Photo by TOMUJI OHTANI
サディスティック・ミカ・バンドを始め、VITAMIN-Q featuring ANZA、カミーノやバンブー、キリン・バンド、そして奥田民生バンド、また海外ではイアン・マクレガン・バンド、ボニー・レイット・バンドで全米ツアーを行なうなど、早くから国境線を越えての音楽活動を展開してきたイノベーターである小原礼。ベーシストとしては勿論、アレンジャー、プロデューサーとしても多岐に渡る活動を展開してきた。毎月ミュージシャンの愛器コレクションを紹介するとともに、そのミュージシャンヒストリーに迫っているDEAR MY PARTNERSのコーナーだが、2014年5月号では小原礼のベースコレクションをご紹介している。またそのインタビューに関しては、国内ロック黎明期からの様々なエピソードが語られており、ファンならたまらない内容のはずだ。
The Renaissance「「愛のために」とか言っちゃって
さて、このたび小原礼がVITAMIN-Q featuring ANZA以来となる屋敷豪太とタッグを組んで、新バンドThe Renaissance(ザ・ルネッサンス)を結成した。セッションマンとして国内外で活躍してきたボーダレスなミュージシャンである同士であり、マルチプレイヤーであり、ソングライター、ボーカリストでもあったりと、様々な顔を持つふたりならではの作品となっているのが1stアルバム『ルネッサンス プルミエ』だ。意気の合ったリズム隊としての演奏みならず、このふたりの声はこんなに奇麗にハマるのか!と驚かされる抜群のハーモニーがたっぷり。そしてミカバンドやソロアルバムなどでは以前から披露されてきつつも、ここまで小原礼のリードギターがフィーチャーされた作品は初めてだろう。ギタリスト小原礼、屋敷豪太の魅力も詰まった1枚である。またレコーディング機材ではヴィンテージ楽器で行なわれており、その音の質感もまた聴きどころだ。
The Renaissance「Un Oiseau Bleu」
盟友・加藤和彦の急逝を知ったのは米国滞在時。愛妻・尾崎亜美からの悲痛な電話でことを知ったそうだ。帰りの飛行機の中で加藤和彦のことを想い書いたのが「Un Oiseau Bleu」という。最初は日本語詞で書いたが、最終的には仏語に訳されてこの歌は完成した。ロマンティックなサウンドながらもせつないムードが漂う名曲に仕上がっている。ミカバンドを筆頭に、VITAMIN-Q featuring ANZA、様々なセッションで活動を共にしてきた加藤和彦のことを、「一緒にやれて良かったなと思うし、本当に良い出逢いでしたよね」と小原礼はインタビューで語っている。
The Renaissance「Midnight Special」
The Renaissanceのアルバム『ルネッサンス プルミエ』は、基本的に
小原礼、屋敷豪太の手により全ての楽器が演奏されているのだが、一部の尾崎亜美がソウルフルなコーラスを聴かせていたり、この「Midnight Special」では奥田民生がギターをプレイしているのも聴きどころ。The Renaissanceののエピソードを筆頭に、そのベーシスト・ヒストリーをたっぷりと語ってもらった資料価値の高いロングインタビューとなっているので是非お楽しみいただきたい。さらにミカバンド時代から愛用している1962年製プレシジョンベースを筆頭に、近年入手した1960年製プレベ、1962年製ジャズベースなど、小原礼のこだわりの愛器の数々が美しい写真で登場。
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