら自分の中には別人格がいるのかも知れないと考えた。そして自分という人間が、徐々にステージ上の自分に取って代わられるかも知れないんだ。『広告業界で成功する方法』(90年)という映画があったけど、それに近いかもね」
 「アルバムのそれぞれの曲は、私のキャリアにおけるさまざまな局面においての、私と“ショックウェイヴ=もう一人の私”の対話なんだ。当初はくだらないコンセプトかと思って悩んだけど、周りの人はみんな面白いと言ってくれるし、プロデューサーのジョン・クニベルティも「最高にくだらない! ぜひやるべきだ」と乗り気だった。私とマイク・ケネリーを軸として、ヴィニー・カリウタやマルコ・ミネマンがドラムをプレイしてくれたし、クリス・チェイニーのベースも素晴らしいものだった。多彩な音楽性だけど、コンセプトがまとまったことでひとつの流れが生まれたと思う」

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ジョー・サトリアーニ ショックウェイヴ・スーパーノヴァ ソニーミュージック Blu-Spec CD2  SICP-30759 7月22日 2,600円(税抜)


2015年9月号(8/2発売)でインタビュー掲載

THE King ALL STARS Player初登場


THE King ALL STARS「I Simple Say」

 超強力バンドがメジャーデビュー! その名もTHE King ALL STARSである。PVを観てびっくりという方もいるかもしれないが、加山雄三を筆頭に佐藤タイジ(シアターブルック)、名越由貴夫(Co/SS/gZ)、古市コータロー(THE COLLECTORS)と4人編成ギターアンサンブルを擁するパーマネントバンドである。さらに加山とキヨサク(MONGOL800)のウォーミーでパワフルなツインボーカルも随所でフィーチャーするほか、佐藤タイジやドラムの武藤昭平(勝手にしやがれ)ら歌えるプレイヤー達も声を震わす。リズム隊も武藤とのデュオでも活動を共にするウエノコウジ(the HIATUS)という強力な顔触れで、さらにはバンドマスターを務める高野勲、そして山本健太という2キーボード、トランペットでタブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)、さらにはスチャダラパーも加わるというこれぞまさにドリームバンド! 遂にメジャーデビューミニアルバム『I Simple Say』が完成である。


THE King ALL STARS「continue」

 8月1日発売のPlayer2015年9月号では、THE King ALL STARSが初登場。加山雄三、古市コータロー、武藤昭平、山本健太による、バンド結成エピソードから『I Simple Say』の制作秘話がたっぷり語られている。そして面白いのはそうしたインタビューの流れから過去の加山の思いがけないエピソードの数々も披露されること。ここまでコアにマニアックな質問で語られるというのもPlayerという楽器誌ならではの視点ならではかもしれません。そしてインタビューをお読みいただければわかる通り、メンバー皆このバンドに手応えを感じているので、これからさらなる展開が期待されます…この面子だけにスケジュール調整だけが大変そうではありますが…。とは言え、年内精力的なライブも行なわれるので是非チェックしていただきたい。

THE King ALL STARS Live Schedule

2015年8月8日(土) 地球劇場フェス2015〜100年後の君に聴かせたい歌〜
【出演】谷村新司・加山雄三・ゴダイゴ・THE King ALL STARS
【会場】横浜・赤レンガパーク

2015年8月16日(日) SUMMER SONIC 2015
【会場】QVCマリンフィールド&幕張メッセ
※THE King ALL STARSの出演は、8月16日(日)「BEACHI STAGE」となります。

2015年9月13日(日)New Acoustic Camp 2015
【会場】水上高原リゾート200 ゴルフコース

2015年11月30日(月) 番組40年突入記念第10回「徹子の部屋」コンサートin日本武道館
【出演】近藤真彦・THE King ALL STARS・さだまさし・南こうせつ・森山良子・和田アキコ
【会場】日本武道館

