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SHOKA OKUBO BLUES PROJECT 初の母校凱旋ライブ!!



力強いボーカルとエモーショナルなギターが魅力の実力派女性ギタリスト、大久保初夏。12月6日(火)、彼女が自身のバンドSHOKA OKUBO BLUES PROJECTで、母校である昭和音楽大学で初の凱旋ライブを行う。SHOKA OKUBO BLUES PROJECTは、大久保、其原誠元(ds)、芹田珠奈(b)のトリオ・バンドで、圧倒されるパワフルな歌声、迫力あるドラムとベース。3人の音が重なり生まれる独特なグルーヴが持ち味。今回は、昭和音楽大学講師であり実力派ギタリストの末原康志がゲスト参加し、ブルース、ロック、ルーツミュージック・ファンはもちろん、多くの音楽ファンが楽しめる白熱のライブになること間違いなし!

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[日時]2016年12月6日(火)19:00開演(18:30開場)
[場所]昭和音楽大学北校舎5F第一スタジオ・リリエ
[出演]SHOKA OKUBO BLUES PROJECT 大久保初夏(vo&g)、其原誠元(ds)、芹田珠奈(B)
<ゲスト>末原康志(g)

[問]http://www.tosei-showa-music.ac.jp/event/20161206-00000282.html

ERIC CLAPTON J.J.ケイルをゲストに迎えたライブアルバム発売

Live in San Diego with Special Guest J.J.cale Review

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Photo by PAUL PARKS

2007年にサンディエゴで、J.J.ケイルをスペシャル・ゲストに迎えて行なわれた『ライヴ・イン・サンディエゴ with スペシャル・ゲスト J.J.ケイル』が発売。「アフター・ミッドナイト」に端を発して2013年に他界したJ.J.ケイルとの交流と、ドイル・ブラムホールU、デレク・トラックスとの3ギターが堪能出来るアルバムだ。

こちらがそのライブ映像。エリック、ケイル、ドイル、デレクの4人で演奏しているのは「エニウェイ・ザ・ウィンド・ブロウズ」。


こちらはJ.J.ケイル作曲、1970年の1stソロに収録されたクラプトンのソロ初シングル「アフター・ミッドナイト」。



『ライヴ・イン・サンディエゴ with スペシャル・ゲスト J.J.ケイル』は、そのタイトルが示すとおり、米国西海岸最南端の大都市でJ.J.ケイルを特別ゲストに迎えて行なわれたコンサートを、曲順などそのままの形で記録したものだ。収録はドイル・ブラムホールU、デレク・トラックスとのトリプルギター編成で話題を集めたワールドツアー終盤の2007年3月15日。このときクラプトンは61歳。細かくいえば、あと半月で62歳。ケイルは68歳だった。

『ライヴ・イン・サンディエゴ』の最大のポイントは、その2人が並んでギターを弾き、歌ったライブを堪能できるということだ。しかもそれだけではなく、エリック/ドイル/デレクのトリプルギター編成で臨んだ2006〜07年ワールドツアーの終盤、バンドがもっともいい状態にあったときのライブを収めたものでもある。

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ライヴ・イン・サン・ディエゴ with スペシャル・ゲスト・J.J.ケイル ワーナーミュージック・ジャパン  発売中 WPCR-17526〜27 2CD 2,900円(税抜)

2017年1月号(12/2発売)に記事掲載

ストロークスのギタリスト、ニック・ヴァレンシが新バンド、CRXを始動!

相変わらず作品を出せばその素晴らしさでロックファンを吹っ飛ばし、ライブをやればスタジアムを燃え上がらせるザ・ストロークス。だが、ここ数年間はバンドとしての大きな動きがなく、メンバーそれぞれのソロ活動が目立っている。そんな中、今までソロ活動を頑なに拒んでいたギタリストのニック・ヴァレンシがついに新バンド、CRXを結成。ソロプロジェクトに乗り出した。
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Photo by MAGDALENA WOSINSKA

L to R:Ralph Alexander(ds), Darian Zahedi(g), Nick Valensi(g), Jon Safley(b), Richie James Follin(key)

そのデビュー作『ニュー・スキン』が実にいい。ギターについては改めて述べるまでもないが、あまり歌がいいので「どこでボーカリストを見つけてきたんだろう」と思ってしまったほど。曲もストロークスを思わせるものもあれば、彼の少年時代のアイドル、ガンズ・アンド・ローゼズを思わせるものも、ガラリ変わって往年のパワーポップ的なものもあって実にバラエティ豊か。ソングライターとしての実力にも侮れないものがある。そしてプロデュースがクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オムときたら、悪いもののわけがない。音楽友だち──リッチー・ジェイムス・フォーリン(key)、ジョン・セイフリー(b)、ダリアン・ザヘディ(g)、ラルフ・アレキサンダー(ds)──を集めたCRXですでに全米をツアー中。ストロークスのシーンへの復帰はすぐにはなさそうなので、CRXの来日への期待がいやが上にも高まってしまう。

こちらがリードトラック「ウェイズ・トゥ・フェイク・イット」のPV。ストロークスを彷彿させるキャッチーな仕上がり。


そしてアルバムの根幹を成すロック全開の「ブロークン・ボーンズ」。聞き応え十分!


「最近のロックミュージックやギター指向の音楽の情況を見ると、あまりに何も起こっていないし、多くのものが粗悪な出来だと思う。だから、僕はこの死にかけた芸術形態を少しでも生き長らえらせたことを誇りに思っているって言ってもいいんじゃないかな(笑)。ギタリストとして、ロックバンドとしてね。だって、もうロックなんて全然存在してないみたいじゃないか。生き残っているロックファンはきっと気に入ってくれるはずだよ」

「ステージに上がって人々の前でライブ演奏するっていうのが、僕が新しいプロジェクトをスタートさせたかった主な理由だからすごくハッピーだ。ついにここに至って、みんなのためにプレイしているなんてね。僕たちはすごくいいバンドだと思うし、一緒にすごく楽しんでいる。バンに乗ってアメリカ中をツアーするなんて、まるで1999年に戻ったみたいだ。今はほんとに楽しい。とにかくずっとやりたかったことだから、最高の気分さ。日本にも行きたいね」

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シー・アール・エックス ニュー・スキン ソニーミュージック SICP-5077 1CD 11月2日 2,200円(税抜)

2017年1月号にニック・ヴァレンシのインタビュー掲載

The 25th YAMAHA JAZZ FESTIVAL REPORT

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 浜松市が推進する「音楽のまちづくり」事業として1992年にスタートしたハママツ・ジャズ・ウィークが今年25周年を迎えた。同時に、その一イベントであるヤマハジャズフェスティバルも25回目を数え、記念すべき節目にふさわしい豪華な出演陣が揃った。

