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空想委員会NEW EP『色恋沙汰の音沙汰』インタビュー

メロディアスでドラマティックなサウンドと、リアルな歌詞が魅力の空想委員会。最新EP『色恋沙汰の音沙汰』は、そんな彼ららしい独自の音楽性をさらに磨き込んだ魅力的な楽曲が並ぶ。『色恋沙汰の音沙汰』の「色恋狂詩曲」のMVは、恋愛シミュレーションゲームがプレイできる画期的な内容で、アップから約2週間で49万回再生を記録するなど、大きな話題となった。そんな新作の魅力について、空想委員会メンバーに話を訊いた…。

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より空想委員会の色を
色濃く出せた実感がある


 2016年は『大歌の改新』や様々なフェスに出演し、その勢いをさらに増した1年だったと思います。今年1年はどんな年になりましたか?

三浦:ライブの数が多く、人前で歌うことの経験を相当積んだ感触があります。どんな場所でも、どんな環境でも“空想委員会らしいライブ”ができる自信が付きました。それは、自分たちがやりたい事を貫き通すだけでなく、その場その場でステージにいる人間が考えて、臨機応変に立ち回れるようになりました。

 ニューEP『色恋沙汰の音沙汰』は、空想委員会らしい色彩豊かなサウンド、ちょっぴり切ない歌詞が味わい深い、魅力的な4曲が収録されています。完成させた手応えはいかがですか?

三浦:前作から、約8ヶ月振りのリリースということで、沢山のライブをやりながらもじっくりと作り込む事ができました。しかも、今作はメンバー3人、それぞれ作った曲が収録されたので、より空想委員会の色を色濃く出せた実感があります。今まで持っていた空想委員会の武器と、新たな武器を上手く融合できたなと。

 収録された新曲3曲は、独自の世界観を持ちながら、よりライブ感を強めたバンドサウンドにさらに磨きが掛かっているなと。曲作りを開始したのはいつですか? 今回、新曲は三浦さんの「色恋狂詩曲」、佐々木さんの「ロマンス・トランス」、岡田さんの「見返り美人」と、それぞれ1曲ずつ収録されていますが、なぜこの曲が選ばれたのでしょう?

三浦:ライブをしながら制作活動もしていたので、曲作りが始まったのがいつか明確にわからない感覚ですね。メンバー3人とも曲を作るので、それぞれのペースで曲作りを始め、その中から良いと思える曲を並べた結果、偶然にもそれぞれの曲が採用されたという感じです。やはり、メロディが良いかどうかが一番大事なので、そこはメンバーとスタッフで慎重に選びました。

 EPを通して空想委員会らしい個性で見事に統一されていますが、曲が完成してEPとして全体的なコンセプトとかは見えてきましたか? アレンジはどの様なイメージで?

三浦:EP全体としてのコンセプトは、全ての曲が出そろった後に決まりました。4曲とも恋愛がテーマの曲が並んだので、自ずとタイトルも決まりました。アレンジに関しては、特に統一性を持たせようとはせず、それぞれがやりたい事を自由にやったのですが、不思議と僕の声で歌が入ると空想委員会っぽくなるので、そこで帳尻が合いました。どんなサウンド・アレンジに挑戦しても、大丈夫だと言う自信が持てました。

 “恋”と“音”という表現において、常にオリジナリティがある空想委員会としては、この“色恋沙汰の音沙汰”というタイトルは非常に合点がいくものですが、なぜ今回このタイトルにしようと?

三浦:アマチュア時代とインディーズでやっていた時は、ほとんどの曲が恋愛の曲でした。それは、単純に私の興味がその一点にあり、恋愛で感じた事を曲にしたくて音楽を始めたんです。でも、去年の夏くらいから、歌にしたくなるような“心の動き”がなくなって、恋愛の曲を作れなくなったんです…でも今回、久しぶりに恋愛に関する歌詞を書きたいなと自然に思えたので“近頃、音沙汰がなかった私の色恋沙汰が集まったCDですよ”という意味で付けました。やはり、バンドなので音で色恋を表現したいという想いも籠っています。

 「色恋狂詩曲」は、ハイノートのボーカルに躍動感溢れるグルーヴのイントロから大胆にテンポチェンジからAメロが始まり、疾走感溢れるナンバーに仕上がっています。この曲はどんなイメージで完成させたのでしょうか?

