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DEAR MY PARTNERSにかかしの村上雄信が登場

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Photo by TOMUJI OHTANI

 9月1日発売Player2012年10月号のDEAR MY PARTNERSでは、かかしYOUNGER GENERATION三四六バンドのギタリストであり、ラジオ・ディレクターとして様々な番組制作を担っている村上雄信さんのギターコレクションを紹介しています。そもそも筆者とかかしの出逢いは、FM NACK5 「The Nutty Radio Show おに魂」、HITS THE TOWNなどバカボン鬼塚さん(以下、鬼ちゃん)のラジオ番組を愛聴していたところから始まります(ザ・シュレッダーショーなども聴いていた筆者の鬼ちゃん番組のリスニング歴は長いです・笑)。鬼ちゃんが“最高のメロディに最低の歌詞”をテーマにしたフォークバンド、かかしをラジオディレクター&放送作家&パーソナリティ−の菊池淳介さん(きっくん)、やはりラジオディレクターの村上雄信さんと組んでいるというのを番組で知り、ラジオで流れているかかしナンバーを何度と聴いているうちに見事にハマり、ライブなども足を運ぶようになりました。そんな中でサミック/グレッグ・ベネットからかかしのシグネチャーモデルがリリースされたり、村上さんが大のギター好きらしいということも耳に挟むこととなります。

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カスタムショップ製のYOUNGERストラト! Photo by TOMUJI OHTANI

 YOUNGER GENERATIONのライブに足を運んだ際、村上さんはカスタムショップ製ストラトを手にしていました。しかもこのストラト、アルバム『YOUNGER GENERATION』のジャケットデザインを手掛けた井出新二さんの直筆イラストが入っていて、さらには同様に井出さんのイラスト入りスニーカーも履いていたと思うのですが、そのとき本当にギターフリークなんだなぁというのを実感しました。以来、何処かのタイミングでギター取材できないかなというアイデアを温めてきたのですが、かかしが結成20周年を迎えて(97年デビューなのでメジャーデビュー15周年でもあります)、しかもニューアルバム『マンダーラ』もリリース!ということで、今回遂に取材が実現した次第です。


かかし20周年記念ライブ #3「ウン・コモ・ラ・シータ」
『マンダーラ』でもとりわけ破壊力が大きい曲(笑)。中盤の村上さんのギターソロも聴きどころ。


 ちなみにこの『マンダーラ』、かかしの通算4枚目か5枚目かのアルバムになるのですが(なんでこんな微妙な言い方になるかは気になる方は調べてみると面白いかと)、フォークという枠にこだわらない多岐に渡る音楽性を提示した『SCARECROW』(2nd or 3rd!?)以後の路線のさらなる発展形というか、カントリーナンバーやビートルズ・オマージュから、タイトル通りのインドフォーク!?、ビジュアル系、クイーン、YMOオマージュたっぷりのテクノ、ラテン!?と実に多彩な音楽性にアプローチしています。

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YOUNGER GENERATION『YOUNGER GENERATION』のジャケット。正統派ポップに挑んだ名作!

 『マンダーラ』はゲスト陣も豪華。おに魂ファミリーとも言えるkainatsu、柴田淳、高橋直純、m.o.v.eらが華を添えており、“ここまでやるか!”って驚かされる共演劇についてもインタビュー内でたっぷり語られています。終盤にはきっくんが歌う叙情派フォーク(!?)「チョーフパルコ」などホロリとさせてくれる楽曲もありますが、大抵の曲は“なんでこんな良い曲なのにこんな歌詞を乗せちゃうんだろう…”という落差がたまらないです(笑)。サウンド的にもリリースごとにパワーアップを遂げてきていて、『バーンパーク』(3rdか4th!?)もかなりの仕上がりでしたが、『マンダーラ』ではさらにそのアレンジの幅が広がっているのがまた面白いところですね。

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バカボン鬼塚さんのソロプロジェクトB.O.K.による『O.S.T』もピュアなポップアルバム。
インスト曲も多くてメロディメーカー鬼ちゃんの魅力と、村上さんのギターソロも聴きどころ。


 ところで今まで謎だったのは、かかしがこうしたコミックバンド的なテイストも擁した音楽性で20年と長い活動を展開できている点で、そして彼らのリリースはこれまで一貫してメジャーレーベルからリリースされてきています。かかしのアルバムリリースは久々だったものの、その間鬼ちゃん、村上さんとキンモクセイの後藤秀人(g)、白井雄介(b)、張替智広(ds)と結成したYOUNGER GENERATIONのリリースがあり、昨年は鬼ちゃんのソロプロジェクトであるB.O.Kによる2枚組大作アルバム『O.S.T』のリリースもありました。鬼ちゃんのソロプロジェクトとはいえ、彼のコンポーザー/ソングライターに主眼が置かれたアルバムで、ギターインスト曲のプレイを担っていたのはやはり村上さん。これらも含めてかかしチームのバックアップによる作品制作なり、またライブ活動も精力的に展開してきたんですね。これらのほか、村上さんには三四六バンドのギタリスト、コンポーザーとしての顔もあるわけですが、当然ながらラジオ番組の企画ものとかっていうレベルではなくて、物凄く真摯かつ貪欲に音楽活動を展開してきていることがわかります。


