「こんなスケールの映画をやるんだとしたら、ただ俺たちが出ているだけじゃなく、そこには何かがあるべきだって気がしたんだ。たとえば『アイアンマン』みたいな映画を例に取ってみても、アイアンマンのスーツを着た彼が2時間宇宙を飛び回っているだけじゃないだろう? アクションシーンと釣り合いを取るような何かがなくちゃダメなんだ。ピンク・フロイドの『ザ・ウォール』ではアニメーションが混ぜ込まれていたし、『レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ』では、ミュージシャンが車に乗ったり馬に乗ったりなんかするシーンを混ぜ込んでいた。じゃあ俺たちも何かを混ぜ込もう……だけど、ジェイムズ・ヘットフィールドがサンドウィッチを食べているシーンってわけにもいかない(笑)。それで監督ニムロッド・アーントルが物語を持ってきたんだ」とラーズは語っていた。
映画は、実際にカナダで行われたライブショーでシューティングされ、それとストーリーシーンが絶妙にミックスされた作品だ。つまり本物のライブで、ストーリー上のアクシデントが本当に起きるというわけだ。「映画に出てくるステージ上の出来事はすべて、目ざといファンにとっては過去のメタリカのコンサートで実際にあったことって感じだよ。そう、ステージの崩壊といったことは明らかに96〜97年の『リロード』ツアーに関係しているんだ。あのときは徹底的にやられたね」
ある意味で、採算度外視で制作されたといってもいい『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』のスケールとド迫力は、まさに一見の価値がある。そして順次公開中の劇場上映に続いて、特典映像付きのDVD/BDのフィジカル・フォーマット発売も、4月2日にポニーキャニオンから発売予定されているのでお楽しみに!
『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』配給:ポニーキャニオン 全国順次公開中(http://metallica-never.jp/)
ⓒMetallica Through the Never, Courtesy of Picturehouse Photograph by Ross Halfin
ⓒMetallica Through the Never, Courtesy of Picturehouse
2014年3月号(2/1発売)にインタビュー掲載