2015年12月6日(日)番組40年突入記念第5回「徹子の部屋」コンサート2015
【出演】鳳蘭・クミコ・THE King ALL STARS・三人娘(伊東ゆかり、中尾ミエ、園まり)・南こうせつ
【会場】大阪フェスティバルホール

the GazettE 衝撃作『DOGMA』完成



00:OVERTURE [PROJECT:DARK AGE - 18 CREATORS] OPENING MOVIE

  “DOGMA”というまさにthe GazettEならではの教義をテーマにしたニューアルバム『DOGMA』が遂に完成である。2年振りとなるこのニューアルバムは、昨年過去の楽曲を“再定義”してみせたFCツアーと並行して曲作りが行なわれたことで、ライブにおける緊張感やボルテージがそのまま注がれたような非常に激しいバンドサウンドが痛快。結成13周年を祝して開催された3月の日本武道館公演でいち早く披露された「DEUX」を筆頭に、儚げなメロディによるキャッチーなテイストと、麗と葵による重厚なリフワーク、REITAと戒のアグレッシヴなリズムアンサンブルに、RUKIのスクリーモボイスも放たれる、彼らならではの極端な二面性がたっぷり。一層ソリッドになったバンドサウンドはアルバムトータルで印象的で、 中でも今回は一糸乱れぬ弦楽器隊のユニゾンプレイが圧巻である。

 8月1日発売Player2015年9月号では、いち早く『DOGMA』についてたっぷりと語っていただいたロングインタビューを掲載。麗と葵のギタリスト2人とともに、ベーシストREITAがインタビューではPlayer初登場。曲作りはもとより、アレンジの行程、そして様々なプレイアプローチについてなど、the GazettEが2年をかけて構築してきた『DOGMA』の狙いが理解できる興味深いインタビュー内容に仕上がっているので是非! さらに麗、葵、REITAの最新シグネチャーピックの読プレもあるので、こちらを参考の上、感想を一言添えていただきメールにてご応募いただきたい。

the GazettE “LIVE TOUR 15 DOGMATIC _ UN _”
9月5日(土) 羽生市産業文化ホール
9月6日(日) 羽生市産業文化ホール
9月8日(火) 金沢市文化ホール
9月10日(木) 新潟テルサ
9月14日(月) 神奈川県民ホール
9月17日(木) 市川市文化会館 大ホール
9月19日(土) 千葉県文化会館
9月22日(火) 相模女子大学グリーンホール
9月24日(木) 茨城県立県民文化センター
9月26日(土) 山梨県立県民文化ホール
9月29日(火) 三重県文化会館 大ホール
10月3日(土) 、4日(日) サンシティ越谷市民ホール
10月6日(火) 長野県・ホクト文化ホール 中ホール
10月7日(水) 富山県民会館
10月9日(金) 前橋市民文化会館
10月11日(日) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
10月14日(水) 栃木県総合文化センター
10月15日(木) 大宮ソニックシティ
10月27日(火) 弘前市民会館
10月28日(水) 秋田市文化会館 大ホール
10月30日(金) 郡山市民文化センター 中ホール

“DOGMATIC _ DUE _”
12月1日(火) よこすか芸術劇場
12月3日(木) オリンパスホール八王子
12月9日(水) 松戸・森のホール21
12月11日(金) 高知市文化プラザ・かるぽーと
12月13日(日) サンポートホール高松
12月15日(火) 広島アステールプラザ 大ホール
12月17日(木) 倉敷市芸文館
12月19日(土) 、20(日) オリックス劇場
12月23日(水) 和歌山市民会館
12月24日(木) 神戸国際会館 こくさいホール
12月27日(日) 仙台サンプラザホール
1月7日(木) 旭川市民文化会館大ホール
1月9日(土) 札幌市教育文化会館
1月11日(月) 山形市民会館 大ホール
1月13日(水) 盛岡市民文化ホール
1月16日(土) 福岡市民会館 大ホール
1月18日(月) 鹿児島市民文化ホール 第2ホ ール
1月23日(土) 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館)
1月24月(日) なら100年会館 大ホール

JEFF BECK 最新ライブアルバムがリリース

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Photo by Darylbughmanphotography-s.Com

 ジェフ・ベックの新バンドによる最新ライブアルバム『LIVE+』が発売された。ジェフ・ベックを筆頭に14年の来日メンバーのロンダ・スミス(b)、ジョナサン・ジョセフ(ds)、ニコラス・メイヤー(g)にジミー・ホール(vo)も参加したライブ音源だが、併せて未発表スタジオテイクも2曲収録されている。
 こちらは米国でスタートした新バンド単独ツアー、4月16日のニューヨーク公演での「ゴーイング・ダウン」。ボーカルはジミー・ホールが担当、結構ワイルドな演奏だ。ベックはリバースネックのストラトキャスターを使用。


