前作から10年ぶりとなる新作『シルヴァー・レイルズ』を完成させたジャック・ブルース。アーティスト、プレイヤーとして現役である証しがこの新作には詰まっている。彼ならではの多様な音楽性を示す新曲の数々に、90年のソロ作品「ノー・サレンダー」のニューバージョンを加えた新作にはフィル・マンザネラ、ロビン・トロワー、ウリ・ジョン・ロート、バーニー・マースデン、グレッグ・メデスキ、シンディ・ブラックマン・サンタナらが参加。50年を越えるキャリアを物語る充実の1枚になっている。
ジャック・ブルース シルヴァー・レイルズ ビクター 5月23日 CD VICP-75137 2,700円(税抜)
そのリードトラック「リーチ・フォー・ザ・ナイト」がこちら。
美しいマイナー・ブルースだが、そこにはジャック・ブルースらしいアイデンティティが表出しているだろう。本人はインタビューでこう語っている。
「レコーディング・プロセスみたいなものにウンザリしていたんだ。すごく変わってしまったし、音楽産業も沈滞しているし。ひどいもんさ。今だったらクリームみたいなバンドには勝算なかったかもな」
「“やる必要がある”と感じたことはしたくないと思っていた。思うに、このアルバムは今の自分そのものなんだ。ある意味、俺は自分のソロアルバムを日記みたいに捉えていて、これは今の俺がどんな感じかっていう日記のようなもの。振り返ると言っても、もっと斜めから見ているみたいな感じだよ」
2014年8月号(7/2発売)にインタビュー掲載