 今回は3部構成で、沖仁 con 渡辺香津美、寺井尚子クインテットとゲストのウィリアムス浩子、ニューヨークのビッグバンドであるヴァンガード・ジャズ・オーケストラが出演。ここではパート1に登場したギターデュオのコンサートを中心にレポートしよう。

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沖仁

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渡辺香津美

 フラメンコとジャズという異色の組み合わせだが、両者に共通するのはジャンルを超えた柔軟な姿勢と言えるだろう。両者は2011年から共演の機会を重ねて、昨年は2枚組のライブアルバムをリリースしている。まずは牧歌的ながらも展開の多い沖のオリジナル曲からスタート。続くスーパー・ギター・トリオの「地中海の舞踏〜広い河」では、情熱的なナンバーにふさわしい、速いパッセージによる圧巻のギタープレイを展開。その息の呑むような演奏に大きな喝采が送られた。一転して叙情を湛えたイギリス民謡の「スカボロー・フェア」では、渡辺による空気感のあるトーンでのプレイが冴える。後半はクラシックの名曲「ボレロ」で始まり、沖はエレガット、渡辺は曲中にアコースティックギターからPRSに持ち替え、両者とも立奏へとスタイルを変える。続く渡辺のオリジナル曲では、エレクトリック・ギターとも対等に渡り合うガットギターの音圧や迫力に改めて圧倒された。最後のチック・コリアの「スペイン」では、息の合ったユニゾン、渡辺による王道のジャズギター・ソロ、ボディタップを交えたダイナミズムのある沖のバッキングが会場を盛り上げ、会場の拍手と共にエンディングへとなだれ込んだ。狂熱と呼ぶにふさわしい濃密なギタープレイを堪能できた1時間だった。

 続くパート2は、初のセルフプロデュース・アルバムのレコーディング・メンバーを率いての寺井尚子クインテットのステージ。
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 寺井のヴァイオリンと昨年からクインテットに参加した佐山雅弘のピアノをはじめ、実力派の金子健(b)と松岡“matzz”高廣(per)、小学生の頃にハママツ・ジャズ・ウィークへの出演経験のある荒山諒(dr)、そしてジャズ・シーン注目のシンガーであるウィリアムス浩子をゲストに迎えて、華麗かつ情熱的なステージで魅了した。

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 最後にパート3に出演したのは、今年結成50周年を迎えたビッグバンドで、ニューヨークの名門ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」で毎週月曜に出演しているヴァンガード・ジャズ・オーケストラ。サド・ジョーンズ/メル・ルイス・オーケストラより続く50年の歴史にふさわしい、総勢16名による貫禄と迫力ある演奏を繰り広げた。同オーケストラは前日に公開ビッグバンド・クリニックも行なっている。

 個性豊かなミュージシャンにより、多彩なジャズの魅力を堪能できた、25年目の節目にふさわしいフェスティバルだった。

(写真提供:ヤマハ株式会社)

11月2日(水)発売のPlayer12月号は[Alexandros]の表紙巻頭特集!

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Player12月号では11月9日(水)に通算6枚目のオリジナル・アルバム『EXIST!』をリリースする[Alexandros]の表紙巻頭特集を展開! メンバー全員に行なったソロインタビューとアルバム・レコーディングでも使用された機材を含む愛器たちを全16ページで徹底レポート。楽曲制作、レコーディング・エピソード、プレイアプローチ、サウンドメイクのこだわり、切り開かれた新境地などなど、各々の視点から語る傑作完成までの過程に迫ります。表紙はもちろん、見開きで大きく掲載する集合ショットやそれぞれのソロショットも圧巻のカッコ良さに仕上がりました! 

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読者プレゼントとして直筆サイン入りチェキを2名様に。初めてPlayerを手にする方も、じっくりと特集をご堪能の上、記事の感想を一言添えていただき、「Player」プレゼント/レターズ受付を参照の上、是非ともご応募を!

DESERT TRIP レポート掲載!

The Empire Polo Club on October 7-9 in Indio, California

世界のベテラン・アーティストが一同に会したフェスティバル、デザート・トリップをレポート! 2016年10月7、8、9日、カリフォルニア州インディオ、エンパイア・ポロ・クラブで毎夜10万人の観客を動員した、ロック史上最もエポックメイキングなフェスティバル「デザート・トリップ」が開催。ボブ・ディランとザ・ローリング・ストーンズ。ニール・ヤングとポール・マッカートニー。そしてザ・フーとロジャー・ウォーターズ。伝説の今を生きるビッグアーティストが野外大ステージで感動の一言に尽きるパフォーマンスを次々に披露、夢のようだった。8つに分かれたセクション(12ブロック)で観客は歌い、叫び、涙しながら年齢を忘れさせるロックなグルーヴに酔いしれた。ロサンゼルスから250キロの砂漠で、10代から80代に近い幅広い層の人々が手を取り合いながら堪能したデザート・トリップ・レポートを16.12月号に掲載!

■10/7 1st BOB DYLAN
初日のトップを飾ったのがボブ・ディラン。近年、来日公演も行なっているが、残念ながらギターは持たずピアノやスタンドボーカルというスタイルはこの日も同様だった。映像は『追憶のハイウェイ61』(65年)収録の「廃墟の街」で、チャーリー・セクストンも健在。


■10/7 2nd THE ROLLING STONES
続いて登場したのがザ・ローリング・ストーンズ。言わずもがな現役感たっぷりだが、この日の特別メニューとしてザ・ビートルズの「カム・トゥゲザー」を演奏。しかしてバンドアレンジはストーンズのまま、というのがらしくてイイ!


■10/8 1st NEIL YOUNG
今やマイペースで勢力的に活動しているニール・ヤング。アコースティックギターやピアノの弾き語りも魅力だが、この日は『ザ・モンサント・イヤーズ』(15年)で共演したバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルも交えて「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」を演奏。


■10/8 2nd PAUL McCARTNEY
近年のワールドツアーと同様の体勢でイベントに参加したポール・マッカートニー。中盤ではニール・ヤングが参加して「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を共演。


で、ライブの定番でもある007の主題歌「リブ・アンド・レット・ダイ」。ポールのライブは特効が凄すぎ!


■10/9 1st THE WHO
3日目の最初はザ・フー。こちらも近年コンスタントに活動しており、永遠のブリティッシュロックの魅力を放っている。70年代の代表曲のひとつ、『フーズ・ネクスト』(71年)収録の「ババ・オライリー」でアゲアゲ!


