“スクリーミング・ジェイ・ホーキンス、スキップ・ジェイムス、ビッグ・ビル・ブルーンジー、そしてビートルズ、スモール・フェイセズなどを聴きながら、ジャック・ホワイト、キングス・オブ・レオン、ザ・ストロークスの影響もある”という喩えはまさに正解。
ザ・チェックスのライヴは荒削りでありながらも、その肝となるパンク・ブルースのグルーヴとビートを全開していた。REM、オアシスがオセアニア・ツアーでサポートとして起用、ザ・ハイヴスのジャパン・ツアーでもサポートを勤めた彼らはニュージーランドの若手注目バンドだ。今年の2月に国内デビュー盤となった『ハンティング・ウェイルズ』をリリースしたわけだが、そのサウンドの手応えが今回の来日でより一層明確になった。
3月31日に渋谷DUOで行われたイベント『EX-PRESS ver.1』を観覧した。国内でキャリアを積んでいるVOLA & THE ORIENTAL MACHINE、そして8ottoとのジョイントだったが、ザ・チェックスの出番はVOLAに続く2番手となった。ヴォーカルのエドは髪を短く切って、その風貌はまさに初期パンクを彷彿とさせるものになっており、クラッシュを思い浮かべるレゲエ・ビートがそれに拍車をかける。このクールな感触はまさにロンドン・パンクだなと思っていると、60年代的なR&Bのテイストも加わり、さらにはキャッチーなメロディも外さない。これこそ彼らの真骨頂だろう。 ソウルフルなエドのヴォーカルはもちろんだが、チェックスのアンサンブルの特徴はカラムとスヴェンのツインギターにある。いわゆるリードとサイドではなく、曲の骨格となるリフで二人が絡み合うのが面白いところ。ギターの組み合わせはレスポール×ストラトなのだが、サウンドの違いをつけていないところが効を奏して、ギター・サウンドは厚みを増していた。
そしてカレルのベースとジェイコブのドラムは、あくまでも地を這うリズム・セクション。ジェイコブはテクニシャンではないが、ブリティッシュ・ロック直系のベッタリした3連感覚はなかなかいい味。いつも思うが、こういうブリティッシュ系のビート感には得も言われぬ魅力を感じてしまう。
イベントなので演奏曲は少めだったが、若手バンドとしてのエネルギーは十分。スマートだけどどことなく木訥としていて、クールだけど初々しい感じにも好感が持てた。次作がリリースされる頃にはまた一回り成長していることだろう。ザ・チェックスの可能性に期待!
(永田 裕)