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PRINCESS PRINCESS 再結成ライブの機材レポート!


"プリンセスプリンセス"と仙台の人々の笑顔 "ダイヤモンド"

 東日本大震災復興支援のために2012年末を活動期限に行なわれた、まさかのプリンセス プリンセス再結成…嬉しかった。僕が観に行った武道館公演の初日は号泣している人達があちらこちらに見受けられたし、その後東京ドームの最終日も拝見したが、両公演を観てとにかく印象的だったのは女性ファンが本当に多いんだなってこと(勿論男性も多いですが、比率的には半々のような感じがしました)。何せ2011年より岸谷香のホームスタジオにて内密にリハーサルが進められてきた今回の再結成劇、僕らにとってはサプライズではあってもバンドとしては万全の体制で進められてきたのである。11月3〜4日の仙台サンプラザホールを皮切りに、日本武道館4デイズ、そして女性バンドとして初の東京ドーム公演を行なうという快挙も成し遂げられた! 岸谷香と中山加奈子がツインリードのギタープレイで魅了したほか、今野登茂子も7台のシンセ要塞を操りスケール感たっぷりのプレイ! 富田京子のドラムセット及び渡辺敦子のスペクターベースも新調されるなど、楽器的にも観どころたっぷりのツアーだったと思う。個人的にとりわけ印象に残ったのが、同期打ち込みのニュアンスがほぼ感じられず、現在の5人による生演奏が全面的に繰り広げられた点。実に見事だった!


プリンセス プリンセス 再結成への道

 2月2日発売Player3月号FROM THE BACKSTAGEでは、プリンセス プリンセスの最新ライブ機材をレポートしている。武道館〜東京ドーム機材をレポートしているのだが、実は撮影取材を行なったのは日本武道館公演。東京ドーム公演においてはこれにプラスされた機材が登場したので撮り逃してしまったものもあるが、パールさんのご協力いただいて東京ドーム・センターステージにおける富田京子のドラムセットも紹介することができた。ぜひお楽しみいただきたい。Player Blogではちょっぴりだけその内容をおすそわけ。

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GIBSON Les Paul Classic Plus
Gear Photo by TAKAHIRO HOSOE

 岸谷香は今回レスポールとグレッチをメインギター、さらに何曲かではピアノプレイも披露していたが、近年のソロライブでも愛用されてきたギブソン・レスポール・クラシック・プラスはとりわけ印象に残った。91年後半より生産が始まったフィギュアドメイプル・トップを採用したモデルなのだが、美しい杢目を浮き立たせたトランスルーテッド・パープル・フィニッシュが肝。写真ではわかりづらいかもしれないが、モチーフとなった生産年である“1960”が白のピックガードに金でプリントされているのが特徴。ピックアップはトム・ホームズ製に交換されているようだ。

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ZEMAITIS S22ST W&B Edge
Gear Photo by TAKAHIRO HOSOE

 中山加奈子といえばSG女王というイメージだろうが、VooDoo Hawaiiansではゼマイティス・ライセンスによるグレコGZシリーズなどもプレイしてきた。今回「19グローイング・アップ」で登場したのは、白蝶貝を敷き詰めたパールフロントが眩いゼマイティスS22ST W&B エッジ。彫金が施されたブリッジ/テイルピースはデュラルミンの削り出しによるもの。再結成にあたり2012年1月中旬に手渡された1本なのだそうだ。

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SPECTOR USA NS-2 Oil
Gear Photo by TAKAHIRO HOSOE

 リーダー渡辺敦子はお馴染みスペクターNS-2がメインベース。オイルフィニッシュが施された80年代末USA製の1本で3ピースのスルーネック仕様。ゴールドパーツで統一された豪華な1本だ。P.U.はEMGのPJレイアウトだが、ブランドロゴがほぼ消えているところはまさに長年のプレイを物語っている。と同時に何より驚いたのは、フィンガーレスト代わりに使われたフロントP.U.付近が、完全に穴が空いてしまっている点! なお今回のツアーではユーロシリーズ版NS-2であるユーロ4LXを新たに入手しており、NS-2とともにプレイされた。

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TOMO'S KEYBOARD SET
Gear Photo by TAKAHIRO HOSOE

 そして圧巻だったのが今野登茂子のキーボードの要塞! ピアノ、オルガン、シンセブラス、ストリングスなど、見事7台のシンセ【14】を使い重厚なシンセサウンドを担っていた。そして彼女は徹底して手弾きにこだわった! 特に「BEE-BEEP プリプリサミット」は終盤の大きな観どころだったと言える。ピアノ音色などメインキーボードとして活躍していたコルグ・クロノスは2台セッティング。ローランド・ファントムX7、VK-8のほかシーケンシャル・サーキットの名器プロフェット5、オーバーハイムの名器マトリックス12、ウォルドルフのベロフェルド・キーボードなど、新旧の名器が用意されていたのはまさに2012年の彼女ならでは!

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PEARL Masters Premium Legend/SABIAN Cymbals
Gear Photo by TAKAHIRO HOSOE

 富田京子のドラムセットは今回のツアーのために新たに製作された。彼女のイメージカラーであるピンクを踏襲、白へのグラデーション処理に加えてスパークルを加味した美しいフィニッシュのセットは、パール伝統のメイプル・シェルによるマスターズ・プレミアム・レジェンド。シンバル類はセイビアンで統一されていたが、これもいろいろとエピソードがあるのでぜひ記事のほうを御覧いただきたい。また東京ドーム公演のセンターステージでは、やはり新たに製作されたステージピンクのパール・ヴィジョン・シリーズをプレイする姿も観られた。

 昨年6月にはファンから寄せられた人気楽曲を2枚組CDにパッケージした『ザ・リバース・ベスト〜再会〜』もリリース(2012年のニューミックス及びリマスタリングが施されており、クリアでパワフルな音質による現在ならではの音で楽しめる!)。さらに3月27日には武道館公演の模様がDVD、ブルーレイにより映像作品化されるということで楽しみ。これらライブ作品の売上の一部も、東日本大震災復興支援のために寄付されるとのこと。集まった義援金の使い道に関しては今年改めて報告されるということで、引き続き彼女達の動向に注目してほしい。

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ザ・リバース・ベスト〜再会〜
SME 2012年6月27日 
2CD+DVD SECL-1147 3,900円
2CD SECL-1150 3,500円

ヴェリー・ベスト・オブ・プリンセス プリンセス
ツアー 2012〜再会〜 アット武道館
SME 3月27日発売決定
ライブCD SECL-1303 3,000円
DVD2枚組 SEBL-146/7 8,800円
Blu-ray SEXL-26 9,800円
http://www.princess2.net/


2013年2月19日