
Photo by TAKAHIRO HOSOE
ヴィンテージ・ギターの中でも特に高い人気を誇るモデルとして知られる、ストラトキャスター。54年に登場し、カントリー・ウェスタン層を意識し開発されたと言われるストラトは、60年代末にジミ・ヘンドリックスやデュアン・オールマン、70年代にエリック・クラプトンやロリー・ギャラガーらが愛用したことで、ロック・ギターの頂点へと登りつめた。
今年発売60周年を迎えるストラトは、各年代に応じてその仕様が様々変化してきた。その中でも、ヴィンテージ・ギターとして圧倒的な人気を博し、幾つものリイシュー・モデルが発売されているのが、65年以前に生産されたスモール・ヘッドストック仕様のモデルだ。特に、ローズウッド・フィンガーボード採用の第一世代モデルである59〜62年製モデルは、歴代モデルの中で特にファットで粘り強くブルージーなトーンを備え、数多くのブルース・ギタリストやロック・ギタリスト達に愛用されてきた。
今回紹介するのは“スラブボード”の呼び名で知られる年代のモデルで、芯の強いミドル・ピックアップのトーンが特徴。ドライブさせた時も明瞭な音色を持ち、切なく響くインフェイズ・トーン(ハーフトーン)という特徴を備えており、歴代のヴィンテージ・ストラトの中でも群を抜いた人気と存在感を誇る名機である。