Photo by TOMUJI OHTANI
毎月ミュージシャンの愛器コレクションとともに、そのヒストリーをたどるロングインタビューでミュージシャンの実像に迫っているDEAR MY PARTNERSのコーナー。5月2日発売Player6月号ではTHE MODSのギタリストであり、そのサウンド・プロデューサーを担う苣木寛之が登場。2010年からはソロプロジェクト、DUDE TONEをスタート。花田裕之、井上富雄、椎野恭一、BUGY CRAXONEと共に、ザ・モッズとはひと味違ったテイストのロックを聴かせている。苣木と言えば、なんといってもブラックビューティを思い起こす人が多いだろう。テレキャスターをかき鳴らす森山達也の左で、ソリッドでパワフルなギタープレイを放ってきた彼だが、THE MODSの最新アルバム『ROCKTIONARY』のリリースに続き、DUDE TONEも待望の2ndアルバム『十字路のGuitar』を5月21日にリリースする。
DUDE TONE「SMOKE FADE AWAY」
『十字路のGuitar』も先述のメンバーを迎えており、前作『AFTERGLOW』と対となる仕上がりとなっているが、「嘘発見器」における盟友・森山達也とのデュエットも聴きどころ。全編に渡り生々しいセッション感と歌心にあふれるサウンドが印象的だが、それには秘密がある。なんとギターソロも含めて通しで録っているのだ。ヴォーカルは録り直したようだが、セッション・レコーディングは歌いながら行なわれた。特に花田裕之、井上富雄、椎野恭一らと録られた楽曲には、熟練のバンドマンならではの凄みのある音ながらも、余計な力の抜けた何処か軽やかさも漂う。しかも2テイク目にはOKテイクのものが録れてしまうというスムーズさだったようだ。
DUDE TONE「STAGGER」
また新作『ナポリタン・レモネード・ウィーアーハッピー』のリリースが6月に控えているBUGY CRAXONEとのセッションでは、2曲で歌姫すずきゆきこと苣木とのツイン・ヴォーカルもフィーチャー。 花田裕之バンドとのセッションとはまた違ったテイストが感じられて興味深い。また苣木によるギターインストも収録するなど、 歌もののギタリストとして芯の通ったものを聴かせつつも、それとは違うタイプのギタープレイも聴かせてくれている。勿論、柔らかでややハスキーな歌声もたっぷり収録。ぜひ1人でも多くの方に聴いていただきたい。
GIBSON Les Paul Custom
Photo by TOMUJI OHTANI
さてモッズ・ファンにはお馴染みだろう苣木の愛器ブラックビューティ。長らくレスポールに憧れてきた苣木がギブソンの新品やオールドを入手しつつも、どこかしっくり来なくて手放すといったことを繰り返し、遂に4本目にして出逢えたという運命の1本だ。1989年リリースの『NAPALM ROCK』の頃より一貫してメインギターでプレイされてきている。一般的に再生産レスポールと称される1969年製だが、iドットありのヘッドストックのロゴ、ネック・ボリュートがない仕様などから同年の初頭に製作されたものだろう。ネック及びボディ裏はマホガニーの木目が露出してしまっているが、これも四半世紀に渡り弾き込まれてきた証である。本誌ではこの他のギター、愛用アンプやエフェクターについても紹介。
DUDE TONE「嘘発見器」
傑作『十字路のGuitar』を引っさげて、DUDE TONEのライブも決定している。
6月10日(火)下北沢 Gardenにて、苣木寛之(vo,g) 、花田裕之(g,vo)、 井上富雄(b)、 椎野恭一(ds)がホットなロックナンバーをプレイ。詳細はDUDE TONEのウェブサイト http://dude-tone.com/ をチェックしてほしい。
THE MODS『ROCKTIONARY』
ROCKAHOLIC RHCA-23 2,857円(税抜)
DUDE TONE『十字路のギター』
ROCKAHOLIC RHCA-102 5月21日 3,000円(税抜)
苣木寛之が使用しているTHE MODSのオリジナルピックを3名様分、Player読者のプレゼントとして御本人よりいただいたので、ぜひ記事の感想などをちょこっと書いてメールで応募してほしい。