2008年04月19日

ぶどう÷グレープINTERVIEW「“意外と失恋も似合っているんだなぁ”と」

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ぶどう÷グレープ
L to R:Midori÷Grape(syn,vo)、Matsui÷Grape(b,vo)、Quminco÷Grape(vo)、
Taichi÷Grape(ds)、Nagai÷Grape(vo,g)

 米国でもアルバム・リリース、ツアーを行なうなど、国内外問わず評価が高まっているぶどう÷グレープ。80'sニューウェイヴ・バンド・サウンドの遺伝子を受け継いでいる彼らが、通算4枚目となるニュー・アルバム『愛もれ』をTOKYO MORより4月23日にリリース。なんと今回はまるまる一枚、失恋ソングをテーマにしたコンセプチュアルなアルバムである。とはいえ、そこはながい÷グレープ。単なるラヴソング集かと思ったら大間違いである。“もれるもれるわ愛情もれる”など、言葉のリズム・インパクトを誇張しまくった独自のスタイルによるソングライティングはますます磨きがかかり、相変わらず過激な実験性を加味しているのにポピュラリティも増していてびっくり。ぶどう÷グレープこと永井秀彦(バケラッタ/ショッカーズ)によるシャキシャキ・カッティング・ギターに、みどり÷グレープのシンセ・メロが絡みつくバンド・サウンドも相変わらず切れ味たっぷりなので、この機会にぜひチェックしていただきたい。ギタリストでリーダーの永井秀彦にインタビューを試みた。
 またモバイル・サイト「PlayerギターLOVE」のミュージシャン・ピックアップでは、ぶどう÷グレープからのメッセージとともに最新PV「オアシス」の一部分をアップ中。そちらも合わせてお楽しみいただきたい。

音楽性はバラバラでも
トータリティはあるんですよね


 ぶどう÷グレープは1年に1枚ペースで春にアルバム・リリースというのが続いていますね。
 今回はとにかくバタバタしてて忙しかったんですよ。というのも、『愛もれ』のレコーディング中に、中部地区でのタウンワークCMソングに起用されたんですよ。サエキけんぞうさんが作詞で僕が作曲、ぶどう÷グレープの演奏でテーマ曲を急にレコーディングしたりして。それと、クロード・フランソワのトリビュート・アルバム『CLOCLO MADE IN JAPAN』(コロムビア)に参加したりとか…。
 クロード・フランソワ!?
 あの「マイ・ウェイ」の作者で、フランスの国民的ミュージシャンなんです。まぁ、トリビュートと言っても、いかにもぶどうって感じの仕上がりにはなっていますけどね(笑)。だからなんだかんだで半年ぐらいかけてレコーディングしていましたよ。

 一発録りをベースにしたレコーディング方法も相変わらずですか?
 そうですね、ライヴ感をずっと大事にしてきているので。ベーシックな演奏はライヴと同じようにみんなでプレイしているんです。デジタル・レコーディングの御時世だからいろいろ編集できるわけなんですけど、僕は一発録りが好きなんですよ。ベーシックを録り終わった後に、キーボード・アレンジとかをじっくり考えるんです。やり方は今までと一緒ですね。
 『愛もれ』は最初聴いたときと聴き返したときと印象が異なるのが面白いんです。ポップなアプローチもありつつ、今回は永井さんのもともとの持ち味であるパンキッシュさも絶妙なバランスで同居している気がして。
 自分のポップ集大成というか、そういうところがありますね。ニューウェイヴもそうだけど、もともとリズム&ブルースが凄く好きだからそういう曲もあるし。音楽性はバラバラでもトータリティはあるんですよね。やっぱりビートルズやクラッシュみたいなバンドが理想なんですよ。「スカ・バンドだからスカしかやらない」とか「パンクしかやらない」ではなくて、どんどんいろんな音楽性を取り上げるけど、基本のビートルズやクラッシュの部分は変わらないっていう。しかも今回はテーマは失恋なので中島みゆきにも直結する感じ(笑)。
 (笑)。なんで失恋になったんですか?
 くみんこ(÷グレープ/vo)って弾けている感じの歌が似合うんですよ。ただそこに“失恋の歌とか、ちょっとブルーが入ってくる感じでやったら面白いかな”って思ってたんです。そしたらたまたま最初にできた曲が失恋系だったので、“このまま行っちゃえ!”って。やっぱり昔からグっとくる歌って失恋じゃないですか? 演歌なんてもろそうだし(笑)。ぶどう÷グレープはそういう色っぽさみたいのは出にくいバンドかもしれないけど、今回ちょっとやってみたかったんですよね。
 とは言え、もともとハッピーな曲ばかりやっているバンドではなかったし(笑)。
 確かにそうですけどね(笑)。だから“意外と失恋も似合っているんだなぁ”と。ただ、いろんな失恋の歌があって。例えば「BURN!」っていう曲は江戸時代の「八百屋お七」をテーマにした曲だしね。「八百屋お七」って彼氏に会えないからって江戸に火を付けちゃったっていう嫉妬深い女性なんです。“この男は許せない、街に火を付けてやる、呪い殺してやる”くらいの気持ちの曲もあれば、「オアシス」のようなひょうきんな失恋ソングもあるという。
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永井秀彦のトレードマークと言えばERNIE BALL MUSICMAN Albert Lee Model。「勿論アルバート・リ−奏法がしたかったわけではなく(笑)、楽器屋で観たときに鉄腕アトムの髪型のようなボディ・シェイプが気に入って“このギターってピコピコ系?”って(笑)。僕はブラック・ミュージックにも凄く影響受けているんですけど、16ビート系の鋭いカッティングにも向いているし、音の立ち上がりが良くてドンピシャでしたね。」

