Photo by ROB FENN
L to R:John Fred Young(ds), Ben Wells(g), Chris Robertson(vo,g), Jon Lawhon(b)
4月1日に全世界で発売となった通算5作目のアルバム『ケンタッキー』は、彼らの故郷ケンタッキー州エドモントンからほど近いデビューアルバムが作られた際に使われたスタジオで、当時と同じエンジニアを起用して同じ録音機材を使って制作されたまさにバック・トゥ・ルーツな作品だ。
そこには彼らのヘヴィなサイドはもちろん、ブルーグラス、カントリー、リズムアンドブルース、ソウルミュージック、サザンロックといった、肥沃な音楽的土壌を持つケンタッキー出身であるが故の個性が随所に滲み出ている。
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『ケンタッキー』というタイトルはまさに君たちのルーツへの回帰をイメージさせるね。意図的に自分たちのルーツに戻ることを意識した?
と言うよりは、そうしない理由があるのかということ。特に「昔の方法に戻ろう」などと話しあったりしたわけじゃないんだ。ただ、これだけ素晴らしいスタジオが自宅の近くにあるのに、わざわざカリフォルニアのスタジオで録る必要があるのかということ。
「イン・アワ・ドリームズ」はセカンドアルバムを手掛けたプロデューサー、ボブ・マーレットとの共作だけど、当時書いたもの?
この曲はボブと2011年のアルバム『ビトウィーン・ザ・デヴィル・アンド・ザ・ディープ・ブルー・シー』用に書いた曲。当時はレーベルの反対もあったし、俺達もアルバムにあっていないということで採用を見送った。続くアルバム『マジック・マウンテン』でも同じ。でも俺達はいつかこの曲が化ける日が来ると信じていたんだ。今回移籍したマスコットレーベルが気に入ってくれて、第1弾シングルになったんだ。当時作ったのは簡単なデモだったけど、今回新たに録り直して素晴らしい出来になったよ。
今回のセルフプロデュースということは音楽的な振り幅の広さにも影響した?
もちろん。デビューアルバムからの10年の間に、俺達はボブ・マーレット、ハワード・ベンソン、ジョー・ベリシといった偉大なプロデューサーたちと仕事をして多くを学んだ。今回はその経験を生かす絶好のチャンスだった。レコーディングやツアーの経験を通じてミュージシャンとしてのキャリアをビルドアップしてきたからこそ、自分たちが欲しいサウンドは一番よくわかっているからね。
ブラック・ストーン・チェリー ケンタッキー ワーナーミュージック・ジャパン CD WPCR-17142 4月1日 2,457円(税抜)
2016年5月号(4/2発売)でインタビュー掲載