2014年〜2015年にリリースされたレッド・ツェッペリンのスペシャル・リイシューの第5弾となる『コンプリートBBCライヴ』が発売された。今回はデビュー直後の1969年と1971年に英国BBC放送のために録音された『BBCライヴ』(97年発売)の完全版だ。そこにはライブバンドとしてのテンション感に溢れた初期ZEPの魅力が詰まっている。こちらは『コンプリートBBCセッションズ』の販促PV。もちろんナレーションなど入っていません。
こちらが『コンプリートBBCセッションズ』収録の「強き二人の愛」のPV。スタジオ盤とは違うテイクでモノクロ・コラージュが当時のブリティッシュロックを彷彿!
1997年に『BBCライヴ』が初出された時のインタビューでメンバーはこう語っている。
1969年と1971年のテープを再び聴いて感慨もひとしおだったことでしょう。具体的にどんなことを思い出しましたか?
ロバート「今となってはすべてが古臭いね。オーディエンスはおとなしい。技術スタッフは手際が良くない。ピート・ドラモンド(当時のBBCのディスクジョッキー)か誰かが出てきて「間もなく神聖な瞬間が訪れます」みたいな雰囲気で厳かな口調で静かにオレたちを紹介をするんだ。当時はたとえ小さくても、れっきとした劇場で演奏するとなるとある種の堅苦しさがあった。ああいう雰囲気にオーディエンスのほうも少しビビッていたと思う。肩にリボンを付けている案内係なんかがいたからね」
ジミー「建物のある特定の部分だけ見せられて、あとは、シーッ、お静かに!」
ロバート「消灯の時間です」
ジミー「それに音の跳ね返りのない小さなクラブで演奏するのとは違って、録音はしているし後で放送されることになっているし、浴びるスポットライトの量がはるかに多かった。観客はとてもおとなしく、一部の曲は聴いたことがなかっただろう。それでもきちんとしたショーをやっているうちに、オーディエンスとバンドの間に絆が生じて徐々にバイブレーションが出来上がっていった」
BBCコンサートの客席にはどういう人が来ていたのですか?
ロバート「コンサートがあることは、その1週間前に告知されたんだよね?」
ジミー「そう。郵送でチケットを申し込んでいたんだ」
ロバート「「アラウンド・ザ・ホーン」(1965〜68年にBBCラジオで放送されていたお笑い番組)の時と同じ。この番組ほど面白くはなかったけどさ」
当時のTV収録に興味のある方はこちらもどうぞ。1969年のデンマークTV出演のスタジオライブ映像だが、初期ZEPサウンドの魅力は密室で生まれたデッドサウンドだったことがわかる。
カバーストーリーではリイシュー紹介に併せて、ZEP公認の米国トリビュートバンド、レッド・ツェッパゲインで活躍するJIMMY SAKURAIの機材も掲載。謎に包まれたジミー・ペイジの機材を徹底検証し、プロレベルでのモディファイを実現、更に米国でも機材調達されている。言うまでもなくそれらはジミー・ペイジ同様の機材になるのだが、そのこだわりは明らかにファンの領域を超越。こちらは杢もそっくりでキズまであるNo.1!
■コンプリートBBCライヴ 9月16日 ワーナーミュージック・ジャパン
デラックス・エディション WPCR-17506〜8 3CD 3,300円(税抜)
デラックス・エディション WPJR-10012〜6 5LP 11,000円(税抜)
スーパー・デラックス・エディション WPZR-30740〜8 3CD+5LP 28,000円(税抜)
2016年11月号(10/2発売)でカバーストーリー掲載