PLAYER ON-LINE HOME > Playerブログ
Player Blog

横山健 待望のPlayer初表紙!

1510cover.jpg


Ken Yokoyama「A Beautiful Song」

 Ken Yokoyamaのニューアルバム『Sentimental Trash』は、改めて横山健のソングライターとしての幅広さなり、メロディメイカーとしての資質をたっぷりと見せつけてくれた作品である。そしてその質感はこれまでのアルバムと少々異なる。まるで第二のデビューアルバムを作り上げたかのようなみずみずしさとフレッシュさを感じる。震災以後は特に強いメッセージ性を発してきた横山でありその姿勢は今作も健在ながらも、彼の音楽への欲求がここにきてより深く、ピュアなものになっているのがうかがえるのだ。そしてそこには使用ギターが大きく影
響している。横山健と言えば、ソリッドタイプのエレクトリック・ギターを追求してきたイメージが強いが、近年はセミアコ、フルアコなど、いわゆる箱ものと称されるギターもメインでプレイしており話題となっている。そして遂にはグレッチから日本人初のシグネチャー・モデルとなる“Kenny Falcon”のリリースも9月中旬に決定。さらにアーニーボール弦を使用しだしたり、ジム・ダンロップからこれまた日本人初となるシグネチャー・ピックも発売された。傑作ニューアルバム『Sentimental Trash』においても、より自由に音楽家としての欲求のままに音を編み、等身大の自身から生まれてくるメッセージ性を込めたソングライティングをしており、まさに現在の横山健の音楽愛、楽器愛があふれまくっている印象なのである。9月2日発売のPlayer10月号では、遂に初となるカバーストーリーが実現! まさにその音楽愛、楽器愛をたっぷりと語っていただいた。さらには『Sentimental Trash』のレコーディングで活躍した愛器コレクションの多くを、『Player』ならではの切り口で紹介している。


Ken Yokoyama「I Won’t Turn Off My Radio」

 Ken Yokoyamaのニューアルバム『Sentimental Trash』は、ちょっぴり情けない歌詞とカウペルを用いたドラムビートが印象的なパワーナンバー「Dream Of You」で幕が上がる、Ken Bandならではの疾走感あふれるシャープなバンドサウンドと、ハーモニーもたっぷりのメロディアスな楽曲が目白押しの1枚だ。とりわけ「I Don’t Care」「Mama,Let Me Come Home」など辛辣なメッセージソングも並ぶ中、“オレ達は何を 残してやれる? 次の世代に 生まれてくる新しくて罪のない命のために”と歌い上げる「One Last Time」は、とりわけ現在の横山健の心情がストレートに歌われている気がするし、Ken Yokoyama流「ラジオスターの悲劇」とも言える、シングル「I Won’t Turn Off My Radio」も痛快だ。はたまた「A Beautiful Song」ではストリングスを導入したまさに泣きのバラードに仕上がっていたり、谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)のバリトンサックスをフィーチャーした「Roll The Dice」、レゲエビートの「Pressure Drop」、横山健の優しい歌い口が胸に残る「Yellow Trash Blues」では、クランチトーンを主体とした最新型Ken Bandのサウンドが堪能できたりと、『Sentimental Trash』はとにかく聴きどころが満載。そして今まで聴いたことがないKen Yokoyamaの音も随所で堪能できる。まさに新たな創作のタームに入った1枚と言えるだろう。そしてこれらの創作意欲に大きな影響を与えたのがグレッチなりギブソンなりの箱もののトーン。ソリッドギターとはまた違う、横山健の飽くなきギターの追求が想像以上の大きな変化を呼び寄せたのだ。そう、『Sentimental Trash』は、彼の新たなギターストーリーが生んだ傑作アルバムと言ってもいいのかもしれない。グレッチ初の日本人シグネチャー・モデルとして製作された新たな愛器“Kenny Falcon”についてのレポートも楽器誌先駆けて掲載。勿論、ギターの魅力をたっぷりと語ってくれた横山健のロングインタビューをお楽しみいただけるPlayer10月号、どうぞよろしく!