かかし20周年記念ライブ #2「PAIN」
NACK5でパワープレイされていたR&Rナンバー、口内炎を熱く歌っています(笑)


 そしてそこにはラジオリスナーからの熱い支持もあるわけで、この辺が他のバンドと異なる点ですね。一発ネタだったら一時で終わっているはずで、やはりここまで長く続いてきたというのはソングライティングの多くを担う鬼ちゃんの豊富なアイデアと情熱、そしてその女房役とも言えるきっくんや村上さんのバックアップやチームワークに寄るところが大きいのでしょう。とりわけ音楽面やバンドの運営面などを一手に引き受けているのが村上さんです。

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かかしのニューアルバム『マンダーラ』。
「インドフォーク」以外の曲はまったくこのジャケットのイメージと結びつかない(笑)。


 9月1日発売Player2012年10月号の“村上雄信DEAR MY PARTNERS”では、ラジオのプロでありつつギタリストとして活躍する現在の村上さんのスタンスは勿論のこと、かかし結成の経緯から『マンダーラ』のエピソードまでたっぷり語ってもらっています(ラジオではほとんど喋らない村上さんですが、インタビューでは根掘り葉掘り聞いてみました!)。その中でかかしが小林克也&ザ・ナンバーワンバンドなどの続く系譜にあり、また日本のロック史のツリーを広げているバンドであることなどがわかったり、意外な交友関係なりも明かされます。かかしファンには「なるほど!」と思っていただける内容ではないでしょうか。と同時に面白いのが、フィエスタレッドのストラトを購入したところから始まる近年のギターヒストリー。フィエスタレッドのストラトが選ばれた経緯にはかの斎藤 誠さんの存在がありました。そしてギター収集が始まった理由、ギタリスト村上雄信としてのスタイルが確立していくこともこれが発端のようです。これらもまたすべてラジオの存在も大きいのです。村上さんは語ります。「ラジオに携わってギターを弾いていることで、それがきっかけでいろんな人と出逢えたり、こうしてPlayerさんに取材していただいたりと、まさに夢を叶えている瞬間という感じで感動しますね」。

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斎藤 誠さんの目利きにより入手した運命のFENDER CUSTOM SHOP Stratocaster。
このギターとの出逢いにより村上さんはすっかりストラトに魅了されることに!
Photo by TOMUJI OHTANI


 村上さんのギタリストヒストリーやギターコレクションとしての記事の面白さがあると同時に、ラジオの仕事をしつつもギタリストとしての夢を追い続けるという点に、Playerの読者にも大きなシンパシーを抱いていただけるような記事になったんじゃないかなとも思いました。「仕事をしていたってバンドは続けていたほうが絶対良いと思いますし。僕なんかラジオの仕事を始めてもギタリストへの夢はまったく諦めてなかったですし(笑)、“その中で弾いてやれ!”みたいな感じもあったから。“本気でやれば夢は叶えられるな”っていうのはギターを弾いてきたことで物凄く感じられる部分ですね」。そしてこだわりのカスタムショップ・ストラトはもとより、B-25やOOO-28EC、SAMIC/GREG BENNET 村上雄信モデルなどの愛器の数々のほか、一部鬼ちゃんのギターも登場しておりますのでその辺もお楽しみください。

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かかしの鬼ちゃん、きっくん、村上さんの直筆サインが入ったオリジナルTシャツをプレゼント!

 また、今回の記事掲載にあたり、かかし3人の直筆サインが入ったオリジナルTシャツをPlayer読者3名様にいただきました(提供:BLUE BEAT)。ぜひ記事の感想などを明記の上ご応募いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。


かかし20周年記念ライブ #4「背徳のツバサ feat.高橋 直純」
ときには高橋直純さんまで誘い出してビジュアル系にだってなっちゃいます。


追伸
かかしブログ http://ameblo.jp/kakashi-blog/entry-11345131189.html、そして「The Nutty Radio Show おに魂」ブログ http://ameblo.jp/onitama-nack5/entry-11345385833.html でもPlayerの記事をご紹介いただいたほか、9月3日(月)おに魂月曜日の放送内でも記事のことを話題にしてくれました。ありがとうございます。みんなかかしTシャツのプレゼント、応募してね!


Text by KAZUTAKA KITAMURA

2012年8月31日