『ロックにはまだやれることがあるんじゃないのか』アルバムトレーラー
デビュー35周年を迎えた子供ばんどが、最新アルバム『ロックにはまだやれることがあるんじゃないのか』をリリース。2011年、ロックの初期衝動を取り戻して甦った子供ばんどは、2013年に四半世紀振りとなる傑作『Can Drive 55』を産み落としている。子供ばんどならではのアグレッシヴなバンドサウンドと、ツインリードのギタープレイもたっぷりフィーチャーした内容で狂喜させたが、それからわずか2年でこうした新作が出るとは意外だった。5月2日発売Player6月号ではJICKことうじきつよしのロングインタビューを掲載しているが、JICKが語っているようにいわゆるアニバーサリーアルバム的な意味合いは関係なく、“2015年だから歌える歌があるだろう!”っていう強い衝動にかられて書かれたオリジナルアルバムなのである。そして断続的なライブ活動を展開してきたことで、絶好調のバンドサウンドはドンカマ&オートチューン禁止、ほぼ一発録り(もっとも『Can Drive 55』も同様の手法だったが…)の手法で録られた。やまとゆうのパワフルなドラミングを筆頭に、生々しくパワフルで一層進化したバンドサウンドが全編に渡り炸裂している。
Photo by KAZUTAKA KITAMURA
『Can Drive 55』では抜群のエンタテインメント精神とロック魂あふれる演奏で、往年のファンは言わずもがな、その存在を知らなかった若いファンにも相当のインパクトを与えた子供ばんどだ。『ロックにはまだやれることがあるんじゃないのか』と大胆に名付けられた最新オリジナル・アルバムは、メッセージ性というロックの本質を気づかせてくれる。「自由」 「Shameless People」「Blackbirdがないた時」には歌わずにいられなかった強い緊迫感と、激しくエモーショナルな演奏とJICKの歌声が痛快だ。何処か言いたいことが言いづらくなっている昨今の不穏なムードに、警鐘を打ち鳴らすような強いメッセージを発しており、湯川トーベンが歌ったはっぴいえんどのカヴァー「いらいら」においてもそれを受けての倦怠感が際立っている。かと思えば 「君こそスターだ」では抜群のポピュラリティあふれるポップナンバーを披露していたり、「先輩」「No!味噌3g」など喜怒哀楽を全て描ききるような子供ばんどゆえのソングライティングは前作にも増して絶好調。さらに「STOP THE ROCK’N ROLL!!(Never)」では多保孝一(ex.Superfly)の楽曲を起用するなど、新たな血を採り入れる一面も。知る人ぞ知る初期曲「わかっているわい」のエピソードにいたるまで、JICKがたっぷり語ってくれているのでお楽しみあれ。
子供ばんど 東阪ツアー決定!
5月5日(火・祝 13:00 渋谷タワーレコードB1F「STAGE ONE」
[問] タワーレコード渋谷店 03-3496-3661
5月5日(火・祝)18:00 下北沢ガーデン
[問] 下北沢ガーデン 03-3410-3431
5月15日(金)19:00 大阪ミューズホール
[問]清水音泉 06-6357-3666