L to R:Tom Araya(b,vo), Gary Holt(g), Paul Bostaph(ds), Kerry King(g)
ジェフ・ハンネマンの死、デイヴ・ロンバードの脱退という局面を乗り越えて新作『リペントレス』を完成したスレイヤー。来日を機にケリー・キングとポール・ボスタフに現在のスレイヤーを訊いてみた。
前作『血塗ラレタ世界』(09年)とはメンバー4人のうち2人が異なりますが、スレイヤーらしさは貫かれています。“スレイヤーをスレイヤーたらしめる”のは何でしょうか?
“スレイヤーらしさ”というのは、微妙なバランスの上に立っているんだ。スレイヤーの精神を受け継ぎながら、新しい可能性を追求しなければならない。まあ、俺が曲を書いてトム・アラヤが歌っているんだから、どうしたってスレイヤーらしく聴こえるんじゃないかな。俺のソングライティング作業自体は、いつも同じだ。残念ながらジェフがいなくなってしまったことで、俺の曲がこれまでより多く収録されることになった。『リペントレス』で俺にとって課題だったのは、ダークでムーディな曲を書けるかということだった。どちらかといえば、それはジェフの得意分野だったからな。しかも表面的に彼のスタイルを真似してもダメだ。自分の中から湧き出る暗黒面を曲にしなくてはならない。スレイヤーの曲というのは、聴いた人間が全身に鳥肌を立てて「これは最高だ!」と言うようなものでなければならないんだ。(ケリー)
『リペントレス』は前作とバンドメンバーの半分が異なっているにも関わらず、実にスレイヤーらしいアルバムですね。
うーん、それは“グラスが半分いっぱい”なのか“半分空っぽ”なのかということだな。スレイヤーのメインソングライターはケリーとジェフだった。ジェフを失ったことは大きいけど、ケリーがギターを弾いて、トムが歌って、俺だって出戻りだ。“スレイヤーらしさ”を意識する必要はなかった。今回、誰も「スレイヤーらしいアルバムを作ろう」とは考えなかった。全員がナチュラルにプレイしたその結果が『リペントレス』だよ。(ポール)
こちらが『リペレントス』のオフィシャル・ヴィジュアライザー映像になる。
そしてこちらはオフィシャルMV。ショッキングな血しぶき&グロなので閲覧注意。
リペレントス ワーナーミュージック・ジャパン CD WPCR-16759 発売中 2,457円(税抜)
2016年1月号(12/2発売)にインタビュー掲載