 こちらは4月26日のペンシルバニア公演での「ダニー・ボーイ」。数多くのアーティスト達にカバーされているバラードだ。


 『LIVE+』収録曲は昨年リリースされた『YOSOGAI』収録の「ローディッド」「ホワイ・ギブ・イット・アウェイ」「ダニー・ボーイ」、ニコラス・メイヤー作の「プラン・ナイン」、『トゥルース』収録の「モーニング・デュー」、マハビシュヌ・オーケストラの「ユー・ノー・ユー・ノー」、サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」、ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」、スティーヴィー・ワンダーの「迷信」、『エモーション・コモーション』収録の「ハンマーヘッド」、ジミ・ヘンドリックスの「リトル・ウィング」、『ギター・ショップ』収録の「ビッグ・ブロック」「ホエア・ワー・ユー」、マディ・ウォーターズの「ローリン・アンド・タンブリン」、『ジェフ・ベック・グループ』収録の「ゴーイング・ダウン」、そしてスタジオ未発表曲の「トライバル」「マイ・タイルド・ホワイト・フロア」という内容。ライブ収録は昨年夏のツアーからになる。

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ジェフ・ベック LIVE+ ワーナーミュージック・ジャパン 6月24日 WPCR-16491 2,500円(税抜)


2015年8月号(7/2発売)でアルバム解説掲載

MUSE 待望の新作完成

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 前作『ザ・セカンド・ロウ』でも大好評を得たミューズの新作『ドローンズ』が完成した。新作ではギター、ベース、ドラムという3人の原点に立ち返ってヘヴィなバンドサウンドをプロデューサーのマット・ラングとともに構築。コンセプトアルバムとして “ドローンズ”のキーワードには強いメタファーが込められており、日本の状況を深く理解しているマシュー・ベラミーのメッセージとも受け取れる興味深い作品に仕上がった。
「テクノロジーの進歩がいかに人間性に影響を与えていくのか。そしてサイコパスを作り上げてしまうのか。もしかしたら君たちの方が僕らよりもその背景をより理解できるかもしれない」(マシュー)。
 なんとも意味深な発言だ。そしてそのサウンドは初期の3ピースサウンドに立ち返っている。
「ギター、ベース、ドラムっていう3ピースバンドのサウンドを取り戻すことで、すごくギターヘヴィなアルバムになったんだ。それから、ある意味テクノロジーからちょっと距離を置いたところもあって、今回はドラムマシーンをまったく使ってないし、シンセも少なくなった。オーケストラとかそういう追加の楽器も減らして、もう少しシンプルなアプローチをとった。そして自分達でプロデュースすることも一旦やめて、マット・ラングに手掛けてもらった。そのおかげでテクニカルな面にとらわれすぎずに、メンバー全員で一緒にプレイすることだけにフォーカスできたから、キーボード、シンセ、ミキシングデッキをいじくっているプロデューサー集団じゃなく、ただバンドでいることにもっと時間を注ぐことができたんだ。そういう意味でバンドを始めたころに戻ったんだ」(マシュー)

 新作からのPVはこれ。ヘヴィさを爆発させる21世紀版UKブギの「サイコ」。これがブレインウォッシング!


マシューのトリッキーなギターテクもよくわかる「リプリーズ」。


そしてヘヴィなのに美メロな「マーシー」。


 今夏の『FUJI ROCK FESTIVAL ‘15』にも出演するミューズだが、単独ツアーでのライブは期待出来そうだ。
「ライブでは、アルバムタイトルが『ドローンズ』だからそこをいじったことができるよね…だからどうにかしてコンサートに組み込む方法を見つけるつもりだよ…恐らくフェスではそういうことはあまりできないだろうけど、単独ツアーで屋内の会場だともうちょっとコントロールがきくし、飛行物体を使って何かドラマチックでスペシャルなことができたらいいと思っているんだ」(マシュー)

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ミューズ ドローンズ ワーナーミュージック・ジャパン 6月10日 DVD付きスペシャル・エディション WPZR-30647〜8 2,980円(税抜) 通常盤CD WPCR-16486 2,547円(税抜)


2015年8月号(7/2発売)にインタビュー掲載

MUCC 大ボリュームのミニアルバムに迫る!