■10/9 2nd ROGER WATERS
そして最終日のトリがロジャー・ウォーターズ。ピンク・フロイド各時代の楽曲を演奏したが、やっぱりなのが『アニマルズ』(77年)収録の「ピッグス(三種類のタイプ)」。今回“ピッグ”に比喩されてしまったのはドナルド・トランプ…



2016年12月号(11/2発売)にレポート掲載

NoisyCell 2ndミニアルバム『Colors』ロング・インタビュー

 NoisyCellの2ndミニアルバム『Colors』が、10月19日にバップからリリースされた!
 今年8月、Kiara(b)とTatsuya(ds)を迎え新体制となった彼らの新作は、核となるラウドロックのエモーショナルさを持ちながら、より多くのリスナーにアピールできる、キャッチーでスケール感の大きい楽曲が並ぶ。プロデュースは、前作『Sources』と同じくPay money To my pain(以下P.T.P)のPABLO。バンドのキーマンであるRyo(g)とRyosuke(vo&g)と共に、曲作りの段階から密にアイデアを練り上げ、より一層曲の奥行きと世界観が深みを増している。ダイナミックな展開が印象に残る「Will」、ハードコアで攻撃的な要素を押し出した「Mirror」など、どの曲も非常に聴きどころが多いが、やはりハイライトはリード曲「Lilly」だろう。初の試みとなる日本詞を導入した「Lilly」は、ラウドでドラマティックな展開がありながら、Jロックの“王道”とも言える日本詞の強いメロディがあり、今後彼らの代表曲の1曲になるのは間違いない。新作についてRyoとRyosukeが語ってくれた!

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伝わりやすさ、わかりやすさ、キャッチーさを磨き込んだアルバム

 今年8月からKiaraさんとTatsuyaさんが加わり新体制となりました。彼らは、バンドにどんな要素を持ち込んでいますか?
Ryo:関係が以前よりもフラットになったというか、全員が全員に意見しやすい環境になったので。バンドを少しでも良くするためにアイデアを沢山くれるし、ライブやリハの時も一体感が増しています。ドラムのTatsuyaはストイックで体育会系なとこがあるので、一番年下なのを物ともせず食らいついてきます。俺とRyosukeは本当にシャイで内向的だったので(笑)、その辺もリードしてもらっていますね。ベースのKiaraはキャラクターがとにかく底抜けに明るいので、場の空気を和ませてくれます。そんなキャラだけど、周りへの気配りはしっかり出来る。初めてバンド体制になったことで、より一層一つの目標に向かって全員が動いている実感が湧き、モチベーションが上がっていますね。
 『Colors』は、NoisyCellらしいエモーショナルでキャッチーな要素をさらに磨き込んだ内容だなと。曲作りを開始したのはいつ頃?
Ryo:曲作りは、前作『Sources』のツアー・ファイナルが終わってから少しずつ始めました。なので、昨年の12月からです。以前から作っていたデモも少しありつつ、全体ミーティングでテーマの話し合いをして、それを踏まえて作っていった曲が大半です。
 サウンドとしては、生のバンドサウンドの力強さがより加わった印象を受けます。NoisyCellは以前から非常に音楽性が幅広いバンドでしたが、今回はカラフルでありながらグッと要素を絞り込んでいるなと。
Ryo:全体ミーティングの時にテーマを決めたんですが、その時のキーワードが”伝わりやすさ、わかりやすさ、キャッチーさ”といったようなものでした。前作『Sources』ではラウド方面に向かって突き進んだのですが、今作はそうでなく、邦ロックを聴いているような層に対しても間口を広げ、前作、前々作と掘り下げてもらいたい想いもあります。そういう意味で、スクリームを全面に出したモダンなラウド、みたいな楽曲は作らずにNoisyCellのらしさを出していこうと考え、Ryosukeの歌声を活かした楽曲になるよう、メロディが今まで以上にキャッチーになるように意識しました。楽曲の進行や各パートの重ね方もライブ感のある進行になるよう意識しました。 
 今回も前作と同じくプロデューサーにPABLOさんが参加しています。PABLOさんは曲やアレンジ、演奏、アルバムのコンセプトなどどんな役割を果たしましたか?
Ryo:今回は今まで以上にPABLOさんと一体となって作り上げたという印象があります。テーマを掲げた際、じゃあ一体どういうものを作っていけばテーマに沿っているのか?と探り探りな部分もあったのですが、そうやって迷っている時に「そのテーマを満たせるデモはこれのサビのメロ。」などと、具体的に教えて下さったし、その結果方向性を固めていく事が出来ました。前作では、レコーディングでギターを重ねる本数がすごく多く、様々なギターのフレーズを鳴らして、その音数で音の壁を作るようなイメージでアレンジをしていったのですが、PABLOさんから「ギター2本でも足りるようなアレンジをして、シンプルにしてやってみて!」というアドバイスがあり、足し算的にアレンジするのではなく引き算的にアレンジするよう心がけるようになりました。そうしていくことにより、本当に楽曲が欲しがっているフレーズが見えてくるようになったし、単純に各パートが引き立つようになったのが印象的でした。
Ryosuke:PABLOさんとのやり取りで一番印象的だったのは、日本詞を作っている時でしたね。初めての日本詞という事でメンバーはもちろん、PABLOさんもしっかり納得させるものに仕上げる事が目標でした。初めに着手したのがLilyだったんですが、最初出来上がったものを見せた時に「これじゃ泣けない。もっと俺を泣かせてよ」って言われて…それから5回くらい書き直して、ようやく「良いね!」と言って貰えました。書きながら一番意識していたのは、「詞の意味が一発で聴いた人に入ってくる事が大事なんだ」という、PABLOさんからのアドバイスでした。一聴して言葉の意味がスッと入ってくるような言葉選びだったり流れだったり。僕の中で、日本語詞にトライする上で指標となる、大切なアドバイスのひとつになっています。
 メロディ・センスや大胆な展開など、非常に曲のクオリティが高いですが、曲作りに関しては苦労しましたか?
Ryo:アレンジ面では、PABLOさんが“バンドメンバーの一人”といっても過言でないくらい一緒になって作り上げたので、PABLOさんのアイデア面やセンスに救われている部分も大きいです。曲作りは、最初はテーマの具体的な方向性を掴めず苦労しましたが、それがわかってからは楽しみながら作れました。曲構成で一番悩んだのはLilyで、ドラマティックなリード曲に作り上げるために、PABLOさんと10回くらい作り直したと思います。
 前回、歌詞はRyosukeさんRyoさん共同で書いていましたが、今回はRyosukeさんが手がけていますね。注目すべきは歌詞に日本詞が入っていること。よりRyosukeさん独自のメッセージ性が磨きこまれているなと。
Ryosuke:元々邦楽を聴いてきた人間だし、NoisyCellを始めた頃から日本語で歌いたいって気持ちはずっとありました。日本語の歌を歌っているアーティストを見て、やっぱり良いと思うんですよ。音に乗っかる言葉、その意味がライブで一回聴いただけで伝わってくる…伝える事が出来るっていう。ライブハウスで、ラジオの前で、パソコンやスマホの液晶越しで、僕らの音楽を聴いてもらえるチャンスは沢山あれど、何度も聴いて貰えるチャンスは最初の一回きり。だから、もっと彼らの心を掴みたい! 『Colors』のテーマを話し合って、分かりやすさとキャッチーさにフォーカスしようとなった時、NoisyCellが日本語を歌うなら今しかないと思いました。
 レコーディングを開始したのはいつ?
Ryo:レコーディングを開始したのは4月中旬です。時間が無い中でのレコーディングだったので、そこから短期間で一気に仕上げました。ちなみに、新メンバーはプリプロやレコーディング中に探していて、まだ出会えていなかったので、今作はサポートの方々にドラム、ベースをお願いし、新メンバーは次作から参加となっています。レコーディングは、ドラム・サポートにPABLOさんの紹介でスタジオ・ミュージシャンの城戸紘志さん、ベースサ・ポートにAtsushiさん(Ender,ex GUN DOG)を迎え、作業を進めました。拘った点は、やはり歌やギターの本数を大幅に減らしたところ。各パートがそれにより引き立ち、全ての楽器が何を演奏しているのかより聴こえるようになった。ボーカルに至っては、録り終えたコーラスをミックス段階でだいぶ減らした部分もあります。曲によっては、8割くらい減らしました。ミックス段階でも、テーマに沿って前作以上にきらびやかなサウンドを目指したので、打ち込み系の音の広がり方も以前より壮大になったと思います。
Ryosuke:今回のレコーディングでは、歌のニュアンス、ブレスの位置、強弱、ハモリなど、今まで何となく歌っていた細かい部分を事前に詰めて挑みました。特にブレスの位置は前よりも意識しました。そうすると、段々“歌も呼吸するのと一緒で吸って吐いての繰り返しなんだ”と思えてきて…吸う位置が決まると、自ずと吐く位置と吐き方が決まってくる。どれだけ吐くのかで、どれだけ吸えば良いかもわかる。そういう呼吸のリズムをドラムのリズムに合わせていくと、歌い方のリズムというか、そういうのが計算式みたいに導き出されていくんです。全曲通して呼吸のリズム感を大切に歌いました。