三浦:元々、僕のアコースティック・ギター弾き語りのデモがあったのですが、それをギターの佐々木がアレンジしました。テンポチェンジに挑戦しようと決めていたらしく、一ヶ月くらいかかったそうです。歌詞は最後にのせましたが、テンポチェンジが感情で動く様子に似ていると感じたので、曲の中で気持ちが変わっていく、ああいった歌詞になりました。サウンドに引っ張られて歌詞ができましたね。

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これからも空想委員会らしく
一歩ずつ進んでいきたい!


 「色恋狂詩曲」のMVは、恋愛シミュレーション型の斬新なアイデアが織り込まれており非常にインパクトがありましたが、なぜこの様なMVを作ろうと? 約2週間で49万再生を記録しましたが、その反応を受けていかがですか?

三浦:このような形のMVを作ろうと考えたのはスタッフチームです。MVを見た人が面白がって何回も見てくれるようなMVにしたいという想いで考えてくれたそうです。再生回数の多さは過去のMVに比べてとても多く、それだけ沢山の方が、興味を持って見てくれているのだなと感じて嬉しいです。ゲームの要素もあるので、何回も見てくれている人もいるからこそ、この数字だと思います。せっかく沢山の方が知ってくれたので、この曲をライブでかっこ良く聞かせたいなと気合いが入ります。
 シンセの太いサウンドからダンサブルなビートが絡み合う「ロマンス・トランス」は、ライブでも非常に映えるナンバーだなと。『ダウトの行進』でも「ワーカーズアンセム」のようにダンサブルな曲がありましたが、この曲や「色恋狂詩曲」というEP前半は、ライブ感溢れるグルーヴが非常に強く描かれているなと。なぜ今回こういうアプローチになったのでしょう?

三浦:作曲した佐々木曰く、「ギターロックにEDM要素を取り入れたかった」そうです。空想委員会がインディーズ時代に出したCDに入っている「空想ディスコ」という曲があるのですが、それのパート2のようなイメージでライブを意識して作ったと言っていました。やはり、佐々木が作る曲はライブをイメージしているものが多いので、自ずとライブで客席のみんなが踊れるようなアプローチが増えるのだと思います。

 「見返り美人」は実に空想委員会らしい、疾走感溢れるビートと切ない歌詞が印象的なナンバーですが、この曲はどのようなイメージで完成したのでしょう? 

三浦:岡田曰く「曲を聴いて風景をイメージさせたい」ということでした。フルートの音が入っていて、今までの空想委員会とはまた違ったアプローチだと思います。アレンジやサウンドに関しては、岡田のイメージに沿って作っていきました。みずみずしさや爽やかさは、岡田が狙っていた「センチメンタルな気持ちにさせたい」というのが成功した証拠だと思います。

 「上書き保存ガール」は、アマチュア時代からの人気曲ですが、なぜ今回再アレンジ&レコーディングしようと?


三浦:バンド史上初めて“リクエスト・ワンマンライブ”をやったんです。事前に聴きたい曲を投票してもらって、その中の人気曲を演奏するライブだったのですが、「上書き保存ガール」は結構上位の方いて驚きました。アマチュア時代の曲ですし、YouTubeにMVがあるだけでCD自体は廃盤になっているにも関わらず、聴きたいという方が多いというのを受けて、このような形で収録する事になりました。

 通常盤には、人気曲「波動砲ガールフレンド」のアコースティック・バージョンが収録されていますね。

三浦:ボーナストラックで一曲入れようという案が出たので、どうせやるなら新しい事に挑戦しようということで、このような形になりました。私がインストア・イベントで弾き語りをよくやっていたので、最初は「弾き語り」という案もあったのですが、せっかく3人組のバンドなのでアコースティックのバンドの形にしました。元々、ギターの佐々木はこういうアプローチのアレンジをやってみたかったそうです。

