ドゥービー・ブラザーズが7年ぶりの来日を果たす。2014年には代表曲をセルフカバーした『サウスバウンド』をリリース、ツアーでも円熟したバンドによって70年代ウエストコースト・サウンドを再現している。「日本でプレイするのはいつも素晴らしい体験。日本も、日本人も大好き。あらゆる意味で実に刺激的で、すっかり魅了されてしまう」と日本への思いをパットは熱く語ってくれた。そして今回のステージは一段と面白いものになるはずだと言う。なにしろ元リトル・フィートのビル・ペインがキーボード・プレイヤーとして2012年からバンドに正式参加、日本にももちろんやって来る。ペインは1972年の『トゥールーズ・ストリート』以来バンドゆかりの人なので、よりオーセンティックなドゥービー・サウンドが期待できるはず。
ドゥービー・ブラザーズは非常にアメリカ的なサウンドのバンドです。そうした音楽なのに日本人に好評なのはどうしてだと思いますか?
日本のファンにとって俺たちは一種のルーツバンドなんだと思う。たくさんブルースをプレイするし、思うにフォークブルースって感じかな。経験したことを書いていて、内容としてはそんなに深遠じゃないから誰にでもわかってもらえるんだよ。俺たちが影響を受けたのは、ほとんどが子供の頃に聴いていた音楽だからね。それに影響を受けたんだ。
今またビルとプレイするのはいかがでしょうか?
彼はオリジナルのレコードのサウンドや歌の特徴を出せるだけじゃなく、俺たちを刺激してくれるんだ。俺たちを過去2、3年よりずっと高いレベルに持って行ってくれる。実に素晴らしいプレイヤーだから、やる気にさせてくれるのさ。彼ほど素晴らしくはなれないけど、追いつけるように努力していることは間違いないからね(笑)。
リトル・フィートとドゥービー・ブラザーズを比べると音は違うものの、どちらもブルースやR&Bの影響を受けていますね。
うん。ビルが俺たちのレコードで使った表現方法のおかげで、最近のライブはぐっとオーセンティックになっているんじゃないかな。
40年前に比べて現在のレコーディングやツアーはまったく違う世界と言えるのでは?
技術的にレコーディングの仕方や、オーディエンスとのつながり方はまったく変わってしまったけど、音楽は今なおひとつの芸術形態だよ。もちろんビジネスではあるものの、ほとんどのミュージシャンは音楽が好きだからやっているんだ。クラブやバーやレストランで、ずーっと長いことやりながらなんとか生計を立てている人たちがいることは知っている。俺たちはプレイするのが大好きだからやっているのであって、こんなに素晴らしいキャリアを築けたのはラッキーだったと思う。それでも昔からずっと俺の考え方は変わらないまま──いい歌はいい歌であって、ひたすらそれを求めて突き進むしかないんだ。
こちらは近年のライブ映像での「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」。やっぱりトム・ジョンストンのボーカルとパット・シモンズらのコーラスが、70sウエストコースト・サウンドを思い出させてくれる。
■来日公演スケジュール 4/24(月)石川・本多の森ホール 4/26(水)東京・日本武道館 4/27(木)愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール 4/28(金)大阪・グランキューブ大阪 [問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999 http://udo.jp/concert/DoobieBros
■TOUR MEMBER:Patrick Simmons(g,vo), Tom Johnston(g,vo), John McFee(g,pdl-stl,fdl,vo), Bill Payne(key), Marc Russo(sax), Ed Toth(ds), John Cowan(b,vo)
[プレイヤー 17.5月号]にインタビュー掲載