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自分達が持つグレーなカラーから少しだけはみ出すことができた

 タイトルのColorsにはどういう意味が?
Ryosuke:切掛けは、Ryoと2人で「俺達の曲は色めいていない」という話を、これまでずっとしていた事でした。どの曲もグレースケールの中にいて、黒の濃淡で表現できるような気がずっとしていた。理由は、その時はまだ明確ではありませんでしたが、今になって思えば、その曲達は2人だけで作った世界観だったからだと思います。別の人間の存在が介入し得なかったから…でも今の僕らは、今日までライブを重ねてきたし、気が付くと他のメンバーの顔もしっかり見られるようになった。そういう外側からのエネルギーみたいなものを取り入れるようになり、「Lily」のような曲も生まれてきて、今回はグレースケールの枠を少しだけはみ出せた気がした。楽曲としてもバンドとしても新しい一歩を、という意味も込め、このタイトルに決めました。
 「Lily」は、新たな幕開けを飾るにふさわしいスケール感の大きなナンバーだなと。従来のらしさを残しながら、“君と居たあの日と夢で踊る〜”のBメロからの開けた世界観が秀逸ですが、この曲はどのようにして誕生したのでしょうか?
Ryo:最も今作のテーマに沿って作る事を意識した曲です。制作ミーティング時、PABLOさんに「リード曲としてNoisyCellのいいとこ取りをして、一聴でNoisyCellがどんなバンドか伝わるような曲が欲しい」と言われて、その条件を満たすべく、自分の考えるNoisyCellの良いところを考えながらも、テーマに沿うようにわかりやすさや、伝わりやすさも意識して作りました。他の楽曲が出来ていく中で徐々にテーマに対するアプローチが明確になってきて、そんな中でテーマを満たすサビが生まれました。このBメロが頭の中に浮かんで来てデモを作った時は“正直やりすぎかな?”とも思いました。邦ロック的なアプローチ過ぎるかなとも思ったけど、今作を作るにあたってNoisyCellも殻を破る時でもあると考えていたし、メンバーやPABLOさんの反応が良かったので、そこからどんどん形が出来上がりました。メロディやBメロにあるようなBUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATIONみたいな邦ロック的要素、演奏や音作りにはP.T.Pやフーバスタンク、ニッケルバックなどのラウド的な要素をどっしり構え、それらをミックスすることでNoisyCellらしい楽曲に繋がったなと。
Ryosuke:この歌詞は今年の初め頃に書き始めたもの。その頃は、大切な人の死が重なった時期でした。バンドとしてもメンバーが脱退したし、僕個人としての喪失感を強く感じていた時期でした。そういう感情が、Lilyの持つ切なさみたいなものにリンクして、自然と別れを歌った曲になりました。Lily=百合は葬儀の時に手向けの花に手渡されたもので、その時期に何度も目にしていた花でした。百合ってすごく綺麗だけど、近くでよく見るとグロテスクで怖いんですよ。そういう部分が凄く人間っぽいなって思ったし、別れを直視したがらない自分とも重なりました。
 エレクトロニカなイントロからダイナミックに展開する「Will」は、Ryoさんの色彩豊かなギターとRyosukeさんのエモーショナルな歌が強く響きます。
Ryo:この曲は、もともとデビュー前にボカロ曲として発表しようと作成した曲で、シンセがリードを取るような今以上にキラキラしている曲でした。デモ聴きの際、この曲も今作のテーマに沿っていると考えて、アレンジして世にだそうという事になったので、シンセがリードを取った部分をギターに変更して、バンドサウンドをもっと押し出すアレンジに変えました。それでもシンセが特徴的なアクセントになっているので、アルバムとしても良いバランスの曲になったと思います。ボカロ曲として出そうとしていた事もあり、日本詞が乗ることを前提にメロディを作っていたので、最初こそ英語で仮歌を取ってもらったけど、最終的に日本詞の方が馴染み良く、Ryosukeも「Lily」の次に書いた日本詞だったので、「Lily」よりもスムーズに作詞出来たようです。
 ドラムのスリリングなコンビネーションから始まる「Mirror」は、ハードコアな部分がありながらも非常にキャッチーだなと。
Ryo:「Mirror」は、前作『Sources』以降で最初に出来たデモで、当時はその制作やツアーのストレスを一気に発散するために、好き放題やってやろうと作った曲でした。なので、僕のルーツであるHawaiian6やNorthern19などのメロコア要素に、スラッシュビートやAメロのコーラスワークに詰め込んだり、冒頭のイントロ導入部をハードコアバンドのいかにもモッシュがこれから起こりそうな感じの構成にしたりと、自分のやりたい放題やっています。サビのメロディもNoisyCellらしくないような明るいやつにしてやろうと、思い切ってキャッチーなフレーズを入れました。ワンコーラスのデモが完成した段階では“NoisyCellではやらないだろうな〜”と思っていたくらいの曲ですね(笑)。デモ聴きの時、PABLOさんから「次のテーマに沿うキャッチーなメロディはこの曲だよ!」という意見を頂き、そこで初めてテーマに対する方向性がはっきりしたので、ある意味今作で一番キーとなった曲だと思います。
