「本来の年齢よりも老成しているかって? よく言われるんだよ、若者の体の中に老成した魂が入っているように感じませんか? って。そんなの知るかよ。つまり俺は今19歳で、自分の曲を書き自分のやりたいことをやっているだけのことさ」
94年英国ノッティンガム出身、現在19歳。11年の「グラストンベリー・フェスティバル」でデビューを飾ったのは17歳だった。そして12年の1st『ジェイク・バグ』は見事に全英1位を獲得して、多くのミュージシャン達からラブコールを集めた。そんな若きシンガーソングライターは、ボブ・ディランを敬愛しながらもマジョリティとなることを拒絶せず、かつ自我を貫いている。そして彼は待望の新作2nd『シャングリ・ラ』を完成させた。
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『シャングリ・ラ』を聴くと、そこにあるバンドサウンドとロックスピリットが彼自身の中から弾き出されたことがわかるだろう。その導火線に火を付けたのがリック・ルービンだ。リックはプロデューサーとして長いキャリアと大きな実績を持つわけだが、指示を出してミュージシャンを動かすタイプではなく、何もしないでそのアーティストの自発的なエネルギーを引き出すことで有名だ。「お互い相手に合わせたというわけじゃなく、彼は彼のやり方で好きなようにやり、俺は自分なりのやり方で好きなようにやって、それがうまくいったんだ。彼は最高のミュージシャンや最高の人達と俺を引き合わせてくれたんだけど、それにはすごく助けられた」
共演ミュージシャンはチャド・スミス(ds)を始めとして、ピート・トーマス(ds)、ジェイソン・ラダー(b)、マット・スウィーニー(g)などが参加。そしてジェイクもエレキギターを数多くの曲で弾いている。
「ジェイク・バグがエレキに走ったとか言われるけど、これまでだって俺はずっとエレキギターを弾いてきたし、前作の「バラード・オブ・ミスター・ジョーンズ」でもエレキを弾いていた。自分のエレキギターはすごく気に入っている。でも、今回のアルバムでは以前より弾いている場面が増えているのは確かかも。「ホワット・ダズント・キル・ユー」には、かなりヘヴィなエレキギターが入っているね。今回は他にもギターソロが入っている曲はあるけど、短めに抑えるよう努めている。54年製フェンダー・テレキャスターを手に入れたんだ。これは俺にとって特別なものだと思っている」
フォークか? ロックか? アコギか? エレキか? そんな議論は今更必要ないだろう。端から取り囲む大人達をよそ目に、ジェイクの音楽はブレることなく大きな成長を果たした!
2014年2月号(12/28発売)にインタビュー掲載