トム・キーファー、完全復活である。シンデレラのシンガー兼ギタリストとしてデビュー、80年代のアメリカンメタルの看板アーティストの1人として活躍してきたトムだが、94年の『スティル・クライミング』を最後に姿を消してきた。アメリカでは何度かシンデレラとしてのツアーを行ってきたが、日本のファンにとって初のソロアルバム『ザ・ウェイ・ライフ・ゴーズ』は、19年ぶりのカムバックということになる。
声帯の不調で、一時は音楽活動が危ぶまれたというトム。だがアルバムを完成、ソロ名義でのツアーを開始させるなどの大驀進ぶりは、その健在ぶりを力強くアピールするものだ。アメリカン純正ハードロックンロールで帰ってきたトムは語った。
ザ・ウェイ・ライフ・ゴーズ WHD CD IECP-10265 2,625円
「みんなに、帰ってきたぜ! とシャウトしているんだ。ただ、昔のボーカルに戻ったわけではない。勢い任せでなく、呼吸や発音をコントロールしながら歌うようになったし、表現力も増したと思う。80年代よりも、ボーカリストとして向上することが出来たよ」
「ドライで飾りのない、ナチュラルで生々しいロックンロールかな。シンデレラの『ハートブレイク・ステーション』(90)と音楽性は異なるけど、サウンドは共通しているかも知れない。あまり洗練された音にはしたくなかったんだ」
一時はビンテージギターのコレクターとしても知られたトムだが、現在メインで弾いている59年製ギブソン・レスポール、50年製フェンダー・ノーキャスター、55年製グレッチ・シルバートーンの3本を中心として、コレクター熱は冷めたようだ。そして27年前、シンデレラの1stアルバム『ナイト・ソングス』の印税で最初に買ったのがビンテージギターだったという伝説に対して、キーファーは「それは事実ではない」と語ってくれたが…
13.8月号(7/2発売)にインタビュー掲載