Live Photo by MARY SAITO
毎月話題のライブ・コンサートのバックステージに潜入、最新ライブ機材をPlayerならではの切り口でレポートしているFROM THE BACKSTAGEのコーナー。現在発売中のPlayer2013年2月号では昨年12月8〜9日に東京キネマ倶楽部で開催された、キノコホテルの単独独演会ツアー<サロン・ド・キノコ〜四次元の美学 前編・後編>の模様をお届けしています。レコード会社移籍などもあり1年8ヶ月振りとなったニューアルバム『マリアンヌの誘惑』を引っさげて、2デイズまったく異なるセットリストと演出によって行なわれた実演会となりました。昨年はサブステージにてバスタブに浸かる支配人・マリアンヌ東雲が登場するなどでド肝抜かれたキネマ実演会でしたが、今年は支配人が初日にヴァイオリン独奏、2日目になんとシタール独奏するという意表をついたオープニングでした。当然これら楽器についてもレポートしております。内容については最新作『〜誘惑』の楽曲を織り交ぜつつ、懐かしの曲も満載で現時点での集大成となった前編、彼女達の最大の武器であるインタープレイを押し出して、最新型キノコホテルの魅力が全快となった千秋楽の後編という印象を僕は受けました。
FENDER Jazz Bass
Gear Photo by TAKAHIRO HOSOE
千秋楽のアンコールでは、4年半に渡り電気ベース兼秘書を担当してきたエマニュエル小湊の退社発表もありましたね。「体力の限界を知るに至り、脱退を決意しました。私は本日をもってキノコホテルを去りますが、キノコホテルは永久に不滅です」とは名台詞でしたが、新たなる彼女の活動にも期待したいところです。思えばメジャーデビュー当初は、コンペティションレッドの70年代製と思われるフェンダー・ムスタングベースを弾く姿がとてもキュートで格好良かったですね。キノコホテルの楽曲では「もえつきたいの」「ステファニーの恍惚」「キノコホテル唱歌」など、ファットなベースリフでバンドを引っ張るような曲も多かったわけで、彼女の退社により必然的にバンドサウンドが変化することは避けられないと思います。が、すでに新従業員で電気べース担当のジュリエッタ霧島が加入。バンドサウンドを固めるがごとく怒濤の実演会ラッシュに突入しており、僕も早いうちにチェックしなければと思っています。近年のエマちゃんのメインベースは『マリアンヌの恍惚』のレコーディング中に入手したジャズベースでした。Fプレート74年製でマッチングヘッドのブラックにリフィニッシュ、バダスベースUを載せた仕様。ピックアップも交換されていたようです。僕が初めてジャズベースをプレイする彼女を観たのはたしかクアトロワンマン実演会でしたが、ぐっとファットなリズム隊に変貌してあのときは驚きました! 諸々エピソードはぜひ記事のほうを御覧下さい。そうそう、ファエンヌ猪苗代のロジャース・セットも勿論レポートしております。
キノコホテル「その時なにが起こったの?」
ニューアルバム『マリアンヌの誘惑』もマリアンヌ東雲ならではのミステリアスかつドラマティックなソングライティングが健在。前作『マリアンヌの恍惚』は彼女ゆえの構築性が徹底追求された1枚となっていましたが、『〜誘惑』はより演奏スキルを高めた現在のキノコホテルならではのセッション感だったり、彼女達の手癖が押し出された1枚になったというのが僕の感想です。レコーディングではいろいろと使うとは言えども、基本的に電気オルガンにこだわった支配人の鍵盤楽器プレイだったり、スプリングリバーブのクリーントーン、ワウペダル、ファズサウンドがトレードマークのイザベル=ケメ鴨川のギターサウンドと、わりと音数を絞り込んでプレイするストイックなバンドながら、どんどん楽曲の世界観を拡張していく辺りは凄いとしか言いようがない。そこらのバンドならとっくにネタ切れしていそうなものですが、キノコホテルの場合はただ掘り下げていくだけではなくて、どんどん新しい要素を取り込んでいっているわけですから。春にはさらなる新作も予定しているようで、ジュリエッタ霧島が呼び込む新しいテイストにも期待が高まります。
なおキノコホテルの『マリアンヌの恍惚』販促用ポスターを5名様分いただきました!(提供:ヤマハミュージックコミュニケーションズ)。エマちゃん在籍時最後のポスターです。ケメちゃんがファーストマン・バロンを手にしているのもさすがです。ぜひ記事の感想など、またキノコホテルのインタビューを載せろー!など一筆いただきつつ(こういうお声があると次の取材に繋がったりしますので)、こちらの応募要項をチェックしていただいた上、present@player.co.jpまでメールでご応募いただけると嬉しいです。胞子の皆様、何とぞよろしくお願いします。
キノコホテル『マリアンヌの誘惑』
ヤマハミュージックコミュニケーションズ CD
YCCW-10187 12月5日 2,800円
初回限定盤CD、買い逃した…ショック…。
<キノコホテル実演会スケジュール>
1月19日(土)タワーレコード渋谷店地下 CUTUP STUDIO
1月21日(月)渋谷 O-EAST
1月24日(木)新宿 ロフト
1月26日(土)高円寺 UFO club
2月09日(土)京都 磔磔
2月10日(日)京都 磔磔
2月15日(金)徳島 FIGARO
2月16日(土)高松 swagg
2月23日(土)zepp福岡
2月26日(火)渋谷 www
4月07日(日)沖縄 Output
4月13日(土)札幌 Soundlab mole
4月14日(日)札幌 Soundlab mole
4月20日(土)島根 松江B1
4月30日(火)名古屋 クラブクアトロ
5月02日(木)恵比寿 リキッドルーム
5月11日(土)博多 BEAT STATION
5月24日(金)神戸 太陽と虎
5月25日(土)大阪 Shangri-La
http://kinocohotel.org/
2013年1月12日