 初回限定盤には、「色恋狂詩曲」のMVと、特典映像として『空想野外大音楽祭』のスペシャル・セレクション映像が収められています。本映像の見所を教えて下さい。

三浦:空想委員会史上最大キャパのライブですし、何よりも、やはり野外であるというところが一番の魅力で、ライブ当日は雨が降ったのですが、それすらも演出に見えるようなライブにできたと自負しています。その時の“ライブの熱”を感じて欲しいです。野音だからこそ、雨だからこそできたライブだと思います。

 「色恋狂詩曲」のように三浦さんのボーカルはよりエモーショナルさを増していますし、「ロマンス・トランス」のように歌詞に背中を押すポジティブなメッセージを感じます。ボーカルや歌詞でどういった気持ちを込めましたか? 使用したギターとアンプとエフェクターを教えて下さい。

三浦:曲作りを始めた頃から歌詞は一貫して実際に自分が体験した事を歌っています。そこは全く変わっていないですが、ポジティブなメッセージを歌うようになったのは、自分が置かれている環境が変わってきたからだと思います。ライブ会場に空想委員会を見に来る子たちの希望のような存在になりたいという想いがあるので、「現状」と「その先」を歌いたいモードなんだと思います。そういう状態なので、歌詞に引っ張られて、歌も変わってきているのかもしれません。より自分の気持ちに正直になれている証拠だと思います。使用したギターはギブソン・ソネックス180カスタム、アンプはフェンダー・ツイン・リバーブで、ライブと一緒ですね。ギターはピックアップとネックを交換しています。

 佐々木さんのギターは、「ロマンス・トランス」エッジの効いたリフや「見返り美人」のカラフルなアルペジオなど、よりその存在感を増しているなと。どんなイメージで今回の楽曲をプレイしましたか? 聴きどころがあれば教えて下さい。

佐々木:「ロマンス・トランス」は自分作曲なんですが、ライブ映えする曲が作りたかったのと、ライブで盛り上がる「空想ディスコ」という曲があるのですが、そのバージョン2的イメージで作りました。シンプルなコードと構成、ライブ映えさせる為に、踊り易いようにシンプルなEDM要素を入れました。「見返り美人」は、外部の音でフルートの音など入っているので、邪魔せずけど自分の色をしっかり出せるようにフレーズを考えました。この曲のギターの聴きどころはやはりギターソロですかね!(笑)両曲とも、ギターはメインで使っているフェンダー・テレキャスター・アメリカンデラックス、アンプはマーシャルJTM45、エフェクターはオーバーゾイドのオーバードライブ、ケンタウルス、DD-20、ライン6のMM4です。

 「色恋狂詩曲」や「見返り美人」のように、岡田さんのベースは凄く躍動感溢れとても心地良いです。特に8ビートのノリが本当に気持ちよくなったなと…。

岡田:僕のベースの聴きどころは、ずばり歌やギターとの絡みです! ベースは、ドラムとの絡みはもちろん大事ですが、僕の場合ギターや歌との絡みもかなり気にしています。自分のベースは今どこのパートを引き立てるべきか? もしくは、今は自分が主役に出るべきか?とか、1曲の中でその時、その時の自分の役目をかなり考えます。レコーディングに使用したのは、フェンダーのジャズベース、エデンのヘッドとキャビ、エフェクターは「見返り美人」はなしで、「色恋狂詩曲」はアンペグのSCR-DIとサンズアンプです。

 今年も、さらに大きな躍進を遂げること間違いなしの皆さんですが、最後にファンへのメ
ッセージをお願いします。


三浦:これまで、沢山のライブをしてこれたのは、会場に足を運んでくれる皆さんがいたからです。どんなライブでも空想委員会らしく、演奏できる自信が付きました。ありがとうございます。今年は、応援してくれる皆さんをもっと大きなところに連れて行けるように、頑張りたいと思います。空想委員会らしく、一歩ずつ進んでいきますので、一緒に歩んで欲しいです。よろしくお願いします!



Interview by TAKAHIRO HOSOE
Live photo by YUKI FUJIMORI



イロコイザタノオトサタ
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『首謀者:空想委員会「大歌の改新」第3期』
1月20日(金)大阪BIG CAT
1月21日(土)名古屋Electric Lady Land
1月26日(木)赤坂BLITZ
[問] kusoiinkai.com/