6月24日にミニアルバム『T.R.E.N.D.Y. -Paradise from 1997-』をリリースしたMUCC。“90年代”をテーマに掲げて制作された本作は、全7曲にして約42分のボリューム。かつての空気感を意識しつつも、2015年のMUCCならではの手法で新感覚のサウンドが成らされている。

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Player8月号ではリーダーのミヤ(g)にロングインタビューを敢行。新作の制作エピソードはもちろん、取材の数日前に終えたばかりのEUROツアーの機材についても迫る。また、4月に完成したDRAGONFLY BORDER CUSTOM 666のミヤのオーダーモデルについても簡略ながら解説を掲載している。


MUCC
T.R.E.N.D.Y. -Paradise from 1997-
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初回生産限定盤(CD+DVD)
AICL-2894〜5 ¥2,778+tax
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通常盤(CD ONLY)
AICL-2896 ¥2,130+tax

Blur 12年振りとなる新作完成!

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L to R: Dave Rowntree(ds), Graham Coxon(g), Alex James(b), Damon Albarn(vo)
Photo by Linda Brownlee

 前作から12年振りとなる新作『ザ・マジック・ウィップ』を完成させたブラー。14年には突如の武道館来日公演も行ったわけだが、まさに復活の証となるバンド新作に注目が集まっている。12年のロンドン・オリンピック閉会式でメンバーが揃ったライブに続き、13年にはワールドツアーも開始したブラー。その最中の13年5月にキャンセルされた(日本公演も含む)5日間に、急遽香港でバンドのレコーディングが行われた。その音源をグレアム・コクソンと初期プロデューサーであるスティーヴン・ストリートがチョイス。更にデーモン・アルバーンが歌詞を付けて新作『ザ・マジック・ウィップ』が完成した。

 こちらが新作のプロモで出演したTV番組でのライブ。コーラスも入った生演奏でオンエアされているが、グレアム・コクソンのノイジーなギターが聴きもの。


「言い出したのは俺だよ。まあ、俺は本当に矛盾した性格で、5日間休みがもらえたってことは、5日分の時間が急にできたってことで、そこでスタジオ入りするって最高だと思ったんだよね。今回のアルバムはそうやって生まれたんだ。つまり、言ってみれば偶然こうなっただけだっていう。完成に至るまでには、思わぬ幸運な偶然がいくつも重なったんだ」(デーモン)
「僕とスティーヴンが音源を聴かせる段階になったときデーモンは怖がっていて、僕も怖がっていて、よくよく考えると「こんなことやるなんてクレイジーだ」って思いながら座っていた。でもデーモンの反応はすごくよかったよ。1、2曲聴いた後で「僕達はやったんだと確信した」って言った。間違いなく、僕とスティーヴンは自分達のやったことにすごく誇りを持っていたし、まだ完成形ではなかったにしてもデーモンに聴かせられるくらいは仕上がっていたんだから」(グレアム)
「『ザ・マジック・ウィップ』自体、すごくいろんな意味を含んだタイトルなんだ。英語でもいくつか意味があるけど、“ウィップ”は中国語だと英語とはまたちょっと違う意味がある。北京だとアイスクリームのネオンがあって“ザ・マジック・ウィップ”ってあるけど、魔法のようで、暴力的で、支配的な意味を帯びてくるんだ。中国語での意味は偶然だけど、英語ではあまりに支配的な言語だからね」(デーモン)
「新作のライブはすごくいいものになると思うし、本当に楽しみにしているよ。僕の仕事は複雑にやりすぎることじゃないと思うからね。誰であれ指揮することになる人にとっては大変になると思う。ただ軽くかき鳴らしているだけの曲がいくつかあるけど、音楽に没頭できてそれって最高なんだ」(グレアム)

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ザ・マジック・ウィップ ワーナーミュージック・ジャパン CD WPCR-16444 発売中 2,547円(税抜)


2015年7月号(6/2発売)でインタビュー掲載