本ツアーでのバンド・メンバーは、a flood of circleや音速ラインのサポートも務める曽根巧(g)、もはや説明不要の女性ベーシストTOKIE、長澤とは長年の付き合いとなる秋山隆彦(ds)、そして元オトナモードの山本健太(key)を迎えた編成。シーン屈指の敏腕プレイヤー、更に初めて鍵盤奏者を擁するツアーとなったわけだが、長澤知之のギタリスト/ボーカリストとしての才覚が埋没するどころか、より浮き彫りになる公演だった。
「夢先案内人」で幕を開けたこの日のライブ。長澤が序盤でメインにしていたのはブルーフィニッシュのギブソン・レスポールだった。丁度2年前、同所にて行われた“Nagasa・Oneman6 Band Ver.”のリハーサルにて、ネックが折れてしまうというアクシデントに見舞われた1本だが、その後は無事復活。本人には重さがややネックのようだが「消防車」「THE ROLE」「JUNKLIFE」のようなアッパーチューンでは、パワフルなサウンドのバッキングを響かせる。山本の参加でアンサンブルとコーラス・ワークが重奏的になろうと、やはり長澤の歌声とギターは唯一無二のものとして前面に飛び込んでくる。
中盤以降では2010年10月の“Nagasa・Oneman5”で初お披露目され、次第にレスポールと同等の使用頻度になってきたセブンティーセブンギターズのアルバトロス・スタンダード 1Hも登場。“優しい音がして、歌に寄り添ってくれる感じが好き”と本人が語っていたように、やや穏やかなヴォーカリゼーションで聴かせる楽曲で使用されていた。あくまでも歌を一番に聴かせたいという長澤らしい使い分けである。
バンドによってはギブソン レスポールをメインにする曽根巧だが、この日はフェンダー ストラトキャスターとテレキャスターを使用。長澤のハムバッカー・サウンドとの見事な棲み分けが成されており、両者のギターバトルの様相も呈した「Blue Blue」は圧巻の極みだった。
アンコールでは「マンドラゴラの花」の幽玄な世界感をアコギ1本で再現する異彩っぷりも見せてくれたが、インタビューで“表現方法としてギターに固執する気は無い”と語っていた長澤。その言葉通り、山本健太と2人で披露した「カスミソウ」では鍵盤伴奏をメインに歌い上げる。いつかはピアノで弾き語る長澤知之というのも観てみたいものだ。
ラストは「バベル」を2回演奏し(1回目の歌詞間違いに納得がいかなかった為)、“純粋に音楽を楽しむ”という『SEVEN』のテーマをステージ上でも再現。ツアーファイナルに相応しい多幸感に包まれてライブは終了した。10月後半から11月、長澤は各地の様々なイベントに出演が決定している。ソングライター、歌うたい、ギタリストとして“有数”ではなく“唯一”の存在であることは保証する。是非とも生でその輝きを目にして欲しい。
写真:山本倫子
文:戸川健太
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2012年10月17日