Photo by TAKAHIRO HOSOE
今回のバック・イン・スタンダードは、ギブソンが68年にリリースしたレスポール・カスタム。当時のギタリスト達のリクエストに応える形で再生産されたモデルだ。本機の他に、ゴールド・トップを採用しP-90ピックアップをマウントしたレスポール・スタンダードもラインナップされたが、オーバードライブ・サウンドを求める当時のギタリスト達は、シングルコイルのP-90をマウントしたスタンダードよりも、より歪みやすいラージ・ハムバッカーをマウントしたレスポール・カスタムを好んで入手した。再生産レスポール・カスタムは生産台数が限られていたが、この時期にハムバッカー仕様のレスポール・スタンダードが作られなかったこと、70年にボディ・トップのアーチが緩くなり、数ピースのマホガニー材をプライしたボディを採用した量産型ギターへと仕様が変化したことから、今では“特別なモデル”として高い評価を獲得。この年代ならではの豊かなアーチ・トップ・ボディ形状、50年代を彷彿とさせるファットなネック・グリップ、力強いドライブ・トーンを持つカスタムは、50年代に作られたヴィンテージ・レスポールと並ぶ“最も人気の高いレスポール・モデル”として今もプレイヤーやコレクターに愛されている。