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ストロークスのギタリスト、ニック・ヴァレンシが新バンド、CRXを始動!

相変わらず作品を出せばその素晴らしさでロックファンを吹っ飛ばし、ライブをやればスタジアムを燃え上がらせるザ・ストロークス。だが、ここ数年間はバンドとしての大きな動きがなく、メンバーそれぞれのソロ活動が目立っている。そんな中、今までソロ活動を頑なに拒んでいたギタリストのニック・ヴァレンシがついに新バンド、CRXを結成。ソロプロジェクトに乗り出した。
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Photo by MAGDALENA WOSINSKA

L to R:Ralph Alexander(ds), Darian Zahedi(g), Nick Valensi(g), Jon Safley(b), Richie James Follin(key)

そのデビュー作『ニュー・スキン』が実にいい。ギターについては改めて述べるまでもないが、あまり歌がいいので「どこでボーカリストを見つけてきたんだろう」と思ってしまったほど。曲もストロークスを思わせるものもあれば、彼の少年時代のアイドル、ガンズ・アンド・ローゼズを思わせるものも、ガラリ変わって往年のパワーポップ的なものもあって実にバラエティ豊か。ソングライターとしての実力にも侮れないものがある。そしてプロデュースがクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オムときたら、悪いもののわけがない。音楽友だち──リッチー・ジェイムス・フォーリン(key)、ジョン・セイフリー(b)、ダリアン・ザヘディ(g)、ラルフ・アレキサンダー(ds)──を集めたCRXですでに全米をツアー中。ストロークスのシーンへの復帰はすぐにはなさそうなので、CRXの来日への期待がいやが上にも高まってしまう。

こちらがリードトラック「ウェイズ・トゥ・フェイク・イット」のPV。ストロークスを彷彿させるキャッチーな仕上がり。


そしてアルバムの根幹を成すロック全開の「ブロークン・ボーンズ」。聞き応え十分!


「最近のロックミュージックやギター指向の音楽の情況を見ると、あまりに何も起こっていないし、多くのものが粗悪な出来だと思う。だから、僕はこの死にかけた芸術形態を少しでも生き長らえらせたことを誇りに思っているって言ってもいいんじゃないかな(笑)。ギタリストとして、ロックバンドとしてね。だって、もうロックなんて全然存在してないみたいじゃないか。生き残っているロックファンはきっと気に入ってくれるはずだよ」

「ステージに上がって人々の前でライブ演奏するっていうのが、僕が新しいプロジェクトをスタートさせたかった主な理由だからすごくハッピーだ。ついにここに至って、みんなのためにプレイしているなんてね。僕たちはすごくいいバンドだと思うし、一緒にすごく楽しんでいる。バンに乗ってアメリカ中をツアーするなんて、まるで1999年に戻ったみたいだ。今はほんとに楽しい。とにかくずっとやりたかったことだから、最高の気分さ。日本にも行きたいね」

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シー・アール・エックス ニュー・スキン ソニーミュージック SICP-5077 1CD 11月2日 2,200円(税抜)

2017年1月号にニック・ヴァレンシのインタビュー掲載