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The 25th YAMAHA JAZZ FESTIVAL REPORT

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 浜松市が推進する「音楽のまちづくり」事業として1992年にスタートしたハママツ・ジャズ・ウィークが今年25周年を迎えた。同時に、その一イベントであるヤマハジャズフェスティバルも25回目を数え、記念すべき節目にふさわしい豪華な出演陣が揃った。

 今回は3部構成で、沖仁 con 渡辺香津美、寺井尚子クインテットとゲストのウィリアムス浩子、ニューヨークのビッグバンドであるヴァンガード・ジャズ・オーケストラが出演。ここではパート1に登場したギターデュオのコンサートを中心にレポートしよう。

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沖仁

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渡辺香津美

 フラメンコとジャズという異色の組み合わせだが、両者に共通するのはジャンルを超えた柔軟な姿勢と言えるだろう。両者は2011年から共演の機会を重ねて、昨年は2枚組のライブアルバムをリリースしている。まずは牧歌的ながらも展開の多い沖のオリジナル曲からスタート。続くスーパー・ギター・トリオの「地中海の舞踏〜広い河」では、情熱的なナンバーにふさわしい、速いパッセージによる圧巻のギタープレイを展開。その息の呑むような演奏に大きな喝采が送られた。一転して叙情を湛えたイギリス民謡の「スカボロー・フェア」では、渡辺による空気感のあるトーンでのプレイが冴える。後半はクラシックの名曲「ボレロ」で始まり、沖はエレガット、渡辺は曲中にアコースティックギターからPRSに持ち替え、両者とも立奏へとスタイルを変える。続く渡辺のオリジナル曲では、エレクトリック・ギターとも対等に渡り合うガットギターの音圧や迫力に改めて圧倒された。最後のチック・コリアの「スペイン」では、息の合ったユニゾン、渡辺による王道のジャズギター・ソロ、ボディタップを交えたダイナミズムのある沖のバッキングが会場を盛り上げ、会場の拍手と共にエンディングへとなだれ込んだ。狂熱と呼ぶにふさわしい濃密なギタープレイを堪能できた1時間だった。

 続くパート2は、初のセルフプロデュース・アルバムのレコーディング・メンバーを率いての寺井尚子クインテットのステージ。
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 寺井のヴァイオリンと昨年からクインテットに参加した佐山雅弘のピアノをはじめ、実力派の金子健(b)と松岡“matzz”高廣(per)、小学生の頃にハママツ・ジャズ・ウィークへの出演経験のある荒山諒(dr)、そしてジャズ・シーン注目のシンガーであるウィリアムス浩子をゲストに迎えて、華麗かつ情熱的なステージで魅了した。

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 最後にパート3に出演したのは、今年結成50周年を迎えたビッグバンドで、ニューヨークの名門ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」で毎週月曜に出演しているヴァンガード・ジャズ・オーケストラ。サド・ジョーンズ/メル・ルイス・オーケストラより続く50年の歴史にふさわしい、総勢16名による貫禄と迫力ある演奏を繰り広げた。同オーケストラは前日に公開ビッグバンド・クリニックも行なっている。

 個性豊かなミュージシャンにより、多彩なジャズの魅力を堪能できた、25年目の節目にふさわしいフェスティバルだった。

(写真提供:ヤマハ株式会社)