 オルガンのバッキングが印象的な「Black Smoke」は、このバンドらしい疾走感を宿した曲だなと。
Ryo:元々は、サビのメロも掛け合いで「オイ!オイ!」という声が入っていて、ツインペダルをドコドコ踏んだ、重たいラウド目の曲だったんですが、ノリを重視してグルーヴを押し出していくようアレンジした結果、ファンキーな曲になりました。それを後押しするように、最初は一部だけにアクセントとして入っていたオルガンを全面にフィーチャーし、今作の攻め曲に仕上げています。こちらの曲はオルガン・プレイヤーで、PABLOさんの知り合いでもあり、堂珍さんのサポートもしている堀向彦輝さんを迎え、元々デモで入れていたオルガンの打ち込みを、よりダイナミックにアレンジして弾いてもらいました。曲全体のビート感は、R&Bやファンクなどを意識して作り、そこにラウドなフレーズを混ぜ込んでごちゃ混ぜした感を出しています。最後のラウドなヘドバンパートも、そういう遊び心から来ていて、身近なバンドが誰もやってない曲に作り上げられたと思います。
 NoisyCellらしいテイストを感じるのが「do {Parade;}」だなと。このインダストリアルでモノクロなオープニングから、光が射す感じはやはり“独自なもの”だと思います。この曲はどのように生まれたのでしょう?
Ryo:最後に出来た曲で、アルバムのスパイスとして作り上げた曲でもあります。テーマに沿ってアルバムを作っていった中で、NoisyCellのインスト曲や前作のバラード「Last Theater」など、重い楽曲は一旦作らず楽曲制作をしていきました。テーマに沿う曲がミニアルバムに十分到達したということで、逆にテーマを一切取っ払った重苦しい曲も作ろうという流れです。楽曲自体は、様々な古い機械のサンプリング音をレイヤーしてスチームパンクなイメージを作り、Aメロはデモではメロディがあったけど、Ryosukeのアイデアで無しにしました。その結果、サビが始まった時に初めて歌声がガツッと入り込んでくるようになりました。“荒廃した大地に乾いた風が吹いている”イメージで作ったので、前作のインスト曲「Insomnia」からの「Last Theater」の流れで感じる印象に近いと思います。それが1曲にまとまって、更に無機質になった感じです。ライブでもアクセントとして映える曲になりそうです。
Ryosuke:デモを聴いた時も、まさに荒廃した大地に乾いた風が吹いていました。色んな事を連想させられる、実は物凄いエネルギーを持っている曲です。歌詞は結果的に2行しかありませんが、その2行になるまでに、今回の楽曲の中で一番長い歌詞を書いた曲でもあります。暗い荒野を沢山の人々がひとつの方向に向かって歩いていて。最初はみんな大きな荷物を背負っているけど、歩いていく内にその重さに耐えられなくなって、少しずつ捨てていってしまう…ひとつ捨てていく度に体が機械になっていって、最後のひとつを捨てきったときに人間ではなくなってしまう…というようなストーリーをイメージして書きました。生きる為にやがて希望を捨ててしまう。希望の逆という意味で、前作「Birth」の歌詞が逆再生で入っています。タイトルの記号は、プログラミング言語で「〜し続けろ」という命令で、do{parade;}は行進し続けろという意味の造語です。
 ギターのアルペジオと優しいボーカルが絡む「Halo of the Moment」は、ラストを飾るにふさわしいナンバーですね。グルーヴもとても心地良いです。
Ryo:「Mirror」に次いで2曲めに出来た曲です。テーマの条件を満たし、かつ前回までの「Innocence」や「Last Theater」といったバラードを超えるべく制作した曲でもあります。バラードを作るにあたり、今まで作った曲と被らない事も考えていて、とにかく色々条件を自分に突きつけた状態でバラードのイメージをしていったのですが、一番に大サビの明るいメロが浮かんできた時“今NoisyCellのバラードはこういう明るい曲だ!”と確信した。そこから、更にアレンジを進め、メインの大サビを最後の最後に繰り返して終わらせるという、壮大な一曲に仕上げました。今回、初となるストリングスのアレンジも取り入れたんですが、これは今まで避けてきたことでもあったんです。バンドアレンジにあたりストリングスを入れると、バンドが変に壮大になり過ぎる気がしたし、身の丈にあっていないし違和感につながることを危惧していたんです。でも、今作までバンドとして経験を積んできた結果、ストリングスが相応しい曲に作り上げる事が出来たと思います。
Ryosuke:歌もかなり試行錯誤しました。サビまでの盛り上がりに合わせて歌を作っていき、特にドラムが入ってくるまでの部分は、歌のグルーヴ感が重要になってくる。だから、ディテールはかなり詰めてレコーディングに挑みました。最初にこの曲のデモを聴いた時、1本の映画を観終わった後のような感動があった。同時に滅亡する世界を見つめる2人の後姿が浮かんで来たんです。そういう光景を客観的に見て、語りのような歌詞にしたいと思い書き上げました。

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P.T.Pはルーツと言えるくらいに根底で多大な影響を受けている

