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デビュー・アルバムを2枚作ったバンド SOFT

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N.Y.から突如現れたニューカマー、SOFT。
http://www.thebandsoft.com/
http://www.fabtone.jp/band/soft.html
2006年に1stアルバム『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』(FABTONE RECORDS)を国内でもリリースした彼らは、同年ウドフェスなどで来日公演も実現させている。いわゆるギター・ロック/インディ・ポップ世代が彼らの音楽を聴いて熱狂したのは、何よりその音楽性が驚くほど英国ロックのぽっかり空いた穴を埋めるようなスケール感とダンサンブルなグルーヴにあふれていたことに起因する。語弊を恐れずに言ってしまえば、“THE STONE ROSESが『SECOND COMING』でやり損なったこと、それを徹底していたならばこんなアルバムになったのでは?”ってこと。

MY BLOODY VALENTINEのまさかの久々のツアーが発表されたり、PALE FOUNTAINSの再結成ライヴも実現したりと、ネオアコ/ギター・ロック/シューゲイザーetc.80〜90年代の英国ロックにいろいろと感化されて育ってきた人間には、ここ最近の音楽シーンの展開は非常にワクワクする。通り過ぎてしまった青春が今また戻ってきたように錯覚するほどだ。先述のかつてのビッグ・ネームだけにとどまらず、新人バンドでも非常に有望なのが多くて、ここに紹介するSOFTはその筆頭と言える。実際、ストーン・ローゼズの再来とか、ローゼズ+マイブラみたいな言われ方もしていて、その手の宣伝文句がつくたびに「おいおい」と思ったバンドも多く見てきたわけだが、『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』に関しては「うーん、なるほど」と思った。同様の感想を抱いた人も多いだろう。

もっとも、真にローゼズ+マイブラなわけではないのだが、THE STONE ROSESの『SECOND COMING』のサウンドは革新的だし、確かに良いと思うけれど、1st『石と薔薇』に匹敵するキャッチーなメロディがもっとあればなぁという意味で、期待外れな感想を抱いた人もリアルタイム世代では確実にいるのである。その物足りなさを見事埋めたかのような、シミュレーションの結果みたいな面白さがSOFTの『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』にあったのは驚いた。人力ドラミングによるダンサンブルなグルーヴに、空間系エフェクトも多用した重厚なギター・サウンドの絡み、そして甘いメロディ・ラインとスケール感…。これぞポスト『SECOND COMING』だと僕なんかは思った。しかも、国内盤の帯には“僕らの待ち焦がれた本当のセカンド・カミング”というキャッチフレーズ。同じような感想を抱いているのは自分だけじゃないんだな、っていうのがわかっておかしかった。
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さて、『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』に続く新作を待っていたところ、FABTONE RECORDSより『GONE FADED』が届けられた。
http://www.fabtone.jp/
早くも2ndか!?と小躍りしていたら、なんと世界デビュー盤なのだという。タイトル曲の「GONE FADED」をはじめ、「TEN TIMES STRONG」「DUMB BLOOD」「DOES IT EVER GET OLD」といった新曲もプラスされているが、ほかは『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』の曲が並んでいる。ジャケットも『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』のダークなイメージから一転、これで良いのかどうかはわからないけれどとりあえず明るいイメージのものに…。まぁ、世界デビューの戦略もあるんだろうしなぁ、と最初は思っていたんだけれど、なんと聴いてみたら、『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』収録曲もまた新たに録り直したりしているというのだから驚いた。つまりこのバンド、デビュー・アルバムを録り直したのである。

『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』を愛聴してきた人間には『GONE FADED』っていうのはちょっと厄介にも思えるアルバムなのだけれど、『GONE FADED』はもっとヴォーカルが真芯に出てきていて、くっきりした音像が印象的だ。『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』はそれと比べるとインディっぽさというか、やや混沌とした音世界っていう気がする。でもそこも魅力であり、僕の好きなポイントなのだけれど。聴き比べてみても面白いんだけれど、これから聴きはじめるリスナーにとっては曲数も多いし『GONE FADED』が入り口になっていくんだろうなぁ。

再録曲と合わせて収録された新曲もとてもメロディアスで良くって、ギター・サウンドの奥行きもより広がっている印象も受ける。『HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE』リリース後にいろいろ紆余曲折はあったようだけれど、アルバム一枚で終わってしまうようなバンドではないようだ。これからがかなり楽しみ。

サムとヴィンセントという二人のギタリストを擁しているSOFTであるが、どうやらふたりともセミ・ソリッドのギターをプレイしているようでその辺も面白い。しかもふたりともハム・バッキング…。わりとテレキャスター系を使う新人バンドが目立つなか、ちょっと気になる部分である。
また来日公演が実現するといいんだけれどなぁ。