L to R:Gee Anzalone(ds), Sam Totman(g), Marc Hudson(vo), Frédéric Leclercq(b), Herman Li(g), Vadim Pruzhanov(key)
『リーチング・イントゥ・インフィニティ』はドラゴンフォースの新たな進化の瞬間だ。約4年ぶりの新作となるこのアルバム。凄まじいテクニックに裏打ちされた超光速メタルサウンドを貫きながら、スラッシュメタルやプログメタルのイディオムを取り込み、より多彩でスリリングな作品に仕上げている。今年6月にはジャパンツアーも決定、竜の息吹が日本に吹き荒れる。ベーシストのフレデリック・ルクレールとギタリストのハーマン・リに新作とツアーについて語ってもらった。
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「ジ・エッジ・オブ・ザ・ワールド」は11分の大曲ですが、どんなところからインスピレーションを得たでしょうか?
フレデリック:『マキシマム・オーヴァーロード』を出したとき、どこかのジャーナリストと話していて、バソリーの話題になったんだ。俺はさほどバソリーが好きだったわけじゃないけど、昔からテンポが変わったりする大曲が好きだったし、自分でもやってみたいと考えていた。アイアン・メイデンやクレイドル・オブ・フィルス、マイ・ダイイング・ブライドとかね。それで「ジ・エッジ・オブ・ザ・ワールド」を書き始めたけど、当初アルバムに入れるつもりはなかった。
ハーマン:この曲をライブでやるかはまだ判らないけど、バンドのリハーサル課題曲のリストにあるし、やってみたら面白いと思う。ただ、もしライブで「ジ・エッジ・オブ・ザ・ワールド」をプレイすることになったら、長い曲だし、他の曲を2曲削らなければならなくなるんだよね。それが頭を悩ますところだ。
「カース・オブ・ダークネス」はネオクラシカル調の曲ですが、意図してこのスタイルにしたのですか?
フレデリック:「カース・オブ・ダークネス」は前作の「シンフォニー・オブ・ザ・ナイト」の続編といえる曲だ。音楽的にも共通しているし歌詞も同じ流れにある。ただ、「シンフォニー・オブ・ザ・ナイトPART 2」とはしたくなかった。シンフォニーXの「アコレードU」は、実は「アコレード」より好きなぐらいだけど、続編と銘打たれると独立した曲として聴くことが出来なくなってしまうだろ? それよりも単独の曲として聴けるものにしたかったんだ。
そんな新機軸がある中で、「ジャッジメント・デイ」と「ミッドナイト・マッドネス」は正統派ドラゴンフォース・サウンドですね。
ハーマン:最初の2枚のアルバムに近いアプローチかもね。すごいスピードのギターソロがあって、ダブルソロがあって、「ウォウ、ウォウ」というシンガロングパートがあって…ファーストの「ブラック・ウィンター・ナイト」にも「ウォウ、ウォウ」のパートがあるけど、オールドファンに人気があるんだ。ライブで大合唱が起こりそうなタイプの曲だよ。
フレデリック:過去のアルバムにこの2曲を入れたら、「またいつものドラゴンフォースかよ」と思うリスナーもいたかも知れないけど、このアルバムではむしろ新鮮に感じるんじゃないかな。異なった路線の曲も多いから、「これこそが自分が愛してやまないドラゴンフォースだ!」と思ってくれるんじゃないかと期待しているよ。サムがこれらの曲を書いて聴かせてくれたとき、初期のドラゴンフォースの熱気みたいなものを感じたからね。
こちらが新曲「ジャッジメント・デイ」の音源。正統派ドラゴンフォース・サウンド!
■リーチング・イントゥ・インフィニティ ワーナーミュージック・ジャパン 5月17日 初回限定盤CD+DVD WPZR-30755〜6 3,124円(税抜) 通常盤CD WPZR-17718 2,457円(税抜)
■来日公演スケジュール 6/14(水)大阪・梅田クラブクアトロ 6/15(木)愛知・名古屋ボトムライン 6/16(金)東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE [問]クリエイティブマン creativeman.co.jp/
[プレイヤー 17.6月号]にインタビュー掲載