 お2人とPABLOさんを結ぶ共通項の中にP.T.Pがあります。個人的な印象ですが、「Lilly」のドラマティックなイントロとコーラスはPTPの「Sweetest vengeance」、「Halo of the Moment」のギターとボーカルが絡むAメロと中盤の盛り上がりはPTPの「Home」を連想させます。これらの曲にそういった要素が宿っているなと。
Ryo:ドラマティックというワードは結構好きで、そういう意味でもP.T.Pは“ルーツ”と言えるくらい根底の方で多大な影響を受けています。「Lily」で言えば、イントロでいきなりドラムをドコドコ叩く思い切りの良さだったり、同じくイントロでいきなりシンガロングを入れてしまったり…そういう事を思い切ってやってもカッコよければ良いと思えるようになったのも、PABLOさんの持つ編曲センスやアイデア・センスから発想を得ているからだと思います。例としてですが「Sweetest vengeance」も、リード曲の話になった時に話にあがっていました。「美味しいとこを集めた曲はPTPでいうと『Sweetest vengeance』だよ」って。様々なビートが混在する曲という点でも「Lily」と共通点があるような気がします。”「Halo of the Moment」が「Home」を連想させるのは意識していなかったのでなるほどと思ったけど、多分自分のバラードに対するアプローチの仕方が、PABLOさん譲りだからかもしれません。ラウドとバラードのバランスは仲間のバンドは苦労している印象ですが、僕らはそういう面ではバラードに対するアプローチを色んな方向で出来ています。それもPABLOさんやP.T.Pのバラード楽曲が持つ表現の豊かさをルーツとして発想を得ているからだと思います。
 今回のレコーディングで使ったギター、アンプ、エフェクターについて教えて下さい。
Ryo:ギターはメインのバッキングやリードはPRSのSC245です。レコーディング後に購入したオレンジ色のシングルカットモデルで2004年製です。それと、PABLOさん所有の同じモデルの青を2本を使いました。オレンジ色のPRSのサウンドがミドル寄りのふくよかなサウンドなのに対し、青いPRSはエッジの立ったサウンドなので、それらを場面ごとに使い分けて録りました。クリーンやクランチは、パートによってPABLOさん所有の73年製ストラトキャスターも使いました。「Black Smoke」のカッティングギターも全編そのストラトです。 アンプは、リアンプと宅録でのアンプシミュレーターサウンドを使い分けていて、バッキングではほぼマーシャルJVM410Hのコミューン・モディファイモデルを使用しました。その他、オールドのマーシャルもクリーン、クランチサウンドで使用しましたね。リアンプはフラクタルAxe-Fx llをかけ録りして、別チャンネルに録った素の音をリアンプしました。その際、フラクタルを通った音もリードギターやソロのサウンドにマッチしていればそのまま使用しました。その他、デモ作りの段階でライン6 POD X3で作った特徴的な音など、リアンプでは作り込めないサウンドはそのままPODの音で演奏し直したりもしました。コンパクト・エフェクターはPTS808や、PABLOさんがウィードと共同開発したストーナーズFXをブースターとして使用し、WMDのガイガーカウンターという、デジタルな歪を生み出す変態エフェクターも「do{Parade;}」などで使用しました。ディレイやリバーブは、ほぼDAWのプラグインです。
 お2人が思うアルバムの聴きどころとは?
Ryo:聴きどころは全曲随所に盛り込んでいますが、特に「Mirror」は演奏者としても、聴く人にとっても常に聴きどころしかないような詰め込んだ曲になっていますね。冒頭のギターのハモり、イントロのリードギターのせわしなさもそうだし、ギターソロもライトハンド奏法でとにかく熱い演奏をしてギターも聴きどころ満載です。コーラスも掛け合いが随所にあり、Aメロのパンク的な最小限のコーラスワークもNoisyCellでは初めてのアプローチなので、全てのパートでライブで演奏した時に会場全員で盛り上がれる曲だなと。「Lily」のシンガロングや「Black Smoke」最後のヘビーなパートもライブでみんなで盛り上がれるような作りにしてあるので、アルバムのアクセントとして、またライブを想像してワクワクしながら聴いてほしいです!
Ryosuke:ボーカルとしては“歌の呼吸感”を感じてほしい。前作よりもその点で良い歌が歌えたなあと実感して胃ます。あとは「Lily」のコーラスパート。いつか、武道館でお客さん全員の声で埋め尽くすのが夢です。その日に備えて予習しておいてほしいですね。
 本作はNoisyCellにとって今後どんな位置付けのアルバムになるのでしょうか?
Ryo:テーマに沿って作った結果、NoisyCellの作品で一番キャッチーなアルバムになったなと。邦ロックの層にもアプローチできるし、でもラウドな要素は捨てきらずに、今までのファンにも満足できるミニアルバムを目指しました。それに加えて、今まで以上にライブを想定して作った事もあり、これからのライブでの主戦力となる楽曲ばかり。第2弾となる次作では、今回以上に挑戦や振り切った部分を盛り込みつつ、従来のNoisyCellの良さを活かした作品を作れればと思っています。その時には新メンバー2人のカラーも加わり、より鮮やかなNoisyCellの楽曲が生まれると確信しています。
Ryosuke:NoisyCell新章の序章となるアルバムになったと思います。今年はメンバー・チェンジもあり、バンドとして激動の一年だったけど、このアルバムでNoisyCellとしてのしっかり進化した姿を提示できなければ、待ってくれている人も納得できないだろうと思っていた…今回の『Colors』はそういうアルバムに出来たと自負しています。今回は、新メンバー2人が音源に参加していないので、その点で未だ完全ではないとも思っていて…なので序章なんです。今回は2部作ですから、次にリリースするのがColorsの“完結編”になります。新メンバーの色も加えた、最高のオチを作りたいと思っているので、『Colors』を聴きながら楽しみに待っていて下さい!

Interview by TAKAHIRO HOSOE

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ノイジーセル
カラーズ
バップ CD VPCC-81878
10月19日発売 1,667円


2nd Mini Album “Colors” Release Party One-man Live
11月5日(土) 渋谷GARRET [問]http://www.noisycell.com


LED ZEPPELIN なんとZEPリイシュー第5弾発売!

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 2014年〜2015年にリリースされたレッド・ツェッペリンのスペシャル・リイシューの第5弾となる『コンプリートBBCライヴ』が発売された。今回はデビュー直後の1969年と1971年に英国BBC放送のために録音された『BBCライヴ』(97年発売)の完全版だ。そこにはライブバンドとしてのテンション感に溢れた初期ZEPの魅力が詰まっている。こちらは『コンプリートBBCセッションズ』の販促PV。もちろんナレーションなど入っていません。


 こちらが『コンプリートBBCセッションズ』収録の「強き二人の愛」のPV。スタジオ盤とは違うテイクでモノクロ・コラージュが当時のブリティッシュロックを彷彿!


