Photo by TOMUJI OHTANI
2014年で結成20周年を迎えた栗コーダーカルテット。『20周年ベスト 1994-2014』がリリースされたのも話題だが、リコーダーのみならず弦楽器を担っている近藤研二。さらに2013年からは盟友・鈴木慶一、矢部浩志、岩崎なおみ、konoreとともにトリプルギター編成のロックバンド、Controversial Spark(コントロヴァーシャル・スパーク)を結成。待望の1stフルアルバム『Section T』でアグレッシヴなギタープレイを披露している。これまでも様々なアーティスト・サポートやハイポジなどの活動を経て、近年はももいろクローバーZの編曲も手掛けたほか、作編曲家としてもCMや映画、TV番組の音楽制作も多数手掛けており大活躍中。毎月ミュージシャンの愛器コレクションを通して、そのヒストリーに迫っているDEAR MY PARTNERSのコーナーだが、Player2014年12月号では増ページして近藤研二のユニークな楽器コレクションを紹介している。ハイポジ時代に使っていたエレキギターは勿論、こだわりのアコギ、ナイロン弦ギター、そしてウクレレなど、レアモデルが沢山。近藤研二のコレクションは本邦初公開と言っていい。
Hello Mutants / Controversial Spark
Controversial Sparkはムーンライダーズ活動休止後に鈴木慶一が結成した新バンドという先入観が強かったもので、まさかトリプルギター編成でメンバー全員が楽曲を書いて、ボーカルに関しても鈴木慶一だけではなくて、konore、岩崎なおみの女性ボーカルがここまでフィーチャーされるバンドになるとは正直意外だった。さらにその音も鈴木慶一の何かのソロワークに接点があるような感じではなくて、慶一さんってこれほどまでソリッドなギターロックバンドやったことあったっけ?と思ってしまう音の感触である。その主軸になるのが鈴木慶一、konore、そして近藤研二のトリプルギター・アンサンブル。中でも王道のリードプレイを担うことが多いのが近藤研二で、その魅力はこの「Hello Mutants」のPVでも確認できる。
Controversial Spark first session 2013
このスタジオセッション映像こそ、まさにControversial Sparkの5人が一同に介して初めてプレイした記録であり、この模様は『Section T』のボーナストラックにも収められている。これなんか観聴きするとやっぱり生バンドやりたいなぁと思う人は多いのではないか。近藤研二のインタビューによれば、デモなどはメンバーによってはきっちり作り上げるようだが、ヘッドアレンジならではの生々しいセッション感が味わえるのも魅力になっている気がする(ボーカル用マイクをシュアSM57で揃えているのも面白い)。20〜60代のメンバーが集まったゆえ、各々個性あふれるキャラクターのミュージシャン集団だ。その辺が音にきっちり表れているもの面白いし、特に楽曲は本当にバラエティに富んでいる! 語弊を恐れず書けば、オルタナ、サイケ、AORから歌謡曲まで、Controversial Sparkならではの楽曲として昇華されているのが聴きどころ。コアなムーンライダーズ・ファンでもこの内容は想像できなかったはずで、ロック好きという人にはとにかく聴いていただきたい。
なお、読者プレゼント用にControversial Sparkの直筆サイン入りの7インチアナログEP『Controversial Spark』(可愛い猫ジャケ!)を1名様分いただきました。記事の感想を一言添えていただき、こちらをクリックしてメールにてご応募いただけると嬉しいです!
Controversial Spark ライブ
2014年11月29日(土)18:30
会場:LIVE GATE TOKYO
http://www.livegatetokyo.com/
出演:Controversial Spark(鈴木慶一、近藤研二、矢部浩志、岩崎なおみ、konore) /豊田道倫/CHECK YOUR MOM(倉内太+柴田聡子)/フロリダ(テンテンコ+滝沢朋恵)