1966年に渡英、ライブ活動を開始すると同時にビートルズ、ストーンズ、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ザ・フーなどのブリティッシュロック勢の度肝を抜いたジミ・ヘンドリックス。それは同時に“ロックギター”の誕生ともなった。そしてジミはわずか4年足らずの期間に大きな歴史を刻み、1970年9月18日に死亡した。2015年は没後45年となるわけだが、生前最後に行われたインタビュー音声を特別付録CDに収録。完全翻訳も掲載して、ロックギターの大きな礎を残したジミ・ヘンドリックスを大特集してみた!
特別付録CDにはジミの最後のインタビュー音声を収録。約30分の会話は至って良好なコンディションだ。そしてジミはこう語っている。
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ワイト島コンサート(1970年8月)の前に、それが大成功したらしばらくその方向で進み続けるつもりだと発言したそうですが、実際のところワイト島コンサートの結果には満足しましたか?
あの時、あそこでは俺はかなり混乱していたので、あのギグをベースに自分の未来を定められるようなチャンスはなかったよ。「イギリス国歌(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン)」を演奏した時を除いてね(笑いながら歌う)。つまり仕事をひとつこなしただけで、自分のすべてをその後の予定に賭けることなんて出来ないよ。俺は皆が俺たちの演奏を気に入ってくれるかなあって思いながら、ワイト島で演奏することが出来るだけで嬉しかった。で、気に入ってもらえたら、当然活動を続けてそれを形にしようとするだろうなあ。
ビリー・コックスはもうバンドにはいないのですね。
ああ(笑)。
ということは、何をやるのであれ新しいベースプレイヤーを見つける必要があるわけですね。
うん。俺もそう思っている。
また小人数のユニットを作る予定ですか? それとも、もっと大きな編成のものを作るつもりなのですか?
どうなるかなあ。また小さなグループを作ることになると思うよ。でも決めるのは難しい。出来るなら両方持ちたいよ。普段は小さいほうをツアーに利用して、時々大所帯のバンドでもツアーをやりたい。でも成り行き次第かな。回りの連中が何を欲しているのかを知るのが難しい時もある。俺はただ感じるままにやり続けるだけさ。でも今はそれが出来ない。何も感じられないからだ。あれこれあって、今は少し落ち着いてじっくり考える必要がある。
次にはどんなアルバムが出る予定なのでしょうか?
「ホライズン」という曲が入る予定だ。ここと地平線の間にあるものを歌ったものだ。精神的混乱について歌った「ルーム・フル・オブ・ミラーズ」もある。頭の中の壊れた鏡とはそのことだ。それから「アストロ・マン」という曲もある。心が平和な状態で生きることについて歌っている。アストロ・マンは人間をバラバラの状態にしてしまうんだ。「ヴァレー・オブ・ネプチューン・アライジング」という曲もある。でも、こうした曲はサイケデリックなのかなあ? 俺はこの言葉が何を意味しているのかよくわかってないし、口から出て来る言葉が本当に頭の中で考えていることとは違う時もあるだろ。
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特別付録CDには「パープル・ヘイズ」のレクチャートラックも収録。ジミヘンおなじみの楽曲だが、今回は1970年7月に行われた「アトランタ・ポップ・フェスティバル」のテイクを採用した。
メンバーはジミ・ヘンドリックス(g,vo)、ビリー・コックス(b)、ミッチ・ミッチェル(ds)のトリオによるもの。「アトランタ・ポップ・フェスティバル」の完全盤CDは9月にソニーミュージックから発売されている。そしてこのライブを解説して制作された米国ドキュメンタリー映像「エレクトリック・チャーチ」も12月23日にソニーミュージックから発売される!
この「パープル・ヘイズ」のトラック制作はギタリストの大槻啓之氏が担当。ジミ・ヘンドリックス関連ギアとして話題を呼んでいるコルグ・ニューヴァイブ、定番でもあるロジャー・メイヤーのオクタヴィアとクラシック・ファズもレクチャートラックで使用してみた!
フリーダム〜アトランタ・ポップ・フェスティヴァル ソニーミュージック 2CD SICP-4530〜31 発売中 3,600円(税抜)
エレクトリック・チャーチ〜アトランタ・ポップ・フェスティヴァル ソニーミュージック DVD SIBP-266 12月23日 4,700円(税抜)
KORG Nuvibe VIBRATO CHORUS EFFECTOR [価格]55,000円(税抜) [問]株式会社コルグ http://www.korg.com/jp/
ROGER MAYER Octavia [価格]30,000円(税抜) [問]日本エレクトロ・ハーモニックス株式会社 http://www.electroharmonix.co.jp/
ROGER MAYER Classic Fuzz [価格]30,000円(税抜) [問]日本エレクトロ・ハーモニックス株式会社 http://www.electroharmonix.co.jp/
2016年1月号(12/2発売)でカバーストーリー掲載