昨年9月18日、富士の裾野にある「ふもとっぱら」で「長渕剛10万人オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」を行うことを発表した長渕剛。震災復興支援活動の中から長渕本人の中に芽生えた祈りが、“オールナイト・ライヴ”という形に結実されるわけだが、その開催日の8月22日が間近に迫っている! 長渕剛とクルーとバンドメンバー、そして10万人のオーディエンスがともに作り上げる野外のオールナイト・ライヴ。それは今日のフェスとはまったく違うものになる。その到達点に向かう長渕剛とバンドのメンバーたちの意気込みを特集してみた!
こちらは昨年のアリーナツアーのPV。日米混合バンドでの白熱のステージの様子がわかる。
富士山のオールナイト・ライヴをやるきっかけは震災にあった。それを長渕はこう語った。「ターニングポイントは4年前の震災だった。音楽家としては震災に深く関与させてもらって、原発の問題にしても自然災害の問題にしても、かなり深刻に捉えている。自分の活動の一環としてきちっと表現するのはまだまだだねぇ…。4年前、死にたい程に生きたかった連中がどれほどいただろうかと思って現地に行ったとき、残された遺族の人たちと対峙させてもらって強烈なものを感じました。その時「死する程に生きたいのだ」という死者の響きは、表現者としての僕自身の感性をものすごい拳で下から突き上げました」
そしてこちらが富士山オールナイトへの導入曲となる「富士の国」のPV。士気を高める歌が心に響き渡る!
「ふもとっぱらで西側から見る富士というのは、母の山そのもので非常に美しいんです。そこに雲ひとつかからず、東から日が昇ってくると山頂にピカーっと光が現れる。八方に日が差し込んできて、僕らに希望の矢を刺すかのような灯火を見せてくれる。ふもとっぱらの裾野に行ったら、広い大地から母が両手を広げて「おいで」と言ってくれている感じがしたんですよ。そこに僕たちを含めた民衆が集まって「10万人がひとつの束になって霊峰富士に対して祈ろう」という気持ちが僕の中に湧き上がった。それが今回のオールナイト・ライヴで、さあハッピーに歌おうぜという形に変わっただけの話でして、元々は祈りたいです、僕は。なんて祈りたいかというと「幸せになりてー!」って祈り、叫びたい」
■ライブスケジュール 8月22日(土) ふもとっぱら [問]長渕剛オフィシャルサイト http://www.nagabuchi.or.jp キョードー東京 http://www.kyodotokyo.com/fujifumoto
2015年8月号(7/2発売)でカバーストーリー掲載。