 1997年に『BBCライヴ』が初出された時のインタビューでメンバーはこう語っている。
 1969年と1971年のテープを再び聴いて感慨もひとしおだったことでしょう。具体的にどんなことを思い出しましたか?
ロバート「今となってはすべてが古臭いね。オーディエンスはおとなしい。技術スタッフは手際が良くない。ピート・ドラモンド(当時のBBCのディスクジョッキー)か誰かが出てきて「間もなく神聖な瞬間が訪れます」みたいな雰囲気で厳かな口調で静かにオレたちを紹介をするんだ。当時はたとえ小さくても、れっきとした劇場で演奏するとなるとある種の堅苦しさがあった。ああいう雰囲気にオーディエンスのほうも少しビビッていたと思う。肩にリボンを付けている案内係なんかがいたからね」
ジミー「建物のある特定の部分だけ見せられて、あとは、シーッ、お静かに!」
ロバート「消灯の時間です」
ジミー「それに音の跳ね返りのない小さなクラブで演奏するのとは違って、録音はしているし後で放送されることになっているし、浴びるスポットライトの量がはるかに多かった。観客はとてもおとなしく、一部の曲は聴いたことがなかっただろう。それでもきちんとしたショーをやっているうちに、オーディエンスとバンドの間に絆が生じて徐々にバイブレーションが出来上がっていった」
 BBCコンサートの客席にはどういう人が来ていたのですか?
ロバート「コンサートがあることは、その1週間前に告知されたんだよね?」
ジミー「そう。郵送でチケットを申し込んでいたんだ」
ロバート「「アラウンド・ザ・ホーン」(1965〜68年にBBCラジオで放送されていたお笑い番組)の時と同じ。この番組ほど面白くはなかったけどさ」

当時のTV収録に興味のある方はこちらもどうぞ。1969年のデンマークTV出演のスタジオライブ映像だが、初期ZEPサウンドの魅力は密室で生まれたデッドサウンドだったことがわかる。


 カバーストーリーではリイシュー紹介に併せて、ZEP公認の米国トリビュートバンド、レッド・ツェッパゲインで活躍するJIMMY SAKURAIの機材も掲載。謎に包まれたジミー・ペイジの機材を徹底検証し、プロレベルでのモディファイを実現、更に米国でも機材調達されている。言うまでもなくそれらはジミー・ペイジ同様の機材になるのだが、そのこだわりは明らかにファンの領域を超越。こちらは杢もそっくりでキズまであるNo.1!
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■コンプリートBBCライヴ 9月16日 ワーナーミュージック・ジャパン
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デラックス・エディション WPCR-17506〜8 3CD 3,300円(税抜)   

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デラックス・エディション WPJR-10012〜6 5LP 11,000円(税抜)

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スーパー・デラックス・エディション WPZR-30740〜8 3CD+5LP 28,000円(税抜)

2016年11月号(10/2発売)でカバーストーリー掲載

待望の新作リースしたイアン・ハンターのスペシャル・インタビュー

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 ロック界のレジェンド、イアン・ハンターの新作『フィンガーズ・クロスト』が素晴らしい。1970年代におけるブリティッシュ・ロックの伝説的なバンド、モット・ザ・フープルのリーダーとして活躍し、その後ソロとして『イアン・ハンター』や『オール・アメリカン・エイリアン・ボーイ』など、数多くの味わい深いアルバムをコンスタントにリリースしてきた。16年初頭にアメリカ・ニュージャージーのHOBOスタジオで制作された『フィンガーズ・クロスト』は味わい深いボーカルと歌詞、円熟味を増しながらもエネルギッシュな独自のロックを展開。今年77歳を迎えても、なおその音楽性を前進させ続けるイアン渾身の1枚と言える。今回、イアンが新作と自身の音楽について、縁の深いデヴィッド・ボウイや過去の名作について語ってくれた…

ボブの歌を聴いて自分にも歌えるって思ったんだ

 本作は、16年初頭にアメリカ・ニュージャージーのHOBOスタジオでレコーディングされたそうですが、なぜイギリスではなくアメリカのこのスタジオでレコーディングを行おうと?

 地元のスタジオで、素晴らしいエンジニアがいるんだ。ドラム・サウンドにはいつも苦労するんだが、彼はドラムを叩くので、クールなドラム・サウンドを録ってくれるのがありがたいね。

 デヴィッド・ボウイはモット・ザ・フープルの『オール・ザ・ヤング・ドューズ』でプロデュースを担当し、彼の『スパイダー・フロム・マーズ』時代のギタリスト、ミック・ロンソンとあなたは非常に深い関係を築いてきました。あなたにとってボウイはどんな人物でしたか? 特に印象に残っているエピソードがあれば教えて下さい。

 当時、彼はまだスーパースターではなく、若くて、私たちと同じ仲間という感じだった。親切で素晴らしい男だったよ。みんなデビューする前は工場なんかで働いていて、絶対そういう生活には戻りたくないと思っていた。反逆の精神もあったね。パンクのような意識を持っていたんだ。

 本作は、ギターやベース、マンドリンなど弦楽器の音がとても生々しいですが、レコーディングではどんなギターやアンプを使いましたか?

 えーっ?わからないよ!(笑)

 わからないんですか?

 うん、本当にわからない。たしかレスポールとES-335は使ったと思うけど、楽器には誰もこだわっていないからねえ。アンプも同じだよ。あるものを使うって感じなんだ。

 ということは、スペシャルなギターとかヴィンテージとかは使っていないということですね。

 ああ、全くスペシャルな機材は使っていないよ。マーク・ボシュはレスポールをメインに使っていたけど、それも年代物じゃない。演奏して良いサウンドだと思えばそれでいいんだ。それが誰かから借りてきたものでもコンピューターで作ったものでもね。

 今年日本では、クイーンの久々の来日で大きな盛り上がりをみせています。クイーンと言えば、クイーンはモット・ザ・フープルの前座を務めたことで知られますが、このライブはどのようにして実現したのですか? 当時クイーンのメンバーとはどんな話をしたのでしょうか?

 キッスもエアロスミスもモット・ザ・フープルの前座をやったよ。クイーンとはとても仲良くなり、今でもブライアンとロジャーとは連絡を取り合っている。彼らと会ったらよろしく伝えておいてくれ。当時前座をやるためにはメインのバンドに金をはらわなくてはならなかったんだ。ある時、クイーンというバンドが前座をやりたがっていると聞き「いくら払ってくれるんだ?」と聞いた(笑)。それがクイーンとの出会いだったよ。でも、彼らとは一緒にツアーをしていろいろな話をして、すごく仲良くなった。いつも自分の出番の前、クイーンのステージの最後の2曲、「ライアー」と「キープ・ユアセルフ・アライヴ」を聴いていたのを覚えているよ。どちらも素晴らしい曲だった。

 あなたが音楽的にリスペクトする人物に、ボブ・デイランが挙げられます。モット・ザ・フープルのオーディションでディランの「ライク・ア・ローリングストーン」を歌ったという逸話もありますが、若き日のあなたは、ディランのどんな部分に影響を受けたのでしょうか?

 ディランは歌詞が素晴らしいね。私はイギリス人だから彼の歌詞を読んでもわからないことがあるんだけど、それでも彼はすごい歌詞を書く。あとは彼の歌い方が好きなんだ。彼はポール・ロジャースやスティーヴ・ウインウッドのような特別な声を持つ、歌唱力のある、生まれながらのシンガーではないけど、あの歌い方が好きなんだ。

 あなたの歌や声もディランに似ていますよね。

 彼のように歌いたいと思っていたからね。自分の歌に自信がなかった頃、ボブの歌を聴いて、自分にも歌えるって思ったんだ。だから彼の歌い方を真似したよ。それを続けているうちに、人真似ではなく、自分のスタイルを持つことが大事だと思うようになってきた。

 あなたの深みがある歌詞はとても心を打ちます。普段曲や歌詞を書く時、どういったことにインスパイアされるのでしょう? 本や映画、日々のニュースや出来事に影響されることはありますか?