 『愛もれ』ってタイトルがまたインパクトありますよね。
 愛がだんだん薄められてきちゃうっていう意味の“愛もれ”ですね。サビの「もれるもれるわ愛情もれる」っていうのがキャッチーだし、たしかに“タイトルに取っておいたほうがいいな”っていうのはありましたね。しかも、女の子がユニゾンで「もれるもれるわ」って歌っているのが凄い卑猥な気がしたんですよ(笑)。“もう、これは使うしかないな”と(笑)。
 ぶどう÷グレープは語感のリズムやインパクトが凄いですよね。
 今回はタイトルが全部短いんですよ。長いタイトルをやめて、ほとんど1ワードだけで行っていますよね。「BURN!」とか「マシンヘッド」とか(笑)。
 これは何処まで本気なんですか(笑)?
 「BURN!」は最初からそのタイトルで、「マシンヘッド」は引っ掛けたんです(笑)。“「BURN!」が来たら次は「マシンヘッド」にしなきゃいけない!”って(笑)。「マシンヘッド」はくみんこが歌詞を書いた曲で、もともとは違うタイトルだったんだけど、「この曲は絶対“マシンヘッド”の方が良い!」って言って(笑)。「何でですか?」って何度も聞かれたけど、「とにかくそうしてくれ!」って頼みました(笑)。
 (笑)。
 「マシンヘッド」は曲に関してはくみんこと一緒に作ったんですけど、最初はシンプルな曲だったんです。たまたま僕がジャズっぽいアバンギャルドな曲を持っていて、それを組み合わせたら凄い良くなったという。アルバムの中で独特の位置にいる曲ですね。凄いうまく行ったと思うなぁ。
 今回の曲作りはどのように?
 曲によっていろいろありますけどね。わりと狙って家で作っていったのもあるし、スタジオでベーシックを決めてから作った曲もあるし、もうありとあらゆるものを試しました。
 ミドリちゃんが歌詞を書いている「虫さされ」は?
 これも曲が先です。曲とアレンジがあって、「誰か歌詞書いてみてよ」って言ったらミドリちゃんが「じゃぁ、私がやってみます」って。「ただし失恋で書いてくれ」って(笑)。
 ギター・ソロも良いですよね。
 今回は“僕だってギター・ソロ弾けるんだよ”って感じで(笑)。特にミドリちゃんの「虫さされ」なんかは泣きのギター・ソロを入れましたよ。「落石注意」は昔のバンド仲間の鈴木睦夫くんがソロを弾いてくれましたね。
 ソロと言えば、「BURN!」のスクリューみたいなギター・ソロがカッコ良いですよね。
 あぁ、「BURN!」のソロは自分でも“よくできたな”って思います。ただ泣きのソロを弾いたんじゃ面白くないから凄〜く考えましたね。ちょっと独特だし、あんな風に弾く人もなかなかいないですよね(笑)。
 いないです(笑)。「愛もれ」のギター・カッティングのリフも最高ですよね。
 基本的にああいう16分のカッティングが一番好きなんですよ。あの曲は途中でちょっと変わるところがあるとは言え、基本的にずっと1リフなんですよ。ああいうファンクの流れを汲んでるのが好きなんですよね。例えばジェームス・ブラウンのバンドって、ギターは1コードで同じことを1日中できる奴じゃないと入れなかったんです。それって簡単なことのようで、実はなかなかできる奴がいないんですよね。
 「逃がしたCHU!」が好きなんです。聴いていて一風堂のデビュー・アルバム『NORMAL』を思い出しました。
 あぁ、聴いたことある。「チャイニーズ・レゲエ」が入っているアルバムだったよね? 「逃がしたCHU!」とかを気に入っていただけたのってアメリカ人の趣向性とわりと近いのかもしれないですね。っていうのも、今度ぶどう÷グレープの4枚のアルバムから選曲されたベスト盤がアメリカで出るんですよ。今までも配信だけはやっていたんですけどね。それで向こうのスタッフがこのアルバムから選んだのが「逃がしたCHU!」、そして「オアシス」「BURN!」「マシンヘッド」だったんですよ。
 へぇ〜。U.S.ツアーもいよいよですよね。
 楽しみですよ。フェスでは3,000人くらいのオーディエンスを前に演奏するし、南部のライヴハウスにも行くし、NYの老舗ライヴハウス、ニッティング・ファクトリーでもやれるから本当に楽しみですね。向こうだとパフィとポリシックスが知られているんだけど、ぶどう÷グレープも“ちょうどその中間ぐらいで受け入れられるのかな?”って思っているんですけど(笑)。

ぶどう÷グレープ
4thアルバム「愛もれ」発売記念ライヴ 
U.S TOUR
4月28日(月)11:30〜12:00「NHKさらさらサラダ」生放送生演奏
5月17日(土)新宿モーション
5月30日(金)A-KON DALLAS
6月3日(火)SAN ANTONIO
6月5日(木)Knitting Factory NEW YORK
7月5日(土)浜松イオン
7月12日(土)豊橋ハウスオブクレイジー
8月2日(土)名古屋 今池 得三
11月1日(土)名古屋 今池 得三


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ぶどう÷グレープ『愛もれ』
TOKYO MOR MOR-6923

posted by player at 12:00| INTERVIEW