
Paul Kossoff's 1959 Les Paul Standard
ブリティッシュ・ブルース・ロックの草分けとして60年代末に登場し、僅か数年間の短い活動でありながらも、今も多くのファンに語り継がれているバンド、フリー。そのオリジナル・メンバーであり、26歳という若さでこの世を去った天才ブルース・ギタリスト、ポール・コソフが生前に愛用した59年製レスポール・スタンダードが、没後40年を経過した2015年12月10日、ロンドンの老舗オークション・ハウス、ボナムズで競売に掛けられる。このギターは、2012年にギブソン・カスタムから350本限定発売されて話題となった“ポール・コソフ 1959 レスポール・スタンダード”の原型となったオリジナルで、ポールを語る上で欠くことのできない伝説のギターである。本誌2月号(12月29日発売)では、このオリジナル・レスポールの特集を予定しており、ポールのギターにまつわる知られざるストーリーの数々を紹介する。
物語は70年代初頭に遡る。ポールが愛用していた59年製のサンバースト・レスポールは、ある日のライブのエンディングでネックが粉砕するという致命的なダメージを受けた。ポールは、その日オープニングアクトとして同じステージに立ったギタリスト、アーサー・ラムから急遽レスポールを借りて、どうにかアンコールを終えた。しかし、その借りたレスポールが殊の外気に入ったポールは、59年製のレスポールを修理して借りたレスポールとを交換するという約束をアーサーと交わし、アーサーのレスポールを預かった。しばらくしてポールの59年製レスポールは修復されたのだが……。
後のストーリーは、『Player』2月号のハードウェア特集『GUITAR OF LEGENDARY Paul Kossoff's 1959 Les Paul Standard 〜 40年の歳月を越えて今甦るギター伝説』をチェックして頂きたい。この特集では、オークションに掛けられる59年製レスポールを詳しく紹介するほか、このギターを40年間大切に保管してきたアーサー・ラムのインタビューも紹介する。
そして「我こそはポール・コソフ命!」と豪語するギタリストは、来る12月10日にロンドンで行われるボナムズのオークションに参加して、このオリジナル・レスポールを手に入れることもできるのだが…。