 その時によって違うよ。デヴィッド・ボウイが亡くなった時はショックで、すぐに「ダンディ」を書き始めた。本を読んだり絵を見たりして閃くこともある。ある朝急に歌詞の一部が頭に浮かぶことがあり、それはどこから来たのか自分でもわからないことがある。インスパイアされるものはそこら中にあるけど、次に何にインスパイアされて曲が出来るのかは予想がつかないんだ。口に出して言うとそれが現実にならないから、この辺でやめておくね(笑)

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 以前から非常に興味があったのですが、あなたの『オール・アメリカン・エイリアン・ボーイ』には、デヴィッド・サンボーンやジャコ・パストリアスなど、当時NY界隈の名だたるミュージシャンが参加しました。このアルバムは、ジャコのファンからも今も愛され続けている名作ですが、なぜ彼らを起用しようと思ったのですか? ジャコに対して印象に残っている出来事があれば教えて下さい。

 あのアルバムにはたくさんのミュージシャンが参加しているよね。ドラマーはエンズレー・ダンバーだし、ピアノを弾いているのは、クリス・スペディング・・・じゃなくて・・・ジョー・コッカーとやっていた・・・

 クリス・ステイントンですね。

 そうそう、クリス・ステイントンだ。デヴィッド・サンボーンも素晴らしい演奏をしてくれた。クイーンのメンバーもコーラスで参加してくれたよ。でもこのアルバムは評判が悪かったんだ。スロー・バラードの曲が多かったからモット・ザ・フープルのファンはがっかりしたようだよ。私の昔からのファンは、ロックンロール・キッズだったからね。でも、もっと年配のファンやジャーナリストは気に入ってくれたよ。デフ・レパードのジョー・エリオットが言っていたよ。「当時は子供だったから、あのアルバムを聴いてがっかりした」って。でも今は大好きだそうだ。私はただ、ああいうアルバムを作ってみたかったんだ。周りに素晴らしいミュージシャンがたくさんいるのだから、彼らに参加してもらってね。ジャコはBSTのドラマーだったボビー・コロンビーに紹介されたんだ。ジャコとは会った瞬間に気が合ってすぐに仲良くなった。まだ彼は21歳で、いろいろなことを話したよ。あのアルバムをレコーディングした頃はしばらくうちで一緒に暮らしていた。スタジオに行く車の中で片道1時間、ジャコは毎日ジョークを言うんだ。2週間毎日ね。絶対に同じジョークは言わなかった。でも日に日にそのジョークがひどくなっていくんだ。楽しかったよ。すごい野心家だったけど、それが良い演奏に繋がったね…。


Interview by TAKAHIRO HOSOE
Translated by MUTSUMI MAE
Photo by ROSS HALFIN


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イアン・ハンター 
フィンガーズ・クロスト
リスペクトレコード CD RES-287
10月19日発売 2,600円(税抜)


JUN SKY WALKER(S)最新インタビュー&ギアレポート


JUN SKY WALKER(S)「ファンファーレ」

 2012年の完全復活後、精力的な活動を展開し続けているJUN SKY WALER(S)(以下、ジュンスカ)。新録ベスト『B(S)T』に続き寺岡呼人主導で16年振りのオリジナルアルバム『LOST&FOUND』、さらに翌年『FLAGSHIP』を制作。2014年には日本武道館公演を行うなど、まさに完全復活を決定づける動向がうかがえたわけだが、ここに来てさらなる新モードへ突入。2015年には森純太主導のもと、原点回帰を感じさせるハードチューン中心の『BACK BAD BEAT(S)』をリリース。それからわずか10か月で届けられた最新作が『FANFARE』である。本作もまた森純太主導で制作されたが、共同プロデューサーや外部アレンジャーも積極的に起用。ソングライティング、サウンドメイキング、プレイアプローチなど、『LOST&FOUND』以後の新生ジュンスカの可能性、存在意義を、一層押し進めた意欲作に仕上がっている。ジュンスカならではの圧倒的なポピュラリティとアグレッシブなビートは普遍だが、特にタイトル曲の「FANFARE」などはリズムアレンジにこれまでになかった新たな試みも盛り込まれている。

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 これぞジュンスカという強力なスタンダードナンバー「マリーゴールド」、ジュンスカ史上初のスカビートナンバー「スターマン」、ライブの新たな定番になることは間違いないスウィングビートナンバー「バイバイ」、アコギとハーモニカだけでエモーショナルに歌われた「夏の花」など、キャッチーでエバーグリーンな名曲満載の『FANFARE』。Player2016年11月号ではこの名盤をフィーチャーした記事展開をしている。宮田和弥と森純太のロングインタビュー取材とともに、『FANFARE』発売前日のゲネプロ、発売日のインストアライブに密着。最新ライブ機材レポとともに『FANFARE』の魅力に迫っている。今年発売されて話題を呼んだ、和弥のシグネチャーモデル、SAKATA GUITAR OO-18C“Miyata Kazuya Signature Model”、さらに『BACK BAD BEAT(S)』でメインベースとして使用されたて呼人のGIBSON EB-3、さらにこの度真導入されたKEMPERプリファイリングアンプ、そして純太の御馴染みレスポールカスタム、小林雅之のラディック・ドラムセットなど、楽器誌では初掲載の愛器の数々を紹介。2018年のメジャーデビュー30周年に向けてさらなる進化に向かっているジュンスカがおわかりいただけるはずだ。

JUN SKY WALKER(S) TOUR 2016 〜FANFARE〜
10/15(土)名古屋 Electric LadyLand(愛知県)
10/16(日)京都 磔磔(京都府)
10/28(金)梅田 CLUB QUATTRO(大阪府)

JUN SKY WALKER(S)の野音 2016 〜FANFARE SPECIAL〜
10/30(日)日比谷野外大音楽堂(東京都)

JUN SKY OKINAWALKER(S) 2DAYS SPECIAL! 決定!
11/5(土)・11/6(日)沖縄 Output(沖縄県)



Player2016年11月号お詫びと訂正

10月1日発売Player2016年11月号 P28〜P31「EXTREME」ヌーノ・ベッテンコートの記事におきまして
インタビュアー&ライターの意に反する一人称の変更、エクスクラメーション・マークや三点リーダを加えるなど編集面における改変ミスがありました。
読者及び関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫びするとともに
この場にて訂正させていただきます。

Player編集部